高校受験数学

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

高等学校入学試験数学では、おおむね次の4つが出題される。

  1. 計算
  2. 文章題
  3. 関数
  4. 図形

ここでは、この4つについて、過去問も交えて受験対策をしていくことにする。

大問1 小問集合[編集]

公立高校の場合、最初は様々な分野から出題される小問集合となっていることが多い。ここの出来不出来は合格を左右する。例えば、東京都立高校の共通問題の場合、100点満点中46点ほどがここに含まれる。上位校なら全問正解が前提となるので、素早く正確に解いていきたい。中堅ならば素早くなくてもよいが、正確である必要はある。ここで1点でも多く稼げれば、後のミスをリカバリーできる。

計算[編集]

普通の公立高校では、計算はごくごく単純で、小学校の計算問題(特に分数や小数の四則演算)、正負の数の四則演算、一次方程式、平方根の混じった式が出やすい。問題数はおおむね、3~5問。そのため、これはウォーミングアップ程度に考え、1~2問解くことによって緊張をほぐすようにするとよいだろう。また、その場合は後の難問に備えてなるべく速く解くべきである。そして、ここは全問正解を目指すべきである。

しかし、程度の高い私立高校では、普通にやってはとても解けないような問題がある。これは「置き換え」をマスターしているかどうか問う問題である。よって、何度も出ている数や式をA,Bなどに置き換えるとほぼ確実に解ける。ともかく、ここは点数稼ぎになる。見直しの時間を難問に充てるためにも、素早く正確な計算力を磨いてほしい。

ただし因数分解と二次方程式では、高度な応用力が必要となる場合がある。小問の誘導を見極めること、どんな式が作れるか見極めること、そして最終手段としての数を絞って代入して行くという方法を忘れないことが肝心である。 とは言っても、実際はこれはほぼ考え尽くされてしまっており、そのパターンが十分理解されておれば楽に解ける問題が多い。

  1. を計算せよ。
  2. (x2 + x + 1 )(x2 - x + 1)(x4 - x2 + 1)(x8 - x4 + 1)を展開せよ。
  3. を因数分解せよ。
  4. のとき、bの値を求めよ。ただし、b > 0 とする。
  5. 負でない数k に対して、k の整数部分を[k ]、k の小数部分を <k >と表すことにするとき
    1. のとき、となる数a を求めよ。
    2. x の方程式を解け。
    3. を満たすt を全て求めよ。

統計[編集]

近年、統計分野が重視されていることから、資料の整理に関する問題が1・2問出ることが多い。平均値の求め方はもちろん、その他の用語の意味と求め方をしっかり復習しよう。ここは「わかっていれば簡単だが、わかっていなければ全然取れない」ところである。特に、中央値・最頻値・相対度数などの用語に気をつけたい。

作図[編集]

作図は図形分野だが、図形の大問よりも小問集合で出ることが多い。公立高校入試ではほぼ必須である。

大問2 文章題[編集]

基本的な文章題[編集]

問題集や教科書にあるようなレベルのものからかなり高度な問題まであり、都道府県や学校ごとの差が大きいのが入試の文章題の出題傾向の特徴である。また、都立高校入試(共通問題)のように数式を証明させる問題もある。

1. 徒歩でA地点からB地点まで行くのに、時速4kmで歩くと、予定より15分遅れ、時速5kmで歩くと予定より15分早く着く。このとき、次の問いに答えよ。

 (1) 道のりを x km として、方程式をつくれ。
 (2) A地点からB地点までの道のりを求めよ。

数式の証明[編集]

大問3 関数[編集]

大問4 図形[編集]

平面図形[編集]

公立高校受検ならば、平面図形の問題では作図と証明が必ず出題される。ただ、作図は小問集合(概ね大問1か2)、証明は平面図形の大問で出題される。

発展的事項について[編集]

独自問題を出す公立高校入試や難関私立では、現在では高校数学Aの図形で習う内容を知っていると大変有利になることがある。この内容は、昔(1993年以前)は中学校内容だったせいか、発展内容として難易度の高いテキストには掲載されていることが多い。そちらで練習するといいだろう。

  • 接弦定理(頻出)
  • 方べきの定理
  • 三角形の重心・内心・外心

空間図形[編集]