ブッククリエーター (無効化)

線型代数学/基底と次元

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

線型代数学 > 基底と次元


目次

[編集] 基底

[編集] 定義

\ V K上のベクトル空間とする。

 <\bold e_1,\bold e_2,\cdots,\bold e_n> ,\bold e_i \in \ V   (1 \leq i \leq n) が次の2つをみたすとき、  <\bold e_1,\bold e_2,\cdots,\bold e_n> \ V の基底であるという。

1)\bold e_1,\bold e_2,\cdots,\bold e_n  は線型独立。

2)任意の\ V の元は \bold e_1,\bold e_2,\cdots,\bold e_n  の線型結合で表わされる。

つまり一言でいえば、任意の\ V の元は \bold e_1,\bold e_2,\cdots,\bold e_n  の線型結合によって一意的に表わされる、ということである。

[編集]

\R^3 を考えてみよう。

このとき、\bold e_1 = \begin{pmatrix} 1\\0\\0 \end{pmatrix},\bold e_2 = \begin{pmatrix} 0\\1\\0 \end{pmatrix}
,\bold e_3 = \begin{pmatrix} 0\\0\\1 \end{pmatrix}

\R^3  の基底となっている。また、

\bold e_1 = \begin{pmatrix} 2\\1\\0 \end{pmatrix},\bold e_2 = \begin{pmatrix} 1\\1\\1 \end{pmatrix}
,\bold e_3 = \begin{pmatrix} 0\\-1\\1 \end{pmatrix}

などとしても\R^3  の基底となっている。

このように、基底となるベクトルの組み合わせは無数に存在する。しかし、ベクトルの個数には変化がない。

このことは、次の項目「次元」と関係している。

[編集] 次元

次の定理は次元の概念を与えてくれる。

[編集] 定理

\ V K上のベクトル空間とする。

 <\bold e_1,\bold e_2,\cdots,\bold e_n> ,\bold e_i \in \ V   (1 \leq i \leq n) <\bold f_1,\bold f_2,\cdots,\bold f_m> ,\bold f_i \in \ V   (1 \leq i \leq m) がどちらも\ V の基底であるとする。

このとき、 \ m = n である。

(証明)まず、次の補題を示す。

補題 

 \ A \in \ M(m,n; \bold K), \ B \in \ M(n,m; \bold K) が次の2式をみたすとする。

\ AB = I_m , \ BA = I_n

このとき、\ m = n であり、 \ A,B は正則。

この定理から、基底をなすベクトルの個数は基底によらず不変であることがわかった。

そこで、次元を次のように定義する。

[編集] 定義

\ V K上の線型空間とする。

\ V の基底をなすベクトルの数 \ n \ V 次元といい、

\ dimV = n

と書く。(dimは dimensionの略)

また、有限個のベクトルで基底がつくられるとき、有限次元であるという。(そうでない場合は無限次元)

ヘルプ