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民法第817条の10

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第4編 親族 (コンメンタール民法)

条文

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特別養子縁組の離縁)

第817条の10
  1. 次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
    1. 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
    2. 実父母が相当の監護をすることができること。
  2. 離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。

解説

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特別養子縁組により、実親子関係同然となっているため、実親子に離縁が存在しないのと同様、原則として離縁はできない。
ただし、例外として、養親に虐待など不適格な行動が見られ、かつ、実父母が監護ができる状況において養子の利益のため特に必要があると認められる場合に限って、家庭裁判所の審判により離縁が認められ、実親との関係を回復する。
養親に不適格な行動が見られても、実父母が監護できる状況にないなどにより、離縁ができない場合は、実親子同様、親権の停止などの措置となる。
離縁の請求権者に養親は含まれない。これは、養親は養子を実子と同様に監護・教育し、終生にわたって親子としてかかわっていこうという意思の下に特別養子縁組をしたはずであることを理由とする。養子による養親への虐待等があった場合であっても、実親子同様、「縁を切る」と言う対応はできず、相続人から廃除する(第892条)などの対応となる。
同様に養子からの離縁も養子が成長して監護の必要性がなくなった時点では認められない。

参照条文

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前条:
民法第817条の9
(実方との親族関係の終了)
民法
第4編 親族

第3章 親子

第2節 養子
次条:
民法第817条の11
(離縁による実方との親族関係の回復)
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