中学校保健/喫煙,飲酒,薬物乱用と健康

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たばこの害[編集]

たばこの有害成分[編集]

たばこの煙にふくまれる有害物質の種類は、ニコチンタール一酸化炭素など、有害物質が200種類以上、ふくまれている。

たばこの煙の主な害として、肺の機能の低下があり、息切れなどをしやすくなる。また、心臓にも負担が掛かる。


  • タール

タールという物質に発がん性(はつがんせい)があり、肺がん喉頭がんなどの発がんのリスクを高める。 またやにとも呼ばれ、肺に付着して肺の働きを低下させる

  • ニコチン

血管を収縮させる作用がある。 また他の作用として、依存性(いぞんせい)という、やめようと思っても、やめられなくなる作用がニコチンにはある。

  • 一酸化炭素

血液中のヘモグロビンと一酸化炭素が反応して結びつき、血液による酸素の運搬能力を低下させる害がある。なお、一酸化炭素そのものは、たばこ特有の物質ではなく、不完全燃焼などの際に炭素と大気中の酸素が反応して発生する物質である。

有名なたばこの有害成分は以上の3個だが、この他にも約200種の有害成分がある。

たばこの害[編集]

喫煙後に、すぐに喫煙者に出る害としては、心肺能力の低下がある。 この他に、発がん性や依存性がある。発がん性により、喉頭がん(こうとうがん) や 肺がん に かかりやすくなる。

たばこの喫煙者が吸い込む、たばこの煙を主流煙(しゅりゅうえん)という。たばこの煙は、喫煙者本人だけでなく、周囲の人間も吸うことになる。周囲の人間が吸うことになる煙を副流煙(ふくりゅうえん)という。副流煙による、喫煙者の周囲の人の煙の吸引を受動喫煙(じゅどうきつえん)または間接喫煙(かんせつき つえん)という。 たばこの害は、喫煙者本人だけではなく、周囲の人間も受動喫煙によって、害をこうむることになる。

妊婦への影響

妊婦は、たばこを吸ってはいけません。胎児の健康に悪影響があります。同様に、妊婦の近くで、たばこを吸ってはいけません。 実際に、たばこの影響による低出生体重児などの症例が有る。早産や流産の可能性も高まると言われてる。

未成年者への影響

未成年者の体は、たばこの害の影響を受けやすく、気をつけなければいけません。 そもそも法律で、未成年者の喫煙は禁止されています。


たばこのニコチンの作用は、血液中のヘモグロビンによる酸素運搬の作用を低下させ、その結果、脳への酸素供給が減り、一種の麻痺状態になる。 喫煙者の主張する「喫煙による、気分転換やイライラの解消」というのは、一種の脳機能の低下や麻痺を、勘違いして精神安定と誤解したものなので、望ましくない。そのため、喫煙を人生で嫌なことがあった時の現実逃避の精神的な依存の手段にする者が現れる。

喫煙は脳へも影響があり、その結果、未成年者の喫煙は脳の成長を妨げる。また脳機能は成長ホルモンの分泌も司っているので、未成年者の喫煙により身体の成長も阻害される。

飲酒の害[編集]

酩酊[編集]

酒にはアルコールという成分が含まれ、このアルコールには麻酔作用があり、飲酒によって思考力や判断力が低下します。このような症状を酔い(よい)あるいは酩酊(めいてい)といいます。 未成年者はアルコールの飲酒が、法律で禁止されています。


成分に関して正確に言うと、エチルアルコールという成分が、酔いを起こす成分である。 アルコール(エチルアルコール)の摂取は、少量であれば、肝臓によって分解され、アルデヒドという化合物になる。(飲酒者の「酒くさい」臭いとは、このアルデヒドの臭気でもある。)

しかし、多量に飲酒をすると、アルコールの分解が追いつかず、未分解のアルコールが腸などの内臓から吸収されつづけ、その吸収されたアルコールは血液をめぐるので血液中のアルコール濃度が上昇し、そのため強い酩酊作用が現れる。酔いが強すぎると、麻痺や昏睡などの意識不明にもなり、大変に危険な状態になる。このような症状を急性アルコール中毒(きゅうせいアルコールちゅうどく)という。酔いが大変に強いと死に至る場合もある。

いわゆる「一気飲み」をすると、急激にアルコールを摂取することになるので、急性アルコール中毒になりやすいので、一気飲みは、ひかえる。他人に一気飲みをさせないべきだし、自分でも一気飲みをしない。もし他人に一気飲みをさせた結果、相手が急性アルコール中毒になって障害を負ったら、損害賠償などを請求される可能性もある。ほぼ毎年、大学生などの急性アルコール中毒の事故が起きてる。


このように、「酔い」というのは、一種の脳機能の低下や麻痺なので、望ましくない。 このような酔いによる脳機能の麻痺や低下を、勘違いして爽快感と捉える人間が社会には多く、そのため、アルコール摂取を人生で嫌なことがあった時の現実逃避の精神的な依存の手段にする者が現れる。このようなアルコール摂取による現実逃避が慢性化した症状をアルコール依存症(アルコールいぞんしょう)という。


屋外などで、アルコールに酔うと、意識が もうろう としたり、あるいは意識が不明になるので、その間に犯罪の被害にもあいやすくなる。酩酊によって、金品を盗まれたり、性犯罪の被害などにもあう危険が増える。

また、アルコールを飲むと判断力がにぶるので、その間に犯罪行為などをしてしまう危険もある。

飲酒の禁止者[編集]

妊婦への影響

妊婦は、飲酒をしてはいけません。胎児の健康に悪影響があります。同様に、妊婦に、飲酒を薦めてはいけません。 実際に、飲酒の影響による新生児への脳障害などの症例があります。

未成年者への影響

未成年者の体は、アルコールの害の影響を受けやすく、気をつけなければいけません。 そもそも法律で、未成年者の飲酒は禁止されています。

飲酒運転の禁止[編集]

酒に酔った状態で車を運転する飲酒運転は法律で禁止されており、罰則もある。飲んだ側だけでなく、相手が運転すると知りつつ飲ませた側も罰せられる。

他の作用[編集]

  • 利尿作用

アルコールの人体への作用には、尿が出やすくなる利尿作用(りにょうさよう)という作用も有る。そのため、運動後や起床後などの体内の水分が減っているときに飲酒をすると、体内や血液中の水分の不足により脱水症状による昏睡などの疾患を起こす危険もある。したがって、運動後などの水分の補給には、まずは一般の飲料水などを飲むべきである。

  • 肝硬変

アルコールの分解は、肝臓が行っている。アルコールの摂取を頻繁に続けると、肝臓の負担が重くなり、その結果、幹細胞が死滅や減少をして、肝臓に障害が現れる。これを肝硬変(かんこうへん)という。

薬物の問題[編集]

摂取が違法な薬物を摂取したり、医薬品を本来の治療目的外で摂取することを薬物乱用(やくぶつ らんよう)という。1回の使用でも乱用という。(「濫」用の字では無い。)

薬物乱用の代表的な薬物は、

覚せい剤(かくせいざい)や、
大麻(たいま)、コカインなどの麻薬(まやく)、
シンナーやトルエンなどの有機溶剤(ゆうきようざい)、
そのほかMDMA(エムディーエムエー)などの危険ドラッグ

などが、乱用薬物として代表的である。


  • 違法薬物などの俗称(ぞくしょう)
覚せい剤: スピード、S(エス)、アイス、シャブ など
大麻: マリファナ、ハシシュ、葉っぱ、チョコ など
MDMA: エクスタシー 、バツ、タマ、など
シンナー: アンパン など
※ 「覚せい剤」の分類は複雑であり、たとえば、「覚せい剤」を麻薬に含めるのか、それとも麻薬とは別の種類の違法薬物として「覚せい剤」を扱うのか、業界ごとにバラバラであったりする。なので、中学生は、あまり、「覚せい剤」を何に分類するのかには、こだわる必要はないだろう。
※ とはいえ、シンナーなどの有機溶剤と、植物の大麻草(たいまそう)は明らかに別々に分類されるので、それらの分類は区別しよう。


覚せい剤や麻薬などの、これらの薬物は、身体にも大きな悪影響を与え、また脳にも作用し、異常な興奮や抑制などの作用がある。これらの薬物は、使用すろと「やめたくても、がまんできない」と感じるような、精神的な依存(いぞん)が強く現れる。このような依存性のため、乱用者の意志では麻薬などの使用を止めることは困難なので、法律で、一般人による麻薬や覚醒剤などの使用が禁止されている。


  • 覚せい剤

覚せい剤には興奮作用があり、そのため疲労感が低下するので、疲労感の解消の目的で乱用されることがある。しかし、疲労感を感じなくても、身体組織そのものの疲労が無くなったわけでは無く、単に脳が疲労を感じなくなるだけなので、使用を続けると衰弱する。

脳にも悪影響があるので、幻視や幻聴などの幻覚や、妄想などが生じる。

(※ 範囲外 )なお、語源になった「覚醒」(かくせい)とは、目が覚める(さめる)こと。 (教科書には「覚醒」の意味なんて書いてないが、おそらく教師が授業中に紹介するだろう。) 「覚醒」(かくせい)という言葉自体には、違法性は無い。今朝、私やあなたが眠りから目を覚ました出来事(できごと)だって、「覚醒」(かくせい)である。
(※ 範囲外) 大学レベルの医学書・薬学書などを見ても「覚せい剤」という表記であったり、他の書籍では「覚醒剤」であったりと、書籍によって表記が違う。このように、「覚せい剤」という簡単な表記は、べつに中学生向けの子供だましの表現なわけではない。とはいえ、厚生労働省のウェブサイトなどを見ると「覚醒剤」の表記も見られる。中学生は、覚醒の字を書けなくても、せめて「覚醒」を「かくせい」と読めるようにはしておこう。また、語源を知らないと、意味も覚えづらいだろうから、


  • 大麻(たいま)

大麻草は麻薬に指定されている。そのため、大麻の栽培には、厳しい規制や管理がされており、医療目的や繊維材料としての許可を受けた例外的な一部の農家による栽培を除けば、原則的に大麻草の栽培は禁止である。なお、「マリファナ」とは、大麻のことである。

大麻は、脳への抑制作用(よくせい さよう)が強力である。大麻の作用により、集中力の低下、思考力の低下、関心の低下、などの症状をもたらす。(※ 集中力低下などの具体的症状は、中学範囲外。) このように、大麻は脳に悪影響があるので、脳機能の低下などが生じる。(※ 中学生は、「大麻の悪影響は、脳機能の低下」とでも知っておけば、じゅうぶんであろう。)


(※ 参考:) 一部の無責任な人間の情報では、「大麻は覚せい剤とは違って、害や依存性などがない」という誤った情報がある。しかし、大麻の麻薬成分(⊿9-テトラヒドロカンナビノールなどが大麻の麻薬成分の主成分であり、これらを総称して「カンナビノイド」という。なお、大麻のことを英語で「カンナビス」(cannabis)という。)の害は医学的にも確認されているので、間違いである。大学医学部レベルの一般的な薬学書で確認したところ、「カンナビノイドの依存性が高い」という表記は見つからなかったが、かといって「カンナビノイドの依存性が低い」という表記も薬学書には無い。
無責任な人のいう「大麻は、覚せい剤とは違って・・・」というのは、単に、覚せい剤が病的な興奮作用をもたらすものであるのに対し、大麻は病的な抑制作用をもたらすというような、作用の方向性の違い(興奮か抑制か)が、覚醒剤と大麻との間にあるに過ぎない。
覚醒剤の脳への興奮作用にせよ、大麻の脳への抑制作用にせよ、外部の薬物から脳の正常な機能を阻害するので、脳には必ず悪影響がある。
脳以外の害としては、気管支炎などの呼吸器系への害がある。


  • シンナーなどの有機溶剤

有機溶剤とは、塗料や樹脂などの水に溶けない物質を溶かす溶剤で、それ自体は違法物質では無い。しかし、この有機溶剤を吸引することは、脳への悪影響が強い。脳も有機溶剤により溶かされるので損傷を受けるのである。

なお、仕事や工作などの作業で有機溶剤を用いるときは、十分な換気が必要である。