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== 学校制度の概要 ==
== 学校制度の概要 ==
学校教育は、大きく就学前教育、初等教育、中等教育、高等教育に分けられる。
学校教育は、大きく就学前教育、初等教育、中等教育、高等教育に分けられる。
*就学前教育とは、幼稚園のことを指す。
* 就学前教育とは、幼稚園のことを指す。
*初等教育とは、小学校のことを指す。
* 初等教育とは、小学校のことを指す。
*中等教育とは、中学校・高等学校・中等教育学校のことを指す。
* 中等教育とは、中学校・高等学校・中等教育学校のことを指す。
*高等教育とは、大学・短期大学・大学院・高等専門学校、専修学校の専門課程(専門学校)が該当する。
* 高等教育とは、大学・短期大学・大学院・高等専門学校、専修学校の専門課程(専門学校)が該当する。
高校も中等教育である。初等教育と中等教育前期課程を合わせて義務教育という。
高校も中等教育である。初等教育と中等教育前期課程を合わせて義務教育という。


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:目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、幼稚園に準ずる教育を行う学校である。普通の幼稚園ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。幼稚部の先生は、『「教諭」または「保育士」』であり、『教育人 または 福祉人』である。
:目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、幼稚園に準ずる教育を行う学校である。普通の幼稚園ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。幼稚部の先生は、『「教諭」または「保育士」』であり、『教育人 または 福祉人』である。
;認定こども園
;認定こども園
:幼稚園の機能と保育所の機能の両方の機能をあわせ持つ施設。「幼保連携型」「幼稚園型」「保育園型」「地域裁量型」に分類される。
:幼稚園の機能と保育所の機能の両方をあわせ持つ施設。「幼保連携型」「幼稚園型」「保育園型」「地域裁量型」に分類される。管轄は内閣府である。


=== 初等教育 ===
=== 初等教育 ===
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;高等学校
;高等学校
:中学校の内容をさらに発展させた内容などを学ぶ。大まかに分けると、大学教育の基礎となる普通科と、職業や専門分野の基礎を学ぶ専門学科の2種類がある。これらの学科ごとに、学校で学ぶ内容が大きく変わってくる。
:中学校の内容をさらに発展させた内容などを学ぶ。大まかに分けると、大学教育の基礎となる普通科と、職業や専門分野の基礎を学ぶ専門学科の2種類がある。これらの学科ごとに、学校で学ぶ内容が大きく変わってくる。
:また高等学校には、おもに朝から夕方前まで授業を受ける全日制の課程と、夜などの特別の時間や特別の時期に授業を受ける定時制の課程と、読書やレポートなどを中心とする通信制の課程の3種類があり、自分の都合や好みによって選択して入学する。義務教育には含まれていないため、進学するかしないかは自由であるが、中学生の約99%が高校に進学しており<ref>文部科学省「学校基本調査」より。</ref>、進学は当然のことのようになっている。
:また高等学校には、おもに朝から夕方前まで授業を受ける全日制の課程と、夜などの特別の時間や特別の時期に授業を受ける定時制の課程と、読書やレポートなどを中心とする通信制の課程の3種類があり、自分の都合や好みによって選択して入学する。義務教育には含まれていないため、進学するかしないかは自由であるが、中学生の約98.8%が高校に進学しており<ref>文部科学省「学校基本調査」より。</ref>、進学は当然のことのようになっている。
;盲学校の高等部、聾学校の高等部、養護学校の高等部
;盲学校の高等部、聾学校の高等部、養護学校の高等部
:目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、高等学校に準ずる教育を行う学校である。普通の高等学校ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。
:目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、高等学校に準ずる教育を行う学校である。普通の高等学校ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。
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:中等教育のすべてをマスターしていることを前提に、最高レベルの学問を行う場所(最高学府)である。卒業すると学士の学位が授与され、少しは実務にも触れているということから、各種の国家資格試験などで有利な取りはからいを受けることがある。多くは4年制で、医学、獣医学、歯学、一部の薬学は6年制であるが、最近の国際化の流れの中で就学年数は延びる傾向にある。文部科学省の管轄下にあるものを大学、それ以外のものを大学校(例:防衛大学校、能力開発大学校、気象大学校など)と呼ぶ。
:中等教育のすべてをマスターしていることを前提に、最高レベルの学問を行う場所(最高学府)である。卒業すると学士の学位が授与され、少しは実務にも触れているということから、各種の国家資格試験などで有利な取りはからいを受けることがある。多くは4年制で、医学、獣医学、歯学、一部の薬学は6年制であるが、最近の国際化の流れの中で就学年数は延びる傾向にある。文部科学省の管轄下にあるものを大学、それ以外のものを大学校(例:防衛大学校、能力開発大学校、気象大学校など)と呼ぶ。
:大学で行われている学問は基礎から応用まで多種多様である。大学で学ぶには、まず、自分の能力・適性を知り、学びたい分野を明確にすることが重要である。社会の複雑化と科学の発展とにより、学問分野は分化・専門化の傾向にある。
:大学で行われている学問は基礎から応用まで多種多様である。大学で学ぶには、まず、自分の能力・適性を知り、学びたい分野を明確にすることが重要である。社会の複雑化と科学の発展とにより、学問分野は分化・専門化の傾向にある。
:少子化の流れの中で大学は昔よりかは合格しやすくなったと俗に言われるが、中堅以上の大学は合格が難しいのが現実である。
:少子化の流れの中で大学は昔より合格しやすくなったと俗に言われるが、中堅以上の大学は合格が難しいのが現実である。
;短期大学
;短期大学
:短期の大学であり、2年または3年の大学である。学ぶことは、短期で資格を得ることが可能な分野が多い。
:短期の大学であり、2年または3年の大学である。学ぶことは、短期で資格を得ることが可能な分野が多い。
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==== 研究職水準 ====
==== 研究職水準 ====
;大学院
;大学院
:学問を大学よりもに深く学んだり、高度な学問を用いた職業上の能力を身に着けるためにある。修士課程・博士前期課程、一貫制博士課程、博士後期課程、専門職学位課程などがある。このうち、専門職学位課程では、修了に国家資格の取得が求められていたり、修了すると国家試験の免除が受けられることがある。
:学問を大学よりもさらに深く学んだり、高度な学問を用いた職業上の能力を身に着けるためにある。修士課程・博士前期課程、一貫制博士課程、博士後期課程、専門職学位課程などがある。このうち、専門職学位課程では、修了に国家資格の取得が求められていたり、修了すると国家試験の免除が受けられることがある。


== 各学校の入学資格 ==
== 各学校の入学資格 ==

2020年8月23日 (日) 13:46時点における版

生活と進路(せいかつとしんろ)では、日本の教育制度について説明する。ただし、各種受験についてはここでは触れない。

学校制度の概要

学校教育は、大きく就学前教育、初等教育、中等教育、高等教育に分けられる。

  • 就学前教育とは、幼稚園のことを指す。
  • 初等教育とは、小学校のことを指す。
  • 中等教育とは、中学校・高等学校・中等教育学校のことを指す。
  • 高等教育とは、大学・短期大学・大学院・高等専門学校、専修学校の専門課程(専門学校)が該当する。

高校も中等教育である。初等教育と中等教育前期課程を合わせて義務教育という。

一般的に日本人は学校教育を、

(就学前教育→)小学校→中学校→高校→大学・短大など

という順序で受ける。

「初等教育」などの用語で言い換えると、 (就学前教育→)初等教育(=小学校)→中等教育(=中学・高校)→高等教育(=大学・短大など) となる。

各学校と学べること

就学前教育

幼稚園
幼稚園は、簡単にいえば遊ぶところである。遊びながら、経験を積んで学ぶという思想が根底にあるので、授業はない[1]。幼稚園の先生は、小学校と同じ「教諭(きょうゆ)」という職であり、教育人である。管轄は文部科学省である。
保育園
一般に保育園と呼ばれているが、正式には保育所である。保育所は法的には学校ではなく、児童福祉施設であり、忙しい親に代わり子守をする施設である。ただし、保育所でも友達を作れるので、学ぶことは多い。保育所の先生は、「保育士」であり、福祉人である。管轄は厚生労働省である。
盲学校の幼稚部、聾学校の幼稚部、養護学校の幼稚部
目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、幼稚園に準ずる教育を行う学校である。普通の幼稚園ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。幼稚部の先生は、『「教諭」または「保育士」』であり、『教育人 または 福祉人』である。
認定こども園
幼稚園の機能と保育所の機能の両方をあわせ持つ施設。「幼保連携型」「幼稚園型」「保育園型」「地域裁量型」に分類される。管轄は内閣府である。

初等教育

小学校
小学校では、実生活に必要なことを中心に学ぶ。このようなことを教えることは「初等普通教育」と呼ばれる。国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作[図工]、家庭、体育、外国語(原則として英語)、道徳[2]の教科がある。生活は2年まで、理科と社会は3年から、家庭と外国語は5年から学ぶ。他に、特別活動(学級活動[学活])、総合的な学習の時間(3~6年)、外国語活動(3・4年)、クラブ活動、児童会活動、委員会活動もある。
盲学校の小学部、聾学校の小学部、養護学校の小学部
目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、小学校に準ずる教育を行う学校である。普通の小学校ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。
義務教育学校の前期課程
学べることは小学校とほぼ同一であり、前期課程を終えると原則的に、同一学校の後期課程にそのまま進級することができる。

中等教育

中等教育においては、前期中等教育を終えた後に後期中等教育に進学する。ただし前期中等教育を終えなくても、後期中等教育に進学できることもある。詳しくは、都道府県の教育委員会などに問い合わせると分かる。なお、日本国民は、最低限、前期中等教育までを受ける権利を有し、かつまた、保護者は受けさせる義務を有す。

前期課程

中学校
小学校の内容をさらに発展させた内容などを学び、社会の一員となって、自分自身を()かせるようになることを学ぶ。このようなことを教えることは「中等普通教育」と呼ばれる。国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健・体育、技術・家庭、外国語(原則として英語)、道徳[2]の教科がある。このほかにも特別活動(学級活動[学活])、総合的な学習の時間、生徒会活動、委員会活動もある。
盲学校の中学部、聾学校の中学部、養護学校の中学部
目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、中学校に準ずる教育を行う学校である。普通の中学校ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。
中等教育学校の前期課程
学べることは中学校とほぼ同一であり、前期課程を終えると原則的に、同一学校の後期課程にそのまま進級することができる。
義務教育学校の後期課程
学べることは中学校とほぼ同一であり、後期課程を終えると、高等学校に進学する。

後期課程

高等学校
中学校の内容をさらに発展させた内容などを学ぶ。大まかに分けると、大学教育の基礎となる普通科と、職業や専門分野の基礎を学ぶ専門学科の2種類がある。これらの学科ごとに、学校で学ぶ内容が大きく変わってくる。
また高等学校には、おもに朝から夕方前まで授業を受ける全日制の課程と、夜などの特別の時間や特別の時期に授業を受ける定時制の課程と、読書やレポートなどを中心とする通信制の課程の3種類があり、自分の都合や好みによって選択して入学する。義務教育には含まれていないため、進学するかしないかは自由であるが、中学生の約98.8%が高校に進学しており[3]、進学は当然のことのようになっている。
盲学校の高等部、聾学校の高等部、養護学校の高等部
目が見えない、耳が聞こえない、そのほかの障害がある人に対して、高等学校に準ずる教育を行う学校である。普通の高等学校ではうまくサポートできないこともサポートしてもらえる。
中等教育学校の後期課程
学べることは高等学校とほぼ同一であり、同一学校の前期課程を終えた人が原則的に入学してくる。
高等専門学校
(#高等教育の節に記載。)
専修学校の高等課程
1年制以上の学校で、何年制かは学校によって違う。いろいろな学校があるが、理容師や看護師などの職業人を育てる学校が多い。高等学校の通信制の課程と併修する学校もあり、このような専修学校では、3年間~4年間で高等学校の卒業も同時にめざす。
各種学校
専修学校よりも設置基準が緩い学校で、学ぶ期間は3か月以上である。
職業訓練施設
学校ではなく、厚生労働省などが所管している。就職した後に入るものや卒業後に就職することが決まっている施設などがある。学ぶことは、特定の職業についての一点に絞られている。一人前の職業人をめざす課程である。

高等教育

大学(大学校)
中等教育のすべてをマスターしていることを前提に、最高レベルの学問を行う場所(最高学府)である。卒業すると学士の学位が授与され、少しは実務にも触れているということから、各種の国家資格試験などで有利な取りはからいを受けることがある。多くは4年制で、医学、獣医学、歯学、一部の薬学は6年制であるが、最近の国際化の流れの中で就学年数は延びる傾向にある。文部科学省の管轄下にあるものを大学、それ以外のものを大学校(例:防衛大学校、能力開発大学校、気象大学校など)と呼ぶ。
大学で行われている学問は基礎から応用まで多種多様である。大学で学ぶには、まず、自分の能力・適性を知り、学びたい分野を明確にすることが重要である。社会の複雑化と科学の発展とにより、学問分野は分化・専門化の傾向にある。
少子化の流れの中で大学は昔より合格しやすくなったと俗に言われるが、中堅以上の大学は合格が難しいのが現実である。
短期大学
短期の大学であり、2年または3年の大学である。学ぶことは、短期で資格を得ることが可能な分野が多い。
高等専門学校
5年制の学校で、卒業すると大学2年までを修了したのと同じレベル(準学士)とされる。工学や商船学が学べる学校が多い。中学卒業者を新入学対象としており、1 - 3年生は中等教育後期課程と同じ年代となるが、高等教育に分類される。
専修学校(高等課程、専門課程、一般課程)
個別の校名には、その学校の有する過程により「専修学校」、「専門学校」、「高等専修学校」などが使われ、デザインや事務から自動車整備や電気工事など職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として、多様な分野の学科がある。2年以上学ぶ学校では、専門士の称号と大学への編入学の資格が付与されるところが多い。
各種学校
専修学校よりも設置基準が緩い学校で、学ぶ期間は3か月以上である。

研究職水準

大学院
学問を大学よりもさらに深く学んだり、高度な学問を用いた職業上の能力を身に着けるためにある。修士課程・博士前期課程、一貫制博士課程、博士後期課程、専門職学位課程などがある。このうち、専門職学位課程では、修了に国家資格の取得が求められていたり、修了すると国家試験の免除が受けられることがある。

各学校の入学資格

幼稚園

満3歳から小学校の就学の始期に達するまでの人が入学できる。

小学校

満6歳以上の人が入学できる。

中学校・中等教育学校の前期課程

義務教育期間(6歳から15歳まで)の人は、小学校などの課程を修了した人のみが入学できる。義務教育期を過ぎた人は、小学校などを修了していなくても入学できる。

高等学校・中等教育学校の後期課程・専修学校の高等課程

原則として中学校の課程などを修了した人のみが入学できる。卒業していない人は、中学校を卒業した人と同等以上の学力があるか入学先の学校に検査してもらうか、文部科学省の行う中学校卒業程度認定試験に合格することで入学することができる。

大学・短期大学

原則として高等学校の課程などを修了した人のみが入学できる。卒業していない人は、高等学校を卒業した人と同等以上の学力があるか入学先の学校に検査してもらうか、文部科学省の行う高等学校卒業程度認定試験に合格することで入学することができる。

専修学校の専門課程

大学院

関連項目

  1. ^ ただし、工作などの時間がある場合が多い。また、「授業」のようなことを行うところもある
  2. ^ 2.0 2.1 道徳については「特別の教科」という扱いである。また、私立学校では、道徳の代わりに宗教の授業を行うことがある。
  3. ^ 文部科学省「学校基本調査」より。