解析学基礎/積分

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

微分は、グラフで考えればある一点での曲線の傾きを表すものでした。

積分を学ぶと、次のようなことが分かります。

  • 微分すると与えられた関数になるような関数は何か?
  • 曲線とx軸の囲む領域の面積

目次

[編集] 微分と逆の操作

微分は、曲線の傾きを探すものだということは既に学びました。代表的な例として、車の位置から速度を計算することができます。

これから、この操作と逆の事をしてみます。 車の速度から、現在位置を割り出します。どうしたらいいでしょうか?

もし、車の速度が一定であれば簡単です。速度 v と時間 t の積をとれば走行距離 x が求まります。 式で書くと

x = vt

です。

もし、速度が一定ではなく、連続的に変化するとしたらどうなるでしょう?今度はそう簡単にはいきませんので、方法を変える必要があります。 時間幅を短くとって、δtとします。速度は連続的に変化するのですから、短い時間ならば、速度も殆ど変化しないと考えられます。したがって、このδtごとに、走行距離を計算して足していきます。すると

x = v(t0t + v(t0 + δtt + v(t0 + 2δtt

となります。ここで v(t) というのは、時間 t における速度です。

この時の時間と走行距離の関係をグラフに描くと、折れ線グラフになります。

そしてδt を小さくしていくと、この折れ線グラフは滑らかになっていきます。こうして速度を表す関数 v(t) から新しい関数を得る事ができます。 こういった操作を、どのように表現したらよいのか?をこれから学んでいきます。

[編集] 不定積分

つまり積分というのは次の問題を解くことになります。

g(x) が与えられた時に、次の式を満たす f(x) を求めなさい。
 g(x) =  f^\prime(x)

つまり、 g(x) が与えられた時に、微分して g(x) になるような f(x) という関数を見つけてください。ということです。

例: g(x)=6x2 の時、 微分すると 6x2になるような f(x) は、どのように見つけたらいいでしょうか?

これから学ぶ手法は、不定積分と呼ばれるものです。

[編集] 直感的な説明

ここでも、6x2 の例を見てみます。この関数の積分を見つけるには何をしたらいいでしょうか?

Dx (xn) = n xn-1

という微分の規則を思い出してください。 Dxは微分演算子で\frac{d}{dx}と同じ意味です。この式を使って近いものを考えてみると、n=3 として

Dx (x3) = 3 x2

という式を思いつくでしょう。ここから、目的のものに近付けていきます。 欲しいのは 6x2 の積分です。この式の右辺は、3 x2ですから、2倍したら目的のものになりますね。

2Dx (x3) = 2( 3 x2)
Dx (2x3) = 6 x2

したがって、2x3は、6 x2の積分であるといえそうです。 積分を表す記号では\int 6x^2 dxや、微分演算子の逆演算であることを表すようにD_x^{-1}(6x^2)と書きます。

しかし、積分をするときには一つとても大事なことを気にしないといけません。

\int 6x^2 dx = 2x^3

2x3 の微分が 6x2であることは確かなのですが、これだけではないのです。 たとえば 2x3+1 や 2x3+2 や 2x3-98999 なども同じように解になります。定数項は微分すると 0 になります。「積分」に定数を加えたものも「積分」なのです。つまり定数項はどのようにとっても構いません。

したがって全ての解を表すために

\int 6x^2 dx = 2x^3+C

と書きます。 C は任意の定数で、積分定数と呼ばれます。

[編集] 基本的な積分

多項式を微分するときは、単項式にわけて計算しました。単項式を微分すると次数が一つ減りました。積分はこの逆ですから次数が一つ増えます。そして、係数にも気を付けてください。単項式を微分すると、定数倍が出てきたりします。微分したときにうまく戻るように、係数を決めないといけません。

単項式の積分
 \int x^\alpha dx = {x^{\alpha+1} \over {\alpha+1}}+C
但しα ≠ -1

微分の時のような規則も成り立ちます。

定数倍の積分
 \int a f(x) dx = a \int f(x) dx
和と差の積分
 \int f(x) \pm g(x) dx = \int f(x) dx \pm \int g(x) dx

[編集] 演習問題1

上の計算規則を使って、次の積分を行ってください。

  1. \int x^{12} dx
  2. \int 8x^{3} dx
  3. \int 4x^{2}+11x^{3} dx
  4. \int 31x^{32}+4x^3-9x^4 dx
  5. \int 5x^{-2} dx

[編集] 演習問題1の解答

  1. \frac{1}{13} x^{13}+C
  2. 2x4 + C
  3. \frac{4}{3} x^3+\frac{11}{4} x^4 +C
  4. \frac{31}{33}x^{33}+x^4 - \frac{9}{5}x^5+ C
  5. − 5x − 1 + C

[編集] まとめ

積分というのは、関数 g が与えられたときに

 D_x f = g\

を満たす 関数 f を見つけることです。 基本的に微分の逆の操作で、多項式の場合は上に書いた規則を用いることにより確かめることができます。

 \int 3x^2 dx = x^3 + C
Dx(x3 + C) = 3x2

このように積分したものは、微分すると元に戻ります。この意味で、積分の記号を微分演算子を用いて D − 1 と書くこともあります。

\int g(x) dx = f(x)+C
Dxf(x) = g(x)

積分すると積分定数 C が付くことに注意してください。

多項式以外の他の関数の積分も多項式と同じようにできます。それをこれから見ていきます。

[編集] 三角関数の積分

この節では、三角関数の積分を扱います。

三角関数の微分の公式を思い出してください。

  • D \sin{x}= \cos{x} \,
  • D \cos{x}= -\sin{x} \,
  • D \tan{x}=\left(\frac{1}{\cos{x}}\right)^2

これと積分の式

 D f(x) = g(x), \int g(x) dx = f(x)+C

を組み合わせると、次のような三角関数の積分の公式が得られます。

\int \cos{x}\ dx= \sin{x} +C
\int \sin{x}\ dx= -\cos{x} + C
\int \left(\frac{1}{\cos{x}}\right)^2 dx=\tan{x} + C

[編集] 指数関数の積分

指数関数の微分の式

Dxex = ex

と、積分の式

Dxf = g

を見比べると

指数関数の積分

\int e^x dx = e^x + C

が得られます。

[編集] 演習問題2

次の積分を行ってください。

  1. \int \cos{x}+\sin{x} dx
  2. \int 3\sin{x} dx
  3. \int 1+(\tan{x})^2 dx
  4. \int 3x-(\sec{x})^2 dx
  5. \int -e^x dx
  6. \int 8e^x dx

[編集] 演習問題2の解答

  1. sin(x) − cos(x) + C
  2. − 3cosx + C
  3. tan(x) + C (問題はtan(x)の微分のもう一つの表現だったことに注意)
  4. \frac{3}{2}x^2-\tan{x}+C
  5. ex + C
  6. 8ex + C


[編集] 曲線の下側の面積(定積分)

[編集] 和の記号

まず、数列の和を表記するのに 1+2+3+4+...+n などと長々と書かないですませるために用いられる和の記号について説明します。これは、次のような記号です。

\sum_{k=1}^{n} f(k)

このように書いたとき、これを f(k) の値を k=1, k=2,...と順番に k=n まで足した和をあらわすものとして約束します。たとえば、

\sum_{k=1}^{4} 2k = (2 \cdot 1)+(2 \cdot 2)+(2 \cdot 3)+(2 \cdot 4) = 2+4+6+8 = 20

です。「Σ」というのはギリシャ文字で、日本語では「シグマ」と読みますので、この記号をシグマ記号とも呼びます。

[編集] 面積の定義

f(x) のグラフと、x=a , x=b、それにx軸で囲まれた領域の面積を、次の記号で表します。

\int_{a}^{b} f(x)\ dx

これを f(x)x=a から x=b までの定積分などと言います。この面積は、次で定義されます。

\int_{a}^{b} f(x)\ dx = \lim_{n \to \infty}\frac{b-a}{n} \cdot \left[\sum_{k=1}^{n} f \left( \frac{k(b-a)}{n}\right)\right]

この定義は、直感的には、この領域を覆いつくすように短冊を敷き詰めていき、短冊の面積を求めることと解釈できます。求めたい領域と短冊とでは少し形が異なりますが、短冊をより細かく切り、その数(n)を増やすことで、求めたい領域に近づいていきます。

[編集] 微分積分学の基本定理

微分積分学の基本定理とは、次のような定理です。

任意の連続関数fについて、\int_{0}^{x} f(t)\ dt=F(x)とすると、\int f(x)\ dx = F(x)+Cであり、\int_{a}^{b} f(x)\ dx=F(b)-F(a)

この定理により、不定積分を用いて定積分を計算することができます。

This is incomplete and a draft, additional information is to be added

[編集] External links

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