数学>公理的集合論
このページでは、ZF公理系をもとにした、公理的集合論について述べる。
高校では、集合を「区別できるものをまとめたもの」などといった形で定義した。このような、直感的立場からの集合論を「素朴集合論」という。しかしながら、このように直感的な定義は結果的にラッセルの逆理といったパラドックスを引き起こすこととなり、より厳密な立場で集合論を展開する必要に迫られた。そこで、集合論を公理から出発して形式主義的な立場から構成しようという試みが公理的集合論である。
今日、ツェルメロとフレンケルが設定した公理系ZFがよく知られている。以下ではZFについて述べる。
ZFにおいては、集合と個体の区別がなされない(集合一元論)。これ以降の議論で変項
はすべて集合をさす。
公理的集合論において、何が命題で何が命題でないかは厳密に決められる。具体的には、
- 2つの自由変項
と記号
を用いて
としたものは命題である(これを原子論理式という)
- P,Qが命題ならば、
、
、
、
も命題である。
が命題で、自由変項
を持つならば、
を束縛変数として
、
としたものも命題である
- 以上によって得られるもののみが命題である。
たとえば、
は命題である。 いっぽうで、
は命題でない。
外延性公理を等号の定義として扱えば、等号の反射則、対照則、推移則が導かれる。
外延性定理のxとyにxを代入すれば、
ここで、右辺は恒真式だから、
。
外延性公理より
これを同値変形して
(外延性公理)
したがって、
。
外延性公理より, (ただし, 外延性公理中のzをvで置き換えて)
ここで, 任意のvについて
(与式の左辺)
を仮定して、明らかに
。
逆も明らかだから、結局
外延性公理を用いて
。よって、示された。