民法第500条

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法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文[編集]

第500条
第467条の規定は、前条の場合(弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合を除く。)について準用する。

改正経緯[編集]

2017年改正により、以下の条文より改正。

(法定代位)

弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。

解説[編集]

  • 「弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する」ことを「法定代位」といい、そうでない代位を「任意代位民法第499条)」という。
    正当な利益を有する者
  • 任意代位は、債権譲渡同等の対抗要件を備えなければ、債務者を含む第三者に対抗できない。

要件[編集]

  • 弁済をすることによって、保証債務が消滅するなど、正当の利益を有する者が、債務者に代って弁済を行なうこと。

効果[編集]

  • 弁済によって、原債権者の有する債権は消滅する。
  • 弁済者は、原債権者の有する債権をそのまま承継する(代位)。従って、弁済を行なった者を除く保証関係は承継されるし、債権者の承諾が不要であることから、債務者に対して明示的に催告(または、それに代る債務者の同意)が行なわれないのであれば、時効の進行は原債権者当時のものを起算点とする。

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 不当利得返還(最高裁判決 平成4年11月06日) 民法第392条民法第501条
    共同抵当権の目的不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合と後順位抵当権者の代位
    共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合において、甲不動産の代価のみを配当するときは、甲不動産の後順位抵当権者は、民法392条2項後段の規定に基づき、先順位の共同抵当権者に代位して乙不動産に対する抵当権を行使することができる。

前条:
民法第499条
(任意代位)
民法
第3編 債権

第1章 総則
第6節 債権の消滅

第1款 弁済
次条:
民法第501条
(弁済による代位の効果)
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