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奄美語/名詞述語の断定形2現在否定

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

例文

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奄美語 日本語
アリぃヤ タ‘ローヤ アナン。 彼は太郎ではない。
アリぃヤ ヤマヤ アリョーラン。 あれは山ではありません。

単語

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  • アナン - (では)ない(助動詞)
  • アマ - あそこ
  • アムン - あの人
  • アリぃ - あれ、彼、彼女
  • アリョーラン - (では)ありません(助動詞)
  • イヤ - 君、お前
  • イン - 犬
  • ウシ - 牛
  • ウマ - そこ
  • ウムン - その人
  • ウリぃ - それ
  • ウン - 海
  • ガッコ’ー - 学校
  • ク‘ゥムン - この人
  • ク‘ゥリぃ - これ
  • ク‘マ - ここ
  • ナン - あなた
  • ホン - 本
  • マヤ - 猫
  • ʔヤ - 君、お前
  • ヤマ - 山
  • ワ - 私、私の

文法

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認め方

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奄美語には認め方を表す語形として「肯定形」と「否定形」の2つがあります。名詞述語の肯定形は前回学んだ「A=B」の文、否定形は今回学ぶ「A≠B」の文があります。

A≠B

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「A≠B」の文は「アナン((では)ない)」、「アリョーラン((では)ありません)」を使って表します。

奄美語 日本語
アリぃヤ タ‘ローヤ アナン 彼は太郎ではない
アリぃヤ ヤマヤ アリョーラン あれは山ではありません

否定形の文では「ではない」の「では」にあたる「ヤ」を述語にあたる体言につけます。沖縄語では必ず「ヤ」をつけますが、奄美語では省略されることもあります。

アリぃヤ タ‘ロー アナン。 彼は太郎ではない。
アリぃヤ ヤマ アリョーラン。 あれは山ではありません。

代名詞

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「私」「あなた」「これ」「あれ」など文章によって指す物が違う言葉を「代名詞」と呼びます。

一人称

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「私」「俺」「僕」など、話し手を指す言葉を「一人称」と言います。奄美語では一人称は「ワン」と「ワ」の2つがあり、「ワ」は一人称だけでなく、「私の」という所有格の意味も持っています。

ヤ タ‘ローヤ アナン。 は太郎ではない。
ホン。 私の本。

二人称

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「君」「あなた」「お前」など、聞き手を表す言葉を「二人称」と言います。奄美語では二人称は丁寧な「ナン」と砕けた「ʔヤ」、「イヤ」の3つがあります。

ナンヤ マヤヤ アリョーラン。 あなたは猫ではありません。
ʔヤヤ インヤ アナンドー。 お前は犬ではないよ。
イヤヤ ウシヤ アナン。 お前は牛ではない。

三人称

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「彼」「彼女」「あの人」など、話し手と聞き手以外の人を表す代名詞を「三人称」と言います。

奄美語には広く使える三人称である「アリぃ」のほかに、近くの人を表すのに使う「ク‘ゥムン」、中くらいの人を表すのに使う「ウムン」、遠くの人を表すのに使う「アムン」があります。

アリぃヤ タ‘ローヤ アリョーラン。 彼(または彼女)は太郎ではありません。
ク‘ゥムンヤ タ‘ローヤ アリョーラン。 この人は太郎ではありません。
ウムンヤ タ‘ローヤ アリョーラン。 その人は太郎ではありません。
アムンヤ タ‘ローヤ アリョーラン。 あの人は太郎ではありません。

事物

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事物を表す「これ」「それ」「あれ」は、「ク‘ゥリぃ」「ウリぃ」「アリぃ」です。

ク‘ゥリぃヤ ペン ダリョーン。 これはペンです。
ウリぃ マヤ ドー。 それ猫だよ。
アリぃヤ ヤマ ダリョーン。 あれは山です。

場所

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場所を表す代名詞「ここ」「そこ」「あそこ」は「ク‘マ」「ウマ」「アマ」です。

ク‘マヤ ウン ダリョーン。 ここは海です。
ウマヤ ガッコ’ーヤ アリョーラン。 そこは学校ではありません。
アマヤ ヤマヤ アナン。 あそこは山ではない。