「将棋」の版間の差分
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=== ▲3八金 === |
=== ▲3八金 === |
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2017年に行われた第2期将棋電王戦、ポナンザvs佐藤天彦叡王 戦で、このとき先手のポナンザは初手に▲3八金と指している。以下はA図のように進展した。一方でB図先手は鈴木英春が開発したカメレオン戦法から派生した局面。このとき先手鈴木は初手4八銀を使用している。基本的にこうした将棋の進行は、定跡をはずし、乱戦や手将棋に誘導しようという発想からである。 |
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|後手 歩 |
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|先手 角歩4 |
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|A図 先手ポナンザ}} |
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{{shogi diagram|tright| |
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|後手 角歩 |
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|lg|ng| | |gg| | |ng|lg |
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|ls| | | | | | |rs|ls |
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|先手 角歩2 |
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|B図 先手カメレオン}} |
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=== ▲4八飛 === |
=== ▲4八飛 === |
2020年11月21日 (土) 07:12時点における版
将棋は2人で遊ぶボードゲームである。9×9の盤と各20枚(計40枚)の駒を使い、交互に駒を動かし、相手の玉を詰ますと勝ちとなる。取った駒は持ち駒となり、好きなマスに打つことができる。
入門書
定跡書
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
香 | 桂 | 銀 | 金 | 王 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 一 |
飛 | 角 | 二 | |||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 三 |
四 | |||||||||
五 | |||||||||
六 | |||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 七 |
角 | 飛 | 八 | |||||||
香 | 桂 | 銀 | 金 | 玉 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 九 |
将棋の初手は30通りある。このうち角道を開ける▲7六歩と、飛車先の歩を突く▲2六歩が一般的である。
▲7六歩
- 詳細は「/▲7六歩」を参照
▲7六歩は角が敵陣に直射する[1]。
▲2六歩
- 詳細は「/▲2六歩」を参照
▲2六歩は飛車を活用し、後手の角頭を狙っている[2]。
初手▲7六歩と▲2六歩の違いは、
- ▲7六歩は振り飛車の含みがあるのに対し、▲2六歩は居飛車が確定している
- ▲7六歩は矢倉を目指せる一方で、▲2六歩は相掛かりを目指せる
- ▲2六歩は2手目△3二飛を消している[3]
- ▲2六歩は引き角の含みがある[4]
などである。
▲5六歩
- 詳細は「/▲5六歩」を参照
中飛車を目指す手。
▲7六歩△3四歩▲5六歩では、△8八角成▲同銀△5七角で馬を作られてしまうため、初手▲5六歩と突き、△3四歩に▲5八飛と回る手法が開発された。
▲5八飛
- 詳細は「/▲5八飛」を参照
▲5六歩と同じようでも、△8四歩
- ▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩と進むと、角交換から△4五角の筋があるため、▲6六歩と角道を止めざるを得ない。
- ▲4八玉△8五歩▲7八金と角道を開けずに駒組みを進める原始中飛車は、初級者向きの戦法とされる。
▲7八飛
- 詳細は「/▲7八飛」を参照
初手▲7八飛戦法。猫だまし戦法とも。
初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩の石田流では、△8八角成、△1四歩、△4二玉などの手に対応する必要があるが、初手▲7八飛では
▲6六歩
- 詳細は「/▲6六歩」を参照
△3四歩▲7六歩(あるいは△8四歩▲7六歩)で定跡手順に合流するが、△3四歩▲6八飛と四間飛車を目指す指し方。
初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩では、△8四歩を保留して右四間飛車などに構えられる場合がある。
▲6六歩△3四歩▲6八飛とすれば、△8四歩を突かれなければ▲7六歩の一手を▲4八玉や▲1六歩などほかの手に回せるため、後手の△8四歩を催促している意味がある[6]。
▲6六歩△3四歩▲6八飛△3二飛と相振り飛車になった場合、▲6五歩と突き出すことができる(角道が通っていると角交換から△4五角がある)。
▲6八飛
△3四歩▲7六歩、あるいは△8四歩▲7六歩で定跡手順に合流する。
△3四歩▲6六歩ならば、初手から▲6六歩△3四歩▲6八飛に同じ。
▲9六歩
- 詳細は「/▲9六歩」を参照
▲1六歩
- 詳細は「/▲1六歩」を参照
▲3六歩
- 詳細は「/▲3六歩」を参照
次に▲3五歩と突かれると後手は角道を開けられなくなるため、△3四歩と突くが、▲3八飛と寄って▲3五歩△同歩▲同飛の歩交換を狙う。
渡辺明は、先手の得を生かす作戦かといわれると疑問は残るが「かなり有力な手」としている[7]。
実戦例は▲林葉-△長沢戦(1985年)、▲先崎-△谷川戦(1989年)、▲渡辺明-△丸山戦(2006年)など多数。
▲4六歩
- 詳細は「/▲4六歩」を参照
▲小泉-△中村亮戦(2010年)の実戦例がある。
▲7八金
- 詳細は「/▲7八金」を参照
角頭を守って手堅いようだが、2手目△3二金と同様、相手に振り飛車にされると玉を囲いづらく作戦の幅が狭くなる。一方で、銀冠などに進展すれば悪くはならないともいわれる。
タイトル戦では▲中原-△加藤一戦(1983年、十段戦)など。
藤井猛は、村山慈明にponanzaの初手▲7八金対策を相談された際に「初手▲7八金なんて全然とがめられないよ」と述べたという[8]。
後手が振り飛車にした実戦例は▲千田-△糸谷戦(2016年)など。
▲4八銀
- 詳細は「/▲4八銀」を参照
▲3八銀
▲6八銀
△3四歩と突かれると角道が開けられなくなるが、鳥刺し(引き角+斜め棒銀)を狙うw:嬉野流の出だし。嬉野宏明が考案し、天野貴元が晩年研究した[9]。
▲7八銀
- 詳細は「/▲7八銀」を参照
△3四歩と突かれると角道が開けられなくなるため、▲8六歩と並んで初手の最悪手に挙げられることもある[10]。
しかし、△3四歩に▲6八飛と回って、△8四歩▲6六歩△8五歩▲7六歩とし、△8六歩▲同歩△同飛に▲7七角△8二飛▲8六歩とすれば、以下▲6七銀〜▲8八飛で8筋逆襲を狙って一局の将棋となる[10][11]。
公式戦での実戦例は▲小泉-△永瀬戦(2012年)のみ。
▲6八玉
▲日浦-△櫛田戦(1992年)、▲石橋-△斎田戦(2011年)の実戦例がある。
▲5八玉
▲小泉-△阿部健戦(2010年)の実戦例がある。
▲4八玉
▲5八金右
▲4八金
▲3八金
2017年に行われた第2期将棋電王戦、ポナンザvs佐藤天彦叡王 戦で、このとき先手のポナンザは初手に▲3八金と指している。以下はA図のように進展した。一方でB図先手は鈴木英春が開発したカメレオン戦法から派生した局面。このとき先手鈴木は初手4八銀を使用している。基本的にこうした将棋の進行は、定跡をはずし、乱戦や手将棋に誘導しようという発想からである。
☖後手 歩
☗先手 角歩4 A図 先手ポナンザ
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☖後手 角歩
☗先手 角歩2 B図 先手カメレオン
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▲4八飛
▲3八飛
『w:将棋世界』1983年6月号で、当時w:石田和雄が担当していた「将棋相談室」に、「問:お父さんに勝つには」と題した質問があった。父親が先手番の際に初手に▲3八飛と指し、後手の質問者は矢倉に組むと▲2五桂から3三歩、三間飛車には▲2六銀から3五歩で、いつもやられているという。
この回答として、石田の検討によると、「タテ歩取り模様で指す」。
初手▲3八飛のねらいは、△3四歩を待って▲3六歩から3五歩を狙っているという。しかしながら、実際には▲3五歩△同歩▲同飛ときても、△3二飛とぶつければ、いやな筋は吹き飛んでいる。この順は形成は互角。
初手▲3八飛をとがめる順は、後手は△8四歩と指す。
以下先手が▲7六歩であると△8五歩には▲7七角△3四歩▲8八銀△7七角成▲同銀△2二銀▲3六歩△3三銀▲7八金△3二金では、飛車寄りの一手がおかしくなっている。途中▲7八金で▲3五歩では△同歩▲同飛には△2四角がある。
一方▲3六歩なら、△8五歩▲7八金△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛▲3五歩の変化が予想され、以下は例として△7四飛とし、▲9六歩△1四歩▲6九玉△3二金▲4八銀△1三角▲6八銀に△3四歩▲同歩△3五歩と指す要領になる。この際の後手の囲いは△7二銀~6二玉~7一玉である。
こうした、角筋を止める着想はプロでは幾分無理であるが、定跡をはずすのには一理ある指し方でもあるという。
なお、上述の初手▲3六歩でも同様の狙いであり、▲先崎対△谷川戦(1989年、NHK杯)でも同様な先手居飛車・後手タテ歩取り模様の戦型となっている。
▲1八飛
▲6八金
▲5八金左
▲1八香
▲9八香
▲8六歩
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
香 | 桂 | 銀 | 金 | 王 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 一 |
飛 | 角 | 二 | |||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 三 |
四 | |||||||||
五 | |||||||||
六 | |||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 七 |
角 | 飛 | 八 | |||||||
香 | 桂 | 銀 | 金 | 玉 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 九 |
初手の最悪手とされる[12]。
弱点である角頭の歩を相手の飛車先に差し出す手で、△8四歩▲7八金△8五歩▲同歩△同飛▲8七歩と一方的に飛車先を切られることとなる。
公式戦での実戦例は▲増田-△小阪戦(2000年)のみ。
脚注
- ^ 羽生 2009, p. 84.
- ^ 羽生 2009, p. 86.
- ^ ▲2六歩に△3二飛?は、▲2五歩△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛となって▲2三飛成が受からない。
- ^ ▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀△4四歩▲5六歩△3二銀▲7八銀△4三銀▲7九角△2二飛▲5七角が一例。ただし6手目で△8四歩と突かれると先手が損とされる(森内ら 2014、pp. 45-50)。▲佐藤康-△菅井戦(2015年)などの実戦例がある。
- ^ △8六歩▲同歩△同飛は▲2二角成△同銀▲7七角。
- ^ 鈴木 2010, p. 21(藤井猛の見解)
- ^ 鈴木 2010, pp. 27-28.
- ^ 村山 2015, p. 150.
- ^ 天野 2015, p. iii.
- ^ 10.0 10.1 谷川 1988, p. 19.
- ^ 青島 1996, p. ページ数不明(佐藤康光の見解)
- ^ 谷川 1988, p. 18.
参考棋譜
- 1985年1月21日 第11期女流名人位戦五番勝負第4局 ▲林葉直子女流名人 対 △長沢千和子女流二段
- 1989年1月23日放送 第38回NHK杯戦本戦準々決勝第4局 ▲先崎学四段 対 △谷川浩司名人
- 1992年4月14日 第61期棋聖戦一次予選2回戦 ▲日浦市郎五段 対 △櫛田陽一四段
- 2000年2月22日 第50回NHK杯戦予選1回戦 ▲増田裕司四段 対 △小阪昇七段
- 2006年2月20日放送 第55回NHK杯戦本戦決勝 ▲渡辺明竜王 対 △丸山忠久九段
- 2010年1月6日 第41期新人王戦トーナメント戦2回戦 ▲小泉祐奨励会三段 対 △中村亮介五段
- 2010年4月15日 第41期新人王戦トーナメント戦3回戦 ▲小泉祐奨励会三段 対 △阿部健治郎四段
- 2011年1月20日 第4期マイナビ女子オープン本戦準決勝第2局 ▲石橋幸緒女流四段 対 △斎田晴子女流四段
- 2012年2月9日 第43期新人王戦トーナメント戦2回戦千日手局 ▲小泉祐奨励会三段 対 △永瀬拓矢四段
- 2015年5月29日 第56期王位戦挑戦者決定リーグ白組プレーオフ ▲佐藤康光九段 対 △菅井竜也六段
- 2016年1月24日放送 第65回NHK杯本戦3回戦第7局 ▲千田翔太五段 対 △糸谷哲郎八段
参考文献
- 青島たつひこ(鈴木宏彦)、1996、「佐藤康光&森内俊之のなんでもアタック」、『将棋マガジン』1996年6月号、日本将棋連盟 pp. ページ数不明([1]より孫引き)
- 天野貴元、2015、『奇襲研究所 〜嬉野流編〜』、マイナビ ISBN 978-4-8399-5569-4
- 門倉啓太、2013、「初手の革命 "7八飛" 戦法」、『将棋世界』2013年10月、日本将棋連盟 pp. 別冊付録
- 鈴木宏彦、2010、『イメージと読みの将棋観』2、 日本将棋連盟 ISBN 978-4-8399-3434-7(一部初出・『将棋世界』2006年8月号-2008年11月号、2010年1月号-6月号)
- 谷川浩司、1988、『NHK将棋講座 大局観が勝負を決める』、日本放送出版協会 ISBN 4-14-018014-5
- 羽生善治(監修)、2009、『羽生善治の みるみる強くなる 将棋 序盤の指し方 入門』、池田書店 ISBN 978-4-262-10145-3
- 藤井猛、2014、『藤井猛の攻めの基本戦略』、日本放送出版協会 ISBN 978-4-14-016220-0
- 森内俊之、渡辺明、谷川浩司、佐藤康光、久保利明、広瀬章人、2014、『トップ棋士頭脳勝負 イメージと読みの将棋観』3、 日本将棋連盟 ISBN 978-4-8399-5017-0(一部初出・鈴木宏彦「イメージと読みの将棋観」、『将棋世界』2010年11月号-2012年6月号)
- 村山慈明、2015、「棋士たちの電王戦FINAL [第4局] ponanza × 村山慈明七段 研究手順披露できず」、『将棋世界』2015年6月、日本将棋連盟 pp. 150-ページ範囲不明