中学校保健/飲料水や空気の衛生的管理

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空気の安全な基準[編集]

二酸化炭素[編集]

私たちが呼吸すると、空気中の酸素が使われ、私たちは二酸化炭素を吐き出すので、閉め切った室内では二酸化炭素が増える。

空気中の二酸化炭素には許容濃度があり、もし二酸化炭素が増えすぎると、頭痛や目まい、呼吸数の増加や脈拍数の増加などが起こり、体調が悪くなります。

呼吸のほかにも、物が燃えると、酸素が使われ、二酸化炭素が発生する。


二酸化炭素の体への影響
二酸化炭素の濃度(%) 体に表れる症状や影響
  1~2   不快感
  3~4   呼吸数・脈拍数の増加、    
  5~6   呼吸困難
  7~10   数分で意識不明になり、死亡する。

教室などは、ときどき窓を開けて、換気(かんき)をする必要があります。 ふつうの空気中には、二酸化炭素は0.04%ほど、あります。許容できる二酸化炭素濃度の基準としては、0.15%以下が望ましい、と学校環境衛生基準で定められています。

二酸化炭素が多い環境では、人の活動が活発なので、ほこり や 細菌 なども多いと考えられます。


一酸化炭素[編集]

一酸化炭素は、物が不完全燃焼したときに発生します。とても毒性が強いので、注意が必要です。

一酸化炭素は、無味・無臭の気体なので、気づきにくいです。一酸化炭素による中毒に気づいたときには、すでに手遅れになっている場合が多いというほど、一酸化炭素は毒性が強いです。

一酸化炭素の許容度は0.001% ( 10ppm )と、とても低く定められています。(学校環境衛生基準による。) できれば一酸化炭素は、もとから発生させないのが望ましいです。


血液中にはヘモグロビンという、酸素を運ぶための物質があります。 しかし一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結びつきやすく、そのため空気中に一酸化炭素があると、ヘモグロビンは酸素を運べなくなってしまい、機能しなくなってしまい、全身で酸素が足りなくなって一酸化炭素中毒(いっさんかたんそ ちゅうどく)を起こしてしまいます。


ストーブや練炭・炭コンロなどを使うときは、一酸化炭素中毒に注意しましょう。

  • 一酸化炭素の発生源
石油ストーブ
練炭、炭コンロ
自動車の排気ガス
たばこの煙
  • 一酸化炭素の体への影響
一酸化炭素の体への影響
一酸化炭素の濃度(%) 体に表れる症状や影響
  0.02   2~3時間のうちに軽い頭痛
  0.04   1~2時間で 頭痛 と 吐き気(はきけ)   
  0.08   45分以内に頭痛と目まい、
  0.16   20分以内に頭痛・目まい・意識不明など、 2時間で死亡の危険
  0.32   30分で死亡の危険   
  0.64   1分~3分で死亡の危険
  • 対策
・換気の必要性。 暖房などでストーブを使うときでも、少しでもいいから窓を開けておく。そして、定期的に窓を開くなどして、空気を入れ替える。なお、窓を開けるときは、窓を2つ以上開けると、それぞれの窓が外の空気の入り口と出口になって、空気の流れが出来るので、換気の効率が良くなる。


・寝る前には、ストーブなどのスイッチは切っておき、火は切っておく。
・なるべく服を着込んで体を暖める方法を優先する。

水の衛生的管理[編集]

人間の体重の約60%70%は水分である。 私たち人間が、1日に排出する水の量は、およそ2リットル2.5リットルの水を排出している。 このため、1日に摂取する必要のある水の量も、およそ2リットル~2.5リットルである。


1日で体から排出する水の各部の量
尿と便: 1.5L
汗: 500mL
呼吸: 300mL〜500mL


体内に取り入れる水
食事中の水分: 1.0L
飲み水: 1.0L

水分の10%ほどがなくなると、めまい や 頭痛(ずつう)など、脱水症状(だっすい しょうじょう)が表れ始める。脱水症状になると、熱中症を引き起こしかねない。水分が20%以上なくなると、死亡する危険が高くなる。


水には、飲料水などの生活用水(せいかつ ようすい)と、公園などで使われる公共用水(こうきょう ようすい)と、農業や工業で使われる産業用水(さんぎょう ようすい)がある。


水質基準[編集]

飲料水には水質基準があって、水質検査に合格した水だけを飲んでよい。 水道水の水は、浄水場で塩素で消毒をして、浄化されたあと、水質基準を満たしているかどうか検査されてから、各家庭に供給される。

塩素消毒による発生するトリハロメタンに、発がん性が心配されている。

  • 水道法による水質基準
1. 病気の原因になる生物に汚染されてたりせず、または汚染されたことを疑わせるような物質をふくまないこと。
2. シアン、水銀、その他の有害物質をふくまないこと。
3. 銅、鉄、フッ素、フェノールその他の物質を、許容量をこえて、ふくまないこと。
4. 異常な酸性またはアルカリ性でないこと。
5. 異常なにおい、味がないこと。ただし消毒によるにおい・味を除く。
6. 外観は、ほとんど無色透明であること。


浄水場でつくる 飲み水[編集]

(※ 参考)

一般的な、浄水場での処理過程(しょりかてい)の一例を書く。この説明は、あくまで一例なので、地域によって、設備が、ここでの説明とは、ちがう場合もある。

  • 取水塔(しゅすいとう)
取水塔(金町浄水場)

取水塔(しゅすいとう)のような取水施設(しゅすいしせつ)によって、川などの自然環境から水を浄水場(じょうすいじょう)に取り入れる。このように取水口から取水された水は「原水」(げんすい)と呼ばれる。

  • 沈砂池(ちんさち)
沈砂池(金町浄水場)

川やダムからとった原水(げんすい)には、砂や土が 含まれる(ふくまれる)ため、沈砂池(ちんさち)に導いて(みちびいて)、緩やか(ゆるやか)な 流れ(ながれ)の途中(とちゅう)で、沈殿(ちんでん)させることで、それらを取りのぞく。

  • 取水ポンプ(しゅすいポンプ)

沈砂池(ちんさち)から流れてきた原水(げんすい)は、取水ポンプ(しゅすいポンプ)によって、くみあげられ、着水井(ちゃくすいせい)へ向けて送水(そうすい)される。

  • 着水井(ちゃくすいせい)

着水井(ちゃくすいせい)は、原水(げんすい)にとって浄水場での最初の水槽(すいそう)であり、送水されてきた勢いによる原水の圧力変化を抑えて、以降の過程へ向けて水位を一定に保つ役割を担う。

  • 凝集剤 注入設備(ぎょうしゅうざい ちゅうにゅうせつび)

凝集剤注入設備(ぎょうしゅうざい ちゅうにゅうせつび)では、水に混ざっている細かい砂や土などを沈めるため、着水井から出た原水に ポリ塩化アルミニウム などの凝集剤(ぎょうしゅうざい)が注入される。ポリ塩化アルミニウムは、PACと略されることがあります。PACとはPoly aluminum chloride(ポリ・アルミナム・クロライド)の略です。クロライドとは、塩化(えんか)という意味です。


  • 薬品混和池

凝集剤(ぎょうしゅうざい)が加えられた原水は、薬品混和池(やくひん こんわ ち)で、よく混ぜられる。

  • フロック形成池

フロック形成池(けいせいち)では、凝集剤の混ざった原水をゆっくりと、かきまぜて攪拌(かくはん)する。 「フロック」とは、それまで水に浮遊していた細かい砂や土などが、凝集剤の働きで寄り集まりかたまりとなったものである。 フロックが作られることで、砂や土などの粒子が比較的大きくなり沈みやすくなる。

  • 沈でん池

沈でん池(ちんでんち)に導かれた水は、静かな流れの中でフロックが沈められ、砂や土が水から除かれる。 高速凝集沈殿池(こうそくぎょうしゅちんでんち)とも呼ばれる。

  • オゾン接触池(オゾンせっしょくち)

水の底(そこ)のほうから、オゾンという気体(きたい)を入れます。オゾンは水よりも軽いので、水の中を、オゾンの気体が、うかびあがっていきます。オゾンの強い分解力や殺菌作用によって、水中の微生物やカビなどの有機物(ゆうきぶつ)を分解・殺菌などします。オゾンとは、酸素原子(さんそげんし)が3個、あわさって作られる気体(きたい)です。空気中にふくまれている酸素分子(さんそぶんし)は、酸素原子が2個、くみあわさったものであり、空気中の酸素分子とオゾン分子とは、べつの分子です。

  • 活性炭吸着池(かっせいたん きゅうちゃくち)

活性炭のなかで生きている、微生物(びせいぶつ)のはたらきによって、汚れを分解をします。誤解をされますが、活性炭の浄化作用は、中の微生物によるものです。活性炭の素材(そざい)そのものには、分解作用(ぶんかいさよう)がありません。


  • 塩素注入設備 (1)

塩素注入設備(えんそちゅうにゅうせつび)では、アンモニア窒素(アンモニアちっそ)や鉄などを取るため、沈でん池から出た水に、塩素(えんそ)が注入される。

  • ろ過池
仙巌園内の濾過池
(登録有形文化財)

ろ過池(ろかち)によって、砂や砂利の層で水を濾して(こして)、微細な粒子状のものを、とりのぞく。

  • 塩素注入設備 (2)

2つ目の塩素注入設備で、消毒のための塩素を入れる。

  • 配水池

配水池(はいすいち)に、きれいになった水を溜めておく。

  • 送水ポンプ

送水ポンプ(そうすいポンプ)によって、配水池の水を給水所に送り出す。水はそれぞれの配水場・配水池へ配水管を用いて送られ、各家庭や施設へ給水(きゅうすい)される。