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高等学校数学II/三角関数

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
高等学校の学習 > 高等学校数学 > 高等学校数学II > 高等学校数学II/三角関数

ここでは三角関数の定義をしたあと、三角関数の基本的な性質、加法定理、三角関数の応用について学ぶ。三角関数は波やベクトルの内積、フーリエ変換などさまざまな分野で応用されている。

角の拡張

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一般角

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右図のように、定点Oを中心として回転する半直線 OP を考える。このときの回転する半直線 OP のことを動径という。

半直線 OX を角度の基準とする。この基準となる半直線 OX のことを始線という。

動径が時計回りに回転した場合、回転した角度は負であるとし、動径が反時計回りをした場合、回転した角度は正であるとする。

負の角度や360°以上回転する角度も考えに入れた角のことを一般角という。


弧度法

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ラジアン

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いままでは角度の単位として一周を 360° とする度数法を使ってきたことだろう。ここで、弧度法による角度の表し方を学ぶ。

半径1 の扇形において弧の長さが 1 のときの中心角を 1 rad、同様に弧の長さがθのときの中心角をθ radと定義する。この定義より 180° =π rad、360° = 2π rad 、さらに

1∘=π180rad1rad=180π∘≈57.3∘

となる。また弧度法の単位(rad)はしばしば省略される。

弧度法を用いると、三角関数の微積分を考える際に便利である。(このことは数学IIIで学ぶ)

扇形の弧の長さと面積

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扇形の半径をr 、弧度法で定義された角度をθとするとき、弧の長さl と面積S は

l=rθ,S=12r2θ=12rl

と表せる。

三角関数

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sin と cos のグラフ

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一般角が θ の半直線と単位円が交わる円を P とする。このときの P の座標を(cos⁡θ,sin⁡θ) とすることで、関数 sin⁡,cos を定める。また、tan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ とすることで関数 tan⁡θ を定める。tan⁡θ は一般角が θ の動径の傾きに等しい。

  • sin はサイン(sine) と発音され、正弦とも呼ばれる。
  • cos コサイン(cosine) と発音され、余弦とも呼ばれる。
  • tan はタンジェント(tangent) と発音され、正接とも呼ばれる。

また、三角関数の累乗は (sin⁡θ)n=sinnθ と表記される。


cos θ のグラフは sin θ のグラフを θ軸方向に −π2だけ平行移動したものである。

y=sin⁡θ や y=cos⁡θ の形をした曲線のことを 正弦曲線 (せいげんきょくせん)という。

関数 sin⁡,cos の値域はどちらも、[−1,1] である。

tan のグラフ

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右図のように 、角 θ の動径と単位円との交点をPとして、 直線OPと 直線x=1 との交点を T とすると、 Tの座標は

T (1, tan θ)

になる。

このことを利用して、 y=tan θ のグラフをかくことができる。


y=tan θ のグラフは、下図のようになる。

y=tan θ のグラフでは、θの値が π2 に近づいていくと、 直線 θ=π2 に限りなく近づいていく。

このように、曲線がある直線に限り無く近づいていくとき、近づかれる直線のほうを 漸近線 (ぜんきんせん)という。

同様に考え、次の直線も y=tanθ の漸近線である。

⋯,θ=−32π,θ=−12π,θ=12π,32π,⋯

は y=tanθ の漸近線である。


一般に、

直線 θ=π2+nπ   (nは整数)

はy=tanθのグラフの漸近線である。[1]


三角関数の性質

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一般角が θ の動径は一回転しても等しいので、一般角が θ+2π の動径と等しい。これより三角関数の周期性

sin⁡(θ+2πn)=sin⁡θcos⁡(θ+2πn)=cos⁡θtan⁡(θ+2πn)=tan⁡θ

を得る。


点 (cos⁡θ,sin⁡θ) を π 回転した点 (cos⁡(θ+π),sin⁡(θ+π)) は原点を中心に点対称移動した点 (−cos⁡θ,−sin⁡θ) であることから

sin⁡(θ+π)=−sin⁡θcos⁡(θ+π)=−cos⁡θtan⁡(θ+π)=tan⁡θ

を得る。

点 (cos⁡θ,sin⁡θ) を x 軸で線対称移動移動した点が (cos⁡(−θ),sin⁡(−θ))=(cos⁡θ,−sin⁡θ) であることから

sin⁡(−θ)=−sin⁡θcos⁡(−θ)=cos⁡θtan⁡(−θ)=−tan⁡θ

を得る。

  • 問題例
    • 問題
  • ::sin⁡(θ+π2)cos⁡(θ+π2)sin⁡(π2−θ)cos⁡(π2−θ)
    を計算せよ。
    • 解答
    角θに対応する点を P(x, y) とする。このとき、角 θ + 90°に対応する点を P'(x', y') とすると、この点の座標は、P'(-y, x) に対応する。このことから、P'について sin, cos を計算すると、
    x′=−y=cos⁡(θ+π2)=−sin⁡θy′=x=sin⁡(θ+π2)=cos⁡θ
    が得られる。
    同様にして、90°- θ に対応する点を P' '(x' ', y' ') とすると、
    x″=yy″=x
    となる。よって、
    sin⁡(π2−θ)=cos⁡θcos⁡(π2−θ)=sin⁡θ
    が得られる。

単位円周上の点 (cos⁡θ,sin⁡θ) から原点までの距離は 1 なので、 sin2θ+cos2θ=1 が成り立つ。

また、この式に、 tan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ つまり、 sin⁡θ=tan⁡θcos⁡θ を代入すれば、1+tan2θ=1cos2θ が成り立つことがわかる。


周期関数

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関数 f(x) に対して、0 でない実数 p が存在して、f(x+p)=f(x) となるとき関数 f(x) は周期関数という。実数 p が上の性質を満たすとき、−p,2p など、実数 p を0を除く整数倍した数も上の性質を満たす。そこで、周期関数を特徴づける量として、上の性質を満たす実数 p の内、正でかつ最小のものを選び、これを周期と呼ぶ。

sin⁡x,cos⁡x は周期を 2π とする周期関数であり、tan⁡x は周期を π とする周期関数である。


演習問題

k を0でない実数とする。関数 sin⁡kx の周期を言え

解答

sin⁡k(x+2πk)=sin⁡kx なので答えは 2πk 。これは正であり、周期の最小性の条件を満たしている。


偶関数と奇関数

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関数 f(x) が f(−x)=f(x) を満たすとき、関数 f(x) は偶関数という。偶関数は y 軸に関して対称なグラフになる。

また、関数 f(x) が f(−x)=−f(x) を満たすとき、関数 f(x) は奇関数という。偶関数は原点に関して対象なグラフになる。

関数 cos⁡θ,x2n (n は整数)は偶関数となる。

関数 sin⁡x,x2n+1 (n は整数)は奇関数となる。

演習問題

tan⁡θ は偶関数かそれとも奇関数か調べよ。

解答

tan⁡(−θ)=sin⁡(−θ)cos⁡(−θ)=−sin⁡(θ)cos⁡(θ)=−sin⁡(θ)cos⁡(θ)=−tan⁡θ

なので、 tan⁡θ は奇関数である。[2]


いろいろな三角関数

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関数 y=sin⁡(θ−π3) のグラフは、y=sin⁡θのグラフを θ軸方向に π3 だけ平行移動させたものになり、周期は 2π である。(平行移動しても、周期は変わらず、sinθと同じく周期は 2π のままである。)


関数 y=2sin θ のグラフの形は y=sin θ をy軸方向に2倍に拡大したもので、周期は y=sin θ と同じく 2π である。

ー1 ≦ sin θ ≦ 1  なので、

値域は  ー2 ≦ 2sin θ ≦ 2  である。


関数 y=sin2θ のグラフはy軸を基準にθ軸方向に 12 倍に縮小したものになっている。

したがって、周期も 12 倍になっており、y=sinθ の周期は 2π だから、y=sin2θ の周期は π である。


加法定理

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三角関数の加法定理

sin⁡(α±β)=sin⁡αcos⁡β±cos⁡αsin⁡βcos⁡(α±β)=cos⁡αcos⁡β∓sin⁡αsin⁡β

が成り立つ。

証明

任意の実数 α,β に対し、単位円周上の点 A(cos⁡α,sin⁡α),B(cos⁡β,sin⁡β) をとる。このとき、 線分 AB の長さの2乗 AB2 は余弦定理を使うことにより

AB2=2−2cos⁡(α−β)

である。次に三平方の定理を使って

AB2=(cos⁡α−cos⁡α)2+(sin⁡α−sin⁡β)2=2−2(cos⁡αcos⁡β+sin⁡αsin⁡β)

これを整理して

cos⁡(α−β)=cos⁡αcos⁡β+sin⁡αsin⁡β

を得る。

cos⁡(α+β)=cos⁡(α−(−β))=cos⁡αcos⁡(−β)+sin⁡αsin⁡(−β)=cos⁡αcos⁡β−sin⁡αsin⁡β

である。

以上をまとめて

cos⁡(α±β)=cos⁡αcos⁡β∓sin⁡αsin⁡β

を得る。

ここで、

sin⁡(α±β)=−cos⁡(α+π2±β)=−{cos⁡(α+π2)cos⁡(β)∓sin⁡(α+π2)sin⁡β}=sin⁡αcos⁡β±cos⁡αsin⁡β[3]

さらに、tan⁡x についても

tan⁡(α±β)=sin⁡(α±β)cos⁡(α±β)=sin⁡αcos⁡β±cos⁡αsin⁡βcos⁡αcos⁡β∓sin⁡αsin⁡β=sin⁡αcos⁡βcos⁡αcos⁡β±cos⁡αsin⁡βcos⁡αcos⁡βcos⁡αcos⁡βcos⁡αcos⁡β∓sin⁡αsin⁡βcos⁡αcos⁡β=tan⁡α±tan⁡β1∓tan⁡αtan⁡β

が成り立つ。

(参考)
加法定理の幾何的導出

2倍角・半角の公式

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加法定理を用いて以下の2倍角の公式が証明できる。

sin⁡2α=sin⁡(α+α)=2sin⁡αcos⁡α

cos⁡2α=cos⁡(α+α)=cos2α−sin2α=2cos2α−1=1−2sin2α

tan⁡2α=2tan⁡α1−tan2α


次に、 cos の2倍角の公式を変形すると

sin2α=1−cos⁡2α2

cos2α=1+cos⁡2α2

である。

ここでαをα2に置き換えると、

sin2α2=1−cos⁡α2

cos2α2=1+cos⁡α2

である。(半角の公式)

この式はα2,αどちらの形でも多用する。


演習問題

  1. sin⁡15∘,cos⁡15∘ を求めよ
  2. tan2α=1−cos⁡2α1+cos⁡2α を示せ

解答

sin⁡15∘=sin⁡(45∘−30∘)=6−24

cos⁡15∘=cos⁡(45∘−30∘)=6+24


tan2α=sin2αcos2α=1−cos⁡2α1+cos⁡2α

今までの定理をまとめると、次のようになる。

三角関数の加法定理
sin⁡(α±β)=sin⁡αcos⁡β±cos⁡αsin⁡βcos⁡(α±β)=cos⁡αcos⁡β∓sin⁡αsin⁡βtan⁡(α±β)=tan⁡α±tan⁡β1∓tan⁡αtan⁡β


2倍角の公式
sin⁡2α=2sin⁡αcos⁡αcos⁡2α=cos2α−sin2α=1−2sin2α=2cos2α−1tan⁡2α=2tan⁡α1−tan2α


半角の公式
sin2α2=1−cos⁡α2cos2α2=1+cos⁡α2tan2α2=1−cos⁡α1+cos⁡α

覚え方

加法定理は「咲いたコスモスコスモス咲いた」、「コスモスコスモス咲いた咲いた」という語呂合せがあります。

cos の倍角の公式 cos⁡2θ=2cos2θ−1=1−2sin2θ は ±1∓2sin2θ という形を覚えて sin は符号が −、1 の符号はその逆と覚えます。

半角の公式sin2θ2=1−cos⁡θ2,cos2θ2=1+cos⁡θ2 は、1±cos⁡θ2 という形を覚えて、 sin は符号が− と考えます。


三角関数の合成

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三角関数の和

asin⁡θ+bcos⁡θ

において、a,b≠0 のとき

{aa2+b2}2+{ba2+b2}2=1 なので、点 (aa2+b2,ba2+b2) は単位円周上の点であり、

{cos⁡α=aa2+b2sin⁡α=ba2+b2

となるようなαをとることができ、このαを用いて次のような変形ができる。

asin⁡θ+bcos⁡θ=a2+b2(aa2+b2sin⁡θ+ba2+b2cos⁡θ)=a2+b2(sin⁡θcos⁡α+cos⁡θsin⁡α)=a2+b2sin⁡(θ+α)

この式はサイン(正弦関数)に合成するので正弦合成と呼ぶ場合がある。 これに対し、コサイン(余弦関数)に合成する場合は余弦合成と呼ばれる。

合成は加法定理の逆の操作である。


演習問題

r,α は r>0,−π≤α<π を満たすとする。

  1. sin⁡θ−3cos⁡θ を rsin⁡(θ+α) の形に変形せよ。
  2. 2cos⁡θ−2sin⁡θ を rcos⁡(θ+α) の形に変形せよ。

解答

  1. r=12+(−3)2=2 より

sin⁡θ−3cos⁡θ=2(12sin⁡θ−32cos⁡θ)=2(sin⁡θcos⁡π3−cos⁡θsin⁡π3)=2sin⁡(θ−π3)

  1. 2cos⁡θ−2sin⁡θ=22(12cos⁡θ−12sin⁡θ) [4]ここで、rcos⁡(θ+α)=r(cos⁡θcos⁡α−sin⁡θsin⁡α) である。 cos⁡α=12,sin⁡α=12 となる α として α=π4 がある。[5]したがって、2cos⁡θ−2sin⁡θ=22cos⁡(θ+π4)


asin⁡θ+bcos⁡θの合成の計算を簡略化するやり方として、以下のようなものが知られている。

正弦合成の場合
xy平面上に点P(a,b)をとる。
x軸の正の部分に始線をとり、OPを動径とみた時の回転角をαとおく。
三角方程式tan⁡α=baを解いてαの値を求める。
求める式はa2+b2sin⁡(θ+α)である。
余弦合成の場合
xy平面上に点Q(b,a)をとる。
x軸の正の部分に始線をとり、OQを動径とみた時の回転角をβとおく。
三角方程式tan⁡β=abを解いてβの値を求める。
求める式はa2+b2cos⁡(θ−β)である。

和⇄積の公式

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三角関数の加法定理を用いると、三角関数の和→積の公式、および積→和の公式が得られる。それぞれ

積→和の公式
sin⁡αcos⁡β=12{sin⁡(α+β)+sin⁡(α−β)}cos⁡αsin⁡β=12{sin⁡(α+β)−sin⁡(α−β)}cos⁡αcos⁡β=12{cos⁡(α+β)+cos⁡(α−β)}sin⁡αsin⁡β=−12{cos⁡(α+β)−cos⁡(α−β)}
和→積の公式
sin⁡A+sin⁡B=2sin⁡(A+B2)cos⁡(A−B2)sin⁡A−sin⁡B=2cos⁡(A+B2)sin⁡(A−B2)cos⁡A+cos⁡B=2cos⁡(A+B2)cos⁡(A−B2)cos⁡A−cos⁡B=−2sin⁡(A+B2)sin⁡(A−B2)

となる。

導出

加法定理

sin⁡(α+β)=sin⁡αcos⁡β+cos⁡αsin⁡β
(1)
sin⁡(α−β)=sin⁡αcos⁡β−cos⁡αsin⁡β
(2)
cos⁡(α+β)=cos⁡αcos⁡β−sin⁡αsin⁡β
(3)
cos⁡(α−β)=cos⁡αcos⁡β+sin⁡αsin⁡β
(4)

から、 (1) + (2) より

sin⁡αcos⁡β=12(sin⁡(α+β)+sin⁡(α−β))


(1) - (2) より

cos⁡αsin⁡β=12(sin⁡(α+β)−sin⁡(α−β))


(3) + (4) より

cos⁡αcos⁡β=12(cos⁡(α+β)+cos⁡(α−β))

(3) - (4) より

sin⁡αsin⁡β=−12(cos⁡(α+β)−cos⁡(α−β))

が得られる。

A=α+β,B=α−β とおくと、 α=A+B2,β=A−B2 である。これを積→和の公式に代入すれば、それぞれ

sin⁡A+sin⁡B=2sin⁡(A+B2)cos⁡(A−B2)sin⁡A−sin⁡B=2cos⁡(A+B2)sin⁡(A−B2)cos⁡A+cos⁡B=2cos⁡(A+B2)cos⁡(A−B2)cos⁡A−cos⁡B=−2sin⁡(A+B2)sin⁡(A−B2)

が得られる。

覚え方

積→和の公式は、上2つは α と β を入れ替えれば同じ式なので、覚えるのは3式でいい。sin⁡sin の公式は cos⁡cos の公式の符号を2つ − にしたものになっている。

和→積の公式は、aaa−aaa の式は aaa+aaa の公式の cos と sin を逆にした形になっている。


  • 問題
    • tan⁡(α+β)=sin⁡αcos⁡α+sin⁡βcos⁡βcos2α−sin2βを示せ。


  • 解答
(右辺)=sin⁡αcos⁡α+sin⁡βcos⁡βcos2α−(1−cos2β)
=12sin⁡2α+12sin⁡2β1+cos⁡2α2−1+1+sin⁡2β2∵ 2倍角・半角の公式
=sin⁡2α+sin⁡2βcos⁡2α+cos⁡2β
=2sin⁡(α+β)cos⁡(α−β)2cos⁡(α+β)cos⁡(α−β)∵ 和→積の公式
=sin⁡(α+β)cos⁡(α+β)
=tan⁡(α+β)


  • 別解
(右辺)=sin⁡αcos⁡α⋅1cos2β+1cos2α⋅sin⁡βcos⁡β1cos2β−1cos2α⋅sin2βcos2β
=tan⁡α(1+tan2β)+(1+tan2α)tan⁡β1+tan2β+(1+tan2α)tan2β
=tan⁡α+tan⁡β+tan⁡αtan⁡β(tan⁡α+tan⁡β)1−tan2αtan2β
=(tan⁡α+tan⁡β)(1+tan⁡αtan⁡β)(1+tan⁡αtan⁡β)(1−tan⁡αtan⁡β)
=tan⁡α+tan⁡β1−tan⁡αtan⁡β
=tan⁡(α+β)

三角関数の基本公式

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  • 周期性(n は整数)
sin⁡(θ+2πn)=sin⁡θcos⁡(θ+2πn)=cos⁡θtan⁡(θ+2πn)=tan⁡θ
  • 偶関数、奇関数(負角の公式)
sin⁡(−θ)=−sin⁡θcos⁡(−θ)=cos⁡θtan⁡(−θ)=−tan⁡θ
  • θ+π
sin⁡(θ+π)=−sin⁡θcos⁡(θ+π)=−cos⁡θtan⁡(θ+π)=tan⁡θ
  • π−θ(補角の公式)
sin⁡(π−θ)=sin⁡θcos⁡(π−θ)=−cos⁡θtan⁡(π−θ)=−tan⁡θ
  • θ+12π
sin⁡(θ+12π)=cos⁡θcos⁡(θ+12π)=−sin⁡θtan⁡(θ+12π)=−1tan⁡θ
  • π2−θ(余角の公式)
sin⁡(π2−θ)=cos⁡θcos⁡(π2−θ)=sin⁡θtan⁡(π2−θ)=1tan⁡θ
  • 問題例
    • 問題
    (i) sin⁡103π
    (ii) cos⁡(−114π)
    (iii) tan⁡316π
    の値を求めよ。
    • 解答
    (i)
    sin⁡103π=sin⁡(43π+2π)=sin⁡43π=sin⁡(π3+π)=−sin⁡π3=−32
    (ii)
    cos⁡(−114π)=cos⁡114π=cos⁡(34π+2π)=cos⁡34π=cos⁡(π−π4)=−cos⁡π4=−12
    (iii)
    tan⁡316π=tan⁡(76π+2π×2)=tan⁡76π=tan⁡(π6+π)=tan⁡π6=13


楽器の音と三角関数
音も波の一種なので、三角関数で表現できる。

オシロスコープで 音叉 の音を測定すると、正弦波に近い波形が観測される。

しかし、実際の楽器の音は、正弦波とは違う。オシロスコープでギターやバイオリンなどの楽器の音を測定すると、正弦波でない波形が繰り返されている。

これら実際の楽器の音の波形は、周期の異なる複数個の正弦波を重ね合わせた波形になっている。

大学などで習うフーリエ解析で、このような正弦波でない波形の解析について詳しく習う。三角関数以外の周期的な関数を、三角関数を介して表現する手法が知られている。


数学者レオンハルト・オイラー
レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler 1707年4月15日 - 1783年9月18日)

ここでは、指数関数、三角関数の定義域を実数としていたが、これらの関数の定義域を複素数まで拡張することができる。(興味のある意欲的な読者は複素関数論の書籍を読んでみるといい) 複素数に拡張した指数関数、三角関数では eiθ=cos⁡θ+isin⁡θ という関係式が成り立つ。ただし、e はネイピア数で e≈2.7 である。ここで、 θ に π を代入すると eiπ+1=0となる。この等式はよく「世界一美しい等式」と呼ばれている。


円周率の値

円周率はπ≒3.14が広く用いられているが、実はτ≒6.28を用いた方が良い、とする意見がある。

円の定義が「任意の点からの距離(半径)が等しい点の集合」であることから、数学で円を議論する際は半径を基本にすることが多く、直径は(工学などを除けば)円周率を決めるときぐらいしか出てこない。そのため、円が絡む数学公式には多くの場合係数2がついてしまう。そこで、τ=2πを用いれば、多くの公式が簡単に(そして主張者によれば「本質的に」)書ける。以下に例を挙げる。


弧度法では、一周がτラジアンとなり、円と扇形の比がτの係数に一致する。そのため、一周以下の範囲においてτの係数が仮分数になる事がない。

扇形について、弧長の公式はθr、面積の公式は12θr2。円について、円周の公式はτr、面積の公式は12τr2。このことからわかるように、円周・円の面積を求めたい時、扇形の公式にθ=τを代入するだけであり、公式の統一化が図れる。なお、面積公式に係数12がついてしまっているが、これは「係数が1の一次式(弧長・円周の公式)を積分している」と解釈すれば自然なことである。

三角関数について、sinとcosの周期はτ、tanの周期はτ2となり、sinとcosは円を1周、tanは円を半周すると元に戻ることが端的に示される。

オイラーの公式eiθ=cos⁡θ+isin⁡θ について、θ=τとするとeiτ=1である。この式は座標平面上で点(1, 0)から単位円を一周すると元の点に戻ることを示す。また、θに一周(τラジアン)を代入しているのでsinが0、cosが1であることが直感的に理解できる。

他にも、正規分布の確率密度関数やディラック定数、物理の正弦波の式など、2πが登場する式は非常に多い。それらをτに置き換えることによって、式を簡潔に書くことができる。ただし、2πにさらに係数がかかっているものについてはあまり変わらない。


ここまで円周率τについて紹介してきたが、現在の数学界でτが使われることはあまり多くない。これは、工学に応用する際にはπの方が都合が良いこと、過去にπが広く使われてきたため今更変えるのは困難であることが理由である。使いたいときは最初に「2π=τとする」と断ってから使えば良いだろう。

演習問題

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(1)下の度数法で表された値を弧度法で表せ

1)150 2)720


(2)sin⁡π/2の値を求めよ


(3)y=7sin⁡(θ−π4)のグラフをかけ。


(4)以下を示せ。

1)sin⁡3θ=3sin⁡θ−4sin3θ

2)cos⁡3θ=4cos3θ−3cos⁡θ


(5)6sin⁡θ+2cos⁡θをrsin⁡(θ+a)の形で表せ。


(6)asin⁡θ+bcos⁡θ=rcos⁡(θ−β)が成立するようにr,sin⁡β,cos⁡βを定めよ。


(7)以下の式について、和の形であれば積の形に、積の形であれば和の形に変形せよ。

1)sin⁡3θ+sin⁡5θ

2)sin⁡6θcos⁡4θ


(8)f(θ)=3sin⁡θcos⁡θ+sin⁡θ+cos⁡θとする。

1)t=sin⁡θ+cos⁡θとしたとき、sin⁡θcos⁡θをtの式で表せ。

2)tの範囲を求めよ。

3)f(θ)の最大値・最小値を求めよ。


脚注

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  1. ^ 高校・大学入試では使われないが、sec⁡θ=1cos⁡θ,csc⁡θ=1sin⁡θ,cot⁡θ=1tan⁡θ(=cos⁡θsin⁡θ) として定義される三角関数を使うところもある。これらの関数はそれぞれ、セカント、コセカント、コタンジェントと呼ばれる。
  2. ^ 一般に、関数 f(x) に対し、f(x) が偶関数か奇関数か調べるには f(−x) が f(x) または −f(x) のどちらに等しいか調べればよい。また、どちらとも等しくない場合、関数 f(x) は偶関数でも奇関数でもない。
  3. ^ 「咲いた(sin)コスモス(cos)コスモス(cos)咲いた(sin)」「コスモス(cos)コスモス(cos)咲いた(sin)咲いた(sin)」という覚えかたがある
  4. ^ こう変形することで、点 (12,12) が単位円周上の点になる
  5. ^ ここで、 α は問題文の制約を満たすように選ぶ。 α に 2π の整数倍を足した α+2πn を選んでも三角関数の合成はできるが、実用的にも α は簡単なものを選んだ方がいいだろう。
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