地学I/地球の概観
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[編集] 最初に
この項では、理科総合B 地学分野を履修しているものとして高等学校地学Iの解説を行う。
[編集] 地球の形と構造
地球はいつから球形であると考えられていたのだろうか。ギリシアのアリストテレスは、月食のときの地球の影の形から地球が球形であると考えていた。紀元前230年ごろには夏至の日にはアレキサンドリアでは鉛直に立てた棒に影ができるのに対し、南のシエネでは、井戸の底まで太陽の光が届くのをエラトステネスが知り、地球の半径を7361kmと算出した。実際の半径は、6371kmであるので、当時とすれば妥当な結果であろう。
[編集] 扁平率
ニュートンは、遠心力によって地球は赤道方向にふくらんだ形になると考えられた。これに対し、フランス学士院は極方向にふくらんでいると考えていた。そこでスカンジナビア半島とペルーに調査団を派遣し、緯度差1度に対する子午線の長さを測定した結果、極付近の方が緯度1度に対する弧が長いことが証明され、ニュートンの説が正しいことが証明された。
- 赤道半径(a)=6378km
- 極半径(b)=6357km
とすると、 扁平率 (a-b)/aは1/298となる。
[編集] 重力
- 引力 地球の重心に向かう力。
(N)で表される。 - 遠心力 地球の自転による。赤道で最大。両極で0。
- 重力 引力と遠心力の合力。両極で最大、赤道で最小となる。
[編集] 地磁気
地球は1つの大きな磁石であると考えられる。自転軸と地表面の交点からN極の指す方角は約11度ずれていて、方位磁石は真北を指さない。このずれる角度を偏角という。日本付近では磁場が下方向を向いていて水平面に対する角度を伏角という。地磁気の大きさを全磁力といい、偏角と伏角と全磁力が定まれば地磁気の様子がわかる。したがってこれら3つを地磁気の3要素という。 (注) 偏角と伏角と全磁力の組合せだけが,地磁気の三要素ではない。 偏角は他の要素で表すことができないために,必ず三要素の一つに含めるが,他は,伏角と全磁力,伏角と水平分力(水平磁力)でも構わない。
[編集] 地球内部の熱
地温は深さとともに次第に高くなっていく。この割合を地下増温率(地温こう配)という。地下30kmまでの地下増温率は、平均して100mにつき2~3℃程度である。
[編集] 地殻熱流量
地球の内部は高温で、温度の低い地表に向かって熱が伝えられる。この熱量を地殻熱流量という。この平均的な値は、6.9×10^-2W/平方メートルである。
[編集] 地球の熱源
地球の主な熱源は、岩石に含まれるウラン、トリウムなどの放射線同位体の自然崩壊に伴う熱と、地球生成時に地球内部に閉じこめられた熱である。核の生成に伴う潜熱も熱の要因である。とりわけ、大陸地殻を構成する花こう岩発熱量が多い。
[編集] 地震と地球内部構造
[編集] 地震のゆれの波
地震のゆれは波として地球内部を伝わっていく。これを地震波という。破壊が最初に生じたところを震源、震源の真上の地表の地点を震央という。
[編集] 地震波の種類
- P波 - 疎密の状態が伝わる。固体・液体・気体の全てに伝わる。S波よりも速度が速いため、観測地に先に到着。(図:1の一番上)
- S波 - ねじれが伝わる。固体中しか伝わらない。(図:1の上から2番目)
波の伝わる速さは物質の状態や種類によって変化する。物質の種類や状態が変わると地震波の速さが変わり、屈折や反射が起きる。ゆえに、地震波の伝わり方を解析することによって、地球内部の構造や状態を推定できる。 図1の下二つは表面波の伝わり方を示している。
[編集] 走時曲線
震央距離を横軸に、地震波が到着するまでの時間を縦軸にしたグラフを走時曲線という。近距離の地震では,150kmから300kmの間で走時曲線が折れ曲がるが、これは地下30kmから60kmの間にモホロビチッチ不連続面があるためで、モホロビチッチ不連続面より上を地殻といい、下をマントルという。
[編集] 地球の内部はどうなっているか
走時曲線を分析してみると、震央距離を地球中心からの角度で表した場合、103°から 先の領域にはS波が伝わらない。この領域をS波のシャドーゾーンと言う。また震央距離103°から143°にはP波が直接伝わらない。これをP波のシャドーゾーンという。深さ2900kmよりも深部は液体となっているためで、これよりも深部を核という。核は深さ5100kmまでが液体の外核,それよりも深部を内核という。内核は固体である。 マグマオーシャンから分離した鉄が地球中心部に核を形成したが,時代を経るにつれて冷え,鉄が固体となって中心部に沈み,内核を形成した。
[編集] プレートとその動き
高温のマントル物質は中央海嶺でわきだし、冷えてプレートとなり、海溝に向かって移動する。
- プレートの境界の種類
- 拡大する境界 - 中央海嶺は、プレートがつくられ拡大する場所である。大西洋中央海嶺は、新しくできたプレートが東西に向かって移動して、大西洋を広げている。アイスランドにはギャオが広がっているが、これは海嶺が地表部分に露出している珍しい例である。
- 収束する境界 - プレートが収束する境界に沿ってしばしば海溝・トラフが出来ている。そこではプレートが沈み込み、島弧である日本列島やアンデス山脈のような大山脈が出来る。このような地殻変動の活発な場所は島弧-海溝系と呼ばれている。
- すれ違う境界 - プレートがすれ違うような所では、横ずれ断層(トランスフォーム断層)が出来る。アメリカのサンアンドレアス断層が有名である。
[編集] 参考文献
- 文部省検定済教科書「高等学校地学I」松田時彦、山崎貞治:編 啓林館
- マーク式基礎問題集27 地学I 安藤雅彦:著 河合出版
- 新ひとりで学べる地学I 清水書院
- 実況中継地学Ⅰ 安藤雅彦:著 語学春秋社