「TeX/LaTeX入門」の版間の差分

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====Ubuntu====
UbuntuにTeXをインストールするにはコマンドラインを開いて以下のコマンドを入力する。
<syntaxhighlight lang="textbash">
$ sudo apt install texlive-lang-cjk
$ sudo apt install texlive-fonts-recommended
$ sudo apt install texlive-fonts-extra
$ sudo apt install xdvik-ja
$ sudo apt install dvipsk-ja
$ sudo apt install gv
</syntaxhighlight>
 
====MathLibre====
MathLibreは[[w:DebianKnoppix|DebianKnoppix]] を原型に開発されたLinux OS ディストリビューションであり、TeXなど様々な数学ソフトウェアが初期搭載されている。
 
=== Windows ===
[[w:TeX Live|TeX Live]]にWindows用のインストーラ(install-tl-windows.exeまたはinstall-tl.zip)が作成されており、これらを用いることで比較的容易に環境を構築することができる。またWindows向けに簡単な[http://did2memo.net/2016/04/24/easy-latex-install-windows-10-2016-04/ インストーラ]が公開されている。
 
=== OS X ===
[httphttps://www.tug.org/mactex/ MacTeX]はTeXのほか、TeXShopやBibDeskなど、関連ツールがインストールされる。[[w:MacTeX|MacTeX]]は、[httphttps://brew.sh/ Homebrew]によって導入することもできる。
 
===Cloud LaTeX===
[https://cloudlatex.io/ Cloud LaTeX] は[[w:アカリク|株式会社アカリク]]が開発した日本語対応済みオンラインLaTeXコンパイルサービスである。利用にはアカウント登録が必要になる。論文誌等のテンプレート各種も用意されている。
 
===ShareLaTeX===
[[w:ShareLaTeX|ShareLaTeX]]は英国[https://www.sharelatex.com/ ShareLaTeX社]が開発したオンラインで使用できるLATEXエディタで、リアルタイムの共同制作が可能である。日本語で利用するにはプリアンブルを次のように書く:
この章では最初にlatexコマンドを用いた英語のみの文書作成、続いてuplatexコマンドを用いた日本語を含む文書作成の順に解説します。入力するコマンドが''command''である場合、以下の様に示します。
 
<syntaxhighlight lang="bash">
$ command
$ command
output, output
output, output
output, output
</syntaxhighlight>
 
$は[[w:シェル|シェル]]の出力(プロンプト)であり、ユーザが入力する必要はありません。コマンドを実行(commandを入力しEnterキー等を入力)すると、上の例では“output, output”が二行出力されていることを示します。コマンド入力に関しては[[UNIX/Linux入門]]や[[MS-DOS/PC DOS入門]]を参照して下さい。
 
* 以下の内容に含まれる\は、環境によっては¥([[w:¥記号|円記号]])、あるいは\([[w:バックスラッシュ|バックスラッシュ]])に見えます。
<syntaxhighlight lang="latex" line>
% File name: test1.tex
\documentclass{article}
\begin{document}
Hello, \TeX \\
Hello, \LaTeX \\
\end{document}
</syntaxhighlight>
大文字と小文字は区別されます。大文字は小文字にしないで入力してください。
これを保存したの上で、以下のコマンドでLaTeXを実行します。引数には作成したLaTeXファイルの拡張子(.texサフィックス)を除いた名前を指定します。
 
<syntaxhighlight lang="bash">
$ latex test1
$ latex test1
 
Output written on test1.dvi (1 page, 340 bytes).
TranscriptOutput written on test1.logdvi (1 page, 340 bytes).
Transcript written on test1.log.
</syntaxhighlight>
 
問題なくコンパイルされると最後の二行が上のようになり(環境によっては出力されるサイズが異なるかもしれません、以下同様です)、text1.dviという''[[w:DVI (ファイルフォーマット)|DVIファイル]]''が作成されます。作成されたDVIファイルは、[[w:dvipdfmx|dvipdfmx]]で[[w:PDF|PDF]]に変換することが出来ます。このドキュメントには、TeX・LaTeXともにロゴに変換された上で、1行目に"Hello, TeX"、2行目に"Hello, LaTeX"と表示されます。
==== 解説 ====
test1.texファイルと照らし合わせて解説をします。
*<syntaxhighlight lang="latex" start=1 line>% File name<nowiki>:</nowiki> test.tex </syntaxhighlight>
*: '''%'''以降は全て''コメント''とみなされ、出力されません。今回はファイル名を明確にするために書いてみました。
*<syntaxhighlight lang="latex" start=2 line>\documentclass{article} </syntaxhighlight>
*: 全てのLaTeXドキュメントは'''\documentclass{...}'''コマンドより始まります。この波括弧内に''クラスファイル''と呼ばれる、文書のレイアウトなどを定義しているファイルを指定します。今回の場合、クラスファイルは'''article'''です。これは短いドキュメントの書式で、論文の記事に類似しています。
*<syntaxhighlight lang="latex" start=3 line>\begin{document} </syntaxhighlight>
*: '''\begin{...}'''は'''\end{...}'''と対応して使い、''環境''と呼ばれる区切りをあらわします。今回の場合、環境は'''document'''です。これは文書の本文を示す重要な環境で、この中にあるものが出力されます。\begin{document}より前の行を''プリアンブル''と呼びます。
<syntaxhighlight lang="latex" start=4 line>Hello, \TeX \\ </syntaxhighlight>
* Hello, \TeX \\
*: 最初の段落で、\に続く'''\TeX'''は''コマンド''と呼ばれ、様々な表現を可能にします。このコマンドはTeXのロゴを表示します。'''\\'''は強制改行をするコマンドです。
*<syntaxhighlight lang="latex" start=5 line>Hello, \LaTeX \\ </syntaxhighlight>
*: 前の段落で強制改行されているので、行頭は字下げされずに出力されます。'''\LaTeX'''はLaTeXロゴを出力するコマンドです。行末に強制改行のコマンドがあります。
<syntaxhighlight lang="latex" start=6 line>\end{document} </syntaxhighlight>
* \end{document}
*: 本文の終わりを示します。これ以降は出力されません。
 
=== 日本語の文書を作ってみよう ===
続いて日本語を扱った文書を作成します。日本語を扱うためには pLaTeX /upLaTeXが必要となり、ソースファイルを保存するときは[[w:文字コード|文字コード]]に気をつけなければなりません。まずはソースファイルを保存するときに必要とされる文字コードを調べて見ましょう。以下のコマンドを実行してみてください。
 
<syntaxhighlight lang="bash">
$ uplatex --version
$ uplatex --version
e-upTeX 3.14159265-p3.5-u1.11-130605-2.6 (utf8.uptex) (TeX Live 2014)
e-upTeX 3.14159265-p3.5-u1.11-130605-2.6 (utf8.uptex) (TeX Live 2014)
</syntaxhighlight>
 
出力の最初の行に'''(utf8.uptex)'''と表示されると思います。これは利用した組版ソフト(今回の場合はuplatex)に設定されたソースファイルに使用する文字コードと内部文字コードを示しています。上記の例ではソースファイルに使用する文字コードは[[w:UTF-8|UTF-8]]、内部文字コードはuptexを示しています。
次に以下の内容を、組版ソフトに設定された文字コードと同じになるように、utf8.uptexであればUTF-8で、test2.texとして保存してください。ソースファイルの文字コードが組版ソフトの設定と異なると、出力結果が文字化けを起こすことがあります。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: test2.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
こんにちは、世界。
こんにちは、\TeX。
 
こんにちは、\LaTeX。
\end{document}
</syntaxhighlight>
今回は日本語を扱っているのでクラスファイルには'''ujarticle'''を指定してください。
先ほどと同様にコンパイルしてみましょう。今回は日本語の含まれるソースをコンパイルするので、コマンドにはuplatexを使用します。
 
<syntaxhighlight lang="bash">
$ uplatex test2
$ uplatex test2
 
Output written on test2.dvi (1 page, 444 bytes).
TranscriptOutput written on test2.logdvi (1 page, 444 bytes).
Transcript written on test2.log.
</syntaxhighlight>
 
うまくコンパイル出来れば、最後の二行が上のように出力されます。こちらも同様にdvipdfmxでPDFに変換することが出来ます。
以下の内容をclassoption.texなどとし、保存してください。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: classoption.tex
\documentclass[12pt]{ujarticle}
\begin{document}
こんにちは、世界!
\end{document}
</syntaxhighlight>
続いて、以下のコマンドでコンパイルします。
 
<syntaxhighlight lang="bash">
$ uplatex classoption
$ uplatex classoption
</syntaxhighlight>
 
==== 解説 ====
以下にujarticle.clsで指定できる殆どのオプションを掲載します。カンマで区切っているものは、そのいずれかしか選択できないものです(a4paperとa4jの項目も同時指定不可)。
 
; a4paper, a5paper, b4paper, b5paper : それぞれの用紙に設定します。
; a4j, a5j, b4j, b5j, a4p, a5p, b4p, b5p : より日本語組版の通例にマッチした、本文領域が広めの体裁になるようにマージンを確保します。
; 10pt, 11pt, 12pt : 基準となるフォントサイズを指定します。
; landscape : 用紙を横置き(横の長さが長い)に設定します。<ref>ターミナルからdvipdfmxコマンドでPDFを出力した場合、本文記事中で\documentclassコマンドにlandscapeオプションを指定しただけでは横長の用紙設定でPDFが出力されないことがあります。これには2種類の対処方法があります。
* ターミナルからdvipdfmxコマンドを入力する際、-lオプションを指定
* プリアンブルに\AtBeginDvi{\special{landscape}}の一行を追加
なお、本文記事中にlandscapeオプションを指定しないと、用紙は横長だが本文レイアウトが縦長のまま出力されてしまうことに注意してください
</ref>
; tombow, tombo :用紙サイズに合わせたトンボを出力します。tomboオプションは作成日時を出力しません。
; tate :縦書きで組版します。<ref>documentclassにujarticleを指定した場合、不具合が出る場合があります。
: 例)タイトルページを組み込んでも、\authorに縦書き設定が反映されない。
その場合はdocumentclassにutarticleを指定してください。</ref>
; oneside, twoside :片面印刷・両面印刷に適した組版を行うように設定します。
; onecolumn, twocolumn :本文を二段組にするかのオプションです。
; titlepage, notitlepage :\maketitleコマンドの出力に1ページ確保するかの設定です。
; openright, openany :chapterを右ページから行うか、或いは任意であるかのオプションです。
; leqno, fleqn :leqnoオプションは数式番号を左側へ、fleqnオプションは数式番号を右側へ出力するように設定します。
; openbib :参考文献リストを各項目ごとに改行する、オープンスタイル書式で出力します。
; draft, final :draftオプションは、オーバーフルボックスが発生した箇所へ5ptの罫線を引きます。
 
=== プリアンブル ===
今まで通りにコンパイルしますが、urlパッケージが無い場合は以下のようなエラーが表示されます。エラーが表示されたら、xを入力してEnterキーを押して終了します。
 
<syntaxhighlight lang="bash">
$ uplatex preamble
$ uplatex preamble
 
! LaTeX Error: File `url.sty' not found.
! LaTeX Error: File `url.sty' not found.
 
Type X to quit or <RETURN> to proceed,
Type X to quit or <RETURN> to proceed,
or enter new name. (Default extension: sty)
or enter new name. (Default extension: sty)
 
Enter file name:
Enter file name:
</syntaxhighlight>
 
==== 解説 ====
下の内容をmaketitle.texなどとし、保存してください。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: maketitle.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
\title{文書のタイトル}
\author{名無しの権兵衛}
\date{2001年1月15日}
\maketitle
本文。
\end{document}
</syntaxhighlight>
続いて、以下のコマンドでコンパイルします。
 
<syntaxhighlight lang="bash">
$ uplatex maketitle
$ uplatex maketitle
</syntaxhighlight>
 
==== 解説 ====
では、この例に出てくる主要なコマンドの解説をします。コマンド名が太字のものは\maketitleを使用する際に必須のコマンドで、省略することはできません。
 
*; '''\title{}'''
*: 表題を定義するコマンドです。\LARGEサイズ(サイズに関しては後述します)で印刷されます。
*; '''\author{}'''
*: 著者を定義するコマンドです。\Largeサイズで印刷されます。
*; \date{}
*: 日付を定義するコマンドです。\largeサイズで印刷されます。このコマンドを指定しないと、ujarticleクラスでは“平成13年1月15日”の形で印刷され、日付を出力したくない場合は引数を空にします。例では英語版Wikipediaのプロジェクトが始まった日を西暦で表示します。
*; '''\maketitle'''
*: このコマンドを記述することで、上のコマンドで定義した表紙の要素を印刷します。つまりこのコマンドよりも前に、上のコマンドを記述する必要があります。
 
\titleと\author、そして\dateコマンドは引数を取るコマンドです。引数は例の通り、''{''と''}''の中括弧で囲みます。例では本文の開始と同じページに表紙を印刷しましたが、1ページ使って表紙を印刷したい場合はクラスファイルオプションにtitlepageを指定します。つまり、\documentclass[titlepage]{ujarticle}と書けばそれだけでいいのです。
以下の内容を、abstract.texと保存しましょう。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: abstract.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
\title{概要を表示する}
\author{ウィキブックス}
\date{\today}
\maketitle
 
\begin{abstract}
ここに概要を書きます。
\end{abstract}
 
本文。
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
==== 解説 ====
概要は'''abstract環境'''を用います。環境は、\begin{}コマンドと\end{}コマンドで囲うものですね。abstract環境では“概要”という文字を太字で印刷し、概要の文章の左右に空白を空けて印刷します。jsarticleクラスでは\smallサイズで印刷します。
\end{document}
</syntaxhighlight>
'''\tableofcontentsコマンド'''を使用するときは、3回程度はコンパイルします。
 
'''\tableofcontentsコマンド'''を使用するときは、3回程度はコンパイルします。
<syntaxhighlight lang="bash">
$ uplatex toc
$ uplatex toc
</syntaxhighlight>
 
==== 解説 ====
以下の内容を、section.texなどで保存しましょう。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: section.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
\section{はじめに}
第一章です。
 
\subsection{時代背景}
第一章、第一節です。
 
\subsection{著者について}
第一章、第二節です。
 
\section{人生について}
\subsection{人生とは}
第二章、第一節です。
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
今までと同様にコンパイルしてみましょう。
<syntaxhighlight lang="bash">
 
$ uplatex section
</syntaxhighlight>
 
==== 解説 ====
|+ '''章立てコマンドの一覧'''
|-
! コマンド !! 章節 !! レベル
! 章節
! レベル
|-
| \part{} || 部 || -1
| 部
| -1
|-
| \chapter{} || 章 || 0
| 章
| 0
|-
| \section{} || 節 || 1
| 節
| 1
|-
| \subsection{} || 小節 || 2
| 小節
| 2
|-
| \subsubsection{} || 小々節 || 3
| 小々節
| 3
|-
| \paragraph{} || 段落 || 4
| 段落
| 4
|-
| \subparagraph{} || 小段落 || 5
| 小段落
| 5
|}
 
※\chapter{}コマンドはarticle, ujarticleクラスでは使用できません。
 
章番号を付けずに、目次へ出力しない章を作りたいときはどうすればよいのでしょうか。これは簡単で、それぞれのコマンド名のあとに[[w:アスタリスク|アスタリスク]](半角の*)を付けるだけです。
 
<syntaxhighlight lang="latex">
例: \section*{前に番号がつかず、目次にも現れない章}
\section*{前に番号がつかず、目次にも現れない章}
</syntaxhighlight>
 
番号を出力するとともに“章”という文字を出力したりする場合は、[[#応用]]を参照してください。
==== 例 ====
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: fontsize.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
ここは普通の大きさです。
{\small ここは小さい文字になります。}
普通の大きさです。
{\large ここは大きい文字になります。}
普通の大きさです。
{\small 小さい文字の中に、{\large 大きい文字を入れて、}再び小さい文字になります。}
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
==== 解説 ====
フォントサイズは、サイズを変更したい文字列を中括弧で囲い、最初に変更するコマンドを記述します。中括弧で囲んでいる中に、別の中括弧を含めた場合は最も内側が優先されます。
! colspan="3" | ポイント
|-
| \tiny || 5 || 6 || 6
| 5
| 6
| 6
|-
| \scriptsize || 7 || 8 || 8
| 7
| 8
| 8
|-
| \footnotesize || 8 || 9 || 10
| 8
| 9
| 10
|-
| \small || 9 || 10 || 11
| 9
| 10
| 11
|-
| bgcolor="#CCCCCC" | \normalsize
| bgcolor="#CCCCCC" | 12
|-
| \large || 12 || 12 || 14
| 12
| 12
| 14
|-
| \Large || 14 || 14 | 17
| 14
| 14
| 17
|-
| \LARGE || 17 || 17 || 20
| 17
| 17
| 20
|-
| \huge || 20 || 20 || 25
| 20
| 20
| 25
|-
| \Huge || 25 || 25 || 25
| 25
| 25
| 25
|}
 
LaTeXで書体を扱う際、以下の種類に分けることが出来ます。
 
*; ファミリー(Family)
*: デザインで分類したもの。いわゆるフォントにほぼ同じです。
*; シリーズ(Series)
*: 文字の太さを分類したもの。TeX以外ではウェイトと呼ばれています。
*; シェイプ(Shape)
*: 見た目の形で分類したもの。斜体やスモールキャップ体などです。
 
更に記述の方法は、以下の2種類あります。
==== ファミリー ====
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: fontfamily.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
Normal.
% 宣言型
{\gtfamily Gothic.}
{\rm Roman.}
% コマンド型
\texttt{Typewriter.}
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
{| class="wikitable"
|-
! !! 宣言型 !! コマンド型
!
! 宣言型
! コマンド型
|-
| 明朝体 || \mcfamily || \textmc
| \mcfamily
| \textmc
|-
| ゴシック体 || \gtfamily || \textgt
| \gtfamily
| \textgt
|-
| ローマン体 || \rmfamily || \textrm
| \rmfamily
| \textrm
|-
| サンセリフ体 || \sffamily || \textsf
| \sffamily
| \textsf
|-
| タイプライタ体 || \ttfamily || \texttt
| \ttfamily
| \texttt
|}
 
==== シリーズ ====
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: fontseries.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
Normal.
{\bfseries Bold.}
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
{| class="wikitable"
|-
! !! 宣言型 !! コマンド型
!
! 宣言型
! コマンド型
|-
| ミディアム || \mdseries || \textmd
| \mdseries
| \textmd
|-
| ボールド || \bfseries || \textbf
| \bfseries
| \textbf
|}
 
==== シェイプ ====
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: fontshape.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
Normal.
{\itshape Italic.}
{\slshape Slanted.}
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
{| class="wikitable"
|-
! !! 宣言型 !! コマンド型
!
! 宣言型
! コマンド型
|-
| 通常体(Upright) || \upshape || \textup
| \upshape
| \textup
|-
| イタリック体(Italic) || \itshape || \textit
| \itshape
| \textit
|-
| スモールキャップ体(Small caps) || \scshape || \textsc
| \scshape
| \textsc
|-
| 斜体(Slanted) || \slshape || \textsl
| \slshape
| \textsl
|}
 
イタリック体と斜体の違いですが、イタリック体は通常体を傾けた形でデザインされたものを使用するのに対し、斜体は通常体を無理矢理傾けて使用します。
 
ファミリーとシリーズ、シェイプは以下のように、それぞれを組み合わせることが可能です。同じ種類のコマンドを記述すると最後のものが優先されます。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: fontother.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
Normal.
{\ttfamily\bfseries\itshape Typewriter, Bold and Italic.}
{\ttfamily\scshape\rmfamily Roman and Small caps.}
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
== 環境 ==
この章では文書作成の上で有用な環境である、箇条書きを幾つか紹介します。
箇条書きには幾つか種類があります。
 
* HTMLでは &lt;<syntaxhighlight lang="html5" inline><ul&gt;></syntaxhighlight> のような記号に続くリスト('''itemize環境''')。
* HTMLでは &lt;<syntaxhighlight lang="html5" inline><ol&gt;></syntaxhighlight> のような数字に続くリスト('''enumerate環境''')。
* HTMLでは &lt;<syntaxhighlight lang="html5" inline><dl&gt;></syntaxhighlight> のような任意の言葉に続くリスト('''description環境''')。
 
箇条書きの構造は、'''\begin{}コマンド'''で見た目を決定する環境を開始し、'''\itemコマンド'''で要素を記述します。
==== itemize環境 ====
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: itemize.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
以下はWikibooksの姉妹プロジェクトのリストです。
\begin{itemize}
\item Wikipedia
\item Wiktionary
\item Wikiquote
\end{itemize}
\end{document}
</syntaxhighlight>
このソースファイルをコンパイルすると、中黒で順序のない箇条書きを作ることが出来ます。またソースファイルでは、LaTeXの構造を分かりやすくするために\itemコマンドの前に半角スペースを2個入れていますが、出力には影響ありません。
==== enumerate環境 ====
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: enumerate.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
Wikiを使うメリットは以下の3点です。
\begin{enumerate}
\item インターネット上のどこからでも更新できる。
\item ブラウザだけで作業が出来る。
\item Wikiの文法は覚えやすく、Wiki内のリンクは簡単。
\end{enumerate}
\end{document}
</syntaxhighlight>
このソースファイルをコンパイルすると、算用数字で順序のある箇条書きを作ることが出来ます。
==== description環境 ====
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: description.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
以下の期日で新年会を行います。
\begin{description}
\item[日時] 20xx年1月1日 xx時より
\item[場所] 日本語版ウィキブックス、談話室にて
\item[会費] ψ0
\end{description}
\end{document}
</syntaxhighlight>
このソースファイルをコンパイルすると、\itemコマンドの直後に[と]で囲んだ文字列が太字で印刷され、定義リストを作ることが出来ます。
他の文献などから引用する場合に用いるのが'''quote環境'''と'''quotation環境'''です。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: quote.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
 
先ずはquote環境を使います。
\begin{quote}
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
 
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
\end{quote}
 
続いてquotation環境を使います。
\begin{quotation}
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
 
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
\end{quotation}
 
夏目漱石『吾輩は猫である』より。
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
==== quote環境 ====
引用文中の段落の字下げを行わない引用環境です。短い引用に用いられます。
begin〜end間のテキストをそのまま出力する環境です。プログラムのソースファイルなどをそのまま載せたいとき、LaTeXの制御文字を連続して使用する場合などに用います。ただし、行頭のタブは無視され、行の途中のタブは半角スペースに置き換えられるので注意してください。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: verbatim.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
\begin{verbatim}
!"#$%&'()+*<>?_|~=
\end{verbatim}
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
==== verbatim*環境 ====
verbatim環境とほとんど同じですが、半角スペースがあるところにアキの印が出力されます。
verbatim環境は使用すると、整形済みテキストの前に必ず改行されます。これは、文中にちょっとしたものを書きたいときには不便です。\verbを使うことで、文中に整形済みテキストを挿入することができます。使い方は、\verbの後に任意の記号を置き、その後に整形済みテキストを置き、\verbの後に置いた記号をもう一度置きます。\verbの後に置く記号は、整形済みテキストに含まれていないものなら、何でもかまいません。
<syntaxhighlight lang="latex">
% File name: verbatim.tex
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
今日はとても楽しかった\verb+(^_^)+ですね。
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
== 数式 ==
TeXは数式の組版に強いと言われます。なぜなら開発者の[[w:ドナルド・クヌース|クヌース]]が自身の著書である[[w:en:The Art of Computer Programming]]を書くときに、当時コンピュータで作った組版状態が綺麗ではなく、自ら満足するソフトを作ったからです。この作ったものこそ、TeXなのです。
後者はページの中心に数式が印刷されます。また、どちらも専用のフォントで表示されます。
<syntaxhighlight lang="latex">
\documentclass{ujarticle}
 
\begin{document}
 
積分は一般に以下の形で記される。
 
\[
\int^{b}_{a} f(x) dx
\]
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
 
=== 数式モードの基礎 ===
* 式に含まれる空白は自動的に調節されます
例:
<syntaxhighlight lang="latex">
\(
数式
\)
</syntaxhighlight>
文中に入れるのではなく、数式として独立させたい場合は、'''eqnarray環境'''を用います。
 
<syntaxhighlight lang="latex">
\begin{eqnarray}
数式 \\
数式 \\
数式
\end{eqnarray}
</syntaxhighlight>
eqnarray環境では1行ごとに番号が付加されます。必要ない場合は'''eqnarray*環境'''を用います。
足し算(+)と引き算(-)は何も考えずに表示できます。
<syntaxhighlight lang="latex">
\[
4 + 5 - 2 = 7
\]
</syntaxhighlight>
掛け算(×)(<math>\times</math>)と割り算(÷)(<math>\div</math>)は、それぞれ'''\timesコマンド'''、'''\divコマンド'''を用います。
<syntaxhighlight lang="latex">
\[
4 \times 5 \div 2 = 10
\]
</syntaxhighlight>
==== 分数 ====
'''\fracコマンド'''を用います。最初の引数で分子を指定し、次の引数で分母を指定します。
<syntaxhighlight lang="latex">
\begin{eqnarray*}
\frac{1}{2} + \frac{1}{3} &=& \frac{3}{6} + \frac{2}{6} \\
&=& \frac{3 + 2}{6} \\
&=& \frac{5}{6}
\end{eqnarray*}
</syntaxhighlight>
※注:この例では見やすくするため半角スペースを用いて = の位置を揃えていますが、実際の処理では & を用いた位置で揃えられます。
'''\sqrtコマンド'''を用います。
<syntaxhighlight lang="latex">
\[
\sqrt{4} = 2
\]
</syntaxhighlight>
 
3乗根や5乗根を表現したいときは、コマンド名の直後に角括弧([と])で数字を囲みます。
<syntaxhighlight lang="latex">
\[
\sqrt[3]{8} = 2
\]
</syntaxhighlight>
 
==== べき乗 ====
'''^'''を用います。
<syntaxhighlight lang="latex">
\begin{eqnarray*}
2^{3} &=& 2 \times 2 \times 2 \\
&=& 8
\end{eqnarray*}
</syntaxhighlight>
^の後が一文字だけであれば{}で囲む必要はありませんが、複数文字で表現したいときに忘れることがあるので、出来る限り{}で囲むようにしましょう。
数列の添え字は'''_'''を用います。これも{}を付けない場合、続く1文字だけが添字だと解釈されます。
<syntaxhighlight lang="latex">
\begin{eqnarray*}
a_{n + 1} = a_{n} + 4
\end{eqnarray*}
</syntaxhighlight>
=
==== 和(シグマ)、極限、積分 ====
=== 和(シグマ)、極限、積分 ====
和は'''\sumコマンド'''、極限は'''\limコマンド'''、積分は'''\intコマンド'''を用います。
<syntaxhighlight lang="latex">
\begin{eqnarray*}
\sum_{k = 0}^{10} k \\
\lim_{x \to \infty} f(x) \\
\int^{b}_{a} f(x) dx
\end{eqnarray*}
</syntaxhighlight>
それぞれ記号の上下に範囲を印刷しますが、べき乗と数列で扱った'''^'''と'''_'''を用いて表現します。
 
<syntaxhighlight lang="latex">
\sin^2 x + \cos^2 x = 1
</syntaxhighlight>
 
 
<syntaxhighlight lang="latex">
\begin{eqnarray*}
a \bmod b = 2 \\
a \equiv b \pmod{3}
\end{eqnarray*}
</syntaxhighlight>
 
|<code>\Delta \Lambda \Psi \Omega</code>||ΔΛΨΩ
|-
|<code>= \neq &lt; &gt; \leq \geq \equiv</code>||=≠<>≤≥≡
|-
|<code>\cap \cup \in \ni \forall \exists</code>||∪∩∈∋∀∃
例えば大きな文書を作成しているときや、共通する部分を持つ文書を作成するとき、一つのLaTeX文書を複数に分割することで編集作業や再利用が容易になります。
<syntaxhighlight lang="latex">
% --- article.tex ---
\documentclass{ujarticle}
\begin{document}
\include{title}
\include{body}
\end{document}
 
\begin{document}
% --- title.tex ---
\include{title}
\title{文書のタイトル}
\include{body}
\author{名無しの権兵衛}
\end{document}
\maketitle
 
% --- bodytitle.tex ---
\title{文書のタイトル}
\section{はじめに}
\author{名無しの権兵衛}
ファイルを分割してみました!
\maketitle
 
% --- body.tex ---
\section{はじめに}
ファイルを分割してみました!
</syntaxhighlight>
'''include{}コマンド'''を利用することで、指定したファイルをその位置に読み込みます。従って、読み込まれるファイルでは\documentclassコマンドなどを記述する必要はありません。
 
コンパイルするときは大元の文書ファイルを指定します。他のファイルは自動的に読み込まれます。
<syntaxhighlight lang="bash">
 
$ uplatex article
</syntaxhighlight>
 
=== ラベルの変更 ===
jsarticleドキュメントクラスは[[w:奥村晴彦|奥村晴彦]]が作成した新ドキュメントクラスで、フォントサイズがujarticleに比べて多く用意されていたり、\sectionコマンドのラベルを容易に変更できるようになっています。
 
jsarticleドキュメントクラスの導入は[httphttps://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/jsclasses/ jsarticleのサポートサイト]に載っているので、そちらを参照してください。
 
==== 解説 ====
例えば\sectionの出力を“第1章 はじめに”のようにしたい場合は、[[#プリアンブル]]へ以下の記述をします。
<syntaxhighlight lang="latex">
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
 
% 以下2行が章のラベルを書き換える
\renewcommand{\presectionname}{第}
\renewcommand{\postsectionname}{章}
 
\begin{document}
\section{はじめに}
 
\end{document}
</syntaxhighlight>
ujarticleでも以下で紹介する殆どを変更できますが、jsarticleを用いれば\sectionコマンドの出力も変更できます。
|+ '''変更可能ラベル一覧
|-
! 変数 !! コマンド !! 初期値
! コマンド
! 初期値
|-
| \prepartname
| rowspan="2" | \part || 第
| 第
|-
| \postpartname || 部
| 部
|-
| \prechaptername
| 第
|-
| \postchaptername || 章
| 章
|-
| \presectionname
|-
| \contentsname
| \tableofcontents || 目次
| 目次
|-
| \listfigurename || \listoffigures || 図目次
| \listoffigures
| 図目次
|-
| \listtablename || \listoftables || 表目次
| \listoftables
| 表目次
|-
| \refname || \thebibliography(book系以外) || 参考文献
| \refname
| \thebibliography(book系以外)
| 参考文献
|-
| \bibname || \thebibliography(book系) || 参考文献
| \bibname
| \thebibliography(book系)
| 参考文献
|-
| \indexname || \theindex環境 || 索引
| \theindex環境
| 索引
|-
| \figurename || \label || 図
| \label
| 図
|-
| \tablename || \label || 表
| \label
| 表
|-
| \appendixname || \appendix || 付録
| \appendix
| 付録
|-
| \abstractname || abstract環境(book系以外) || 概要
| abstract環境(book系以外)
| 概要
|}
 
== 脚注 ==
<references />
 
==外部リンク==
*[https://texwiki.texjp.org/ TeX Wiki]
*[httphttps://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~abenori/tex/ TeXの話]
*[https://ctan.org/?lang=en CTAN Comprehensive TeX Archive Network]
*[https://www.slideshare.net/ssuser4ebddd/cloudlatex Cloudlatex講習]
*[httphttps://doratex.hatenablog.jp/entry/20131203/1386068127 TeXによる化学組版]
*[httphttps://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~abenori/soft/abtexinst.html TeXインストーラ3]
 
===Beamer関連===
*[http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tado/beamer/ LaTeX Beamer 入門]<!--リンク切れ-->
*[http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tado/beamer/poster.html Beamer ポスター入門]<!--リンク切れ-->
*[httphttps://termoshtt.hatenablog.com/entry/2014/02/17/235005 Beamerによる発表小技集]
*[http://math.shinshu-u.ac.jp/~hanaki/beamer/beamer.html Beamerの基本的な使い方サンプル]
 
==参考文献==
奥村 晴彦, 黒木 裕介『[改訂第7版]LaTeX2e ]LATEX2ε美文書作成入門』 (技術評論社,2017年1月, ISBN 978-4-7741-8705-1)
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{{DEFAULTSORT:TeX/LaTeXにゆうもん}}
4,462

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