有機化学 アルケン

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目次

[編集] アルケンの定義と命名法

[編集] アルケンの定義

炭素間にπ結合を1つだけ含む脂肪族炭化水素をアルケン (alkene) という。 アルケンは一般式CnH2nで表される。 定義より、炭素原子が1つのアルケンは存在しない。

[編集] 命名法

アルカンの語尾aneをeneに変える。 エテン (ethen)、プロペン (propene)、ブテン (buthene)、ペンテン (pentene)・・・

但し、エテンは正式な名称(国際名)より、慣用名エチレンの方が良く使われる。 プロペンも慣用名プロピレンが国際名と同程度使われる。

ブテン以上には、二重結合の位置による構造異性体が存在する。 この場合CH2=CHCH2CH3を「1-ブテン」、CH3CH=CHCH3を「2-ブテン」と、二重結合が主鎖のどこにあるかを出来るだけ小さい番号によって表す。ちなみにブテンにはCH2=C(CH3)2(2-メチルプロペン)も存在する。

[編集] シス・トランス異性体

二重結合を持つ2つの炭素原子とそれに結合する4つの原子は同一平面状にあり、二重結合を軸に回転できない。このため、二重結合を持つ両方の炭素原子にそれぞれ違う原子(団)が接続しているとき、2つの立体異性体が存在する。これをシス・トランス異性体という。

例えば2-ブテンはCH3H>C=C<HCH3CH3H>C=C<HCH3の2つが存在する。このとき、主鎖(炭素数最多の鎖)となる炭素骨格が二重結合の同じ側にある方をシス (cis) 型、反対側にある方をトランス (trans) 型というので、前者は「シス-2-ブテン」、後者は「トランス-2-ブテン」である。よってブテンには4種の異性体が存在する。注意すべきは、同種の原子団が同じ側にあるか反対側にあるかによってcis/transを区別するのではなく、あくまで主鎖が同じ側にあるか反対側にあるかによって区別する点である。例えば、CH3H>C=C<C2H5CH3CH3H>C=C<C2H5CH3では、前者がtrans後者がcisである。

[編集] アルケンの性質

[編集] 付加反応

二重結合のうち片方はσ結合と呼ばれる堅い結合。もう片方はπ結合と呼ばれる弱い結合で、水素やハロゲンなどが近づくとπ結合が切れ反応する。これを付加反応という。

  • CH2=CH2 + H2 → CH3-CH3
  • CH2=CH2 + Br2 → CH2Br-CH2Br
    • アルケンは1molにつき1molの臭素水を脱色する。アルカンは臭素水を脱色しないし、アルキンは1molにつき2molの臭素水を脱色するので区別できる。
  • CH2=CH2 + H2O → CH3-CH2OH
    • 一般にアルケンに水付加するとアルコールになる。
  • CH2=CH-CH3 + HCl → CH3-CHCl-CH3
    • 水素の化合物が付加するとき、H原子はC原子に直接結合するH原子の多い方に結合する。これをマルコフニコフの法則という。

[編集] 付加重合

アルケン同士が付加反応を起こすと、多数のアルケンがつながった大きな分子が出来る。この反応を付加重合という。

付加重合はビニル基を持つものが起こす。一般的に書くと

  • n CH2=CHX → (-CH2-CHX-)n

となる。

[編集] 還元性

二重結合は酸化しやすく、酸化剤を与えると二重結合が開裂し、ケトンやアルデヒド、カルボン酸などになる。

  • CH3CH2CH=CHCH3 + 4(O) → (CH3CH2CHO +CH3CHO + 2(O)) → CH3CH2COOH + CH3COOH

但し酸化が充分でないと水が入り込み2価アルコールを生じる。

  • CH2=CH2 + (O) + H2O → CH2OH-CH2OH
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