電磁気学 静電場

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目次

[編集] 静電場

[編集] 電荷の間に働く力

電磁気学の現象のうちで最も簡単なものは、時間的な変動の無い 電荷によるものである。実験的に 電荷q1[C]からr[m]離れたところに、電荷q2[C]を置いたとき、 その間には


f = \frac 1 {4\pi\epsilon _0} \frac{q _1q _2} {r^2} [\textrm{N}]

だけの大きさの力が働くことが知られている。 このような力は電磁気力と呼ばれる力の一種である。


この式にはいくつかの定数が現われるが、それらのうちで次元が整合的に なっていることを確認しなければならない。 ここでは、この次の議論を読みとばしてきちんと次元が合うように定数に 次元が与えられていることを期待してもよい。

この式のうちで

π

は、


\pi = 3.1415\cdots

を満たす定数であり、この数は次元を持たない。

次に

ε0

は、


\epsilon  _0 = 8.85\times 10^{-12} [\textrm F/ \textrm m]

で与えられる量で次元を持っている。 ここで、Fはファラッドと呼ばれ、コンデンサの容量を 表わす単位である。

コンデンサは、

Q = CV

を満たすことから、その単位は

[F] = [C] / [V]

を満たすが、更に電位Vは、

[V] = [J] / [C]

を満たすことから、結局

[F]

[F] = [C]2 / [J]

を満たすことが分かる。よって真空の誘電率の次元は


[\epsilon _0] = [\textrm F] = 
[\textrm C]^2 /[\textrm J \cdot \textrm m]

となることが分かる。 この式を電気的な力を表わす式に代入すると、 左辺については、

lhs = [N]

となり、右辺については


\textrm {rhs}
=([\textrm C]^2 /[\textrm J \cdot \textrm m]) ^{-1} ([\textrm C]^2 / [\textrm m]^2)
= [J] / [m] = [N]

が得られ、確かに両辺の次元が一致することがわかる。 よって、次元が整合的になっていることが確かめられた。

この式では、電荷の間に、電荷の間の距離をrとすると


\frac 1 {r^2}

に比例する電磁気力が働くことが示されている。 このような力を逆2乗力と呼ぶことがある。

[編集] 電界

このように静的な電荷に互いに働き合う力は、 逆2乗則によって完全に記述される。しかし、電荷の数が増えて来たときに、 このような記述法は計算が大変になることがある。 そのため、これとは異なった電荷の間の力を導入するのが便利になる。

ここで、そのような記述法を与える。 ある点に電荷qが合ったとする。このとき、その点の回りには


\vec E = \frac 1 {4\pi \epsilon _0} \frac q {r^2} \vec e _r

の場が生じていると見ることが出来る。 ただし、ここでは

r

は、その電荷からの距離を表わしており、


\vec e _r

は、その電荷を原点としたとき、有る点Aに対して ベクトル


\vec {OA}

をとり、その方向の単位ベクトルをとるようにして得られるベクトルである。 つまり、電荷を中心として放射状に広がるベクトルの集合である。

  • 電界ベクトルの図

ここでいう場とは、2つの電荷が与えられたとき、 その間に何も媒介するものがなく力が働くということが直観に反していることから 導入された量である。つまり、何もないところを通じて力が生じているのでは なく、ある2つの電荷の間に何ものかが現われて、電磁気力を媒介している ということを予想して導入された量が場の考え方である。

現代的には、実際にそのような場が存在していることが知られている。 このような場を歴史的事情により光子場と呼ぶことがある。 つまり、ある2つの電荷が存在したとき、その間に光子と呼ばれる 粒子が受け渡され、それによってこのような相互作用が生まれていると 見ることができる。

いずれにせよ、ある点電荷の回りに何らかの場が放射状にとびでており、 それにあたった電荷が力を受けるという描像は非常に直観的であり、 このような量はよく用いられる。

[編集] 電位

上で導入した電界という量は直観的な量だが、実際の計算においては もう少し簡単な量を導入することが出来る。

古典力学に置いては、ある保存力に対してその保存力に対する 位置エネルギー


U(\vec r)

を、


U (\vec r ) = -\int ^{\vec r} _{\vec r _0} \vec f \cdot d\vec r

によって定めることが出来た。ここで、


\vec f

が上で述べた保存力を表わすベクトルである。

この量の類似に頼って、電磁気の逆2乗力に対しても位置エネルギーを 導入することが出来る。ただし、この量は力よりも電界に沿って 定義されるため、電位と呼ばれる。電位は通常Vで書かれ、


V(\vec r) = -\int ^{\vec r}
 _{\vec r _0} \vec E \cdot d\vec r

で定義される。

古典力学の場合と同様に、この式での


\vec r _0

は、任意に選ぶことが出来るパラメーターであり、計算し易いように 取ることが出来る。

この量は、ある電荷eを持った物体に対して、電界が


\vec f = e \vec E

を満たすことを考慮すると、

U = eV

を満たすことが分かる。このことから、電位とは単位電荷をもった物体に取っての 電界の位置エネルギーと考えることが出来る。

特に、ある点電荷qの回りの電界に対する電位を考えてみる。 このとき、慣習的に


\vec r _0 = \vec r| _{|\vec r|=\infty}

ととると、この場合の電位は、


V(\vec r) = 
 -\int ^{\vec r}  _{\vec r _0} \vec E \cdot d\vec r

= -\frac 1 {4\pi\epsilon _0} q [- \frac 1 r ]^r  _\infty

= \frac 1 {4\pi\epsilon _0} q  \frac 1 r

となり、


\frac 1 r

に比例した電位が得られる。

電位を計算した後、その量の勾配を取ることで電界が計算されることが、 古典力学の類似からわかる。 簡単のため


\frac q {4\pi\epsilon _0}

を省くと、この例では、


- \textrm{grad} V(\vec r)= -\textrm{grad} \frac 1 r

= \frac 1 {r^2}  \textrm{grad} r

= \frac 1 {r^2}  \frac {\vec r  } {|\vec r| }

= \frac 1 {r^2}  \vec e _r

となり、確かに元の表式が取り戻された。

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