解析学基礎/双曲線関数

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

[編集] 双曲線関数

双曲線関数とは、次のような形の関数のことです。

{\rm sinh}\ x = {e^x - e^{-x} \over 2},\ \  {\rm cosh}\ x = {e^x + e^{-x} \over 2}

「sinh」は「ハイパーボリックサイン(hyperbolic sine)」、「cosh」は「ハイパーボリックコサイン(hyperbolic cosine)」の略です。

[編集] 性質

双曲線関数には、次のような性質があります。いずれの性質も、exの性質に従って計算すれば簡単に証明できます。

  1. cosh2 x − sinh2 x = 1
  2. sinh(α+β) = sinh α cosh β + cosh α sinh β
  3. cosh(α+β) = cosh α cosh β + sinh α sinh β
  4. {d \over dx}\,{\rm sinh}\ x\, = {\rm cosh}\ x
  5. {d \over dx}\,{\rm cosh}\ x\, = {\rm sinh}\ x

どの性質も、三角関数にとてもよく似ています。このようにとてもよく似た性質を持つことが、三角関数と似た記号を使う理由です。

単位円の上の点の座標は、三角関数を使って(x,y) = (cost,sint)と表すことができました。1番の性質から、双曲線関数を使うと双曲線の上の点の座標を(x,y) = (cosht,sinht)と表すことができることがわかります。

[編集] 使いかた

置換積分の計算をするときに、三角関数を使うと便利なことがありました。例えば、

\int_0^1 \sqrt{1-x^2} \,dx

x = sintという置換によって

\int_0^{\pi/2} cos^2 t \,dt

という簡単な積分に帰着できました。双曲線関数でも同じようなことができます。例として

\int_0^1 \sqrt{1+x^2} \,dx

という積分を計算してみましょう。まず、x = sinhtと置換すると

\int_0^{\log ( 1 + \sqrt{2} ) } cosh^2 t \,dt

となります。ここから先の計算でも三角関数と同様な公式が使えますし、あるいは直接指数関数の積分として計算してもかまいません。計算してみましょう。答えは

\frac{\sqrt{2} + \log( 1 + \sqrt{2} ) }{2}

です。

ヘルプ