軍事学概論/民間防衛

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民間防衛とは民間による非軍事的な様々な防衛活動をいう。民間防衛の主要なものは戦時における消防活動や救助活動、衛生活動、避難活動であるが、場合によっては国家心理戦や抵抗活動も含める。民間防衛の重要性は戦争規模の強大化に伴って増加してきた。戦争はかつては一部の特権階級と軍隊の仕事に過ぎなかったが、近代戦においては国家総力戦であり、ありとあらゆる手段が用いられ、その被害は国の全土に渡りうる。そのために都市や民間人が戦争の被害にあった場合には市民も軍隊だけに頼るのではなく、自主的に民間防衛組織を形成して平時より訓練教育を行い、戦時においては消防や避難支援などの諸活動にあたることがより効果的であると考えられる。これは戦闘時における非常事態対処だけでなく、戦時に発生する経済的な混乱や社会的な混乱、情報的な混乱などを最小限に留めるためにも非常に重要である。さらに敵が戦争時に行うスパイ活動や政治宣伝活動に対して警戒して防ぐ場合においても民間防衛組織が存在して国民に民間防衛の意識を保持することは緊要である。

民間防衛の歴史[編集]