「C Sharp」の版間の差分

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C# は現在では国際規格化されており、マイクロソフトの仕様とは独自に国際規格が存在しています。
C# は現在では国際規格化されており、マイクロソフトの仕様とは独自に国際規格が存在しています。


=== 書式指定 ===
=== 文字表示 ===
==== 書式指定 ====
C# では、表示位置の指定には、引用符中での波カッコ<code> { } </code> を使います。なお、一般に、引用符中で表示位置指定のために使われる波カッコ <code> { } </code> のことを「プレースホルダー」と言います。
C# では、表示位置の指定には、引用符中での波カッコ<code> { } </code> を使います。なお、一般に、引用符中で表示位置指定のために使われる波カッコ <code> { } </code> のことを「プレースホルダー」と言います。



2022年6月18日 (土) 16:32時点における版

C#とは、マイクロソフトによって開発されたプログラミング言語です。主な特徴としては、Javaに類似した言語構文を採用していること、.NET Coreというマイクロソフトが策定した共通言語基盤で動作することです。

目次

※ 以下、サブページ未作成

  • C Sharp/ループや繰り返し

※編集中

C# はGUIも作成できますが、本ページでは説明の初期のうちは、コンソールアプリ(DOSプロンプトのような画面にテキスト表示するプログラムのこと)のプログラムを解説したいと思います。

C++になくてC#にある機能は多々ありますが、特にC++との違いが大きい話題を挙げたいと思います。

なお、C# は、Visual C# とは別言語です。ネット上には、Visual C# でしか通用しない話題を「C#」の名前で説明しているものもありますが、不正確な説明です。

ここでいう Visual c# とは、マイクロソフト社がWindowsアプリをC#風の言語で開発できるようにしたマイクロソフト独自言語のことです。もしかしたらマイクロソフト自身、Visual C# の意味で「C#」と説明しているかもしれませんが、単なるC#自身の国際規格には、特にwindowsアプリに特化した仕様・規程などは無いと思われます。

C# は現在では国際規格化されており、マイクロソフトの仕様とは独自に国際規格が存在しています。

文字表示

書式指定

C# では、表示位置の指定には、引用符中での波カッコ { } を使います。なお、一般に、引用符中で表示位置指定のために使われる波カッコ { } のことを「プレースホルダー」と言います。

C++ の%d などと違い、C#では引数の順番どおりに書く必要はないです。ただし、たとえば3番目の引数なら {2} のように、波カッコ内の数値で指定する必要があります。

c# の数値の16進数(hexadecimal)出力の書式指定は下記のようにセミコロン: を使います。

ただし、2進数や8進数はこの方法には対応しておらず、代わりに Convert.ToString()関数を使って変換できます。

using System;

public class Hello {
  public static void Main(string[] args) {

    Console.WriteLine("{0} + {2} = {1}", 3, 3 + 5, 5) ; 
    
    // 十進数の11を変換するコード
    Console.WriteLine("{0:x} ", 11) ; // 16進数に変換
    // Console.WriteLine("{0:b} ", 11) ; // エラーになる
    Console.WriteLine(Convert.ToString(11, 2)); // 2進数に変換
    
  }
}
実行結果
3 + 5 = 8
b 
1011


特に書式を宣言しない場合、数値は10進数として扱われます。

ですが、10進数(decimal)の出力を明示したい場合、 {0:D} のように「:D」をつけることで可能です。

using System;

public class Hello {
  public static void Main(string[] args) {
    
    Console.WriteLine("{0:d} ", 13) ; // 10進数
    Console.WriteLine("{0:g} ", 13) ; // general
  }
}
実行結果
13
13

数値以外も対応可能な形式として、特に指定のない事を明示する場合、 {0:g} のように「:g」をつける方法もあります。一般 general の g です。

配列

同じ型のデータを番号をつけて、ひとまとめにしたものを配列(array)と言います。C# における配列は、下記のように、インスタンス的に new キーワードを用いて宣言しなければなりません。

文字列の配列の例

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    string[] a = new string[3] {"Alice", "Bob", "Clare"};
    Console.WriteLine(a[0]);
    Console.WriteLine(a[1]);
    Console.WriteLine(a[2]);

  }
}
実行結果
Alice
Bob
Clare

数値の配列の例

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    int[] a = new int[3] {5, 12, 4};
    Console.WriteLine(a[0]);
    Console.WriteLine(a[1]);
    Console.WriteLine(a[2]);

  }
}
実行結果
5
12
4

配列では、同じ型どうしのものしかセットにできませんが、代わりに項目番号を指定することで要素に簡単にアクセスできます。

なお、配列の項目番号は上記コードのようにお0番から始まります。

初学者に通じるように「項目番号」と言いましたが、C#に限らずプログラミング用語では配列の番号のことをインデックス(index)と言います。英語でインデックスとは目次という意味ですので、つまり配列は番号の数値が目次代わりです。


宣言時の new キーワードは無くてもコンパイルでき正常に動作します。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    string[] a =  {"Alice", "BOb", "Clare"};
    Console.WriteLine(a[0]);
    Console.WriteLine(a[1]);
    Console.WriteLine(a[2]);

  }
}
実行結果
Alice
Bob
Clare


C#では、下記コードのように Length プロパティで配列の要素数を取得できます。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    string[] a =  {"Alice", "Bob", "Clare"};
    Console.WriteLine(a.Length);

  }
}
実行結果
3


何かのプロパティを使う際、使われる対象のことをオブジェクトと言います。上記コードでは、a.length の「 a 」の部分がオブジェクトです。

あるオブジェクトをプロパティ的に処理した情報・結果にアクセスする場合、

オブジェクト.プロパティ

という記法でアクセスします。

※ オブジェクト的なもの

※ あとで適切な題名を考える。暫定的なタイトル。
※ 「クラスはオブジェクトではないのか?」とか物議を呼びそうだが、説明の都合上、クラスには専用の節があるし、C++にもクラスはあるので、この節ではクラスについては説明しない。文句があるならタイトルを考えて。

C#には、プログラミングを効率化するために、あらかじめ、よく使いそうな処理をまとめたものが提供されています。

標準C言語やC++にはないが、よく使われる機能が、言語仕様として提供されています。

それを使わずとも、C言語などにある機能だけでもプログラミングは可能ですが、しかしC#の提供する専用機能を使うことで、コードが短くなったり、集団開発ではプログラマーたちによるバラツキが無くなるので品質が一様化して効率化したり、いろいろと便利です。また、コードの各部の意図も、C#の専用機能をつかうことで明確化するので効率化します。

例外的に標準C言語との互換性の高いコードを書きたい場合でもないかぎり、積極的にC#の専用機能をつかうことで、コードの短縮や品質安定につながるでしょう。


タプル

複数の変数を宣言する際、タプル taple と言うものを使って、( ) で、まとめて宣言できます。

配列やクラスなどとの違いは、単に配列名やクラス名などに相当する名前が無くても、宣言できるぐらいです。

つまり、データの集まりを無名で定義できます。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

	(int a, int b) =(15, 2);

	Console.WriteLine(a);
	Console.WriteLine(b); 
	
	b=5;
	
	Console.WriteLine(a);
	Console.WriteLine(b); 
	
  }
}
実行結果
15
2
15
5

タプルは単に変数の宣言をひとまとめに行うだけのものなので、宣言したあとは、それぞれの変数は、普通の変数と同様に上書きしたり計算したりできます。

このため、タプルを使わなくても、ひとつひとつ変数を宣言しても、同じ結果の処理が同じくらいのソースコード量で可能です。


データ型の異なる要素どうしも、下記のようにタプルでひとまとめに出来ます。実質的に、タプルは無名クラスのようなものでしょう。


using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

	(int a, string g) =(15, "hello");

	Console.WriteLine(a);
	Console.WriteLine(g); 
		
  }
}
実行結果
15
hello


タプルは無名で使うためのものですが、名前をつけても構いません。タプルに名前をつけた場合、個々の項目の要素へのアクセスには、下記のように Item1 , Item2 などのプロパティを使います。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

	(int a, string g) =(15, "hello");
        var k = (a, g) ; // 変数名は k
        
	Console.WriteLine(k.Item1);
	Console.WriteLine(k.Item2); 
		
  }
}
実行結果
15
hello


タプルの項目に名前をつけることも出来ます。こうすれば、Itemで何番目だったかを覚える必要はないし、もしタプル内の順番の入れ替えをしてもコードの修正を減らせます。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {

    var k = (year : 18, msg : "good morning" );
        
	Console.WriteLine(k.year);
	Console.WriteLine(k.msg); 
		
  }
}
実行結果
18
good morning

foraech

マイクロソフトの公式サイトにもありますが、たとえば foreach という機能が、C++ ではなかなか入門レベルでは見かけず独特です。(C++にもC++11以降は似たような機能はあるが、記法がだいぶ違う。)

以下、マイクロソフトmsdnのコード例『配列での foreach の使用 (C# プログラミング ガイド)』2022/04/06(2022年6月に確認)を参考にしたものです。

using System;

public class Hello {
  public static void Main(string[] args) {

    int[] numbers = { 4, 5, 6, 1, 2, 3, -2, -1, 0 };
    
    foreach (int i in numbers) {
    	System.Console.Write("{0} ", i);
    }
    
    System.Console.Write("\n");
    
  }
}
実行結果
4 5 6 1 2 3 -2 -1 0

foreach は、配列などのグループ的なまとまりをもったデータ構造をfor的に巡回させたいとき、いちいちループ条件文にて配列の要素数を指定しなくても、上述のようにforeach文中で in 配列名を指定すれば、それをもとに自動的に第0項から最後の項まで巡回するようにループ条件を設定してくれる機能です。

正確な言い回しなどは、MSDN 公式サイトを見てください。


なお、foreach を使わずとも、C言語的な従来の記法でもfor文による繰り返し処理は可能です。

using System;

public class sample {
  public static void Main(string[] args) {
    
    for (int i = 0; i <= 3; i=i+1){
         Console.WriteLine(i);
    }
  }
}
実行結果
0
1
2
3

なお、i=i+1の部分はi++と省略することも可能です(インクリメント)。

record型

C#9からrecord型が追加された。書き換えを禁じるデータ構造である。

2022年6月現在、マイクロソフト Docs 公式サイトにあるコードでは、なぜかエラーになる『C# 9.0 の新機能 - C# ガイド | Microsoft Docs』。下記のように修正すると、なぜか成功する。

Person person = new("Nancy", "Davolio");
    Console.WriteLine(person);

record Person(string FirstName, string LastName);
実行結果
Person { FirstName = Nancy, LastName = Davolio }

「Person」がいきなり定義されているのが妙に感じるだろうが、しかしrecordの行をpersonの行より前に移動するとエラーになる。

なお、「Person」は別にキーワードではないので、たとえば「Hito」(人)とかに変えてもコンパイル成功する。

念のため実行してみれば、

※ .net core 用のコード

Hito hito = new("Tom", "Davolio");
    Console.WriteLine(hito);

record Hito(string FirstName, string LastName);
実行結果
Hito { FirstName = Tom, LastName = Davolio }

となる。

WindowsでもLinuxでも同様の結果になる。

なお、確認に用いた .net sdk のバージョンはWindowsでは 6.0.301 であり、Fedora では 6.0.105 である。


レコードの各要素にアクセスするにはレコード名.要素名でアクセスできる。しかし書き換えは出来ない。書き換えさえしなければ、閲覧などは出来る。

※ .net core 用のコード

Hito hito = new("Tom", "Davolio");
    Console.WriteLine(hito);

// hito.FirstName = "John"; // レコードを書き換えようとするとエラーになる。
Console.WriteLine(hito.FirstName );

record Hito(string FirstName, string LastName);

// Console.WriteLine(hito.LastName ); // ここに書くとエラーになる
実行結果
Hito { FirstName = Tom, LastName = Davolio }
Tom


record型の実体は書き換えできませんが、現物を残したうえで、コピーをして部分的に書き換えることはwithを使うことで可能です。

※ .net core 用のコード

Person person01 = new ("Nancy", "Davolio");
Console.WriteLine(person01);

var person02 = person01 with{FirstName = "John"};

Console.WriteLine(person02);

Console.WriteLine(person01);

record Person(string FirstName, string LastName);
実行結果
Person { FirstName = Nancy, LastName = Davolio }
Person { FirstName = John, LastName = Davolio }
Person { FirstName = Nancy, LastName = Davolio }

実行結果の2行目と3行目を見比べれば分かるように、2行目の結果でwith書き換えをした派生変数 person02 を作成しても、もとのrecord型変数 person01 はそのままです。