高等学校化学I/金属元素の単体と化合物/アルカリ金属/化合物
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| 金属元素 | アルカリ金属元素 | 2族元素 | 典型金属 | 遷移金属 |
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| 単体 | 化合物 |
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[編集] 化合物
アルカリ金属は様々な化合物を作る。この章ではアルカリ金属の中でも、特にナトリウムの化合物について学ぶ。
[編集] 塩化物
水酸化ナトリウムに塩酸を加えると、中和反応を起こし塩化ナトリウム(NaCl)を生じる。
- NaOH + HCl → NaCl + H2O
塩化ナトリウムは天然では岩塩に豊富に含まれており、食塩の主成分としても有名である。工業的には海水を濃縮することにより得られる。
塩化ナトリウムを融解塩電解すると単体のナトリウムが得られる。
- 2NaCl → 2Na↓ + Cl2↑
塩化ナトリウム水溶液を電気分解すると、陽極から塩素が発生し、陰極から水素が発生する。このとき陰極側では水の電気分解反応が起こっており、水酸化物イオンが生じている。
- 2H2O → H2 + 2OH-
溶液中にはナトリウムイオンが残るため、陰極付近では水酸化ナトリウムの水溶液が得られる。この原理は工業的な水酸化ナトリウムおよび塩素・水素の製造法として応用されており、陽イオン交換膜を用いることからイオン交換膜法と呼ばれる。
[編集] 水酸化物
アルカリ金属の単体が水と反応すると水酸化物となる。たとえばリチウムは水酸化リチウム(LiOH)に、ナトリウムは水酸化ナトリウム(NaOH)に、カリウムは水酸化カリウム(KOH)になる。工業的には陽イオン交換膜法により製造される。常温では白色の固体であり、水によく溶けて、いずれの水溶液も強塩基性を示す。このため皮膚を冒す性質があり、取り扱いに注意する。
水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの固体は吸湿性があり、空気中に放置すると水蒸気を吸収してその水に溶けてしまう。この現象を潮解という。水溶液も吸湿性があるため、長時間放置すると溶液の濃度が変化する。したがって精密さを要する実験では、直前に水溶液を調整するようにするとともに、中和滴定などにより正確な濃度を測る必要がある。
また水酸化ナトリウムは水分を吸収するだけでなく、空気中の二酸化炭素も吸収して炭酸塩を生じる。
- 2NaOH + CO2 → Na2CO3 + H2O
この性質から、二酸化炭素の吸収剤として用いられることがある。
[編集] 炭酸塩・炭酸水素塩
炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と炭酸ナトリウム(Na2CO3)は共に白色の粉末である。工業的にはアンモニアソーダ法(ソルベー法とも呼ばれる)により製造される。アンモニアソーダ法は炭酸ナトリウムの工業的製法であるが、塩化カルシウムも同時に生産される。また、製造の過程で炭酸水素ナトリウムが得られる。
- アンモニアソーダ法(ソルベー法)
- 炭酸カルシウムを加熱して酸化カルシウムと二酸化炭素を得る。
- CaCO3 → CaO + CO2
- 塩化ナトリウムの飽和水溶液と、アンモニアおよび1.で得た二酸化炭素を反応させ、塩化アンモニウムと炭酸水素ナトリウムを得る。
- NaCl + NH3 + CO2 + H2O → NH4Cl + NaHCO3
- 炭酸水素ナトリウムを加熱すると炭酸ナトリウムが得られる。ここで発生する二酸化炭素は回収して2.の反応で再利用する。
- 2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
- 1.で得た酸化カルシウムに水をくわえ、水酸化カルシウムとする。
- CaO + H2O → Ca(OH)2
- 4.で得た水酸化カルシウムを2.で得た塩化アンモニウムと反応させ、塩化カルシウムとアンモニアを得る。このアンモニアは回収して2.の反応で再利用する。
- 2NH4Cl + Ca(OH)2 → CaCl2 + 2NH3 + 2H2O
炭酸水素ナトリウムは、熱分解して炭酸ナトリウムとなる。ベーキングパウダーに用いられ、加熱により二酸化炭素を発生して生地を膨らませることができる。
- 2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
炭酸ナトリウムは弱酸と強塩基の塩であり、水に溶けると加水分解して塩基性を示す。
- Na2CO3 → 2Na+ + CO32-
- CO32- + H2O ⇄ HCO3- + OH-
一方で炭酸水素ナトリウムは、水にわずかにとけ、弱塩基性を示す。
炭酸ナトリウム水溶液を冷却すると十水和物の結晶が得られるが、空気中に放置すると水和水を失って一水和物となる。この現象は風解と呼ばれる。
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムは、共に強酸と反応して二酸化炭素を生じる。
- Na2CO3 + 2H2SO4 → Na2SO4 + H2O + CO2↑