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日商簿記検定

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ウィキペディア日商簿記検定の記事があります。

日商簿記検定(にっしょうぼきけんてい)に関するコンテンツです。

概要

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日商簿記検定The Official Business Skill Test in Book-keeping)とは、日本商工会議所および各地商工会議所が実施する簿記に関する資格試験です。正式名称は「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」です。

1954年より開始され、1955年度からは年2回実施されていましたが、1997年(平成9年)度以降は年3回実施されるようになりました(ただし1級は年2回のみ)。試験は全国統一日程で6月、11月、2月に実施されます。ただし、2月は2級以下のみの実施です。

国家資格ではありませんが全国的に知名度の高い資格であり、経理や財務、一般事務職などへの就職・転職の際に有利な資格と言われています。また公認会計士税理士などの難関国家資格への登竜門でもあります。受験者数も例年多く、TOEIC情報処理技術者試験と並ぶ人気の資格試験です。

この試験では一定の機能の制限はありますが、電卓の使用が認められています。また、マークシートは採用されていません。

ちなみに簿記に関する検定試験には日商簿記のほか、全国経理教育協会主催の簿記能力検定全経簿記能力検定)や、商業高校生を対象とした全商簿記検定が実施されていますが、やはり認知度や社会的評価が高いのは日商簿記と言えるでしょう。

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1級、2級、3級、初級の4つの級が用意されています。

1級

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大学程度の商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算について理解できるレベルと言われています。大企業の簿記に相当します。財務諸表規則・企業会計に関する法規を理解し、経営管理や経営分析ができるレベルとされています。

日商簿記1級の合格者は、税理士試験の受験資格を得ることができます。(これは全経簿記の上級も同じです。)

日商簿記1級の合格率は例年10%前後ですが、受験者の大部分は既に2級に合格できる実力を有している場合が多いため、かなりの難関資格であると言えます。また、2級以下とは異なり、合格率の大きな変動がさほど発生していないことから、採点方法は絶対評価ではなく相対評価であると言われています。

日商簿記1級と同じくらいの合格難易度と言われる他の資格試験(国家試験)としては、社会保険労務士(社労士)試験や中小企業診断士試験、土地家屋調査士試験、マンション管理士試験、行政書士試験、海事代理士試験、通関士試験、応用情報技術者試験ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)1級などがあげられます。

2級

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高校卒業程度の商業簿記および工業簿記(初歩的な原価計算を含む)を理解できるレベルと言われています。商企業および工企業における経理担当者および経理事務員として必要な知識を有しているレベルとされます。財務諸表を読む力がつき、株式会社の経営状況を把握できるレベルとされています。中小企業の簿記に相当します。

日商簿記2級の近年の合格率は平均して20〜30%程度ですが、採点方法が絶対評価であるため、2015年(平成27年)11月実施の第141回試験(合格率11.8%)のように合格率が15%を下回った回から、逆に2013年(平成25年)2月実施の第133回試験(合格率47.6%)のように合格率が40%を上回った回まで、合格率の変動が非常に大きくなっています

2016年度以降は出題内容改定の影響で難易度が以前に比べ大幅に上昇しており、特に商業簿記では、かつては1級の内容であった連結会計や税効果会計、外貨建取引などの内容が追加され、その出題内容は資格予備校の講師からも批判されたほどです。

商業簿記のみが問われる3級とは異なり、2級では工業簿記も問われ専門性が高くなります。そのため、簿記初学者がいきなり2級を受験して合格するのはかなり難しいと言われており、あまりオススメできません。やはり3級合格後のステップアップとして受験するのが良いでしょう。

ただし、商業簿記の問題難易度が近年著しく上昇しているのに対し、工業簿記の難易度は従来までと殆ど変わっていないと言われています。そのため、「工業簿記を制する者が日商簿記2級を制する」と言われることもあります。

日商簿記2級と同じくらいの合格難易度と言われる他の資格試験(国家試験)としては、宅地建物取引士(宅建)試験や管理業務主任者試験、総合旅行業務取扱管理者試験、基本情報技術者試験、FP2級などがあげられます。

日商簿記2級は公式では高校卒業レベルの試験とされていますが、実際には商業高校では卒業までに(在学中に)日商簿記2級に合格できる生徒はあまり多くないと言われています。

ちなみに、日商簿記2級の問題の出題水準は大学入試センター試験の科目「簿記・会計」よりも高いとされています。センター試験の「簿記・会計」では商業簿記のみが出題され、工業簿記は出題されません。

3級

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個人企業における経理担当者または経理補助者として必要な商業簿記に関する知識を有しているレベルとされています。経理関連書類の読み取りができ、取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになるレベルとされています。

かつては個人商店を対象とする内容でしたが、2019年度から株式会社を対象としたものに変更されています。なお、3級では工業簿記は出題されません。

多くの場合、簿記初学者が学習をはじめるのはこの級からです。営業、管理部門に必要な知識として評価する企業が増えています。

日商簿記3級の近年の合格率は平均して40〜50%程度です。2015年(平成27年)11月実施の第141回試験(合格率26.1%)のように合格率が30%を下回った回もあります。日商簿記3級と同じくらいの合格難易度と言われる他の資格試験(国家試験)としては、ITパスポート試験や国内旅行業務取扱管理者試験、FP3級などがあげられます。

初級

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昔は4級と呼ばれていました。経理担当者だけでなく広く社会人全般を対象に簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、日常業務に利活用することができるレベルとされています(決算に関する部分は範囲外です)。

ちなみにこの級のみ、ネット試験で随時受験できるようになっています。

難易度

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簿記検定の合格難易度は、一般的に、

日商1級 >> 全経上級 >> 日商2級 ≧ 全経1級 > 日商3級 ≒ 全経2級 ≒ 全商1級 > 日商初級、全経その他、全商その他

と言われています。

日商簿記検定1級と全経簿記能力検定上級はどちらも税理士試験の受験資格であるため同等の試験とみなされることもありますが、実際の難易度では日商簿記1級のほうが格段に高いと言われています。ただ全経上級は日商簿記2級よりは難易度が高いため、無理やり日商簿記で換算するならば準1級相当とも言えるでしょう。

ちなみに全商簿記は基本的に商業高校生向けであるため難易度はそれほど高くありません。一般的に全商1級が日商簿記3級と同じくらいと言われています。日商簿記は大学生や社会人も受験する試験なので3級でもそこそこ難易度が高いです。

形式

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すべての級で(100点満点中)70点以上獲得することで合格となります。

ただし、1級には総得点70点以上の条件に加え、科目ごとに足切り制度が存在するため注意が必要です。商業簿記(25点)会計学(25点)工業簿記(25点)原価計算(25点)の科目ごとにつき、40%(10点)以上の得点が必要です。1科目でも9点以下の科目がある場合は不合格となってしまいます(理論上84点でも不合格になる場合があります)。

1級は試験時間が2つに分割されており、「商業簿記・会計学」が90分、「工業簿記・原価計算」が90分で、合計180分となっています。

2級は商業簿記が60点分、工業簿記(原価計算を含む)が40点分出題されます。2級では1級のような科目ごとの足切り制度はありません。しかし、合格点の70点に達するには商業簿記が満点(60点)であっても工業簿記が最低10点は必要であり、工業簿記が満点(40点)であっても商業簿記が最低30点は必要です。2級の試験時間は120分です。

1級、2級とも科目合格制度はありません。

3級は商業簿記のみが出題されます。試験時間は120分です。

初級は試験時間40分のネット試験です。

特典

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  • 民間企業の入社試験・履歴書では、日商簿記検定の取得級に応じて採用判定で優先されることがあります。また、企業における昇進等の人事評価でも日商簿記検定の取得級が評価材料になることがあります。一般的には中小企業では2級以上の、大企業では1級の合格者は高く評価されると言われています。
  • 2級以上の合格者は、国家公務員や地方公務員の採用試験で加点対象となるなどの優遇措置がとられることがあります。
  • 日商簿記検定の取得級に応じて、入学試験(推薦、AO)での優遇や、入学後の単位認定の対象とする大学、短期大学があります。
  • 日商簿記1級の合格者は税理士試験の受験資格を得ることができます。

関連項目

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関連外部リンク

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