「将棋」の版間の差分

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たとえば△3四歩▲7六歩となるならば、初手から[[将棋/▲7六歩/△3四歩/▲2六歩|▲7六歩△3四歩▲2六歩]]と同じなので、初手▲7六歩との比較は難しいが、
たとえば△3四歩▲7六歩となるならば、初手から[[将棋/▲7六歩/△3四歩/▲2六歩|▲7六歩△3四歩▲2六歩]]と同じなので、初手▲7六歩との比較は難しいが、


* ▲7六歩は[[:w:振り飛車|振り飛車]]の含みがあるのに対し、▲2六歩は[[:w:居飛車|居飛車]]が確定している<ref>▲2六歩は[[:w:引き角|引き角]]の含みもあるが、[[将棋/▲2六歩/△3四歩#▲4八銀|▲2六歩△3四歩▲4八銀?]]や、[[将棋/▲2六歩/△3四歩/▲2五歩#▲4八銀|▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀?]]の出だしは、△8四歩と突かれると損なため、先手番で[[将棋/飯島流引き角戦法|飯島流引き角戦法]]に持ち込む自然な順はない(森内ら 2014、pp. 45-50)。ただし佐藤-菅井 2015などの実戦例がある。</ref>
* ▲7六歩は[[:w:振り飛車|振り飛車]]の含みがあるのに対し、▲2六歩は[[:w:居飛車|居飛車]]が確定している<ref>▲2六歩は[[:w:引き角|引き角]]の含みもあるが、[[将棋/▲2六歩/△3四歩#▲4八銀|▲2六歩△3四歩▲4八銀?]]や、[[将棋/▲2六歩/△3四歩/▲2五歩#▲4八銀|▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀?]]の出だしは、△8四歩と突かれると損なため、先手番で飯島流引き角戦法に持ち込む自然な順はない(森内ら 2014、pp. 45-50)。ただし佐藤-菅井 2015などの実戦例がある。</ref>
* ▲7六歩は[[将棋/矢倉|矢倉]]を目指せる一方で、▲2六歩は[[将棋/相掛かり|相掛かり]]を目指せる
* ▲7六歩は[[将棋/矢倉|矢倉]]を目指せる一方で、▲2六歩は[[将棋/相掛かり|相掛かり]]を目指せる
* ▲2六歩は[[将棋/2手目△3二飛|2手目△3二飛]]を避けている<ref>▲2六歩に[[将棋/▲2六歩#△3二飛|△3二飛??]]は▲2五歩△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛となって▲2三飛成が受からない。</ref>
* ▲2六歩は[[将棋/2手目△3二飛|2手目△3二飛]]を避けている<ref>▲2六歩に[[将棋/▲2六歩#△3二飛|△3二飛??]]は▲2五歩△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛となって▲2三飛成が受からない。</ref>


などの違いがある。
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=== ▲7八金 ===
=== ▲5六歩 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲7八金]]」を参照''
: ''詳細は「[[将棋/▲5六歩]]」を参照''


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|1手目▲7八金まで}}
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[[:w:中飛車|中飛車]]を目指す初手。
角頭を守って手堅いようだが、[[将棋/▲7六歩#△3二金|2手目△3二金]]と同様、相手に振り飛車にされると玉を囲いづらく、作戦の幅が狭くなる。一例は△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛。一方で、[[:w:玉頭位取り|玉頭位取り]]<ref>谷川 1988、p. 15。</ref>や[[:w:左美濃|銀冠]]に進展すれば悪くはならないともいわれる。


[[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲5六歩|▲7六歩△3四歩▲5六歩]]では、△8八角成▲同銀△5七角で馬を作られてしまうため、初手▲5六歩と突き、△3四歩に▲5八飛と回る手法が開発された<ref>▲7六歩△3四歩に[[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲1六歩|▲1六歩]]と突き、△8四歩を見てから▲5六歩と突く手法もあるが(△8八角成▲同銀△5七角?は▲6八角で、8四に成れない)、初手▲5六歩の発見以降は下火になっている。</ref>。
[[:w:藤井猛|藤井猛]]は、[[:w:村山慈明|村山慈明]]に[[:w:ponanza|ponanza]]の初手▲7八金対策を相談された際に「初手▲7八金なんて全然とがめられないよ」と述べたという<ref>村山 2015。</ref>。


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相居飛車になるなら無難で、


=== ▲5八飛 ===
# △3四歩▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲2五歩で[[将棋/一手損角換わり|一手損角換わり]]、[[将棋/横歩取り|横歩取り]]、
: ''詳細は「[[将棋/▲5八飛]]」を参照''
# △8四歩▲7六歩△3二金▲2六歩△8五歩▲7七角で[[将棋/角換わり|角換わり]]の定跡手順に合流する。


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後手が振り飛車にした実戦例は千田-糸谷 2016など。
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▲5六歩と同じようでも、△8四歩

# ▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩とされると、角交換から△4五角の筋があるため、▲6六歩と角道を止めざるを得ない。
# ▲4八玉△8五歩▲7八金と駒組みを進める[[:w:原始中飛車|原始中飛車]]は、初級者向きの戦法として[[:w:飯塚祐紀|飯塚祐紀]]が推奨している。


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=== ▲5六歩 ===
=== ▲7八金 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲5六歩]]」を参照''
: ''詳細は「[[将棋/▲7八金]]」を参照''


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角頭を守って手堅いようだが、[[将棋/▲7六歩#△3二金|2手目△3二金]]と同様、相手に振り飛車にされると、玉を囲いづらく作戦の幅が狭くなる。一例は△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛。一方で、[[:w:玉頭位取り|玉頭位取り]]<ref>谷川 1988、p. 15。</ref>や[[:w:左美濃|銀冠]]に進展すれば悪くはならないともいわれる。
[[:w:中飛車|中飛車]]を目指す手。


[[:w:藤井猛|藤井猛]]は、[[:w:村山慈明|村山慈明]]に[[:w:ponanza|ponanza]]の初手▲7八金対策を相談された際に「初手▲7八金なんて全然とがめられないよ」と述べたという<ref>村山 2015、p. 150。</ref>。
初手から[[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲5六歩|▲7六歩△3四歩▲5六歩]]では、△8八角成▲同銀△5七角で馬を作られてしまうため、初手▲5六歩と突き、△3四歩に▲5八飛と回る手法が開発された<ref>▲7六歩△3四歩に[[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲1六歩|▲1六歩]]と突き、△8四歩を見てから▲5六歩と突く手法もあるが(△8八角成▲同銀△5七角?には▲6八角で、8四に成れない)、初手▲5六歩の発見以降は下火になっている。</ref>。

相居飛車になるなら無難で、

# △3四歩▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲2五歩で[[将棋/一手損角換わり|一手損角換わり]]、[[将棋/横歩取り|横歩取り]]、
# △8四歩▲7六歩△3二金▲2六歩△8五歩▲7七角で[[将棋/角換わり|角換わり]]の定跡手順に合流する。

後手が振り飛車にした実戦例は千田-糸谷 2016など。


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155 行 179 行
|1手目▲6六歩まで}}
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[[将棋/▲7六歩/△3四歩/▲6六歩|△3四歩▲7六歩]]でも、[[将棋/▲7六歩/△8四歩/▲6六歩|△8四歩▲7六歩]]でも定跡手順に合流する<ref>ただし[[将棋/▲7六歩/△3四歩/▲6六歩|▲7六歩△3四歩▲6六歩]]と角道を止めた局面は、2009年度、先手の100勝132敗(4千日手)、勝率43.1%と負け越していることで知られる(鈴木 2010、p. 32)。</ref>。
[[将棋/▲7六歩/△3四歩/▲6六歩|△3四歩▲7六歩]]でも、[[将棋/▲7六歩/△8四歩/▲6六歩|△8四歩▲7六歩]]でも定跡手順に合流する<ref>[[将棋/▲7六歩/△3四歩/▲6六歩|▲7六歩△3四歩▲6六歩]]と角道を止めた局面は、2009年度、先手の100勝132敗(4千日手)、勝率43.1%と負け越しているが、▲6六歩は咎めれないとされる(鈴木 2010、pp. 29-32)。</ref>。


△3四歩▲6八飛と[[:w:四間飛車|四間飛車]]に構えた場合、△8四歩を突かれなければ▲7六歩の一手を▲4八玉や▲1六歩などほかの手に回せるため、後手△8四歩を催促している意味がある<ref>鈴木 2010、p. 21([[:w:藤井猛|藤井猛]]の見解)。</ref>。
△3四歩▲6八飛と[[:w:四間飛車|四間飛車]]に構えた場合、△8四歩を突かれなければ▲7六歩の一手を▲4八玉や▲1六歩などほかの手に回せるため、後手△8四歩を催促している意味がある<ref>鈴木 2010、p. 21([[:w:藤井猛|藤井猛]]の見解)。</ref>。


△3四歩▲6八飛△3二飛と[[:w:相振り飛車|相振り飛車]]になった場合、▲6五歩と突き出すことができる(角道が開いていると角交換から△4五角がある)。
△3四歩▲6八飛△3二飛と[[:w:相振り飛車|相振り飛車]]になった場合、▲6五歩と突き出すことができる(角道が開いていると角交換から△4五角がある)。
182 行 206 行
[[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲6八飛|△3四歩▲7六歩]]でも、[[将棋/▲7六歩/△8四歩#▲6八飛|△8四歩▲7六歩]]でも定跡手順に合流する。
[[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲6八飛|△3四歩▲7六歩]]でも、[[将棋/▲7六歩/△8四歩#▲6八飛|△8四歩▲7六歩]]でも定跡手順に合流する。


△3四歩▲6六歩ならば、初手から▲6六歩△3四歩▲6八飛に同じ。
△3四歩▲6六歩ならば、初手▲6六歩から△3四歩▲6八飛と進んだ局面に同じ。


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|1手目▲7八飛?まで}}
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=== ▲5八飛 ===
=== ▲3六歩 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲5八飛]]」を参照''
: ''詳細は「[[将棋/▲3六歩]]」を参照''


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次に▲3五歩と突かれると後手は角道を開けられなくなるため、△3四歩と突くが、▲3八飛と寄って▲3五歩△同歩▲同飛の歩交換を狙う。▲3八飛の形は[[:w:袖飛車|袖飛車]]と呼ばれる。
初手▲5六歩と同じようでも、△8四歩


[[:w:渡辺明 (棋士)|渡辺明]]は、先手の得を生かす作戦かといわれると疑問は残るが「かなり有力な手」としている<ref>鈴木 2010、pp. 27-28。</ref>。
# ▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩と進むと、角交換から△4五角の筋があるため、▲6六歩と角道を止めざるを得ない。

# ▲4八玉△8五歩▲7八金と駒組みを進める[[:w:原始中飛車|原始中飛車]]は、初級者向きの戦法として[[:w:飯塚祐紀|飯塚祐紀]]が推奨している。
実戦例は林葉-長沢 1985、先崎-谷川 1989、渡辺-丸山 2006など多数。


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=== ▲3六歩 ===
=== ▲9六歩 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲3六歩]]」を参照''
: ''詳細は「[[将棋/▲9六歩]]」を参照''


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次に▲3五歩と突かれると後手は角道を開けられなくなるため、△3四歩と突くが、▲3八飛と回って▲3五歩△同歩▲同飛の交換を狙う。▲3八飛の形は[[:w:袖飛車|袖飛車]]と呼ばれる。


=== ▲1六歩 ===
[[:w:渡辺明 (棋士)|渡辺明]]は、先手の得を生かす作戦かといわれると疑問は残るが「かなり有力な手」としている<ref>鈴木 2010、pp. 27-28。</ref>。
: ''詳細は「[[将棋/▲1六歩]]」を参照''


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実戦例は林葉-長沢 1985、先崎-谷川 1989、先崎-谷川 2003、先崎-羽生 2004、渡辺-丸山 2006など多数。
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258 行 296 行


小泉-中村 2010の実戦例がある。
小泉-中村 2010の実戦例がある。

=== ▲5八金右 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲5八金右]]」を参照''


=== ▲4八銀 ===
=== ▲4八銀 ===
282 行 317 行


# [[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲4八銀|▲7六歩]]は[[:w:鈴木英春|英春]]流[[:w:かまいたち戦法|かまいたち戦法]]、
# [[将棋/▲7六歩/△3四歩#▲4八銀|▲7六歩]]は[[:w:鈴木英春|英春]]流[[:w:かまいたち戦法|かまいたち戦法]]、
# [[将棋/▲2六歩/△3四歩#▲4八銀|▲2六歩]]は飯島流引き角戦法の出だし。
# [[将棋/▲2六歩/△3四歩#▲4八銀|▲2六歩]]は[[:w:飯島流引き角戦法|飯島流引き角戦法]]の出だし。


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288 行 323 行
=== ▲3八銀 ===
=== ▲3八銀 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲3八銀]]」を参照''
: ''詳細は「[[将棋/▲3八銀]]」を参照''

=== ▲5八金右 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲5八金右]]」を参照''


=== ▲6八玉 ===
=== ▲6八玉 ===
311 行 349 行
|1手目▲6八銀?まで}}
|1手目▲6八銀?まで}}


△3四歩と突かれると角道が開けられなくなるが、鳥刺し(▲5六歩〜▲7九角の引き角から斜め棒銀)を狙う[[将棋/嬉野流|嬉野流]]の出だし。嬉野宏明が考案し、[[:w:天野貴元|天野貴元]]が晩年研究した<ref>天野 2015。</ref>
△3四歩と突かれると角道が開けられなくなるが、鳥刺し引き角から斜め棒銀)を狙う[[将棋/嬉野流|嬉野流]]の出だし。嬉野宏明が考案し<ref>天野 2015、p. iii。</ref>、[[:w:天野貴元|天野貴元]]が晩年研究した。

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=== ▲1六歩 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲1六歩]]」を参照''

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|1手目▲1六歩?まで}}

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=== ▲9六歩 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲9六歩]]」を参照''

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|1手目▲9六歩?まで}}


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|1手目▲6八金?まで}}
|1手目▲6八金?まで}}


△3四歩▲7八金と戻せば、後手で[[将棋/▲7六歩#△3二金|2手目△3二金]]と指すのと同程度の損。
△3四歩▲7八金と戻せば、後手で[[将棋/▲7六歩#△3二金|2手目△3二金]]と指すのと同程度の損。


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397 行 397 行
|1手目▲1八飛?まで}}
|1手目▲1八飛?まで}}


[[将棋/2手目△3二飛|△3四歩▲7八飛]]などと振り直す余地があるため最悪でも後手振り飛車と同程度の損。
[[将棋/2手目△3二飛|△3四歩▲7八飛]]などと振り直せば、後手振り飛車と同程度の損。


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=== ▲4八金 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲4八金]]」を参照''


=== ▲5八玉 ===
=== ▲5八玉 ===
408 行 405 行


小泉-阿部 2010の実戦例がある。
小泉-阿部 2010の実戦例がある。

=== ▲4八金 ===
: ''詳細は「[[将棋/▲4八金]]」を参照''


=== ▲4八玉 ===
=== ▲4八玉 ===
435 行 435 行
|1手目▲7八銀?まで}}
|1手目▲7八銀?まで}}


△3四歩と突かれると角道が開けられなくな、金銀逆形となため<ref>羽生 2009、p. 62。</ref>、▲8六歩と並んで初手の最悪手に数えられる<ref name="tanigawa_1988_p_19">谷川 1988、p. 19。</ref>。
△3四歩と突かれると角道が開けられなくなる上▲7八金と上がれため<ref>羽生 2009、p. 62。</ref>、▲8六歩と並んで初手の最悪手に挙げられる<ref name="tanigawa_1988_p_19">谷川 1988、p. 19。</ref>。


ただし▲6八飛と回って△8四歩▲6六歩△8五歩▲7六歩と角道を開け、△8六歩▲同歩△同飛に、▲7七角△8二飛▲8六歩とすれば、飛車先を切られるものの、以下▲6七銀〜▲8八飛で8筋逆襲を狙って一局の将棋となる<ref name="tanigawa_1988_p_19"/><ref>青島 1996([[:w:佐藤康光|佐藤康光]]の見解)。</ref>。
ただし△3四歩に、▲6八飛と回って△8四歩▲6六歩△8五歩▲7六歩と角道を開け、△8六歩▲同歩△同飛に、▲7七角△8二飛▲8六歩とすれば、飛車先を切られるものの、以下▲6七銀〜▲8八飛で8筋逆襲を狙って一局の将棋となる<ref name="tanigawa_1988_p_19"/><ref>青島 1996、ページ数不明([[:w:佐藤康光|佐藤康光]]の見解)。</ref>。


[[:w:棋戦 (将棋)|公式戦]]での実戦例は小泉-永瀬 2012のみ。
[[:w:棋戦 (将棋)|公式戦]]での実戦例は小泉-永瀬 2012のみ。
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|1手目▲8六歩?まで}}
|1手目▲8六歩?まで}}


初手の最悪手とされる<ref>谷川 1988、p. 18。</ref><ref name="suzuki_1996">鈴木 1996。</ref>。弱点である角頭の歩を相手の飛車先に差し出す手で、飛車先の交換を助けることとなる。
初手の最悪手とされる<ref>谷川 1988、p. 18。</ref><ref name="suzuki_1996">鈴木 1996、ページ数不明。</ref>。
弱点である角頭の歩を相手の飛車先に差し出す手で、飛車先の交換を助けることとなる。


△8四歩に
△8四歩に


# ▲7六歩?は△8五歩▲同歩△同飛で、△8七飛成や△8六歩の垂らしを狙われる。8七の地点を受けるには▲7八金しかないが、△8六歩▲7七桂△8二飛▲8五歩の格好は、先手の角が使いづらく、後に△7四歩〜△7三桂〜△8五桂と8五の歩を取りに来る手が生じる。
# ▲7六歩は△8五歩▲同歩△同飛で、8七の地点を受けるには▲7八金しかないが、△8六歩▲7七桂△8二飛▲8五歩の格好は、先手の角が使いづらく、後に△7四歩〜△7三桂〜△8五桂と8五の歩を取りに来る手が生じる。
# ▲7八金△8五歩▲同歩△同飛▲8七歩と謝るのが最善だが、先手は飛車先を切られて手損した局面からスタートすることになり、通常の後手より大損<ref name="suzuki_1996"/>。
# ▲7八金△8五歩▲同歩△同飛▲8七歩と謝るのが最善だが、先手は飛車先を切られて手損した局面からスタートすることになり<ref name="suzuki_1996"/>、通常の後手より大損


公式戦での実戦例は増田-小阪 2000のみ。
公式戦での実戦例は増田-小阪 2000のみ。
482 行 484 行
== 参考棋譜 ==
== 参考棋譜 ==
* 1985年1月21日 第11期[[:w:女流名人位戦|女流名人位戦]]五番勝負第4局 ▲[[:w:林葉直子|林葉直子]]女流名人 対 △[[:w:長沢千和子|長沢千和子]]女流二段
* 1985年1月21日 第11期[[:w:女流名人位戦|女流名人位戦]]五番勝負第4局 ▲[[:w:林葉直子|林葉直子]]女流名人 対 △[[:w:長沢千和子|長沢千和子]]女流二段
* 1989年1月23日 第38回[[:w:NHK杯テレビ将棋トーナメント|NHK杯戦]]本戦準々決勝第4局 ▲[[:w:先崎学|先崎学]]四段 対 △[[:w:谷川浩司|谷川浩司]]名人
* 1989年1月23日放映 第38回[[:w:NHK杯テレビ将棋トーナメント|NHK杯戦]]本戦準々決勝第4局 ▲[[:w:先崎学|先崎学]]四段 対 △[[:w:谷川浩司|谷川浩司]]名人
* 1992年4月14日 第61期[[:w:棋聖戦 (将棋)|棋聖戦]]一次予選2回戦 ▲[[:w:日浦市郎|日浦市郎]]五段 対 △[[:w:櫛田陽一|櫛田陽一]]四段
* 1992年4月14日 第61期[[:w:棋聖戦 (将棋)|棋聖戦]]一次予選2回戦 ▲[[:w:日浦市郎|日浦市郎]]五段 対 △[[:w:櫛田陽一|櫛田陽一]]四段
* 2000年2月22日 第50回NHK杯戦予選1回戦 ▲[[:w:増田裕司|増田裕司]]四段 対 △[[:w:小阪昇|小阪昇]]七段
* 2000年2月22日 第50回NHK杯戦予選1回戦 ▲[[:w:増田裕司|増田裕司]]四段 対 △[[:w:小阪昇|小阪昇]]七段
* 2003年2月24日 第52回NHK杯戦決勝第1局先崎学八段 対 △谷川浩司[[:w:王戦|王]]
* 2006年2月20放映55回NHK杯戦本戦決勝 ▲[[:w:渡辺明 (棋士)|渡辺明]][[:w:王戦|王]] 対 △[[:w:丸山忠久|丸山忠久]]九段
* 2004年1月26日 第53回NHK杯戦本戦準々決勝第2局 ▲先崎学八段 対 △[[:w:羽生善治|羽生善治]]名人
* 2006年2月20日 第55回NHK杯戦本戦決勝 ▲[[:w:渡辺明 (棋士)|渡辺明]][[:w:竜王戦|竜王]] 対 △[[:w:丸山忠久|丸山忠久]]九段
* 2010年1月6日 第41期[[:w:新人王戦 (将棋)|新人王戦]]トーナメント戦2回戦 ▲小泉祐[[:w:奨励会|奨励会]]三段 対 △[[:w:中村亮介|中村亮介]]五段
* 2010年1月6日 第41期[[:w:新人王戦 (将棋)|新人王戦]]トーナメント戦2回戦 ▲小泉祐[[:w:奨励会|奨励会]]三段 対 △[[:w:中村亮介|中村亮介]]五段
* 2010年4月15日 第41期新人王戦トーナメント戦3回戦 ▲小泉祐奨励会三段 対 △[[:w:阿部健治郎|阿部健治郎]]四段
* 2010年4月15日 第41期新人王戦トーナメント戦3回戦 ▲小泉祐奨励会三段 対 △[[:w:阿部健治郎|阿部健治郎]]四段
* 2012年2月9日 第43期新人王戦トーナメント戦2回戦[[:w:千日手|千日手]]局 ▲小泉祐奨励会三段 対 △[[:w:永瀬拓矢|永瀬拓矢]]四段
* 2012年2月9日 第43期新人王戦トーナメント戦2回戦[[:w:千日手|千日手]]局 ▲小泉祐奨励会三段 対 △[[:w:永瀬拓矢|永瀬拓矢]]四段
* [http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/56/oui201505290102.html 2015年5月29日 第56期王位戦挑戦者決定リーグ白組プレーオフ千日手指し直し局 ▲佐藤康光九段 対 △菅井竜也六段]
* [http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/56/oui201505290102.html 2015年5月29日 第56期王位戦挑戦者決定リーグ白組プレーオフ千日手指し直し局 ▲佐藤康光九段 対 △菅井竜也六段]
* [http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/kifu/sgs.cgi?d=20160124 2016年1月24日 第65回NHK杯本戦3回戦第7局 ▲千田翔太五段 対 △糸谷哲郎八段]
* [http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/kifu/sgs.cgi?d=20160124 2016年1月24日放映 第65回NHK杯本戦3回戦第7局 ▲千田翔太五段 対 △糸谷哲郎八段]


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* 青島たつひこ([[:w:鈴木宏彦|鈴木宏彦]])「[[:w:佐藤康光|佐藤康光]]&[[:w:森内俊之|森内俊之]]のなんでもアタック」、『[[:w:将棋マガジン|将棋マガジン]]』1996年6月号、[[:w:日本将棋連盟|日本将棋連盟]]([https://shogipenclublog.com/blog/2010/10/15/%E5%88%9D%E6%89%8B%E2%96%B2%EF%BC%97%E5%85%AB%E9%8A%80%E3%81%AF%E6%82%AA%E6%89%8B%E3%81%8B/]より孫引き)。
* 青島たつひこ([[:w:鈴木宏彦|鈴木宏彦]])「[[:w:佐藤康光|佐藤康光]]&[[:w:森内俊之|森内俊之]]のなんでもアタック」、『[[:w:将棋マガジン|将棋マガジン]]』1996年6月号、ページ数不明、[[:w:日本将棋連盟|日本将棋連盟]]([https://shogipenclublog.com/blog/2010/10/15/%E5%88%9D%E6%89%8B%E2%96%B2%EF%BC%97%E5%85%AB%E9%8A%80%E3%81%AF%E6%82%AA%E6%89%8B%E3%81%8B/]より孫引き)。
* [[:w:天野貴元|天野貴元]]『奇襲研究所 〜嬉野流編〜』[[:w:マイナビ出版|マイナビ]]、2015年。ISBN 978-4-8399-5569-4
* [[:w:天野貴元|天野貴元]]『奇襲研究所 〜嬉野流編〜』[[:w:マイナビ出版|マイナビ]]、2015年。ISBN 978-4-8399-5569-4
* [[:w:門倉啓太|門倉啓太]]「初手の革命 "7八飛" 戦法」、『[[:w:将棋世界|将棋世界]]』2013年10月号別冊付録、日本将棋連盟。
* [[:w:飯塚祐紀|飯塚祐紀]]『奇襲振り飛車戦法 〜その狙いと対策〜』マイナビ、2014年。ISBN 978-4-8399-5372-0
* 鈴木宏彦「将棋マンスリー 東京」、『[[:w:将棋講座 (NHK)|将棋講座]]』1996年8月号、ページ数不明、[[:w:NHK出版|日本放送出版協会]]([https://shogipenclublog.com/blog/2010/11/18/%E5%88%9D%E6%89%8B%E3%81%AE%E6%9C%80%E6%82%AA%E6%89%8B/]より孫引き)。
* [[:w:門倉啓太|門倉啓太]]「初手の革命 "7八飛" 戦法」、『[[:w:将棋世界|将棋世界]]』2013年10月号、日本将棋連盟。
* 鈴木宏彦「将棋マンスリー 東京」、『[[:w:将棋講座 (NHK)|将棋講座]]』1996年8月号、[[:w:NHK出版|日本放送出版協会]]([https://shogipenclublog.com/blog/2010/11/18/%E5%88%9D%E6%89%8B%E3%81%AE%E6%9C%80%E6%82%AA%E6%89%8B/]より孫引き)。
* 鈴木宏彦『イメージと読みの将棋観』第2巻、日本将棋連盟、2010年。ISBN 978-4-8399-3434-7(一部初出・『将棋世界』2006年8月号-2008年11月号、2010年1月号-6月号)
* 鈴木宏彦『イメージと読みの将棋観』第2巻、日本将棋連盟、2010年。ISBN 978-4-8399-3434-7(一部初出・『将棋世界』2006年8月号-2008年11月号、2010年1月号-6月号)
* [[:w:谷川浩司|谷川浩司]]『NHK将棋講座 大局観が勝負を決める』日本放送出版協会、1988年。ISBN 4-14-018014-5
* [[:w:谷川浩司|谷川浩司]]『NHK将棋講座 大局観が勝負を決める』日本放送出版協会、1988年。ISBN 4-14-018014-5
* [[:w:羽生善治|羽生善治]]監修『羽生善治の みるみる強くなる 将棋 序盤の指し方 入門』[[:w:池田書店|池田書店]]、2009年。ISBN 978-4-262-10145-3
* [[:w:羽生善治|羽生善治]]監修『羽生善治の みるみる強くなる 将棋 序盤の指し方 入門』[[:w:池田書店|池田書店]]、2009年。ISBN 978-4-262-10145-3
* [[:w:森内俊之|森内俊之]]、[[:w:渡辺明 (棋士)|渡辺明]]、谷川浩司、[[:w:佐藤康光|佐藤康光]]、[[:w:久保利明|久保利明]]、[[:w:広瀬章人|広瀬章人]]『トップ棋士頭脳勝負 イメージと読みの将棋観』第3巻、日本将棋連盟、2014年。ISBN 978-4-8399-5017-0(一部初出・鈴木宏彦「イメージと読みの将棋観」、『将棋世界』2010年11月号-2012年6月号)
* [[:w:森内俊之|森内俊之]]、[[:w:渡辺明 (棋士)|渡辺明]]、谷川浩司、[[:w:佐藤康光|佐藤康光]]、[[:w:久保利明|久保利明]]、[[:w:広瀬章人|広瀬章人]]『トップ棋士頭脳勝負 イメージと読みの将棋観』第3巻、日本将棋連盟、2014年。ISBN 978-4-8399-5017-0(一部初出・鈴木宏彦「イメージと読みの将棋観」、『将棋世界』2010年11月号-2012年6月号)
* [[:w:村山慈明|村山慈明]]「棋士たちの電王戦FINAL [第4局] [[:w:ponanza|ponanza]] × 村山慈明七段 研究手順披露できず」、『将棋世界』2015年6月号、p. 150、日本将棋連盟。
* [[:w:村山慈明|村山慈明]]「棋士たちの電王戦FINAL [第4局] [[:w:ponanza|ponanza]] × 村山慈明七段 研究手順披露できず」、『将棋世界』2015年6月号、pp. 150-ページ範囲不明、日本将棋連盟。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2016年10月15日 (土) 05:12時点における版

将棋盤
羽生善治は、史上最も多い90期以上のタイトルを獲得した。

将棋は2人で遊ぶボードゲームである。9×9のと40枚のを使い、交互に駒を動かし、相手のを取ると勝ちとなる。取った駒は持ち駒となり、好きなマスに打つことができる。

戦術書

  1. 将棋/将棋とは
  2. 将棋の戦法一覧

定跡書

テンプレート:Shogi diagramtest

将棋の初手は30通りある。このうち角道を開ける▲7六歩と、飛車先を突く▲2六歩が自然である。


▲7六歩

詳細は「将棋/▲7六歩」を参照

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▲7六歩は角が敵陣に直射する[1]

  1. △3四歩と後手も角道を開ける手と、
  2. △8四歩と飛車先を突く手が考えられる。


▲2六歩

詳細は「将棋/▲2六歩」を参照

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▲2六歩は飛車を活用し、後手の角頭を狙っている[2]

  1. △8四歩と後手も飛車先を突く手と、
  2. △3四歩と角道を開ける手が考えられる。

たとえば△3四歩▲7六歩となるならば、初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩と同じなので、初手▲7六歩との比較は難しいが、

などの違いがある。


▲5六歩

詳細は「将棋/▲5六歩」を参照

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中飛車を目指す初手。

▲7六歩△3四歩▲5六歩では、△8八角成▲同銀△5七角で馬を作られてしまうため、初手▲5六歩と突き、△3四歩に▲5八飛と回る手法が開発された[5]


▲5八飛

詳細は「将棋/▲5八飛」を参照

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▲5六歩と同じようでも、△8四歩

  1. ▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩とされると、角交換から△4五角の筋があるため、▲6六歩と角道を止めざるを得ない。
  2. ▲4八玉△8五歩▲7八金と駒組みを進める原始中飛車は、初級者向きの戦法として飯塚祐紀が推奨している。


▲7八金

詳細は「将棋/▲7八金」を参照

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角頭を守って手堅いようだが、2手目△3二金と同様、相手に振り飛車にされると、玉を囲いづらく作戦の幅が狭くなる。一例は△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛。一方で、玉頭位取り[6]銀冠に進展すれば悪くはならないともいわれる。

藤井猛は、村山慈明ponanzaの初手▲7八金対策を相談された際に「初手▲7八金なんて全然とがめられないよ」と述べたという[7]

相居飛車になるなら無難で、

  1. △3四歩▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲2五歩で一手損角換わり横歩取り
  2. △8四歩▲7六歩△3二金▲2六歩△8五歩▲7七角で角換わりの定跡手順に合流する。

後手が振り飛車にした実戦例は千田-糸谷 2016など。


▲6六歩

詳細は「将棋/▲6六歩」を参照

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△3四歩▲7六歩でも、△8四歩▲7六歩でも定跡手順に合流する[8]

△3四歩▲6八飛と四間飛車に構えた場合、△8四歩を突かれなければ、▲7六歩の一手を▲4八玉や▲1六歩などほかの手に回せるため、後手に△8四歩を催促している意味がある[9]

△3四歩▲6八飛△3二飛と相振り飛車になった場合、▲6五歩と突き出すことができる(角道が開いていると角交換から△4五角がある)。


▲6八飛

詳細は「将棋/▲6八飛」を参照

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△3四歩▲7六歩でも、△8四歩▲7六歩でも定跡手順に合流する。

△3四歩▲6六歩ならば、初手▲6六歩から△3四歩▲6八飛と進んだ局面に同じ。


▲7八飛

詳細は「将棋/▲7八飛」を参照

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▲3六歩

詳細は「将棋/▲3六歩」を参照

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次に▲3五歩と突かれると後手は角道を開けられなくなるため、△3四歩と突くが、▲3八飛と寄って▲3五歩△同歩▲同飛の歩交換を狙う。▲3八飛の形は袖飛車と呼ばれる。

渡辺明は、先手の得を生かす作戦かといわれると疑問は残るが「かなり有力な手」としている[10]

実戦例は林葉-長沢 1985、先崎-谷川 1989、渡辺-丸山 2006など多数。


▲9六歩

詳細は「将棋/▲9六歩」を参照

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▲1六歩

詳細は「将棋/▲1六歩」を参照

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▲4六歩

詳細は「将棋/▲4六歩」を参照

小泉-中村 2010の実戦例がある。

▲4八銀

詳細は「将棋/▲4八銀」を参照

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△3四歩

  1. ▲7六歩英春かまいたち戦法
  2. ▲2六歩飯島流引き角戦法の出だし。


▲3八銀

詳細は「将棋/▲3八銀」を参照

▲5八金右

詳細は「将棋/▲5八金右」を参照

▲6八玉

詳細は「将棋/▲6八玉」を参照

日浦-櫛田 1992の実戦例がある。

▲6八銀

詳細は「将棋/▲6八銀」を参照

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△3四歩と突かれると角道が開けられなくなるが、鳥刺し(引き角から斜め棒銀)を狙う嬉野流の出だし。嬉野宏明が考案し[11]天野貴元が晩年研究した。


▲6八金

詳細は「将棋/▲6八金」を参照

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△3四歩▲7八金と戻せば、後手番で2手目△3二金と指すのと同程度の損。


▲3八飛

詳細は「将棋/▲3八飛」を参照

▲4八飛

詳細は「将棋/▲4八飛」を参照

▲1八飛

詳細は「将棋/▲1八飛」を参照

テンプレート:Shogi diagramtest

△3四歩▲7八飛などと振り直せば、後手振り飛車と同程度の損。


▲5八玉

詳細は「将棋/▲5八玉」を参照

小泉-阿部 2010の実戦例がある。

▲4八金

詳細は「将棋/▲4八金」を参照

▲4八玉

詳細は「将棋/▲4八玉」を参照

▲3八金

詳細は「将棋/▲3八金」を参照

▲5八金左

詳細は「将棋/▲5八金左」を参照

▲7八銀

詳細は「将棋/▲7八銀」を参照

テンプレート:Shogi diagramtest

△3四歩と突かれると角道が開けられなくなる上、▲7八金と上がれないため[12]、▲8六歩と並んで初手の最悪手に挙げられる[13]

ただし△3四歩に、▲6八飛と回って△8四歩▲6六歩△8五歩▲7六歩と角道を開け、△8六歩▲同歩△同飛に、▲7七角△8二飛▲8六歩とすれば、飛車先を切られるものの、以下▲6七銀〜▲8八飛で8筋逆襲を狙って一局の将棋となる[13][14]

公式戦での実戦例は小泉-永瀬 2012のみ。


▲8六歩

詳細は「将棋/▲8六歩」を参照

テンプレート:Shogi diagramtest

初手の最悪手とされる[15][16]

弱点である角頭の歩を相手の飛車先に差し出す手で、飛車先の交換を手助けすることとなる。

△8四歩に

  1. ▲7六歩は△8五歩▲同歩△同飛で、8七の地点を受けるには▲7八金しかないが、△8六歩▲7七桂△8二飛▲8五歩の格好は、先手の角が使いづらく、後に△7四歩〜△7三桂〜△8五桂と8五の歩を取りに来る手が生じる。
  2. ▲7八金△8五歩▲同歩△同飛▲8七歩と謝るのが最善だが、先手は飛車先を切られて手損した局面からスタートすることになり[16]、通常の後手より大損。

公式戦での実戦例は増田-小阪 2000のみ。


▲9八香

詳細は「将棋/▲9八香」を参照

▲1八香

詳細は「将棋/▲1八香」を参照

脚注

  1. ^ 羽生 2009、p. 84。
  2. ^ 羽生 2009、p. 86。
  3. ^ ▲2六歩は引き角の含みもあるが、▲2六歩△3四歩▲4八銀?や、▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀?の出だしは、△8四歩と突かれると損なため、先手番で飯島流引き角戦法に持ち込む自然な順はない(森内ら 2014、pp. 45-50)。ただし佐藤-菅井 2015などの実戦例がある。
  4. ^ ▲2六歩に△3二飛??は、▲2五歩△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛となって、▲2三飛成が受からない。
  5. ^ ▲7六歩△3四歩に▲1六歩と突き、△8四歩を見てから▲5六歩と突く手法もあるが(△8八角成▲同銀△5七角?は▲6八角で、8四に成れない)、初手▲5六歩の発見以降は下火になっている。
  6. ^ 谷川 1988、p. 15。
  7. ^ 村山 2015、p. 150。
  8. ^ ▲7六歩△3四歩▲6六歩と角道を止めた局面は、2009年度、先手の100勝132敗(4千日手)、勝率43.1%と負け越しているが、▲6六歩は咎められないとされる(鈴木 2010、pp. 29-32)。
  9. ^ 鈴木 2010、p. 21(藤井猛の見解)。
  10. ^ 鈴木 2010、pp. 27-28。
  11. ^ 天野 2015、p. iii。
  12. ^ 羽生 2009、p. 62。
  13. ^ 13.0 13.1 谷川 1988、p. 19。
  14. ^ 青島 1996、ページ数不明(佐藤康光の見解)。
  15. ^ 谷川 1988、p. 18。
  16. ^ 16.0 16.1 鈴木 1996、ページ数不明。

参考棋譜

参考文献

外部リンク

Wikipedia
Wikipedia
ウィキペディア将棋の記事があります。
ウィキバーシティ
ウィキバーシティ
ウィキバーシティ将棋の学習教材があります。
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