刑事訴訟法第321条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学コンメンタールコンメンタール刑事訴訟法=コンメンタール刑事訴訟法/改訂

条文[編集]

(被告人以外の者の供述書面の証拠能力)

第321条
  1. 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
    1. 裁判官の面前第157条の6第1項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異った供述をしたとき。
    2. 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異った供述をしたとき。但し、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
    3. 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、且つ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。但し、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
  2. 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
  3. 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
  4. 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。

解説[編集]

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 騒擾指揮、威力業務妨害、騒擾助勢、公務執行妨害(最高裁決定昭和59年12月21日)刑法第106条, 刑事訴訟法第320条
    現場写真の証拠能力
    犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は、非供述証拠に属し、当該写真自体又は他の証拠により事件との関連性を認めうる限り証拠能力を具備する。

前条:
第320条
(伝聞法則)
刑事訴訟法
第2編 第一審

第3章 公判

第4節 証拠
次条:
第321条の2
(記録媒体の証拠能力)
このページ「刑事訴訟法第321条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。