刑法第208条

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  1. 法学刑事法刑法コンメンタール刑法
  2. 法学コンメンタールコンメンタール刑法

条文[編集]

(暴行)

第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

改正経緯[編集]

2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。

(改正前)懲役
(改正後)拘禁刑

解説[編集]

Wikipedia
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ウィキペディア暴行罪の記事があります。

参照条文[編集]

特別法

判例[編集]

  1. 傷害(最高裁判決 昭和25年11月09日)
    傷害罪において暴行と傷害の結果との間に因果関係ありと認められる特異な事例
    被告人が被害者に対して大声で「何をボヤボヤしているのだ」等と悪口を浴せ、矢庭に拳大の瓦の破片を投げつけ、なおも「殺すぞ」等と怒鳴りながら側にあつた鍬を振りあげて追いかける気勢を示したので被害者がこれに驚いて難を避けようとして夢中で逃げ出し、約二十間走り続けるうち過つて鉄棒に躓いて顛倒し、打撲傷を負うた場合には、右傷害の結果は、被告人の暴行によつて生じたものと解するのが相当である。
  2. 暴力行為等処罰に関する法律違反(最高裁判決 昭和29年08月20日)
    刑法第208条にいう暴行の意義
    刑法第208条にいわゆる暴行とは、人の身体に対し不法な攻撃を加えることをいい、加害者が、室内において相手方の身辺で大太鼓、鉦等を連打し、同人等をして頭脳の感覚が鈍り意識もうろうたる気分を与え、または、脳貧血を起させたりする程度に達せしめたる場合をも包含するものと解すべきである。
  3. 傷害致死(最高裁決定 昭和39年01月28日)
    傷害致死の原因たる暴行にあたるとされた事例。
    狭い四畳半の室内で被害者を脅かすために日本刀の抜き身を数回振り廻した行為は、同人に対する暴行というべきである。

前条:
刑法第207条
(同時傷害の特例)
刑法
第2編 罪
第27章 傷害の罪
次条:
刑法第208条の2
(凶器準備集合及び結集)
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