神戸大対策

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本項は神戸大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。

 神戸大学は大学入学共通テスト 5教科7科目に加え、2次試験に英数国(文科系)/英数理(理科系)が課され、傾斜配点においては学部学科にもよるが比重が1:1程度の入試形態を取っているため、共通テストでは7.5~8割程度の得点がないと合格は厳しい。

 特に経営学部の一部では、共通テストの得点によって合否が確定するため、共通テストで失敗することは致命傷となる。一方で経済学部(数学系)においては6割を超える配点(500/800)が数学にかけられるため逆転合格することも可能となっている。倍率は医学部医学科を除いて、どの学部も3倍前後である。

 二次試験は、難問・奇問はあまり出題されず、標準問題が大半である。そのため1科目でも致命的に出来なければ、そこで他の受験生と差が開いてしまい、合格が遠ざかってしまう。特に数学でその傾向が強い。

 ケアレスミスを何回も犯すと、大ダメージとなってしまうので、見直しをしたり、計算は筆算で行ったりして、ミスを可能な限り減らすことを心がけたい。

英語[編集]

 長文読解問題が3問、和文英訳/自由英作文が1問出題される構成が殆どで、これを試験時間80分以内に解答することになる。

 神戸大学の英語は、国公立大学の入試では珍しい時間との格闘が問題となるので、時間配分に注意を配りたい。

 長文読解に時間をかけるなら、Ⅰに20~25分、Ⅱに20~25分、Ⅲに20~25分、Ⅳに10~20分と分配し、バランスよくするなら各大問に20分±数分かけるとよいだろう。

 十分に解答するためには、単語、文法事項・構文の知識をある程度踏まえた上での速読力が必要となる。これにはCD等によりシャドーイング(音声を聞いた後、即座に復唱する)の練習も有効であろう。

長文読解問題[編集]

 本文から省かれた語句を記号で問うものや、並べ替え、内容一致、内容説明、部分和訳の問題が出題される。文法知識を直接問う問題はほとんど出題されない。

 基本的に平易なものが多いが、内容説明に関しては、問われているものが本文のどの箇所に当たるのかを把握し、それを字数に合う形で解答しなければならない。これは形を変えた部分和訳とも言える作業であり、ある程度の厳密さが必要である。総語数はここ数年で多くなってきているので、速読力はさらに必要となっているといってよい。

 部分和訳については、文構造はそれほど難しくないものの直訳すると意味が分かり辛くなる短文和訳があるので、文脈を考慮した上でのこなれた和訳をする必要がある。

 なお、07年前期では和訳の量が多くなっており、和訳に関しても若干精密さが要求されるような傾向が08年以降も継続する可能性もある。 内容説明は、基本的に文字数制限がある。

 内容一致は、5、6個の選択肢から二つ正しいものを選ぶという形式で長らく安定している。先に選択肢中の固有名詞を把握し(選択肢の内容は把握しなくて良い)、その固有名詞が文中に出てきたらマークして照合しやすいようにするとよいだろう。

 11年前期は、Ⅰ・Ⅱ番の一般的な論説文2題は10年入試に比べて、Ⅰ番が107(611→504)語減、Ⅱ番が58(618→560)語減と09年に迫る程(因みに09年入試は、Ⅰ番が457語、Ⅱ番が585語)語数が減ったうえ、Ⅰ番が『小型哺乳類と気候変動』という入試問題でよく見られる自然環境系の文章、Ⅱ番が『睡眠と文化の関わり』がテーマの脳科学系の文章とどちらも神戸大の入試問題によく見られる分野の物で、比較的受験生には取り組み易いものだったと言える。

 しかし、比較的多くの受験生が苦手とする会話を含む物語文が毎年見られるⅢ番は語数が155(602→777)語増と過去に類を見ない長さ(因みに97年入試以降最大の語数、08年入試の743語が次点)の物となり、内容も「認知症の進行している母親とその母親を心配する娘」を扱ったもので10年入試の「落とし物を届けた母娘」と比べても、多くの受験生には馴染みの薄いものだったことが災いし、更には、話の展開の読み取りも、相当難しく、かなりの受験生が骨を折った様である。

 12年入試は、Ⅰ番が「環境に対する適応性」がテーマで、神戸大では比較的よく見られる自然環境系の文章であり、受験生には取り組み易いものだったと思われる。 Ⅱ番は「宗教の起源に対する考察」という人間•文化をテーマとする比較的よく見られる分野の文章での出題ではあるが、ただでさえ、受験生には馴染みの薄い分野であるうえ、その中でも宗教史という、どちらかというとマニアックな分野からの文章に背景知識や類推が利かず困った者は多かった様だ。

 なお、Ⅰ番は問1(1) scientific legend と the extent to which節 の和訳、2つある they の区別が付いていることを示す訳し方が出来たかが、 (2)Adaptation allows us to~ の和訳に工夫が、attend とignore の並列関係の理解が鍵に、また問2は本文から実験の様子を想像し得たかがポイントである。問4は本文を理解しているかを問う問題で①は don't notice 等が、②は quickly notice や start to notice 等が入る。

 Ⅱ番の問1は Religious types の文中での意見の理解が鍵に、問3は get their just deserts の意見の理解よりも、むしろ選択肢の意見の理解と一つずつ空欄に選択肢を当てはめてみることが正解への近道に、問5は a mental conection や extra thinking time の意訳がポイントである。 Ⅲ番は、例年通り会話を含む物語文であり、難易度は、語数同様昨年に比べ、ある程度は下がったものの、やはり簡単とは言い難く、駿台予備学校や河合塾などの予備校も「やや難」との見解を見せている。

 主なポイントは、問1では、(1)が直後の She's just busy をヒントと見抜けたかが、(5)では、fit in の意味を理解しているかが、問4では、I never thought I'd be interested in の形容詞節と、 as far away from my major as節 がいずれも and で並列関係にあり、subject に係っている事が分かったかが、鍵であった。 問2、問3は神戸大の例年の傾向を踏襲した問題と言える。

 16年前期はIIIの小説が、登場人物が10人を超えるという異例の事態となり、難化した。 この傾向が続くかどうかは不明だが、この程度の問題が出題される可能性は否定できないので、『英語長文問題精講』のような、やや難しめの問題集に取り組んで慣れる必要もあるかもしれない。

 18年前期は、Iの長文問題で、大半の受験生には馴染みのない単語の類推力を問う和訳問題が出題された。広い意味での読解力を問うものだとも言えるだろう。

 20年前期はⅢの長文読解が大幅に難化した。内容が「禅画や書の歴史」という難解なものだったうえ、問題も容易ではなかった。 埋め込まれた英作文の問題は、問題文中に出てきた語句の自分の解釈を英語で書くというもので、非常に難しい問題だったと思われる。

 21年前期は、Ⅲの長文読解が、学生と教員の議論のみで構成され、地の文が存在しないという新傾向の問題となった。

 22年前期では、Ⅰの長文読解で、「正しい選択肢をすべて選べ」という新傾向の問題が出題された。また、Ⅱの長文読解で、一般論を駆使すればかなり解きやすくなる問題が出題された。

 なお、Ⅱの問1は作問ミスが発覚しているので、過去問演習を行う際は留意してほしい。

和文英訳・自由英作文[編集]

 これに関しては、以前は隔年的にどちらかが出題されていたものの08〜10年は、和文英訳のみが、11年以降は自由英作文の出題が続いており、11年入試はグラフの読み取りと自由英作という今までなかったタイプが、12年入試は07年入試以降久しく見られなかった、和文英訳と自由英作の並列という形での出題となった。

 過去には、古文を英訳させるという出題もあった。よって、受験生は和文英訳、自由英作の対策、特に自由英作文の対策が必要である。

 対策としては、100~200程度の英文を50本程度暗記し、何も見ずに再現する練習、また日本語で作文を書く時のように文章の構成を考えながら書くという訓練を進めていけば、必ず書ける良問を神戸大は毎年出題している。

11年入試では、与えられたグラフから読み取れる一般的な傾向の概略とグラフの示している個々の事象を2、3題詳しく2文で書かせ、更に携帯電話を持ち始めるに適当な年齢を理由も含め書かす問題を、どちらも60語程度(つまり、計120語±18語程度)というハードな字数量の指定を付けて出題したが、12年入試は中野孝次『風の良寛』の一節から、25語程度の和文英訳、及び出題部分の筆者の意見に対する受験生の意見を、50語程度で英語で述べさせる問題が出題され、難易度•分量ともにかなり下がったと言える。

 基本的に、自分の使える表現内で書くことが重要である(記憶があやふやなものを使って書くべきではない)。そのためには、表現方法を豊かにするため問題演習を重ねたり例文集に当たることが必要である。

 特にグラフから読み取れる事柄を、英文で説明するタイプの問題は近年、各種試験(英検、TOEFL、TEAP)で頻出であり、神戸大の先生にはこれら各種試験の作成に携わっている先生もおられることから、今後も出題が予想される分野である。

 また、英作文の採点には、英米人などのネイティブスピーカーの先生方も加わることが考えられるため、和文英訳というよりも正しく・簡潔に「通じる」英語で書くことが重要である。

 入学後の4月にTOEFLやTOEIC(学部により受ける試験が異なる)等のアメリカの試験を受けなければならないことから、高校の英語とアメリカ実務英語をうまく接続するような中間的な形態の出題も予想される。

 ところが、2020年の入試では、英作文単独の大問が消滅し、英文読解を踏まえた上での受験生自身の解釈を英語で記述させる問題が出題された。

 これは、2019年の京都大学の英語における出題を意識したものと考えられる。英文読解の問題を解く際にも、神戸大学に典型的な問題以外のものを選択する必要があるかもしれない。ただし、それ以降は従来の形式に戻っている。

総説[編集]

各設問の難易度はそこまで高くない。全体的な時間の短さを考えれば、実際には500語程度の長文を的確に解答できるようになる訓練が必要である。

 また、記号選択式問題だけでも全体の半分程度あるのでそこは確実にクリアしたい。英作文に関して言えば年度によって難易度にかなりの差があり、標準~やや難程度まで変動する。やや難しめで長めの英作文をこなして本学の英作が「短い」とおもえるように訓練すべきである。

数学[編集]

文系[編集]

 試験時間80分で3問出題される。

 標準的な問題が多いが、それでも最も差が開く科目なので、英国に不安がある受験生は満点近く、英国に自信があるが数学に自信のない受験生は本番までに3問中2問は解き切って半分程度得点することを目指そう。数学の配点が高い経済学部であれば、悪くても2問完答以上を目指したい。配点が低い文学部、法学部や国際人間科学部(文科系での受験)志望で、英国に自信があれば1問完答、1問を途中までの解答としても合格に届く可能性はある。

 しかし、やはりどの学部であっても2問は完答したい。ここ数年は難化傾向にあること、また2018年より経済学部が二次試験における数学優先の配点を採用するため、数学が神戸大文系合格のための最重要科目になりつつある。

 出題分野の傾向としては、微積分・ベクトル・数列が(文系数学一般でいえば確率も)頻出分野である。2015年-2018年においてもこの傾向は続いている。  設問の傾向としては、整数・数列・確率と微積分・ベクトルとの融合問題が頻出であること、また論証がほぼ確実に出題される。

理系[編集]

 試験時間120分で5問出題される。微積分や確率の問題が出題される可能性が高く、かつ難問である。微積分が出題されなかった年は、ここ20年程度はほぼ存在しない。  各設問とも(1)の問題は完答し、最低でも6割程度の点数は確保したい(もちろん医学部医学科志望の受験生は別である)。

 医学部医学科でないならば、大問2つを完答して残り三問で部分点を稼ぐくらいは達成したい。問題の多くがオーソドックスなだけに、計算ミスは致命傷となる。方針が立った瞬間、一気に答案を書き上げる、記述力、判断力、計算力がほしい。できるところは極力早めに解答し、確率など慎重にとき進めたい分野に時間をかけたい。複素数にからめた出題の可能性も否めないので、類題の演習も必要だろう。

 簡単に見えて、なめてかかると痛い思いをするのが、神戸大学の出題だと思われる。

国語[編集]

 100分以内に現代文(評論)、古文、漢文の3問(経営学部は80分以内で現代文と古文のみ)を解かなければならない。現代文の文章の長さ(引用文も長い)も特徴的である。100字以上の記述問題が、現代文と古文それぞれで常に課され、漢文でも50字以上の記述問題が確実に出ることから時間的余裕は無いだろう。

 現代文、古文、漢文のいずれにおいても、文脈を追い、文章中に複数以上ある解答の要素を捉え、短時間で的確に言い換えて記述するという作業に対する慣れが必要である。

また本学では、時間配分が学力レベルを越えて影響するため、しっかりとした過去問分析が必要である。特に現代文は予想以上に時間がかかる。

したがって、まず古文と漢文を40~50分で片付け確実に得点を確保し、残りの時間を現代文にかけたい。なお2019年の3月に教学社から『神戸大の国語15カ年』が刊行された。

現代文[編集]

 現代文に関しては、漢字問題以外は全て論述形式で問われる。例年、他大学を圧倒する5000字前後の長文が出題され、総記述量も400字程度と時間的に厳しい(ただし、2019年度は問題文の字数が1300字程度減った)。

 出題傾向としては、そのほとんどが「〜〜とあるが、それはどういうことか。」として説明させられる、いわゆる言い換えの問題が大半である。記述力を身に付ける方法としては、一橋大学の国語の大問3で出題されるような、一定の長さの文章を200字以内に要約する問題を解き、添削してもらうというものが挙げられるが、長期休暇等を利用して継続して行わなければ意味が無いだろう。

 そのうえ、本文の長さは、他の学校と比べても例外的なので、本番と同様の演習を行おうと思っても、材料は過去問や神戸大用模試の過去問に限られる。従って、経済学部や経営学部のような国語の配点が高くない学部の志望者は、現代文に相当な時間を割いて対策することで不得意な他の科目の分を補おうと考えるのは得策ではないだろう(ただし、いわゆる「捨てられる」科目ではないのでそれなりの得点が可能な程度は勉強すべきである)。

 しかし、法学部、文学部、国際人間科学部(理科系での受験は除く)のように国語の配点が高い学部を志望し、なおかつ記述問題が得意で、国語を得点源にしようと考える人もいるだろう。そのような人は、英語や数学の勉強がおろそかにならない程度に神戸大学のレベルを超えた問題にどんどん挑戦しよう。

 というのも、本学の問題のようなスピード重視の出題に慣れすぎると、読書の仕方までもそのようになってしまい、精読が苦手になってしまう恐れがあるからであり、また、京都大学の国語で出題されるような短くかつ含蓄のある文章の読み取りが大学入学後の勉学に資するからである。

 なお、本文中に登場する語句が難しいと思ったり、本文の背景知識が足りないと感じるならば、現代文用のキーワード集や用語集で語彙力を身に付けるべきである。

古文・漢文[編集]

 基本的な文法・語法(句形)問題も出題されているが、現代語訳や30字から100字程度の記述を要する読解問題の比重が高い。文法や重要語の知識を身に付けるのは当然だが、それらを単独で覚えるだけでなく、一定の長さを持った文章の中での文脈において理解することも大切であろう。

 すなわち、日常学習のみならずマーク・記述模試を受けた後、知らなくて答えられなかったり読解を間違えたりした箇所は解答・解説を読み込んで徹底的に洗い直し、本文を改めて理解することが重要である。覚えなければならない古文単語や句形・重要な文字の数は英単語に比べればさほど多くないのだから、内容の理解を問う問題に取り組めるよう学習に取り組まなければならない。この古文・漢文をいかに早く解き、現代文に時間を費やせるかが重要である。

 特に漢文は、他の2題に比べ確実な得点源となりうるので、(漢文が課されない経営学部の時間から考察して)大学側が考えている20分よりも速く解きたい。

解いた問題で分からなかった箇所や、誤った箇所を直ちに補わなければならないのは、古文・漢文のみならず全科目に共通する必須の学習姿勢である。

理科[編集]

 多くの学科では、4科目のうちから2科目を選択して120分で解答する。一部の学科では1科目選択である。理学部物理学科や工学部などでは、絶対に選択しなければならない科目があるので注意しよう。

物理[編集]

 3問出題される。1問は力学から、1問は電磁気からほぼ必ず出題され、もう1問は波動・熱力学のどちらかからの出題が多いが、原子からの出題も稀にある。

時間は2科目120分(学部学科によっては1科目60分の場合もある)。

 神戸大物理では、難しい問題はあまり出題されないが、答えに至るまでの導出過程を記述せねばならぬ問が多い。

 導出過程を記述する際に、必要な物理量を表す記号を明示する必要があることもある。教科書や参考書等を使って公式の導出過程をしっかりと身につけておくことは勿論、一般的な入試対策問題集で問題を解く際も導出過程を記述して解答していくことが神戸大物理攻略への一歩である。

 描図問題や、論述問題の出題もしばしば見られる。空所補充形式での出題は少ない。化学と同様に、過去問15年程度は目を通すことが望ましい。余裕があるならば、物質と原子の分野にも目を通した方が、より安全だと思われる。

 いずれにせよ、簡潔に問われている分、なかなか書き方が難しく、表現力の乏しい生徒には厳しい。傾斜的に物理が得意な生徒と、そうでない生徒とでは差はつくだろう。難易度や導出過程の記述で多少の失点が発生する恐れがあることを鑑みると、合格するためには解けなくてよい問(捨て問)はあまりないので、ある程度応用問題も解けるようにしておく必要がある。

化学[編集]

 4問出題される。大まかな傾向としては、1問は理論分野から、1問は無機分野から、1問は化学Iの有機分野から、もう1問は化学IIの有機分野からの出題。時間は2科目120分である(学部学科によっては1科目60分の場合もある)。標準的な難易度の問題が多い。

 1問およそ15分ほどしかかけることが出来ないため、素早い問題処理能力が求められる。また、有機分野の配点が高いため、こちらを重点的に勉強すると良い。有機分野を捨てることは自傷行為である。(しかし、得点率が悪いのは有機分野である)

 また、神戸大化学の特徴として、過去に神戸大で出した入試問題とほぼ同じテーマを出すことが多い。(例:99年大問3と03年大問3、00年大問3と07年大問3)。そのため、過去の入試問題を10~15年ほど丁寧に、分野別に研究することが合格への近道である。 数研出版の重要問題集での演習をおすすめする。    さらに、生命と物質の分野も必須事項であり、アミノ酸、セルロースなどの出題頻度が高いので、対策が必要と思われる。これは、この分野が、今後の医学分野での活用が非常に高いことを見越した、神戸大学の意図だと思われる。なお、核酸は新課程になって以降、一度も出題されていない。

生物[編集]

 化学と同じく、4問出題される。出題範囲は幅広く、生態系から細胞小器官まで幅広く出題されるので、ヤマを張るのはやめるべきである。時間は2科目で120分なので、生物には約60分を割り当てる計算になる(一部の学科では1科目60分)。

 この試験時間は、他の大学と比べても短めであり、神戸大学の他の科目と同様、時間との勝負を強要される。

 問題の内容は概ね定まっており、まず空所補充、次に用語の記述、その次に40〜120字程度の論述が二問程度といった内容が多い。

 論述は、頻出論述が少なくとも半分程度を占めるため、典型的な問題については、予備校の講習を受けたり、記述力を鍛える問題集に取り組んだりして確実に答えられるようにしておきたい。

 また、空所補充については、全問正解するだけで20〜25%を獲得できる(空欄ひとつにつき1点と仮定した場合)ので、最大でも二問間違い程度で済ませるべきである。

難易度は、一部の問題を除けばやや易〜標準だが、遺伝計算は標準〜やや難のものが多い。よって、基礎を固めるのが何より効果的である。大半の問題は難問ではないので、できる問題を確実に解けるようにするのが重要。医学部医学科ならば7割以上、それ以外の理系学部志望ならば6割以上を得点したい。

小論文[編集]

法学部後期[編集]

 神戸大の後期法学部小論文は、他学部ならび他大学のどの小論文とも似つかない。それゆえ対策には労苦するだろう。

 テーマ(例えば尊厳死についてなど)にそって6つ程度のパッセージを与えられ、それを賛成意見と、反対意見に振り分けてまとめるというのが神戸大法学部の小論文の伝統である。気をつけなければいけないのは、自分の意見を入れてはならないことだ。

 出題されたテーマに明るい場合、往々にして知識をひけらかそうとしたくなるものだがそこは我慢。その知識は自分の小論文を推敲する際に役立てよう。時事問題に対する知識と各意見を分類する能力と文章の抽象部を指摘しまとめる力が試されているといえよう。

対策

 赤本などには、『アエラ 法律学がよくわかる本』を参考にする旨が推奨されているが、書店に置いていない場合が多くまた分量も多いため実用的ではない。    もっともよい対策の一つは、新聞の社説であろう。社説の譲歩部分と主張部分を書き出す作業を繰り返せば、時事知識、賛成意見と反対意見の識別能力、まとめる力の3点が合理的に身につくであろう。前期試験終了までにある程度地力をつけておき、過去問にあたるのがベストである。

ちなみに、予備校の小論対策は意見小論文対策であり、本試験には馴染まないので効果的ではない。

試験

 試験時間は3時間あり十分である。下書き用紙が用意されているので、大いに利用しよう。パッセージを一つ読んだら下書き用紙にまとめるという作業を繰り返し、全部読みきってた後で流れを考えながら配置を決めよう。賛成意見と反対意見を交互に書くのではなく、賛成意見と反対意見の2段落構成でいこう。そのさい指定文字数をパッセージ数でわっておき、各パッセージをまとめる際の平均字数を決定しておこう。

 そうすることで字数オーバーや巷でよく危険ラインといわれる8割切りは防げるであろう。

国際人間科学部発達コミュニティ学科,環境共生学科(文科系受験)及び子ども教育学科後期[編集]

 神戸大の上記学科後期小論文は与えられた文章(A4用紙10枚前後)を読み、そこから要約と自分の意見を述べる3問構成の一般的な形である。

 文章は比較的読みやすいものであるが、最近では、自分の学びたい事柄と関連させて書くことが求められており、そのため志望学科によっては、関連させるのが難しい場合もある。また難化しており、2008年の小論文はJ,S,ミルの自由論が出るなど、大幅に難化した。しかしながら、センターで十分に点数が取れれば、失敗することはまずないであろう。

対策

 まずは、センター試験レベルの文章を200~300文字程度に要約することから始めよう。次に現代文の用語を覚えよう。

 特に自分の興味のある学問については、深く勉強することもよい。加えて、自分の志望学科の教授が何を研究しているのかを調べよう。小論文を書くにあたって大きな力となるだろう。

試験

 時間は150分ある。下書き用紙が配られるので、大いに活用しよう。書き方としては、主張→その具体的説明→結論という形を意識して書くようにしよう。

模試[編集]

 現在、神戸大受験生対象の模試としては、神大入試オープン(河合塾)、神戸大入試実戦模試[1](駿台予備学校)、神戸大本番レベル模試(東進)が実施されている。

 各予備校は、神戸大入試を徹底分析し、前年度の入試をもとに作成した問題を提供しており、また、神戸大志願者が多く受験するため、受験すれば本番入試に向けての大きな指針となる。よって、神戸大志願者はこれらの模試をできる限り受験しておきたい。    また、この模試とセンター試験対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験するべきである。さらに、当大学の入試問題は常に時間との勝負となるために、できれば2つ以上受験して一方は得点狙い、もう一方は時間配分・本番に向けての実験などを試みるようにしたい。

 年によっては、神戸大学キャンパス内に受験会場が設置されることがある。本学を志願する受験生にとっては、受験会場の雰囲気に慣れることや受験会場の下見も兼ねることにもなることで、良い機会となる。

脚注[編集]

  1. ^ 答案は2021年実施分よりWeb返却(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、Web公開開始日から3ヶ月間。)のみとされる(試験会場で使用した答案用紙そのものは、返却されない)。

関連リンク[編集]