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116 行 |
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<math>A \subset C</math> かつ <math>B \subset C</math> ならば <math>A \cup B \subset C</math>. |
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<math>A \subset C</math> かつ <math>B \subset C</math> ならば <math>A \cup B \subset C</math>. |
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</ref>.…②<br /> |
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</ref>.…②<br /> |
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①②より <math>f(A \cup B) = f(A) \cup f(B)</math> かつ <math>f(A \cap B) \subset f(A) \cap f(B)</math>. |
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①②より <math>f(A \cup B) = f(A) \cup f(B)</math> |
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さらに <math>A \cap B \subset A, A \cap B \subset B</math> であるから <math>f(A \cap B) \subset f(A) \cap f(B)</math><ref> |
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さらに <math>A \cap B \subset A, A \cap B \subset B</math> であるから <math>f(A \cap B) \subset f(A) \cap f(B)</math><ref> |
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<math>C \subset A</math> かつ <math>C \subset B</math> ならば <math>C \subset A \cap B</math> であり,これを適用する.すなわち, |
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<math>C \subset A</math> かつ <math>C \subset B</math> ならば <math>C \subset A \cap B</math>.ゆえに |
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<math>A \cap B \subset A</math> かつ <math>A \cap B \subset B</math>,ゆえに <math>f(A \cap B) \subset f(A)</math> かつ <math>f(A \cap B) \subset f(B)</math>. |
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<math>A \cap B \subset A</math> かつ <math>A \cap B \subset B</math>,従って <math>f(A \cap B) \subset f(A)</math> かつ <math>f(A \cap B) \subset f(B)</math>. |
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よって <math>f(A \cap B) \subset f(A) \cap f(B)</math> が誘導される.<!-- 2019/3/30 ここまで --> |
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よって <math>f(A \cap B) \subset f(A) \cap f(B)</math> が誘導される. |
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</ref><ref> |
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</ref><ref> |
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一方「<math>f(A) \cap f(B) \subset f(A \cap B)</math>」とはいえない.例えば <math>f</math> が単射でなく、<math>x_1 \in A</math> で <math>y = f(x_1)</math> かつ同じ <math>y</math> で <math>x_2 \in B, x_2 \not\in A, y = f(x_2)</math> |
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一方「<math>f(A) \cap f(B) \subset f(A \cap B)</math>」とはいえない.例えば <math>f</math> が単射でなく、<math>x_1 \in A</math> で <math>y = f(x_1)</math> かつ同じ <math>y</math> で <math>x_2 \in B, x_2 \not\in A, y = f(x_2)</math> |
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一つの <math>x \in M</math> に対して <math>y = f(x)</math> は必ず一つの値に定まるが、逆に一つの <math>y</math> を決めるとその <math>y</math> に対して <math>y = f(x)</math> を満たす <math>x</math> が複数存在する可能性があるという、そもそもの写像の定義に、この式が等号ではないことの理由の本質があり、これは[[測度論的確率論/準備/集合/写像#定理5|定理5]]も同様である.実際 [[測度論的確率論/準備/集合/写像#演習2|演習2]]の <math>f</math> にて <math>A = \left[ -\frac{1}{\sqrt{2}}, 0 \right), B = \left[ 0, +\frac{1}{\sqrt{2}} \right]</math> のとき、<math>f(A) \cap f(B) = \left[ 0, \frac{1}{2} \right], A \cap B = \emptyset, f(A) \cap f(B) \not\subset f(A \cap B)</math>. |
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一つの <math>x \in M</math> に対して <math>y = f(x)</math> は必ず一つの値に定まるが、逆に一つの <math>y</math> を決めるとその <math>y</math> に対して <math>y = f(x)</math> を満たす <math>x</math> が複数存在する可能性があるという、そもそもの写像の定義に、この式が等号ではないことの理由の本質があり、これは[[測度論的確率論/準備/集合/写像#定理5|定理5]]も同様である.実際 [[測度論的確率論/準備/集合/写像#演習2|演習2]]の <math>f</math> にて <math>A = \left[ -\frac{1}{\sqrt{2}}, 0 \right), B = \left[ 0, +\frac{1}{\sqrt{2}} \right]</math> のとき、<math>f(A) \cap f(B) = \left[ 0, \frac{1}{2} \right], A \cap B = \emptyset, f(A) \cap f(B) \not\subset f(A \cap B)</math>. |
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</ref>. |
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</ref>. |
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(証明終) |
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(証明終)<!-- 2019/3/31 ここまで --> |
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<!-- theorem:006:endt--> |
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<!-- theorem:006:endt--> |
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写像
定義13.
二つの集合 が与えられているとする.任意の に対して,
ある が対応するとき を から への写像といい,
と表す.
定義14.
に対し,
を の( による)像といい,特に のときに を全射という.
定義15.
全射であるとは
- 任意の に対して で となるものが存在する.
定義14は定義15といってもよい.また が1対1,すなわち
定義16.
- で であれば
の成り立つときに は単射という.
さらに
定義17.
が全射でありかつ単射のときに全単射という.
定義18.
に対して
のとき, は の( による)逆像という[1].
定義19.
特に が から への全単射であれば に対して となる
が一意的に定まるから によって逆写像 を定義する.
このとき も全単射であり,集合 による逆像は, の逆写像 に一致する.
演習2.
とするとき を求めよ.
(解答例)
.
定理5.
について次の命題が成り立つ.
であれば
証明
とすると が単射でない場合 である が存在することは必要であるが,同時に
となる が存在する可能性がある.よって .
(証明終)
定理6.
について次の命題が成り立つ.
であれば かつ .
証明
定義より任意の に対して,ある で となるものが存在する.
このとき または であるから または .
すなわち, ならば または .よって .…①
逆は,明らかに だから [2].…②
①②より
さらに であるから [3][4].
(証明終)
定理7.
について次の命題が成り立つ.
であれば .
証明
定義より任意の について すなわち または となる.
したがって または であり,ゆえに .
逆はあきらかに であるから [5].
(証明終)
定理8.
について次の命題が成り立つ.
であれば .
証明
のとき[6]
かつ .
ゆえに かつ .
ゆえに .
ゆえに .
すなわち ならば だから .
逆については, かつ ,よって より [7].
(証明終)
定理9.
について次の命題が成り立つ.
であれば .
証明
(証明終)
- ^
さらにこの定義を「 は, かつ を満たす」と解釈する.
- ^
かつ ならば .
- ^
かつ ならば .ゆえに
かつ ,従って かつ .
よって が誘導される.
- ^
一方「」とはいえない.例えば が単射でなく、 で かつ同じ で
の場合、 より .それと同時に より でもある.すなわち、
. つまり が単射でないので、 であっても である限り .
一つの に対して は必ず一つの値に定まるが、逆に一つの を決めるとその に対して を満たす が複数存在する可能性があるという、そもそもの写像の定義に、この式が等号ではないことの理由の本質があり、これは定理5も同様である.実際 演習2の にて のとき、.
- ^
- ^
さて,いきなり冒頭からこう書き下してしまってよいのだろうか?そもそも定理6 の後半部分は等号ではなかったというのに、 である保証はあるのだろうか?これは「逆像 は実は写像ではない」という点に注意して以下のように説明できる.
定義18 の註の定義を仮定すると, および は以下の4式をすべて満たす,すなわち
…①,
…②,
…③,
…④.
特に②④より,
…②’,
…④’.
今, であるとき ,したがって ②’が真となるためには が成立する必要がある.また同様に より ④’が真となるためには が成立する必要がある.
以上より ならば .→すごくおかしい…検討が必要、ここでストップ
- ^
.