学習方法/大学受験5教科全般

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傾向と対策[編集]

傾向[編集]

大学入試の一般入試の出題の傾向は、検定教科書の範囲よりもやや広い範囲から出題されます。そして、かつ教科書・授業よりもやや細かい知識を問う出題が大学入試に多いのが現状です。 このような大学入試の現状から逆算して、以下のような対策が必要になるでしょう。

対策[編集]

定期テストだけで受験対策するのは大学入試ではほぼ無理ですが、かといって、平均的な高校の定期テストの問題すらも解けないような学力では、大学受験には対応できません。

低学年のうちから受験の過去問ばかりをするのは非効率です。なぜなら、大学入試問題は難しく、学力が足りない低学年のうちから読みこんでも意味不明であり、そのような段階では過去問が学力の習得に役立たない可能性が高いからです。まずは、定期テスト程度なら8割ほどは楽に解ける、という状態を作るべきです。そのために、まずは定期テスト対策の学習をきちんとする必要があります。

定期テストだけに特化した、その場しのぎの学習は非効率です。最終的な目標は、けっして定期テストの問題を解けるようになることではありません。当面の中間目標として、定期テスト程度の易しい問題なら楽に解けるという状態を作ることを目指しているのです。日頃からの学習の積み重ねが物を言います。

定期テストを活用する[編集]

高校にもよりますが、平均以上のレベルの高校の1年生や2年生の定期テストの出題範囲は、授業で習った範囲を基準にしつつも、参考書などで紹介されている基礎事項も少しだけ出題するという場合が多いでしょう。ほとんどの高校の場合、定期テストはその単元の理解を確認するテストであり、易しい問題が中心でしょう。定期テスト対策の勉強法は、数学・理科・地歴公民については、教科書を理解をするために読み込みつつも、参考書もその単元について1冊は読んで、そしてワークブックなどで問題練習する事です。

以下で教科ごとの学習法について詳しく述べます。

国語[編集]

教科書以外に必要なもの - 参考書、ワークブック、漢字ドリルなど.

古文・漢文については、まずは単語と文法事項の理解を深めます。英語と比べれば覚えるべき事項はとても少ないですので、完璧にすることです。なまじっか日本語だからと言ってこのような学習を軽視する人がいますが、それは後々になって大きなビハインドになります。そのうえで、教科書の作品を丁寧に口語訳しながら読解することで、当時の人が持っていた常識的感覚を体得します。このような基本に忠実な学習を繰り返していかないと、初見の文章を読めるようにはなりません。古典は作品数が有限ではありますが、かなり大きな有限ですので、入試において初見の文章を読む覚悟はしておかなくてはいけません。初見の作品であっても、当時の人に好まれたよくある作品のパターンには収まっているものが多いです。文法に加えてそのパターンを体得していれば、読解は難しくありません。

現代文についても、評論については典型的な論の運び方のパターンを、小説においては典型的な作家の表現のパターンを、それぞれ読解の数をこなす中で体得することが重要です。なんとなく、ではなく、根拠をもってその論・表現の意図を説明できるようにしておきましょう。ある程度以上の大学の記述試験では、まとまった論述も求められます。読解するだけでなく、その内容を要約して表現する作文力も求められるということです。自分の感想はさておいて、筆者は何を言っているのか、作者はどのような意図で表現しているのか、冷静な筆致で表現できなければなりません。これには、相応の練習が必要です。もちろん、それ以前に正確な読解が必要なのは言うまでもありません。

漢字は、覚えるしかないので、漢字ドリルなどで出題されてる漢字を、きちんと練習しましょう。

英語[編集]

教科書以外に必要なもの - 参考書および単語集.

英語の場合、とにかく単語力が大切です。英単語の書き取り練習も必要でしょう。英語の教科書だけでは文法などの解説・問題例がやや足りないこともあり、参考書などで補ってください。

数学[編集]

教科書以外に必要なもの - 参考書(ただし問題集付きおよび解説付きの物).

数学の場合、教科書レベルの練習問題〜発展問題を解ければ定期テスト対策としては充分なのですが、その教科書レベルを理解するのが手間取ります。

数学の教科書レベルを理解するためには、教科書の練習問題や応用問題・発展問題などをきちんと練習したうえで、さらに参考書でその単元の基本問題や練習問題を補えば、たいてい定期テスト対策としては充分でしょう。数学の参考書の場合、基礎レベルの参考書自体がワークブック的な問題集の機能も兼ているので、ワークブックは別途は必要ありません。数学の場合、問題練習に時間が掛かるため、参考書は当面は1冊で充分です。数学の参考書を買う際は、問題に答えと解説が付いているものを選んでください。数学の高校参考書では、普通の厚めの参考書なら、問題の答えと解説が付いてますので、買う際はそれを買います。参考書の発展レベルは、定期テスト対策では不要です。低学年では、数学参考書の発展レベルに深入りするよりも、他教科の勉強に時間を掛けるべきでしょう。

地歴公民[編集]

教科書以外に必要なもの - 平易な参考書(実質的にはセンター対策本)または別の教科書出版社の教科書、ワークブック.

地歴公民の理解を深める手っ取り早い方法は、教科書の他に、もう1冊、参考書か別の教科書出版社の教科書を読む方法です。重要事項や基礎事項はどの教材でも触れられているので、複数冊を読むことで繰り返し学習することになり、記憶が定着します。一方、発展的な事項や、著者や出版社によって視点や意見が分かれるような題材については、複数冊を読むことによって、さまざまな視点で読めることになるので、理解が深まります。参考書を買う場合は、とりあえず、短かめの参考書を買うのが良いでしょう。「センター試験対策」などと銘打った参考書が、わりと短めなので、まずは、それを買うと良いかもしれません。片っ端から全てを覚えるのは非効率なので、まずは基礎的な事項を重点的に説明した、入門的な参考書があると便利です。加えて地歴公民では、内容の理解はもちろん必要なのですが、しかし実際のテストでは定期テストでも入試でも、用語の漢字などでの書き取りを問う出題も多いので、書き取り練習なども必要です。

市販の歴史評論書や経済評論書などは、読む必要はありません。まして、テレビのニュースなどは、高校の段階では勉強に不要です。ワイドショーやゴシップやコマーシャルなどの混じったニュース番組を見るのは、学生の勉強に値しません。市販の評論書を読むのは、「テレビ番組よりかはマシ」という程度です。しかし、評論書などを読むくらいなら、教科書や参考書を2冊買って読んで読み比べるほうが、受験勉強としても社会勉強としても効率的です。参考書でも、5年〜10年ほど前の評論や研究成果などを考慮・反映していることがあります。

なお、どうしても入試対策として時事問題の対策が必要な場合、書店で市販されている『現代社会』資料集などが時事問題を解説していたりします。また、中学入試や高校入試対策の教材で、時事問題の解説をした教材が市販されていますので、それらを参考にすれば十分でしょう。

理科[編集]

教科書以外に必要なもの - 参考書および、ワークブックまたは簡単な問題集.

理科の学習法は、手短かに言うと、数学と地歴公民の中間です。問題練習をしつつも、用語などは暗記しなければなりません。物理については、数学に勉強法が近いです。生物については、やや地歴公民に勉強法が近くなります。化学の勉強法は、物理と生物の中間、といったところでしょう。

なお、もし理系の大学を進学志望する場合、大学では生物の勉強法が化学に近付いていき、化学の勉強法が物理に近付きますので、高校では物理・化学・生物の学習は、どれもサボらずに、高校必修の範囲は、ひととおり勉強しておきましょう。

さて、テレビのニュースなどでノーベル賞などが報道される場合があるでしょうが、それらの報道を追いかける必要はまったくありません。ワイドショーは、理科ではありません。

参考書・問題集を使った学習[編集]

学校ですでに習い終わった単元については、定期テスト程度なら楽に解ける、という状態になったら、プラスアルファの学習をしましょう。そのためには、教科書以外の参考書・問題集を用意する必要があります。

参考書は、あまりたくさん用意する必要はありません。1冊では心もとないというなら2冊程度はあってもいいですが、参考書を読む以外にも問題練習などもしなければならないので、あまり多くの参考書を読めません。細かな理解は、問題練習などを通して、これから深めていきます。

また、英語では参考書の他にも単語集・熟語集、社会科では用語集や日本史の史料解説集、などのように、各科目ごとに、その教科のメインの参考書以外にも補助教材がいずれ必要になるので、それを忘れないようにしましょう。入学当初は参考書だけでも構いませんが、いずれ単語集や史料集などの補助教材を利用する必要が出てきます。

参考書を読むだけでなく、問題演習も必要です。"定期テスト対策"の問題集・ワークブックしか入手してない場合、それとは別に、"入試対策"用の問題集を入手してください。入試対策用の問題集の選択には、まずは平均的な難度の大学向けの問題集でよいので、問題集を入手して、問題練習してください。この「標準的」とされる「入試」対策用の問題集ですら、現役の高校生には、かなり難しいです。なので、まだ「難関校むけ」の問題集には取り掛からないほうが良いでしょう。たとえ難関校を志望する場合ですら、入試問題には標準難度の大学の入試問題を解く能力も、要求されます。なので、志望校が難関校か中堅校かの、どちらにせよ、平均的な難度の入試対策問題集を楽々解ける能力が、受験生のころまでに必要になります。難関校向けの問題集よりも、まず先に "標準レベル" の入試対策問題集を使用してください。

ノートづくりを目的にしてはならない[編集]

記憶の定着を図るために、授業の内容などをノートにとっても良いでしょう。あるいは、参考書の語句および、その語句などの手短な解説などを、ノートなどに取っても良いでしょう。でも、ノートづくりを目的にしてはいけません。色鮮やかな自己満足ノートを作るのは時間の無駄です。その結果、学習者は知識が片寄ってしまいます。そのようなノートづくりをするよりも、語句の書き取り練習とか、あるいは問題練習などに時間を割いたほうが良いでしょう。

模試の使いかた[編集]

予備校などが、受験生の試験なれのため、入試などを真似た模擬試験(略して「模試」)を有料で行っています。

模擬試験の使い道とは、受験科目のなかで自分のまだ習得できてない単元をみつけて、その苦手分野をこれから復習すること、日本全国の受験生のなかで、自分がどれくらいの学力にあるかを調べることです。

模擬試験を受けるだけ受けても復習をしなければ、せっかく受けた模擬試験は、ほぼ無意味になります。学力をあげる方法とは、あくまで参考書などを読んだり、計算練習するなどの予習・復習であり、けっして模擬試験そのものは学力向上の手段ではありません。参考書を一度も読まずに「模試だけを何度も受けて、答えのパターンごと覚えよう」などという学習法では、学習すべき全範囲を網羅することができません。

センター試験対策[編集]

センター試験は、国公立大学の受験をするなら避けては通れません。

ほぼすべての国立大学で、センター試験は5教科(国語・数学、英語、地歴公民、理科)が要求されます。このため国立志望では、センター対策として、5教科をまんべんなく勉強する必要があります。

センター試験と二次試験の比率は大学により異なりますが、センター試験の比率の高い大学ではほぼセンター試験だけで決まると言えるところもあります(ただし難関大は二次試験重視が一般的)。また、一部の大学ではセンター試験の得点がある基準点に達していることを要求したり、センター試験の得点である一定の倍率まで絞ってしまう、いわゆる「足きり」と呼ばれる制度があります。

また、近年拡大傾向にある私大のセンター利用入試に活用することもできるため、ますます重要性が上がっています。このセンター試験は、出題範囲こそ教科書レベルを逸脱しない良心的な範囲ですが、作問の癖が強いこともあり、その特徴に合わせた対策をしないと点数がとりづらい試験です。それゆえに受験産業が危機感を煽って低学年次からのセンター試験対策特化講座を開きますが、しかし、これを鵜呑みにするのは得策ではありません。

なぜなら、確かに癖の強い作問ではありますが、それに特化した学習は、基礎力さえついていれば3年生になってからでも十分に間に合うからです。むしろ、センター試験に特化することで、他の大学受験問題に対応できなくなるリスクの方が高くなります。1,2年生にとってのセンター試験対策は、一般的な普通科高校の2年の終わりまでに習う科目で、いわゆる「教科書レベル」に(検定教科書にある問題 や 教科書会社などの出版する基礎ドリル・ワークブックの問題集レベル)、なんでも対応できるという状態を作っておくことです。もし、その状態を作っていない状態で3年生を迎えてしまうと、残り1年ではセンター試験の問題には対応できません。

受験産業の低学年からのセンター対策を利用するなら、せいぜい、入試傾向を確認する程度に留めておきましょう。

  • 「センター試験レベル」とは

センター試験は大学受験の登竜門として多くの受験生にかかわるために、しばしば易しい入試問題の代名詞として「センター試験レベル」ということばだけが独り歩きしがちです。確かに大学入試問題の中では平易な問題であることは事実ですが、一般的な普通科高校の定期試験レベルのものを想像するのは誤りです。高校で学習する全範囲から出題されることも相俟って、しかるべき対策を取らなければ高得点は望めない試験です。また、30年にわたって行われてきた中で、受験生が対策を取るのとイタチごっこをする形で難易度も大きく変化していますので、過去の認識で話をしている大人の言うことを鵜呑みにするのも危険です。

センター試験の問題の難易度は、年ごとにもかなりのばらつきがあります。大学入試センターは毎年の平均点を公開していますので、過去問演習をする際は平均点を参考に、自分が解いている問題は難易度が高かったのか低かったのかも見ることで、実力を過信したり過剰に不安になったりすることを防ぐことができます。

センター試験を終え、自己採点後に出願校を検討する際にも、自分の取った点数をどう評価するかを考えるためには、受験生全体の傾向を知ることが必要になります。ただし、予備校による「センターリサーチ」や、それをもとにした「バンザイシステム」などの合否判定システムは非常に多くの受験生が参考にするため、額面通りに受け止めて出願する受験生が多ければその受験生たちは失敗しやすくなります。データを参考にすることは必要ですが、データに振り回されないようにすることも必要です。

  • センター試験の過去問集について

大学入試の過去問といえば二次試験対策では(教学社の)「赤本」が有名です。センター試験の「赤本」ももちろん出版されています。しかし、センター試験の過去問集は他社からも刊行されていますので、解説の質や掲載年数をよく比較してから購入するのがよいでしょう。また、過去問以外にも、出版社独自に作成したマーク型問題を集めた問題集や、予備校が出版するマーク型模擬試験の過去問集も発売されています。現行カリキュラムで有効な過去問は数が限られていますので、過去問だけでなくこれらの問題集も必要に応じて活用するとよいでしょう。

  • 理科の科目について

かつては物化生地それぞれの科目の前半部に当たる「○○I」(たとえば「生物I」)という名前の科目しかセンター試験では出題されませんでしたが、現在では後半部も含めたその科目のすべての範囲が出題範囲となる科目も設定されており、たとえば「生物」のように科目名の語尾に何もつかない「○○」という科目がそれです。理系学部を受験する場合はこちらを受験することが必須であり、以前よりも負担が増えています。大人のなかには、最近の受験の変化についていけていない、よくわかっていないことを言う人がいるので、高校生・受験生は、わかってない大人に惑わされぬよう注意が必要です。また理系の場合、大学によっては「センター試験では物理受験が必須。加えて、もう生物・化学・地学のうち1つ」のように、学科に関係の深い科目がセンター受験必須になっていることもよくありますのでこちらも要注意です。文系の場合は「○○基礎」を受験すればよく、これはかつての「○○I」よりも狭い範囲ですが、その代わり「○○基礎」を1科目単独で受験することは不可能で、2科目セットでの受験となりますので、これもやはりかつての受験生よりは負担増になっています。

  • 地歴公民の科目について

地歴公民は文系の場合は2科目、理系の場合は1科目受験することが必要なことがほとんどです。その際、地歴のA科目(2単位科目)はいちおうセンター試験で設定されてはいますがこちらを使用可能な大学はほとんどありませんので、地歴を使用する場合は必ず4単位のB科目を受験する必要があります。

公民の場合は、2単位科目の「現代社会」「倫理」「政治経済」を使用可能な大学と、4単位科目の「倫理、政治経済」しか認めないという大学に分かれており、難関大は後者が多くなっています。したがって、そのような大学の文系を受験する場合は「倫理、政治経済」の受験がほぼ必須と言えます。理系であれば「倫理、政治経済」にするか地歴のBにするかを選ぶことができますので、地歴Bを受験するのが一般的ですが、「倫理、政治経済」を受験しても構いません。

  • まとめ

以上を踏まえたうえで最も重要なことは、けっして受験校が絞られる前から早々に科目を絞らないことです。受験校の最終決定はセンター試験後にしかできませんが、このとき受験した科目が少なかったために不本意な出願をせざるを得なくなることが少なくありません。特に高校1・2年次に科目を絞るなどは論外ですので、塾などのそのような指導を鵜呑みにしないように気をつける必要があります。

  • 大学入学共通テスト導入など、入試改革について

現行通りの大学入試センター試験を受験するのは2020年春に大学に入学することを希望する人までであり、2021年春以降に入学する場合は大学入学共通テストという新たな試験を受験することになります。この共通テストについては、実施が間近に迫っているにもかかわらず細部の決定や公表が大幅に遅れており、対策を取るのが非常に困難な状況です。これまでに公開されている情報として、ほとんどの問題がマークシート形式という大枠は変更ありませんが、国語と数学で記述式の問題が一部追加されることになっています。また、それ以外の科目も含め、これまでの知識偏重の問題を改め、より思考力を問う問題を出題していくということになっていますが、実際にどのような出題がされるかは第1回が実施されるまでははっきりとしたことは言えない状況です。

また、センター試験の改革と合わせて、当該年度内に受験した英語の民間試験の成績を大学入試に用いることが予定されています。こちらも各大学が利用法を公表し始めていますが、初年度の対応は大学ごとにばらつきが大きく、どの程度のランクを目指しておくかという目安は立てづらい状況です。これまでの情報を見る限りおそらくは、おおむね英検準2級から2級に対応するCEFR A2相当は取得しておくことが、国公立大学を受験するうえでの必要条件となりそうな情勢です。

二次試験の科目選択[編集]

国公立大学二次試験で用いることになる科目は、もちろん個別の大学ごとに千差万別ですが、文系理系ごとの大まかな傾向についてここで述べます。

  • 文系

文系では、国英が主要教科です。特に英語を用いずに済むことはまずありませんので、英語が弱点の場合はこれを克服することが最重要課題です。それに加え、難関大や経済学部の場合は数学が加わります。地歴を用いる大学もありますが、教員養成大学の社会科課程を中心とする少数の大学のみです。

他に、近年は小論文を使うことが少なくありません。教科の名前がついていても実態としては数百字の文章を書かせるという大学もあり、国語での論述も含め、作文能力は受験生の思っているよりも多くの大学で問われていると言えます。

  • 理系

理系では、英数が主要教科です。数IIBまでか数IIIまでかは大学・学部によりますが、ほとんどの大学では数学IIIまでです。また、進学後のことも考えれば数IIIまでをきちんと学習しておくに越したことはありません。加えて理科も非常に多くの大学で課されますが、2科目要求されるセンター試験とは異なり、その学科で特に必要となる1科目のみというのが主流です(難関大では2科目を要求されます)。二次試験の理科では、物理や化学、生物のように、『〇〇』科目を要求するのが一般的です。

加えて国語を課す大学もありますが、これは少数派です。医療系では面接が課されることがしばしばあり、これも対策が必要です。

過去問の使い方[編集]

志望校の過去問よりも、まずは市販の問題集で、解説付きの問題集を重視して使用したほうがよいです。なぜなら過去問とは、まず出題傾向や難度のレベルを調べるためのものであり、当然ですが使用者の学力向上を第一目的としたものではありません。

過去問集にも解説などはありますが、参考書と比べたら解説も少ないし、また出題範囲も志望校のものに片寄っています。しかも、たいてい入試問題が難しめなので、初心者には学習の効率が悪いです。基本的には、あまり難関校の問題に挑戦するよりも、むしろ入試平均レベルの問題で良いから多くの問題を確実に解けるようにしたほうが、多くの大学の入試では有利な場合が多いです。

もちろん、大学ごとの出題傾向は固定化されている場合がかなりありますので、過去問練習は、けっして、まったくの無駄にはなりません。要は、使い方だということです。

なお、センター試験の過去問などは、試験馴れの目的も含めて、少なくとも過去数年分のセンター過去問ぐらいは練習したほうが良いでしょう。ただし、センター過去問を使う場合であっても、あくまで過去問は、まず出題傾向などを確認したり、苦手分野を確認して復習するべき分野を探すためのものであり、過去問を解くだけでは、あまり学力は上がりません。

もし、センター対策の問題練習をするなら、実際のセンター過去問ばかりをするよりも、「センター対策」などと書かれた参考書を読んだりした上で、「センター対策」などと銘打った予想問題集に掲載された問題を解くほうが、より効率的かもしれません。

検定教科書の難易度[編集]

検定教科書には、難易度に差をつけた、いくつかの種類の教科書があります。教科書会社ごとの違いだけでなく、同じ教科書会社が複数種類の難易度の教科書を出版している場合もあります。たとえば山川出版の世界史Bの検定教科書には、同じ「世界史B」科目でも、難度別の3種類の検定教科書があります。これらの中から、学校ごとに、その学校の教員が適切と考える教科書を選定し、採用しています。

このことは、生徒はそこまで気にする必要はありません。あくまで高校で与えられた教科書に従って学習するのが基本です。いずれにせよ、検定教科書だけでなく、参考書や問題集なども、受験合格のためには勉強する必要が生じます。

なお、もし高校卒業後に浪人や再受験をしていて、検定教科書を買いたい場合などで、しかし高校現役時代と受験科目が変わるなどして、どの検定教科書を買えばいいのかが、よく分からなければ、とりあえず地元の進学校で採用している教科書を買うなどすれば、良いでしょう。

なお、受験勉強法の書籍などで、難関大学の合格者インタビュー結果として「受験勉強なんて、検定教科書の予習復習だけで完璧」などと言われている場合、これは比較的難易度の高い検定教科書を想定しているでしょうから、この点には注意が必要です。

塾・予備校の注意点[編集]

塾や予備校の中には、不適切な指導をするところもあるので、注意が必要です。生徒にはまず学校での学習があり、他科目の学習があるということを無視して、いたずらに自分の担当科目の、自分の塾オリジナルの、不必要な難問を含んでいたりする教材を勉強させたり、大量の宿題を要求したりする指導などが代表的でしょう。志望校や受験校の選択についても、過度に現役合格にこだわるあまり不適切な指導をする事例がよく聞かれます。こういった指導をする塾や予備校は、市場原理で淘汰されてはいるものの、根絶されてはいません。その塾・予備校に相談しても改善が見られない場合、保護者に相談して、他の塾・予備校に変えるなどの対策が必要です。

入試範囲外の学習について[編集]

入試範囲外の知識があることで解きやすくなる問題が、しばしばみられます。

よくあるのが、高校の範囲内だが他科目の範囲である知識があると解きやすくなる入試問題です。具体的には、現代文や英語の文章でありながら様々な分野の基本的な知識があると読みやすくなるもの、物理基礎・化学基礎・生物基礎の問題でありながら物理・化学・生物の知識があると解きやすくなるもの、数学IIの問題でありながら数学IIIの知識があると解きやすくなるなるもの、などなど。こういった入試問題でも、原理的には出題範囲の科目の高校参考書の知識だけで解けるように作られていますので、対応するための特別な学習は必要ありません。あえて言うならば、入試科目ではなくても、高校教育で履修する科目の学習はすべて大切にすることが、こういった問題への最も有効な対策と言えるでしょう。

また、大学で習う知識をあつかった入試問題もありますが、心配する必要はなく、こういう入試問題は、高校の教科書・参考書の範囲内で解けるようにつくられています。さらに、高校生用の受験参考書や平均レベルの問題集でも、大学入試に出題されやすい大学レベルの発展的な話題には触れている場合が多いので、わざわざ大学生向けの教科書を購入する必要はありません。むしろ、せっかく大学生向けの教科書を読んでも、大学教科書では大学受験対策について考慮されていないので、まったく大学入試対策に、なりません。なので高校生は、高校生向けの教科書・参考書・問題集を用いて勉強しましょう。

そもそも、大学レベルの話題をあつかった入試問題といっても、大学で習う用語や公式などを丸暗記しただけで解けるというものではありません。たとえば、大学で学ぶ公式の導出が問題になることがあります。あるいは、そのような公式をあらかじめ問題文中に提示して、代入して使わせることでより難しい問題へのヒントとするような出題もあります。高校で学ぶ知識のみでは計算が大変だが、問題文中に書かれていない大学で学ぶ公式を使うと計算がショートカットできるという問題もないわけではありませんが、そのような公式を使用した答案は、適用可能な条件を満たしているかをきちんと確認しているかも含め、厳しい採点基準で採点されると言われています。