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→‎芸術科目の選択について: 検定教科書の購入方法について
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== 中学との違い ==
== 高校は義務教育ではない ==
高校は、義務教育ではありません。したがって、さまざまな事情により高校を退学することはありえます。そのあとに他の高校に入りなおす義務もありません。特に、非行などに対する懲戒処分として、校長から謹慎や退学を命じられることもありえます。
* 高校は義務教育では、'''ありません'''。
高校教育は日本では義務教育でないため、高校側には、あなたに教育を受けさせるという「教育の義務」は、ありません。


日本では中学校までは年齢主義をとるため、1年間在籍しているだけで、次の学年に普通に進級できたでしょう。ですが高校では、規定の時間数以上の授業に出席をし、考査等でしかるべき成績を収めることが進級の必要条件です。つまり、出席や成績の状況次第で留年をすることがあります。
* 非行の処罰は、中学より重い。
高校が義務教育でないこともあり、また法律上の少年法や刑法の関係などから、高校生が非行や犯罪を行った場合、学校側から停学や退学の処分をされる可能性が、中学生と比べて、高まっています。なお、一般に、高校から先の大学や短大では、高校よりも更に悪質行為の処分が厳しくなります。


学校にもよりますが、中堅レベル以上の普通科高校の場合、高校の定期考査では、中学と比べて試験問題が難しくなるのが一般的です。教科書自体が中学と比べて内容が高度だし、また大学受験に対応するため、定期考査に難しい問題も出される場合があります。
* 進級基準が中学よりも厳しい。
中学では学校にキチンと通学していれば、余程の非行や余程の学業不振が無い限りは、普通に進級できます。ですが高校では成績が悪いと、(進学校など学校によっては)けっこう留年をさせられる場合があります。
特に進学校や私立学校の場合には、進級基準が厳しい場合があるので、注意が必要です。


このため、定期考査の試験対策をしないと、いわゆる赤点を取る可能性が高いです。赤点とは、定期考査等の結果が基準点を下回ることです。詳しい規定は学校によりますが、基準は「固定された点数(30点など)未満」や「平均点の半分未満」などです。赤点をとってしまった場合にはいくつかの処置がとられます。

* 芸術科目の選択性。
普通科高校での芸術科目は、音楽・美術・書道・工芸の中からどれか一つを選ぶ選択制になっています。1年生では芸術科目が必修になっていることが多いと思います。
芸術科目を2つ以上履修することは出来ないのが一般です。高校によっては、2年次以降の芸術科目が履修できない場合もあります。なぜなら大学入試では、芸術系の大学を除き、多くの一般大学では芸術科目は入試科目でないのが一般だからです。たとえ2年生で履修できても、3年では履修できない場合もあります。あるいは2年生では芸術科目が履修できず、3年生で進路に応じて芸術科目は履修できるという場合などです。特に進学系の高校では、このような大学受験の実情のため、2年次以降は2年生・3年生とも芸術科目を履修できない傾向が強まるでしょう。
また、2年生以降の理系コース(多くの高校で文系または理系のコース分けがある)では、選択科目の対象が理系科目に当てられるため、芸術科目の2年以降の履修が時間的に難しくなります。


* 中学技術科に対応する高校科目が無い。
中学にあった技術・家庭科の技術分野は、高校では技術分野が消えて家庭分野のみの家庭科になっています。普通科高校では、職業教育は、ありません。

* 選択科目が多くなる。
学校にもよりますが、法律で定めれれている必修科目や学校が定めた必修科目はあるものの、それら必修以外の科目は選択科目になります。
**主な選択科目(2013年度以降)
*** 地歴科:世界史A・B、日本史A・B、地理A・B(世界史A・Bはどちらかを必ず履修しなければなりません)
*** 公民科:現代社会、倫理、政治経済
*** 理科:化学基礎・物理基礎・生物基礎・地学基礎、物理・生物・化学・地学
*** 芸術科目:音楽、美術、書道、工芸

現代(2015年に記述)では、高校2年から、理科や社会科などで選択科目が多くなります。特に理科では選択科目が多く、たとえば「物理基礎」が選択科目に回ることもあります。文系コースなら2年では「地学基礎」や「生物基礎」を履修で、理系コースなら2年では「物理基礎」を履修、という具合にです。「物理基礎」・「物理」など物理系の科目は独学が難しく、生物や地学よりも物理は独学が困難なので、理系大学を志望する人は、地学よりも、なるべく物理系を優先的に履修して、物理・化学・生物の3分野を優先的に学ぶほうが良いでしょう。地学分野は、文系生徒がセンター試験対策のために暗記科目として学ぶというのが現状です。2年生レベルの物理を履修してない人が、高校3年で物理を挽回するのは、かなり困難であり、事実上は絶望的です。

特に高校3年からは、選択科目が多いのが普通であり、高校3年で習うと思われる数学IIIや物理・生物・化学・地学などは、選択科目になっているのが一般的です。3年の理系志望の生徒は、地学よりも、なるべく物理・化学・生物の3分野を優先的に学ぶほうが良いでしょう。
先ほども言ったように、地学は文系生徒がセンター試験対策のために暗記科目として学ぶというのが現状です。

また、普通科高校の課程で扱われる全ての科目を、選択科目もふくめて全科目を履修するのは、授業時間の理由で不可能です。

* 普通科では文系と理系に分かれる。 (※ 詳しくは後節「文理の選択」で)
選択科目が多くなることと関係していますが、普通科では一般的に3年の始めから国英社を中心に学ぶ文科系(以下、文系)、理数を中心に学ぶ理科系(以下、理系)にクラスが分けられる学校が一般的です。学校によっては2年に文理のコースが別れる学校もあります。進路に理系大志望も考慮に入れてるなら、2年生でのコース分けなら、なるべく理系コースを選んだほうが良いでしょう。理系が文系に志望を変える(「文転」(ぶんてん)という)のは割りと容易ですが、しかし文系が理系に変えるのは、ほぼ無理だからです。

多くの高校では、3年生までに文理のコースが分かれます。
文理のコースが別れる学校の場合、文系コースと理系コースでは学ぶ内容が大きく変わるので、大まかな志望進路(理系志望か否か)は2年の終わりごろまでに決めておかなければなりません。

少数例ですが学校によってはコースが分かれずに、文系志望の生徒にも数学IIIなどの理系科目を教える文理両立の高校の場合もあります。たとえ文理両立の高校でも、3年生では選択科目が増えてきます。高校普通科の全科目を履修するのは、たとえ文理両立の高校でも、授業時間の制限のため、不可能です。

また、文理両立とは別に、「国際科」(語学系の学科です)・「理数科」などの普通科以外の進学系の学科では、そもそも入学当初から文系・理系のコース分けがなくて、その学科のコースしか選べないことも珍しくありません。たとえば理数科では、そもそも理系コースしか選べず、全生徒が理系コースになり、文系コースは選べません。

私立大学の推薦受験では、受験生に特定の科目の履修を条件づける場合があります。たとえば、私立の理系学部を推薦受験する場合は、条件として数学III、および進学先学科に応じた新課程「物理」(旧課程「物理II」相当)・新課程「生物」・新課程「化学」などの科目の履修を条件づける場合もあります。なぜ科目制限するかというと、科目制限しないと文系科目だけで好成績を取って、理系科目が出来ないのに推薦入学してしまう受験生が出現してしまうからです。

なので、大学への推薦を考えてる中学生は、注意しましょう。特に理系学部への推薦を志望する場合は、高校での履修科目の制限が強いので、間違えて条件外の文系科目を履修しないように注意してください。

また、たとえ「普通科」高校であっても、高校によっては、どちらかというと文系教育に力を入れてる学校もあれば、どちらかというと理系に力を入れてる学校もあります。カリキュラムを見て、その高校がどちらかを判断しましょう。たとえば私大付属の高校などで、もし文系大学の付属高校なら、たとえ普通科であっても、やや文系よりの高校かもしれませんので、理系科目の時間はやや少ないかもしれません。
なので、もし文系寄りのカリキュラムの高校の生徒が、なるべく文理の履修を両立したいなら、やや理系寄りのコース・選択科目もしくは完全に理系寄りのコース・選択科目を選びましょう。その「理系寄り」が、他校での文理両立のコースでしょう。

* 学科によって教育内容が大きく変わる。
高校では普通科のほかに商業科や工業科など、普通科以外の学科もあります。

== 学業をどうするか? ==
=== 定期試験が難しくなる。 ===
学校にもよりますが、中堅レベル以上の普通科高校の場合、高校の定期試験では、中学と比べて試験問題が難しくなるのが一般的です。教科書自体が中学と比べて内容が高度だし、また大学受験に対応するため、定期試験に難しい問題も出される場合があります。

このため、定期試験の試験対策をしないと、定期試験で赤点を取る可能性が高いです。また別の節でも説明してますが、高校では中学よりも進級基準が厳しいので、中学よりも留年しやすいので注意が必要です。

=== 赤点について ===
定期試験の結果が基準点を下回ると赤点(不合格点)となります。学校によりますが、おおむね「固定された点数(30点など)未満」か「平均点の半分未満」だと赤点となります。赤点をとってしまった場合にはいくつかの処置がとられます。
# 補習参加の上、追試で一定点をとれば合格とする。
# 補習参加の上、追試で一定点をとれば合格とする。
# 補習はないが、追試で一定点をとれば合格とする。
# 補習はないが、追試で一定点をとれば合格とする。
# 補習参加の上、課題を提出すれば合格とする。追試はない。
# 補習参加の上、課題を提出すれば合格とする。追試はない。
# 補習に参加すれば合格とする。追試はない。
# 補習に参加すれば合格とする。追試はない。
これらの救済措置の結果、合格となれば進級できますが、不合格のままの科目を残している場合は進級ができず、留年となります。このあたりの規定は学校ごとに大きく異なりますので、詳しくは学校の先生の指示に従ってください。
一部の高校では救済措置が一切ないという場合もありますが、ほとんどの高校では、よほど普段の素行が悪くない限り、そうしたことは起こりません。


また、高校では他校への編入は極めてハードルが高いです。遠隔地への転居などの場合でも現地の学校に自動的に入学することはできず、編入試験が課されます。どうしても学校になじめず転学を希望するという場合も当然ありえますが、その場合は最も現実的な選択肢は通信制高校への転学ということになります。
== 文理の選択 ==
なお、英語科目は文系・理系ともに大学入試で要求されることが一般的なので、「英語が苦手だから理系」という選択は避けましょう。


== 科目の選択 ==
2年生の時点でのコース選択なら、とりあえず理系科目が得意な高校生なら、一般の大学志望なら、志望先学部に関わらず、とりあえず理系コースを選択しておけば、あまり問題は起こらないでしょう。2年生で文系コ-スを選択する必要のある人とは、私大文系の志望の場合です。「文系コース」とは、事実上は、私大文系コースです。ただし、日本では国立大学は難関なので、家庭の経済的な事情によっては、浪人できないなどの事情で私立文系コースを歩まざるを得ない場合もあります。ですが、大学の学費の工面がツライのだったら、そもそも商業高校や工業高校などの実業高校に進学すれば良かったのであり、高卒就職を目指せば良かったのです。
高校では、履修する科目を選択する場面が多くあります。まず、学校ごとに開講される科目が異なりますので、学校を選んだ時点で履修科目の幅は狭まっています。その上で、高校に入学して以降も、様々な場面で科目を選択する場面があります。
*主な選択科目(現行課程)
** 地歴科:世界史A・B、日本史A・B、地理A・B(世界史A・Bはどちらかを必ず履修しなければなりません)
** 公民科:現代社会、倫理、政治経済
** 理科:化学基礎・物理基礎・生物基礎・地学基礎、物理・生物・化学・地学
** 芸術科目:音楽、美術、書道、工芸


=== 芸術科目 ===
国立大の志望とか、あるいは教育学部・経済学部などの数学や理科も必要とされやすい学部の志望なら、2年生・3年生での文理コース選択では、高校では場合によっては理系コースを選んだほうが良いかもしれません。
普通科高校での芸術科目は、音楽・美術・書道・工芸の中からどれか一つを選ぶ選択制になっています。1年生でどれか1つを選択必修、他学年では開講しない、という学校が多いかと思います。芸術科目は、自分の興味ある科目を選べばよいです。芸術系の進路を希望する場合はその科目にしておくのが無難ですが、全生徒を対象とする芸術科目だけではどのみち不足ですので、外部で習う必要があります。


=== 文系・理系 ===
また、芸術系大学・短大・専門学校の志望や、体育大志望などは、世間一般では文系コースとして扱われます。たとえば大学でスポーツ推薦などを受け入れてる学部も、社会学部や文学部・経済学部など、いわゆる文系とされる学部です。経済学部は、日本では文系の学部として扱われます。企業からの視点も、経済学部卒を文系の人間として扱います。また芸術系卒や体育大卒も、企業からの視点では、彼らを文系の人間として扱います。
==== 文理選択とは ====
普通科高校では、2年生次あるいは3年生次から、文系か理系のどちらかの類型を選択することが一般的です。これは、普通科高校生の多くが目指す大学進学にあたって、入試に対応するためにはポイントを絞る必要があるためです。この選択は一度選択してしまうと卒業まで変更することはできないため、慎重に選択する必要があります。文理選択までに、進学したい進路先をよく考えておかねばなりません。


よく「文転」(理系から文系へ進路希望を変更する)「理転」(文系から理系へ進路を変更する)といった言葉が聞かれ、気軽に変更できるかのように思われていることがありますが、これには注意が必要です。なぜなら、進路希望を変更することは個人の自由ですが、学校はそれに配慮をしないからです。文転をしたからといって、数学IIIで赤点を持っていても卒業できるようになるわけではありません。つまり、進路希望には関係なくなった科目であっても、学校で学ばなければならないということです。ゆえに、巷で聞かれる文転は比較的容易であるという言説は正しくありません。無論、独学が困難な理系科目を独学せねばならなくなる理転よりはまだましではあるのですが。
2年で文理コースが別れる学校の場合、3年になってから文系から理系に、理系から文系に変えることはできるでしょうが、非常に不利です。特に理系に変える「理転」(りてん)は、ほぼ無理です。


少数例ですが学校によってはコースが分かれずに、文系志望の生徒にも数学IIIなどの理系科目を教える文理両立の高校の場合もあります。たとえ文理両立の高校でも、3年生では選択科目が増えてきます。高校普通科の全科目を履修するのは、たとえ文理両立の高校でも、授業時間の制限のため、不可能です。
なぜなら、日本の大学の多くは文科系の私立大学なので、もし高校で文系コースを選択した場合、実質的には私立大志望の文系コースである場合が多いので、文系コースでは理系科目の教育は最低限しか行われず、文系コースでは文科省の定める最低基準以外の科目は、全く教育されないのが現実だからです。

理系コースの場合、3年になってからも新しいことを3年の2学期終わり頃までは授業で習いますが、文系の3年生の授業では復習中心で2年生終わり頃までに習った知識を用いた入試対策や過去問演習などの復習が増えてきます。また、文系では理系の生徒が学ぶ科目である数学IIIは履修することができず(特に進学校の理系では2年の終わりから数学IIIに入ることもある)、授業が行われる理科も1科目のみということが多く(理系では2科目が一般的)、3年になってから理転しようとしてもスタートラインから極めて大きな差ができてしまうのです。よって、文系コースから理系に「理転」すると、全く習ってないことが続出するので、大学受験対策が間に合わず、ほぼ浪人が確定です。

なお、そもそも大学進学には、別に高校で特定の科目を履修する必要は無いので、文系コースに通ってても理系大を受験することは出来ます。理系コースの出身で文系大を進学することも可能です。

ですが、先ほども述べたように、文系コースから理系大に進学するのは、現実的には困難です。

また、私立大などの推薦入試では、高校の履修科目に条件をつけて制限してる場合もあります。特に理系学部では、「数学IIIを履修」「新課程化学を履修」などのように条件をつける場合もありますので、注意してください。

なので、理系志望や国立志望では、なるべく志望の進路にあったコースや科目を履修したほうが無難です。

3年生での科目選択では、理系志望の場合、なるべく数学IIIや新課程物理(旧物理II)などの3年生用の新内容の理系科目を履修したほうが良いでしょう。たとえば数学IIの未履修分野の履修よりも、なるべく数学IIIを理系生徒は履修するべき、というようにです。高校によっては、理系コースの場合は、そもそも3年の数学履修では数学IIIしか理系コース生徒が履修できないように制限していたりして、文系コースのみ3年で数学IIの未履修分野の履修に当てる、などの制限を取っている高校もあります。


== 芸術科目の選択について ==
高校の普通科の「芸術」教科では、音楽/美術/工芸/書道などの4つの芸術科目うち、どれか1つの科目が、1年生は必修です。2年以降は、選択性だったり、高校によっては履修できない場合もあります。

そして2つ以上は、選べません。つまり、美術と音楽を1年で同時に履修する、というのは、原則的に無理です。


さて、1年で履修にえらぶ芸術科目は、自分の'''本当に興味ある科目を選んだほうがイイ'''です。

たとえば、お絵描きが好きなら、美術を選ぶべきです。この場合、音楽や書道などは選ばないほうがイイです。

なぜかというと、高校の芸術科目では、けっこう専門的な話題を教えます。

たとえば音楽科目では、アフリカの民俗音楽とか、ヨーロッパの民族音楽とか、そういうのも習います。

中国や韓国などの音楽も習います。

ドイツの作曲家のつくった曲は、いちぶの曲の歌詞がドイツ語で検定教科書に書かれてたりします。フランス人の作曲家の曲は、題名がフランス語で書かれててりします。

検定教科書に、ドイツ語の発音集とイタリア語のつづりと発音集が書いてあったりします。

そのほか、音楽史など、中学よりも、もっと細かいことを教えます。

このように、中学までとは違って、けっこう専門的です。

そして、このような専門的なことは、興味がないと、ほとんど身に付きません。

お絵描きに興味があるのに、「知見を広げよう」とか思って音楽科目を履修すると、上記の内容を練習するのに時間をついやすハメになり、肝心のお絵描きの練習ができません。

もしあなたが、「お絵描きは好きだけど、社会科の歴史科目の参考として高校音楽の教科書にある音楽史の単元も勉強したい」とか思うなら、まずは美術を選択科目として履修するのに決定したあとに、あとから高校音楽の検定教科書を、検定教科書の取次店(とりつぎてん)で自費で購入すれば済みます。

:(※ 検定教科書の購入方法については『[[小学校・中学校・高等学校の学習/検定教科書の購入方法]]』に解説がある。)

== 高校の転校は条件がキビシイ ==
高校の転校は、親の仕事の転勤などによる引越しなどの正当な理由がないかぎり、転校できないのが一般です。
受け入れ先として、転校生を受け入れてくれる高校が無いと、転校できません。中学卒業までの義務教育での転校とは、高校は事情がちがうので、注意してください。

そのため、たとえ転校理由が正当な理由でも、「この高校に転校したい。」というような転校先の細かい指定は普通は出来ません。

私立高校などへの転入・編入では、編入試験(へんにゅう しけん)などに合格しないと、編入学が出来ない場合もあります。また編入の定員も、中退者などの欠員を補充するための数名程度と、とても少ないです。私立学校によっては、そもそも編入者を一般からは募集しない場合もあります。年度によっては欠員が無い場合や、たとえ欠員があっても一般からの編入者を募集してない場合もあります。

一般の入学試験とは違い、高校の編入試験では、試験で高得点を取ったからといって、必ずしも編入を認めるとは限りません。もし「転校の理由が正当な理由で無い」と受験先の高校側が思えば、編入を認めない場合もありえます。

高校の転校の場合、学科の異なる学校への在学中の転校は(たとえば 普通科→工業高校 などは)、法的には可能ですが、学業面でかなり負担が大きいです。

たとえ他の学科への転学科が認められたとしても、単位数の関係で、卒業するのに年月が1年ほど多くかかるハメになります。転校というより、事実上の再入学でしょう。

職業高校への転校は、やむを得ない場合にのみ、たとえば経済的な事情で大学進学が出来ないなどの理由で、普通科高校から職業高校に転校したい場合にのみ、職業高校への編入を検討するべきです。

職業高校への編入には、在学中の編入のほかにも、普通科高校を卒業してから職業高校に編入するという方法もあります。(ただし地域によって制度が違う場合があるので、地元の教育委員会などに確認してください。)

通信制高校への転入は容易(特に広域通信制学校は商売である関係で一人でも多く必要であるため)ですが、卒業は難しくはなります。

== 部活や委員会活動をどうするか? ==
* 部活での文書管理などのノウハウについては、こちらを参考にしてください。 リンク:[[高等学校部活動]]

== 大学入試と委員会活動・生徒会活動の兼ね合い ==
多くの大学の一般入試では、大学入試には部活の実績や委員会活動・生徒会活動などの活動実績は、要求されておらず、一般入試では部活などの活動実績があっても試験に加点されないのが普通です。
大学の一般入試は高校入試と違い、内申書は重視されないのが一般です。

このため、大学進学したい場合は、進学先の希望によっては、受験勉強に時間を多く当てるため、部活などの時間を減らさざるを得ない必要があります。

部活や委員会活動に精を出すのは一般的には前向きで良いことだと思われますが、大学の一般入試には、あまりそれらの活動実績が要求されていない、という現状を知っておいて下さい。

たとえ、あなたが、高校での部活の部長だろうが、委員会の委員長だろうが、クラス委員だろうが、生徒会長だろうが、大学の一般入試では、ほとんど考慮されません。

推薦入試やAO入試を行っている大学では部活などの実績が考慮される場合がありますが、基本的に、多くの高校生は一般入試で大学進学することになります。

以上のように、大学入試では部活や委員会などが考慮されないこともあり、高校生ごろから、受験以外の学校での課外活動をする人は減っていく傾向があります。このため、委員会活動などが、あまり周囲の生徒の興味・関心を集めなくなる場合があります。

中学ではクラス委員などというと尊敬される場合が多いかもしれませんが、高校では学校によってはクラス委員活動とかにあまり関心を待たず、クラス内にいるクラス委員も、あまり尊敬されない場合があります。

周囲が大学受験を目指し、委員会活動・生徒会活動などに関心を持たないという空気の中で、一人だけ委員会活動に精を出すというのは、学校のことを大切に思っていて立派なことかもしれませんが、周囲の無関心に負けない強い精神力を要します。なので、委員会活動・生徒会活動などに精を出そうとする人は、覚悟しておいて下さい。


== 職業高校への編入を検討している場合 ==
高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭はこの事に注意してください。

大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。

ですが、現実的には受験対策などの普通科との差で、職業高校からの大学進学は困難です。


また、「国際科」・「理数科」などの普通科以外の進学系の学科では、そもそも入学当初から文理選択がなくて、その学科の類型のカリキュラムとなることが普通です。たとえば理数科では、そもそも全生徒が理系のカリキュラムになり、文系のカリキュラムは選べません。
特に職業高校への進学にコダワリが無ければ、普通科高校を卒業したほうが大学進学をしやすいです。


推薦入試で大学に入学するなら文理選択は関係ないかというと、そんなことはありません。私立大学の推薦受験では、受験生に特定の科目の履修を条件づける場合があります。たとえば、私立の理系学部を推薦受験する場合は、条件として数学III、および進学先学科に応じた新課程「物理」(旧課程「物理II」相当)・新課程「生物」・新課程「化学」などの科目の履修を条件づける場合もあります。なぜ科目制限するかというと、科目制限しないと文系科目だけで好成績を取って、理系科目が出来ないのに推薦入学してしまう受験生が出現してしまうからです。注意しましょう。
また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは、現実的に理系科目の学力面から無理です。(大学受験だけなら、商業高校卒から理系大受験も、法的には可能です。)


==== どうやって選択するか ====
工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試にすら出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。
文理選択をするにあたっては、進路先としてどのような大学を考えるかを最優先しましょう。間違っても、科目の得意不得意で選んではいけません。後でつまらない思いをします。なお、勘違いされやすいことですが、英語は文系・理系ともに大学入試で要求されることが一般的なので、「英語が苦手だから理系」という選択はやめましょう。無意味です。


理系の場合、3年になってからも新しいことを3年の2学期終わり頃までは授業で習いますが、文系の3年生の授業では復習中心で2年生終わり頃までに習った知識を用いた入試対策や過去問演習などの復習が増えてくる、という特性があります。また、文系では理系の生徒が学ぶ科目である数学IIIは履修しない、理科の「基礎」でない科目は履修しないなどが一般的です。したがって、3年になってから理転しようとしてもスタートラインから極めて大きな差ができてしまいます。よって、文系から理系に「理転」すると、全く習ってないことが続出するので、大学受験対策が間に合わず、ほぼ浪人が確定です。
また、国語や社会科などの専門科目以外の教育は、職業高校ではあまり行いません。商業高校ですら社会科の時間は少なく、工業高校ですら数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも、生物学や化学の時間は少ないです。


なお、芸術系大学・短大・専門学校の志望や、体育大志望などは、文系を選ぶのが無難です。内容が文系かというとそうではないのですが、少なくとも高度な理系科目の学力は要求されないためです。また、大学でスポーツ推薦などを受け入れてる学部も、社会学部や文学部・経済学部など、いわゆる文系とされる学部です。経済学部は、日本では文系の学部として扱われます。企業からの視点も、経済学部卒を文系の人間として扱います。また芸術系卒や体育大卒も、企業からの視点では、彼らを文系の人間として扱います。
工業高校では、少しは初歩の強度計算や電子工学なども、初歩にかぎり教えますが、しかし工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、はたまた旋盤などの工作機械の使い方、そういった技能を練習する学校です。


== 特別活動 ==
農業高校では、少しは農学的なことや最近ではバイオテクノロジーの初歩も教えますが、しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの初歩なら、普通科の生物の参考書にも紹介されてますので、べつにバイオを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要はありません。
学校が学業のための場である以上、授業以外の活動にどう取り組むかは、校則に触れない範囲で個人の自由です。授業以外の特別活動に力を入れるも入れないも自由です。


中学校と異なるのは、大学入試には部活の実績や委員会活動・生徒会活動などの活動実績は要求されておらず、一般入試では部活などの活動実績があっても試験に加点されないということです。調査書の提出はありますが、高校入試と違い、高校卒業見込みであることの確認に使われるのみで、内容はほぼ考慮されません。
また、職業高校は生活指導などが意外と厳しいです。


推薦入試やAO入試を行っている大学では部活などの実績が考慮される場合がありますが、基本的に、多くの高校生は一般入試で大学進学することになります。それを踏まえたうえで、特別活動に力を入れるも入れないも、個人の自由です。大学入試のために学業に専念したいという考え方もあり得ますし、そんなことではつまらないので進路には関係ないけれど打ち込めるものを探すという考え方もあり得ます。
職業高校というと「落ちこぼれの不良が集まる底辺校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。
(とは言え、さすがに普通科の難関高校など、優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれないが・・・)


== 普通科高校と実業高校 ==
専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。
普通科高校は大学進学を目指す生徒に特化したカリキュラム、実業高校は高卒での就職を目指す生徒に特化したカリキュラムが組まれています。また、実業高校が持つ企業とのパイプも普通科高校は持っていません。したがって、高卒で就職する場合は、実業高校卒の方が有利です。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭はこの事に注意してください。逆に大学進学は、工業高校や商業高校などの実業高校の卒業生でも、法的には問題なく大学受験が可能です。ですが、現実的には大学受験は普通科高校生の方が有利です。特に職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科高校を卒業したほうが大学進学をしやすいでしょう。


職業高校というと「落ちこぼれの不良が集まる底辺校」という感じのイメージを持っている人がいるかもしれませんが、それは過去のことです。いまどきの実業高校では、就職活動の面接に臨むことができ、その後即戦力として就職できる生徒を育てるため、生徒指導はきちんと行われている学校が多数派です。また、実習や資格取得のための検定が多くあるため、そのための勉強の忙しさは下手な普通科高校には劣りません。
「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚〜20枚くらいの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。

2016年6月25日 (土) 13:58時点における版

小学校・中学校・高等学校の学習 > 高等学校の学習 > 高校生活ガイド
このページ「高校生活ガイド」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。
※注意 編集者の主観的な処世術も、本ページには書かれているだろうと思われるので、このページは、せいぜい参考程度にして、このページをあまり信用しすぎないようにして頂きたい。

また、普通は、学校の入学時に新入生対象の説明などが行われるはずなので、それらを参考にしたほうが無難だろう。どうしても学校生活が上手く送れない場合には、このページよりも市販の専門書などを参考にしたほうが安全だろう。


高校は義務教育ではない

高校は、義務教育ではありません。したがって、さまざまな事情により高校を退学することはありえます。そのあとに他の高校に入りなおす義務もありません。特に、非行などに対する懲戒処分として、校長から謹慎や退学を命じられることもありえます。

日本では中学校までは年齢主義をとるため、1年間在籍しているだけで、次の学年に普通に進級できたでしょう。ですが高校では、規定の時間数以上の授業に出席をし、考査等でしかるべき成績を収めることが進級の必要条件です。つまり、出席や成績の状況次第で留年をすることがあります。

学校にもよりますが、中堅レベル以上の普通科高校の場合、高校の定期考査では、中学と比べて試験問題が難しくなるのが一般的です。教科書自体が中学と比べて内容が高度だし、また大学受験に対応するため、定期考査に難しい問題も出される場合があります。

このため、定期考査の試験対策をしないと、いわゆる赤点を取る可能性が高いです。赤点とは、定期考査等の結果が基準点を下回ることです。詳しい規定は学校によりますが、基準は「固定された点数(30点など)未満」や「平均点の半分未満」などです。赤点をとってしまった場合にはいくつかの処置がとられます。

  1. 補習参加の上、追試で一定点をとれば合格とする。
  2. 補習はないが、追試で一定点をとれば合格とする。
  3. 補習参加の上、課題を提出すれば合格とする。追試はない。
  4. 補習に参加すれば合格とする。追試はない。

これらの救済措置の結果、合格となれば進級できますが、不合格のままの科目を残している場合は進級ができず、留年となります。このあたりの規定は学校ごとに大きく異なりますので、詳しくは学校の先生の指示に従ってください。

また、高校では他校への編入は極めてハードルが高いです。遠隔地への転居などの場合でも現地の学校に自動的に入学することはできず、編入試験が課されます。どうしても学校になじめず転学を希望するという場合も当然ありえますが、その場合は最も現実的な選択肢は通信制高校への転学ということになります。

科目の選択

高校では、履修する科目を選択する場面が多くあります。まず、学校ごとに開講される科目が異なりますので、学校を選んだ時点で履修科目の幅は狭まっています。その上で、高校に入学して以降も、様々な場面で科目を選択する場面があります。

  • 主な選択科目(現行課程)
    • 地歴科:世界史A・B、日本史A・B、地理A・B(世界史A・Bはどちらかを必ず履修しなければなりません)
    • 公民科:現代社会、倫理、政治経済
    • 理科:化学基礎・物理基礎・生物基礎・地学基礎、物理・生物・化学・地学
    • 芸術科目:音楽、美術、書道、工芸

芸術科目

普通科高校での芸術科目は、音楽・美術・書道・工芸の中からどれか一つを選ぶ選択制になっています。1年生でどれか1つを選択必修、他学年では開講しない、という学校が多いかと思います。芸術科目は、自分の興味ある科目を選べばよいです。芸術系の進路を希望する場合はその科目にしておくのが無難ですが、全生徒を対象とする芸術科目だけではどのみち不足ですので、外部で習う必要があります。

文系・理系

文理選択とは

普通科高校では、2年生次あるいは3年生次から、文系か理系のどちらかの類型を選択することが一般的です。これは、普通科高校生の多くが目指す大学進学にあたって、入試に対応するためにはポイントを絞る必要があるためです。この選択は一度選択してしまうと卒業まで変更することはできないため、慎重に選択する必要があります。文理選択までに、進学したい進路先をよく考えておかねばなりません。

よく「文転」(理系から文系へ進路希望を変更する)「理転」(文系から理系へ進路を変更する)といった言葉が聞かれ、気軽に変更できるかのように思われていることがありますが、これには注意が必要です。なぜなら、進路希望を変更することは個人の自由ですが、学校はそれに配慮をしないからです。文転をしたからといって、数学IIIで赤点を持っていても卒業できるようになるわけではありません。つまり、進路希望には関係なくなった科目であっても、学校で学ばなければならないということです。ゆえに、巷で聞かれる文転は比較的容易であるという言説は正しくありません。無論、独学が困難な理系科目を独学せねばならなくなる理転よりはまだましではあるのですが。

少数例ですが学校によってはコースが分かれずに、文系志望の生徒にも数学IIIなどの理系科目を教える文理両立の高校の場合もあります。たとえ文理両立の高校でも、3年生では選択科目が増えてきます。高校普通科の全科目を履修するのは、たとえ文理両立の高校でも、授業時間の制限のため、不可能です。

また、「国際科」・「理数科」などの普通科以外の進学系の学科では、そもそも入学当初から文理選択がなくて、その学科の類型のカリキュラムとなることが普通です。たとえば理数科では、そもそも全生徒が理系のカリキュラムになり、文系のカリキュラムは選べません。

推薦入試で大学に入学するなら文理選択は関係ないかというと、そんなことはありません。私立大学の推薦受験では、受験生に特定の科目の履修を条件づける場合があります。たとえば、私立の理系学部を推薦受験する場合は、条件として数学III、および進学先学科に応じた新課程「物理」(旧課程「物理II」相当)・新課程「生物」・新課程「化学」などの科目の履修を条件づける場合もあります。なぜ科目制限するかというと、科目制限しないと文系科目だけで好成績を取って、理系科目が出来ないのに推薦入学してしまう受験生が出現してしまうからです。注意しましょう。

どうやって選択するか

文理選択をするにあたっては、進路先としてどのような大学を考えるかを最優先しましょう。間違っても、科目の得意不得意で選んではいけません。後でつまらない思いをします。なお、勘違いされやすいことですが、英語は文系・理系ともに大学入試で要求されることが一般的なので、「英語が苦手だから理系」という選択はやめましょう。無意味です。

理系の場合、3年になってからも新しいことを3年の2学期終わり頃までは授業で習いますが、文系の3年生の授業では復習中心で2年生終わり頃までに習った知識を用いた入試対策や過去問演習などの復習が増えてくる、という特性があります。また、文系では理系の生徒が学ぶ科目である数学IIIは履修しない、理科の「基礎」でない科目は履修しないなどが一般的です。したがって、3年になってから理転しようとしてもスタートラインから極めて大きな差ができてしまいます。よって、文系から理系に「理転」すると、全く習ってないことが続出するので、大学受験対策が間に合わず、ほぼ浪人が確定です。

なお、芸術系大学・短大・専門学校の志望や、体育大志望などは、文系を選ぶのが無難です。内容が文系かというとそうではないのですが、少なくとも高度な理系科目の学力は要求されないためです。また、大学でスポーツ推薦などを受け入れてる学部も、社会学部や文学部・経済学部など、いわゆる文系とされる学部です。経済学部は、日本では文系の学部として扱われます。企業からの視点も、経済学部卒を文系の人間として扱います。また芸術系卒や体育大卒も、企業からの視点では、彼らを文系の人間として扱います。

特別活動

学校が学業のための場である以上、授業以外の活動にどう取り組むかは、校則に触れない範囲で個人の自由です。授業以外の特別活動に力を入れるも入れないも自由です。

中学校と異なるのは、大学入試には部活の実績や委員会活動・生徒会活動などの活動実績は要求されておらず、一般入試では部活などの活動実績があっても試験に加点されないということです。調査書の提出はありますが、高校入試と違い、高校卒業見込みであることの確認に使われるのみで、内容はほぼ考慮されません。

推薦入試やAO入試を行っている大学では部活などの実績が考慮される場合がありますが、基本的に、多くの高校生は一般入試で大学進学することになります。それを踏まえたうえで、特別活動に力を入れるも入れないも、個人の自由です。大学入試のために学業に専念したいという考え方もあり得ますし、そんなことではつまらないので進路には関係ないけれど打ち込めるものを探すという考え方もあり得ます。

普通科高校と実業高校

普通科高校は大学進学を目指す生徒に特化したカリキュラム、実業高校は高卒での就職を目指す生徒に特化したカリキュラムが組まれています。また、実業高校が持つ企業とのパイプも普通科高校は持っていません。したがって、高卒で就職する場合は、実業高校卒の方が有利です。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭はこの事に注意してください。逆に大学進学は、工業高校や商業高校などの実業高校の卒業生でも、法的には問題なく大学受験が可能です。ですが、現実的には大学受験は普通科高校生の方が有利です。特に職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科高校を卒業したほうが大学進学をしやすいでしょう。

職業高校というと「落ちこぼれの不良が集まる底辺校」という感じのイメージを持っている人がいるかもしれませんが、それは過去のことです。いまどきの実業高校では、就職活動の面接に臨むことができ、その後即戦力として就職できる生徒を育てるため、生徒指導はきちんと行われている学校が多数派です。また、実習や資格取得のための検定が多くあるため、そのための勉強の忙しさは下手な普通科高校には劣りません。