高等学校化学I/芳香族化合物/アニリンとアゾ化合物

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芳香族化合物 ベンゼン 芳香族炭化水素 フェノール類 芳香族カルボン酸 アニリンとアゾ化合物
アニリン

アニリンはベンゼンの水素原子1つをアミノ基で置換した物質である。無色の水に溶けにくい液体で、水と混ぜると分離して下に沈む。アミノ基は弱塩基性を示すため、塩酸と反応するとアニリン塩酸塩を生じて水に溶ける。

アニリン + HCl → アニリンイオン + Cl-

アニリン溶液はさらし粉水溶液を加えると赤紫色になる。この呈色反応はアニリンの検出反応として重要である。

また、アニリンを硫酸酸性二クロム酸カリウム水溶液で酸化すると黒色物質を生じる。これはアニリンブラックと呼ばれ、黒色染料として用いられる。

製法[編集]

アニリンはニトロベンゼンから合成される。ニトロベンゼンにスズと塩酸を加えて加熱すると、アニリン塩酸塩を生じる。この水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を十分に加えて弱塩基のアニリンを遊離させる。アニリンは水に溶けず分離するため、ジエチルエーテルを加えてアニリンをエーテルに溶かし抽出する。エーテル層と水層の2層に分離するため、エーテル層のみを取り出してエーテルを蒸発させると、アニリンが得られる。

アニリンの合成

アセトアニリド[編集]

アセトアニリド

アニリンのアミノ基を無水酢酸でアセチル化すると、アセトアニリドを生じる。アセトアニリドは白色の固体であり、解熱鎮痛剤の原料となる。

この反応では、アミノ基とカルボキシル基との間で分子間脱水した結合-NH-CO-を生じている。この結合はアミド結合と呼ばれ、タンパク質やアミノ酸を構成する結合として重要である。

アゾ化合物[編集]

塩化ベンゼンジアゾニウム

アニリンに希塩酸を加えてアニリン塩酸塩とし、これを氷水につけて冷却しながら亜硝酸ナトリウム水溶液をすこしずつ反応させると、塩化ベンゼンジアゾニウムを生じる。-N+≡Nを含む化合物ジアゾニウム化合物と呼び、このようにジアゾニウム塩を生じる反応をジアゾ化と呼ぶ。

塩化ベンゼンジアゾニウムの生成

塩化ベンゼンジアゾニウムは非常に不安定な物質であり、常温ではフェノールと窒素に分解してしまう。そのため、低温に冷却して反応を進行させる必要がある。

p-フェニルアゾフェノール

分子中にアゾ基-N=N-を持つ物質をアゾ化合物と呼ぶ。アゾ化合物は様々な色をもち、染料として用いられるものもある。塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液にナトリウムフェノキシド水溶液を加えると、p-ヒドロキシアゾベンゼン(p-フェニルアゾフェノール)を生じて橙赤色を呈する。このようにジアゾニウム塩と他の芳香族化合物からアゾ化合物を生成する反応をジアゾカップリングと呼ぶ。

ジアゾカップリング

アゾ化合物にはこの他メチルオレンジやメチルレッドなど、pH指示薬として用いられているものも存在する。

メチルレッド