高等学校政治経済

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高等学校政治経済は、高等学校、中等教育学校の後期課程、盲学校・聾学校・養護学校の高等部における普通教科である「公民」の一科目である「政治・経済」の内容に関する解説である。

目次

[編集] 政治経済入門

[編集] 政治経済を学ぶ意義

高等学校学習指導要領の政治経済の目標には、

広い視野に立って,民主主義の本質に関する理解を深めさせ,現代における政治,経済,国際関係などについて客観的に理解させるとともに,それらに関する諸課題について主体的に考察させ,公正な判断力を養い,良識ある公民として必要な能力と態度を育てる。

とあり、この科目によって、民主主義の担い手としての人材としての見識が身につけられることが期待されている。現代の社会において、政治と経済は大きな要素であり、このどちらかがうまく作用しないと途端に社会に緊張や不利益が生じる。このため、これらの仕組みを理解し、それが円滑に作用するように社会に参加することは、私たちにとって必要であり重要である。

政治と経済の仕組みを理解し、現代社会の諸問題を解決していくことの必要性を理解し、積極的に社会に参加し改善する手段を見つけようとすることが、政治経済を学ぶ意義である。

[編集] 政治経済とは

この科目「政治・経済」では、主に政治についてと経済について学ぶ。政治とは、人々の意見や考え方を調整して、全員にかかわることを決定・実行・評価することであり、経済は日常生活や仕事に必要な物品やサービスを円滑に交換して適切に分配することである。高等学校では、政治については、国家と地方公共団体(都道府県市区町村など)の仕組みについて、経済については、国や社会全体という大きな視点で考えたものについて学ぶ。

また、政治や経済を単独に学ぶだけでは、現代社会の諸課題を解決することが難しいこともあるので、これらを相互に結びつけて考えたり、そのほかの分野の知識や考え方も活用しながら考えていくことも時には必要となる。問題解決の方法には様々なものがあるが、その1つとして社会の構造やシステムを観察し、それを改善することで社会を改善していく方法もある。政治や経済は、社会の構造やシステムの重要な要素であるので、これを元に具体的な問題の解決を考えることもできる。

[編集] 前提学習

小学校と中学校のすべての学習を終えていることを前提とする。なお、小学校社会科、中学校社会科とは密接に関わりがある。高等学校現代社会高等学校倫理とともに中学校社会公民的分野の続編となる。

[編集] 学習方法

政治経済は、日常生活と深い関わりがあるので、常に関心を持つことで学習を深めることができる。また、新聞をはじめとする資料の活用も客観的な思考を高める上で重要である。資料には新聞のほかにも、各種の統計、年鑑、白書、読み物などがある。また、観察、見学及び調査・研究を行い、資料にまとめたり相互に発表することも自分の考えをまとめ、他者の意見に耳を傾けることにつながるのでぜひ行いたい。なお、インターネットなどのWebには、政府の活動の概況やデータが掲載されているので積極的に活用したい。

[編集] 現代の政治

現代の日本の政治及び国際政治の動向について関心を高め、基本的人権と議会制民主主義を尊重し擁護することの意義を理解するとともに、民主政治の本質について探究し、政治についての基本的な見方や考え方を身に付ける。

[編集] 民主政治の基本原理と日本国憲法

[編集] 日本国憲法の基本的性格

日本国憲法は、現在の日本の最高法規である。日本国の法律や命令(政令、府令・省令、規則などがある)は、すべて日本国憲法の下位にあり、日本国憲法に反することはできないとされている。

1945年の第2次世界大戦の敗戦を期に、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下で制定された。「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」を3大原則とする。

[編集] 政治機構の概観

政治機構には、主に立法機関、行政機関、司法機関で構成されている。日本では、立法機関として国会が、行政機関として内閣などが、司法機関として裁判所がある。

国会

国会は、法律を制定する機関である。ほかにも内閣総理大臣の指名などを行う。

内閣

内閣は、法律を執行するための機関である。

裁判所

裁判所は、裁判を行う機関である。

その他の機構

このほかにも会計検査院などがある。

[編集] 人権保障と法の支配

人権保障

大きくは、平等権(平等則)、自由権、社会権、基本的人権を守るための権利などがあり、日本国憲法などによって定められている。

法の支配

法の支配とは、皆の合意によって定めた「法」を根拠として公共の機構が運営されるという原則である。

[編集] 権利と義務の関係

権利

権利は三権分立といい、立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(裁判所)がそれぞれ持っており、それぞれがそれぞれに対して何らかの役割を持つ。また中心に国民が入り世論や投票などといった形でそれぞれに参加する権利を持っている。

義務

日本国民には、納税の義務、勤労の義務、子女に教育を受けさせる義務が定められている。また、この場合の日本国民とは20歳以上の男女を指す。

[編集] 政党政治や選挙など

政党とは同じ考えを持った政治家が集まり結成した団体のことで、事実上、衆議院総選挙において過半数をとった政党が日本の第1党となる。 政党政治とは政党ごとに与党・野党と分かれ、与党が政権を組織し、野党がそれを監視・批判するといった政治の仕組みのことでる。 また政党内閣を本格的にはじめたのは元総理大臣の原敬であり、自らの立憲政友会を陸軍大臣・外務大臣以外に登用したことが始まりである。 現在は連立政権と言って第1党と提携をしている政党をともに与党と呼びその与党すべての党で内閣を組織するということが増えてきている。

[編集] 主権者としての参政の在り方

年々、投票率の低下が増え社会問題になりつつある。自らが日本国民なのだという自覚を持ち、その権利をきちんと果たすことが大事である。また、主権者として自分の意見を政治に反映させるためにも参政権を大事にしていかねばならない。

なお、いわゆるシビリアン・コントロール(文民統制)は、主権者たる国民の参政の一態様と考えることができる。シビリアン・コントロールとは、国民が、選挙で選ばれた国民の代表(政治家)を通じて、軍隊をコントロールすることである。(シビリアン・コントロールの意味について、巻末資料 Q&A:「分かりやすいシビリアン・コントロール」参照。)

[編集] 現代の国際政治

[編集] 国際政治の動向

[編集] 人権・国家主権・領土などに関する国際法の意義

[編集] 国際連合をはじめとする国際機構の役割

[編集] 我が国の防衛を含む安全保障の問題

[編集] 現代の経済

[編集] 経済社会の変容現代経済の仕組み

[編集] 資本主義経済及び社会主義経済の変容

[編集] 国民経済における家計・企業・政府の役割

[編集] 市場経済の機能と限界

需要曲線は右下がりで、供給曲線は右上がりの曲線である。需要と供給の数量により市場価格が決定される。価格の変化で均衡がもたらされることを、価格の自動調節機能という。有力企業がプライス・リーダーとして一定の利益を確保できる価格を設定し、他の企業がこれに倣うときの価格を管理価格という。不況でも価格が下がりにくいことを、価格の下方硬直性という。

[編集] 物価の動き

様々な財やサービスの価格の水準を物価といい、企業物価と消費者物価がある。持続的な物価の下落はデフレーションと呼ばれる。

[編集] 経済成長と景気変動

国民総所得から固定資本減耗を引くと、国民純生産になる。国民所得は国民純生産から間接税を引き、補助金を加える。国民所得には、生産国民所得、分配国民所得、支出国民所得という三つの面がある。フローとストックにおいて、国全体が有する個人資産・社会資本・自然資源を合計した経済指標を国富という。国内総生産の一定期間の変動率を経済成長率という。国民の本当の豊かさを示す指標に、国民純福祉がある。

景気循環は需給の不均衡によって起こる。景気変動には、好況、後退、不況、回復という四つの局面がある。

[編集] 財政の仕組みと働き及び租税の意義と役割

[編集] 資金の循環と金融機関の働き

[編集] 国民経済と国際経済

[編集] 貿易の意義と国際収支の現状

19世紀初め、イギリスの経済学者リカードによって比較生産費説が主張された。国際分業には、先進工業国間の水平的分業と、先進工業国対発展途上国の垂直的分業がある。国際分業の自由貿易論に対して、ドイツの経済学者リストはイギリスに追いつくために保護貿易論を主張した。

日本の国際収支において経常移転収支は赤字で、無償援助や国際機関への拠出を示している。

[編集] 為替相場の仕組み

為替レートの決定システムには、固定相場制変動相場制がある。ある水準に対して円の価値が高いことを円高、反対に価値が下がれば円安といわれる。

[編集] 国際協調の必要性や国際経済機関の役割

ヨーロッパでは、マーストリヒト条約アムステルダム条約が締結され、共通通貨のユーロが導入されている。他の地域的経済統合にはAFTAAPECNAFTAなどがある。経済のグローバル化に伴い、グローバル・スタンダードの問題やアジア通貨危機といった現象が起こった。

GATTでは関税の引き下げなどの自由貿易を目指し、ケネディ・ラウンドウルグアイ・ラウンドなどの多角的貿易交渉が行われた。そしてGATTを強化する形で世界貿易機関が設立された。知的所有権などの分野も対象になった。近年では2001年に中国がWTOに加盟した。

[編集] 世界経済の動向

第一次世界恐慌後、主要国はブロック経済を推し進めた。第二次大戦後はブレトン・ウッズ協定のもと、IMFIBRDが設立された。1971年のニクソン・ショックのあとスミソニアン協定がなされたが、変動相場制に移行した。80年代、レーガノミックスにより双子の赤字が発生した。85年にはプラザ合意がなされ、ドル安が進んだ。アジア通貨危機はタイで起こり、韓国などに及んだ。

[編集] 日本経済の動向

戦後の日本ではGHQにより、財閥解体などの政策が行われた。日本政府は傾斜生産方式という政策を採った。朝鮮戦争特需景気で日本経済は好転した。1964年にはOECDに加盟し、1968年にはGNPがアメリカに次いで2位になった。73年に第一次石油危機が起こると日本経済はスタグフレーションとなった。これに対応すると輸出が増加し貿易摩擦が強まった。プラザ合意の円高により、生産拠点が海外に移り、産業の空洞化の問題が起きている。

[編集] 現代社会の諸課題

[編集] 現代日本の政治や経済の諸課題

[編集] 大きな政府と小さな政府

[編集] 少子高齢社会と社会保障

[編集] 住民生活と地方自治

[編集] 情報化の進展と市民生活

[編集] 労使関係と労働市場

[編集] 産業構造の変化と中小企業

産業の中心が、一次、二次、三次へと移ることを、ぺティ・クラークの法則という。そして日本では経済のソフト化が進んでいる。

[編集] 消費者問題と消費者保護

[編集] 公害防止と環境保全

[編集] 農業と食料問題

[編集] 国際社会の政治や経済の諸課題

[編集] 地球環境問題

[編集] 核兵器と軍縮

[編集] 国際経済格差の是正と国際協力

北と南の国際的な格差問題を南北問題という。発展途上国が宗主国の影響でモノカルチャー経済に陥っていることが原因である。工業化を目指し資金を借り入れた国では累積債務問題が発生し、支払いのリスケジューリングなどの対策がとられた。逆に工業化に成功した国々はNIEsといわれた。工業化がなされていない国は後発発展途上国と呼ばれている。先進国側ではDACが置かれた。途上国側では、第1回国連貿易開発会議にてプレビッシュ報告がなされて、70年代にはNIEOが宣言された。

先進国政府の援助はODAとよばれ、グランド・エレメントという指標がある。日本の二国間ODAの特徴として、アジアからアフリカへと配分が変わってきている。

[編集] 経済摩擦と外交

日本とアメリカの間では貿易摩擦や経済摩擦が起こったので、日米構造協議や日米包括経済協議といわれる交渉が行われた。

[編集] 人種・民族問題

[編集] 国際社会における日本の立場と役割

[編集] 巻末資料

[編集] Q&A:「分かりやすいシビリアン・コントロール」

  • Q. シビリアン・コントロールとは何でしょうか?
    それは、「コントロールすること」です。
  • Q.誰がコントロールするのでしょうか?
    「国民」です。
  • Q.何をコントロールするのでしょうか?
    「軍隊」です。
  • Q.どうやってコントロールするのでしょうか?
    「シビリアン」を通じてコントロールします。
  • Q.シビリアンとは何でしょうか?
    「選挙で選ばれた国民の代表(政治家)」のことです。

要するに、シビリアン・コントロールとは、

(誰が?)→(どうする?)→(何を?)→(どうやって?)

国民が → コントロールする → 軍隊を → 選挙で選ばれた国民の代表(政治家)を通じて

ということです。

つまり、「国民が、選挙で選ばれた国民の代表(政治家)を通じて、軍隊を、コントロールする。」ということです。


シビリアン・コントロールのよりくわしい内容については、ウィキペディア文民統制を参照ください。


[編集] 発展的な関連内容

高等学校の政治経済は、政治や経済のごく一部分の領域であるので、今後も学習を継続していく必要がある。今後の学習を発展させる分野としては次のようなものがある。

[編集] 高等学校の公民科・地理歴史科

高等学校の公民科・地理歴史科は、政治経済ときわめて高い関連性を持つ。

[編集] 高等学校の専門教科

家庭科では家庭生活や消費生活について、商業科では特にビジネスや経済の仕組みについて、福祉科では福祉や社会保障のあり方について、それぞれ扱われている。

[編集] 一般的な学問

主に社会科学の学問が政治経済の理解を助ける。

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