解析学基礎/ベクトル

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n次元ベクトル(vector)とは、n個の複素数の組

の事である。n次元ベクトル(∀n ∈ N)を総じてベクトルという。 は、ベクトルaの要素(element)と呼ばれていて、要素がすべて実数のベクトルを特に実ベクトルと言う。対して、要素がすべて複素数のベクトルを特に複素ベクトルと言う。ベクトルには大きさも定義されていて、それは||a||で表され、

と、定義される。これをaのノルムと言う。

演習

次のベクトルのノルムを求めよ

二次元、三次元実ベクトルは、二次元空間三次元空間 内の、大きさと方向を持った量を表し、通常矢印で表される。このベクトルを特に空間ベクトルと言う。 空間ベクトルの中でも特に、点の座標を表すものを位置ベクトルという。 空間ベクトル、位置ベクトルにおけるノルムは、それぞれ長さ、距離と呼ばれ|a|と表記される。 一般にベクトルには和、差、内積、外積が定義されている。 それぞれは、成分の個数が同じ時だけ次のように定義される。

ベクトルの和[編集]

とすると、

ベクトルの差[編集]

とすると、

ベクトルの内積[編集]

とすると、

位置ベクトルにおいては、その交角をθとすると特に、

と表される。

演習

空間ベクトル(1,1,1)とπ/6,(1,1,4)とπ/4を交角とするベクトルを求めよ