大日本帝国憲法
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大日本帝国憲法は、明治時代に制定された日本の最初の憲法で、天皇が国の元首として統治権を総攬するという立憲君主制を確立しました。1889年2月11日に発布され、1947年5月2日まで有効でした。
大日本帝国憲法は、以下の3つの点に特徴があります。
1. 天皇の至上権:
天皇は国の元首として統治権を総攬し、議会の召集・解散、陸海軍の統帥権など様々な大権を握っていました。
2. 立憲君主制:
天皇の権限は憲法によって一定の制限を受け、国会が法律の審議や予算の承認を行う権限を与えられました。
3. 国民の権利と義務:
国民には、法律の範囲内で居住・移転や信教の自由、言論・出版・集会・結社の自由などが認められました。また、徴兵の義務が課されました。
制定の背景:
1881年の国会開設の勅諭の発布後、伊藤博文を中心に憲法案の起草が進められました。
伊藤は、ヨーロッパへ憲法調査に赴き、プロイセン(ドイツ)の憲法を参考にしました。
草案作成には、井上毅、伊東巳代治、金子堅太郎らも参加しました。
1889年2月11日に皇居で発布され、天皇が内閣総理大臣の黒田清隆に憲法を授ける形で出されました。
大日本帝国憲法と日本国憲法の違い:
主権者:大日本帝国憲法では天皇、日本国憲法では国民。
人権:大日本帝国憲法では臣民の権利として制限つきで保障、日本国憲法では人権は生まれつき持つ権利として保障。
国民の義務:大日本帝国憲法では徴兵の義務、日本国憲法では教育、勤労、納税の義務。
大日本帝国憲法は、日本の近代国家の成立に大きな役割を果たしましたが、その後の政治体制の変革とともに廃止され、1947年に制定された日本国憲法が最高法規となりました。