「C Sharp」の版間の差分

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
削除された内容 追加された内容
→‎record型: レコードの各要素にアクセスするにはレコード名.要素名でアクセスできる。
297 行 297 行


=== record型 ===
=== record型 ===
C#9からrecord型が追加された。
C#9からrecord型が追加された。書き換えを禁じるデータ構造である


2022年6月現在、マイクロソフト Docs 公式サイトにあるコードでは、なぜかエラーになる[https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/csharp/whats-new/csharp-9?WT.mc_id=DT-MVP-5002467#record-types 『C# 9.0 の新機能 - C# ガイド | Microsoft Docs』]。下記のように修正すると、なぜか成功する。
2022年6月現在、マイクロソフト Docs 公式サイトにあるコードでは、なぜかエラーになる[https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/csharp/whats-new/csharp-9?WT.mc_id=DT-MVP-5002467#record-types 『C# 9.0 の新機能 - C# ガイド | Microsoft Docs』]。下記のように修正すると、なぜか成功する。
332 行 332 行


なお、確認に用いた .net sdk のバージョンはFedora では 6.0.105 である。
なお、確認に用いた .net sdk のバージョンはFedora では 6.0.105 である。


レコードの各要素にアクセスするには<code>レコード名.要素名</code>でアクセスできる。しかし書き換えは出来ない。書き換えさえしなければ、閲覧などは出来る。

:<syntaxhighlight lang="csharp">
Hito hito = new("Tom", "Davolio");
Console.WriteLine(hito);

// hito.FirstName = "John"; // レコードを書き換えようとするとエラーになる。
Console.WriteLine(hito.FirstName );

record Hito(string FirstName, string LastName);

// Console.WriteLine(hito.LastName ); // ここに書くとエラーになる
</syntaxhighlight>
; 実行結果 :<syntaxhighlight lang="text">
Hito { FirstName = Tom, LastName = Davolio }
Tom
</syntaxhighlight>






2022年6月16日 (木) 02:50時点における版

C#とは、マイクロソフトによって開発されたプログラミング言語です。主な特徴としては、Javaに類似した言語構文を採用していること、.NET Coreというマイクロソフトが策定した共通言語基盤で動作することです。

目次

※編集中

C# はGUIも作成できますが、本ページでは説明の初期のうちは、コンソールアプリ(DOSプロンプトのような画面にテキスト表示するプログラムのこと)のプログラムを解説したいと思います。

C++になくてC#にある機能は多々ありますが、特にC++との違いが大きい話題を挙げたいと思います。

var

変数の宣言の際、intやcharなどの具体的な型を指定しなくても、宣言時の代入で具体的な数値または文字列の代入といっしょにvar とだけ指定すれば、代入されるデータから型を自動的に判断してくれます。


using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    var a = 4;    
    Console.WriteLine(a); 
    Console.WriteLine( a.GetType() );
    
    var b = "hello";    
    Console.WriteLine(b); 
    Console.WriteLine( b.GetType() );
    
    var c = 1.52;    
    Console.WriteLine(c); 
    Console.WriteLine( c.GetType() );
    
    var d = "w";    
    Console.WriteLine(d); 
    Console.WriteLine( d.GetType() );

  }
}
実行結果
4
System.Int32
hello
System.String
1.52
System.Double
w
System.String


C#9 以降、下記のように簡略できます。

 var a = 4;    
    Console.WriteLine(a); 
    Console.WriteLine( a.GetType() );
    
    var b = "hello";    
    Console.WriteLine(b); 
    Console.WriteLine( b.GetType() );
    
    var c = 1.52;    
    Console.WriteLine(c); 
    Console.WriteLine( c.GetType() );
    
    var d = "w";    
    Console.WriteLine(d); 
    Console.WriteLine( d.GetType() );


どちらにせよ、右辺値のない状態でvarキーワードを使うとエラーになり、コンパイルできません。varキーワードは右辺値から型を推論するキーワードなので、その右辺値そのものが無いと推論できないからです。

ほか、あるオブジェクトの型を取得するには、そのオブジェクトから .GetType() メソッドを使います。あるオブジェクトを指定してメソッドを使うには、オブジェクト名.メソッド名()の表記で実行します。

似たようなメソッドとして typeof() というのがありますが、これはクラスに対して用いるものと、記法が異なるので、このセクションでのtypeofの説明は省略します。


なお、varを使わずとも、下記のようにC言語と同様の従来の記法で変数宣言することもできます。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    int a  = 17;
    Console.WriteLine(a); 
    Console.WriteLine( a.GetType() );

  }
}
実行結果
17
System.Int32

また、この例から分かるように int は System.Int32 と同じです。


タプル

複数の変数を宣言する際、タプル taple と言うものを使って、( ) で、まとめて宣言できます。

配列やクラスなどとの違いは、単に配列名やクラス名などに相当する名前が無くても、宣言できるぐらいです。

つまり、データの集まりを無名で定義できます。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

	(int a, int b) =(15, 2);

	Console.WriteLine(a);
	Console.WriteLine(b); 
	
	b=5;
	
	Console.WriteLine(a);
	Console.WriteLine(b); 
	
  }
}
実行結果
15
2
15
5

タプルは単に変数の宣言をひとまとめに行うだけのものなので、宣言したあとは、それぞれの変数は、普通の変数と同様に上書きしたり計算したりできます。

このため、タプルを使わなくても、ひとつひとつ変数を宣言しても、同じ結果の処理が同じくらいのソースコード量で可能です。


データ型の異なる要素どうしも、下記のようにタプルでひとまとめに出来ます。実質的に、タプルは無名クラスのようなものでしょう。


using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

	(int a, string g) =(15, "hello");

	Console.WriteLine(a);
	Console.WriteLine(g); 
		
  }
}
実行結果
15
hello


タプルは無名で使うためのものですが、名前をつけても構いません。タプルに名前をつけた場合、個々の項目の要素へのアクセスには、下記のように Item1 , Item2 などのプロパティを使います。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

	(int a, string g) =(15, "hello");
        var k = (a, g) ; // 変数名は k
        
	Console.WriteLine(k.Item1);
	Console.WriteLine(k.Item2); 
		
  }
}
実行結果
15
hello


タプルの項目に名前をつけることも出来ます。こうすれば、Itemで何番目だったかを覚える必要はないし、もしタプル内の順番の入れ替えをしてもコードの修正を減らせます。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    var k = (year : 18, msg : "good morning" );
        
	Console.WriteLine(k.year);
	Console.WriteLine(k.msg); 
		
  }
}
実行結果
18
good morning

foraech

マイクロソフトの公式サイトにもありますが、たとえば foreach という機能が、C++ ではなかなか入門レベルでは見かけず独特です。(C++にもC++11以降は似たような機能はあるが、記法がだいぶ違う。)

以下、マイクロソフトmsdnのコード例『配列での foreach の使用 (C# プログラミング ガイド)』2022/04/06(2022年6月に確認)を参考にしたものです。

using System;

public class Hello {
  public static void Main(string[] args) {

    int[] numbers = { 4, 5, 6, 1, 2, 3, -2, -1, 0 };
    
    foreach (int i in numbers) {
    	System.Console.Write("{0} ", i);
    }
    
    System.Console.Write("\n");
    
  }
}
実行結果
4 5 6 1 2 3 -2 -1 0

foreach は、配列などのグループ的なまとまりをもったデータ構造をfor的に巡回させたいとき、いちいちループ条件文にて配列の要素数を指定しなくても、上述のようにforeach文中で in 配列名を指定すれば、それをもとに自動的に第0項から最後の項まで巡回するようにループ条件を設定してくれる機能です。

正確な言い回しなどは、MSDN 公式サイトを見てください。

書式指定

C# では、表示位置の指定には、引用符中での波カッコ { } を使います。なお、一般に、引用符中で表示位置指定のために使われる波カッコ { } のことを「プレースホルダー」と言います。

C++ の%d などと違い、C#では引数の順番どおりに書く必要はないです。ただし、たとえば3番目の引数なら {2} のように、波カッコ内の数値で指定する必要があります。

c# の数値の16進数(hexadecimal)出力の書式指定は下記のようにセミコロン: を使います。

ただし、2進数や8進数はこの方法には対応しておらず、代わりに Convert.ToString()関数を使って変換できます。

using System;

public class Hello {
  public static void Main(string[] args) {

    Console.WriteLine("{0} + {2} = {1}", 3, 3 + 5, 5) ; 
    
    // 十進数の11を変換するコード
    Console.WriteLine("{0:x} ", 11) ; // 16進数に変換
    // Console.WriteLine("{0:b} ", 11) ; // エラーになる
    Console.WriteLine(Convert.ToString(11, 2)); // 2進数に変換
    
  }
}
実行結果
3 + 5 = 8
b 
1011


特に書式を宣言しない場合、数値は10進数として扱われます。

ですが、10進数(decimal)の出力を明示したい場合、 {0:D} のように「:D」をつけることで可能です。

using System;

public class Hello {
  public static void Main(string[] args) {
    
    Console.WriteLine("{0:d} ", 13) ; // 10進数
    Console.WriteLine("{0:g} ", 13) ; // general
  }
}
実行結果
13 
13

数値以外も対応可能な形式として、特に指定のない事を明示する場合、 {0:g} のように「:g」をつける方法もあります。一般 general の g です。

record型

C#9からrecord型が追加された。書き換えを禁じるデータ構造である。

2022年6月現在、マイクロソフト Docs 公式サイトにあるコードでは、なぜかエラーになる『C# 9.0 の新機能 - C# ガイド | Microsoft Docs』。下記のように修正すると、なぜか成功する。

Person person = new("Nancy", "Davolio");
    Console.WriteLine(person);

record Person(string FirstName, string LastName);
実行結果
Person { FirstName = Nancy, LastName = Davolio }

「Person」がいきなり定義されているのが妙に感じるだろうが、しかしrecordの行をpersonの行より前に移動するとエラーになる。

なお、「Person」は別にキーワードではないので、たとえば「Hito」(人)とかに変えてもコンパイル成功する。

念のため実行してみれば、

Hito hito = new("Tom", "Davolio");
    Console.WriteLine(hito);

record Hito(string FirstName, string LastName);
実行結果
Hito { FirstName = Tom, LastName = Davolio }

となる。

WindowsでもLinuxでも同様の結果になる。

なお、確認に用いた .net sdk のバージョンはFedora では 6.0.105 である。


レコードの各要素にアクセスするにはレコード名.要素名でアクセスできる。しかし書き換えは出来ない。書き換えさえしなければ、閲覧などは出来る。

Hito hito = new("Tom", "Davolio");
    Console.WriteLine(hito);

// hito.FirstName = "John"; // レコードを書き換えようとするとエラーになる。
Console.WriteLine(hito.FirstName );

record Hito(string FirstName, string LastName);

// Console.WriteLine(hito.LastName ); // ここに書くとエラーになる
実行結果
Hito { FirstName = Tom, LastName = Davolio }
Tom