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601 行 |
601 行 |
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==線型変換== |
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==線型変換== |
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===単位ベクトル=== |
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平面上で定義される、次の二ベクトルを、R<sup>2</sup>系に対する単位ベクトルと言う。 |
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<math>\mathbf{e}_1= |
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\begin{pmatrix} |
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1\\ |
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0\\ |
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\end{pmatrix}</math>, |
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<math>\mathbf{e}_2= |
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\begin{pmatrix} |
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|
0\\ |
|
|
1\\ |
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|
\end{pmatrix}</math> |
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空間内の単位ベクトルも同様に定義される。やはり、次の三ベクトルをR<sup>3</sup>系に対する単位ベクトルと言う |
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<math>\mathbf{e}_1= |
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\begin{pmatrix} |
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1\\ |
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0\\ |
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|
0\\ |
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|
\end{pmatrix}</math>, |
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<math>\mathbf{e}_2= |
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\begin{pmatrix} |
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|
0\\ |
|
|
1\\ |
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|
0\\ |
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\end{pmatrix}</math>, |
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<math>\mathbf{e}_2= |
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\begin{pmatrix} |
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|
0\\ |
|
|
0\\ |
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|
1\\ |
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\end{pmatrix}</math> |
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===R<sup>2</sup>の線型変換=== |
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行列とは、4個の実数を正方形に並べた表、 |
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<math>A=\begin{pmatrix} |
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a & b\\ |
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c & d\\ |
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\end{pmatrix}</math> (6.1) |
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のことである。同時に行列 |
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<math>B=\begin{pmatrix} |
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p & q\\ |
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r & d\\ |
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\end{pmatrix}</math>との掛け算を |
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<math>BA= |
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\begin{pmatrix} |
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ap+cq & bp+dq\\ |
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ar+cs & br+ds\\ |
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\end{pmatrix}</math> |
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対してベクトル |
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<math>\mathbf{x}= |
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\begin{pmatrix} |
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x\\ |
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y\\ |
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\end{pmatrix}</math> |
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との掛け算は、 |
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<math>\mathbf{x}'=A\mathbf{x}= |
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\begin{pmatrix} |
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a & b\\ |
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c & d\\ |
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|
\end{pmatrix} |
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\begin{pmatrix} |
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|
x\\ |
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|
y\\ |
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|
\end{pmatrix}= |
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\begin{pmatrix} |
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ax+by\\ |
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|
cx+dy\\ |
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|
\end{pmatrix}</math> |
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と、定義する。さて、ベクトルとの積は、位置ベクトル'''x'''の点Pが、行列Aをかけることによって |
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位置ベクトル'''x''''の点P'に変換されたと、見ることができる。 |
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例えば、 |
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<math> |
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\begin{pmatrix} |
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1& 0\\ |
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0& -1\\ |
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\end{pmatrix} |
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</math> |
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は、点Pを、x軸に関して線対称な点P'への変換である。これをx軸に関する折り返しと言う。 |
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次に、行列Aによって点Pを変換したあと、さらに行列Bで変換することよって点Pを点P<nowiki>''</nowiki>(位置ベクトル'''x'''<nowiki>''</nowiki>)に移そう。 |
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<math>\mathbf{x}''=B(A\mathbf{x})=B\mathbf{x}'= |
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\begin{pmatrix} |
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p & q\\ |
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r & s\\ |
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|
\end{pmatrix} |
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\begin{pmatrix} |
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ax+by\\ |
|
|
cx+dy\\ |
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|
\end{pmatrix}= |
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\begin{pmatrix} |
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|
(ap+cq)x+(bp+dq)y\\ |
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|
(ar+cs)x+(br+ds)y\\ |
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|
\end{pmatrix}</math> |
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<math>=(AB)\mathbf{x}= |
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\begin{pmatrix} |
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ap+cq & bp+dq\\ |
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ar+cs & br+ds\\ |
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\end{pmatrix}\mathbf{x}</math> |
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よって、'''x'''''=B(A'''x''')=(BA)'''x''' |
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行列A,B,C,ベクトル'''x''','''y''',数cに関して次の性質が成り立つ。 |
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A(BC)=(AB)C |
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<math> |
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\begin{cases} |
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A(\mathbf{x}+\mathbf{y})=A\mathbf{x}+A\mathbf{y})\\ |
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A(c\mathbf{x})=(Ac)\mathbf{x} |
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\end{cases}</math> (6.2) |
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特に、(6.2)は重要で、これを行列Aによって引き起こされる'''R'''<sup>2</sup>の変換T<sub>A</sub>:'''x'''→A'''x'''(「T<sub>A</sub>は'''x'''のA'''x'''への変換」と言う意味)の線型性と言う。一般にR<sup>2</sup>変換Tが、次の性質を満たすとき、Tを'''R'''<sup>2</sup>の線型変換という |
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<math> |
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\begin{cases} |
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T(\mathbf{x}+\mathbf{y})=T\mathbf{x}+T\mathbf{y})\\ |
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|
T(c\mathbf{x})=c(T\mathbf{x}) |
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\end{cases}</math> |
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ここで、式(6.2)から、次の定理を導く事が出来る。 |
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'''定理(6.1)''' |
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Tが線型変換⇔あるAに対してT'''x'''=A'''x''' |
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(証明) |
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<math>T\mathbf{e}_1= |
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\begin{pmatrix} |
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a\\ |
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c\\ |
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\end{pmatrix}</math> |
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<math>T\mathbf{e}_2= |
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\begin{pmatrix} |
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b\\ |
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|
d\\ |
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\end{pmatrix}</math>とする。 |
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任意の<math>\mathbf{x}=x\mathbf{e}_1+y\mathbf{e}_2</math> |
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Tは線型変換なので、 |
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<math>T\mathbf{x}=T(x\mathbf{e}_1+y\mathbf{e}_2)=xT\mathbf{e}_1+yT\mathbf{e}_2 |
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=x\begin{pmatrix} |
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a\\ |
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c\\ |
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\end{pmatrix}+y |
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\begin{pmatrix} |
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|
b\\ |
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|
d\\ |
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\end{pmatrix}</math> |
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<math>=\begin{pmatrix} |
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ax+by\\ |
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|
cx+dy\\ |
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|
\end{pmatrix}= |
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\begin{pmatrix} |
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a & b\\ |
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|
c & d\\ |
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|
\end{pmatrix} |
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|
\begin{pmatrix} |
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x\\ |
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|
y\\ |
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\end{pmatrix}</math> |
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<math>A= |
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\begin{pmatrix} |
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a & b\\ |
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c & d\\ |
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\end{pmatrix}</math>とすれば、 |
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T'''x'''=A'''x''' ♯ |
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Aによって引き起こされる変換をT<sub>A</sub>と書くこともある。 |
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全てのベクトルを'''o'''に移す変換に対応する行列を特にOと書く。 |
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'''例''' |
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全ての点を反時計回りにα回転させる変換は線型変換であり、対応する行列は |
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<math>\begin{pmatrix} |
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\cos \alpha & -\sin \alpha\\ |
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\sin \alpha & \cos \alpha\\ |
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\end{pmatrix}</math>である。 |
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演習 |
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1.原点に対する対象変換は線型変換である。この変換に対応する行列を求めよ |
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2.T<sub>B</sub>T<sub>A</sub>=T<sub>BA</sub>を示せ。 |
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3. |
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T'''x'''を'''x'''の'''a'''への正射影とする。この時Tを射影子と言う。射影子は線型変換である。この時 |
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<math>\mathbf{a}=\begin{pmatrix} |
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a\\ |
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b\\ |
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\end{pmatrix}</math> |
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<math>a^2+b^2=1</math> |
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とすると、Tに対応する行列を求めよ |
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4. |
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('''a''','''b''')=0,'''a''','''b'''≠'''o''' |
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S:'''a'''への射影子, T:'''b'''への射影子 |
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とする。この時次の三つを証明せよ。 |
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(1)T^2=S (2)TS=ST=O (3)任意の'''x'''に対して、T'''x'''+S'''x'''='''x''' |
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===R<sup>3</sup>の線型変換=== |
複素数の概念は既知のものとした。ただし、複素数のことを知らない読者は、複素数に関する記述を読み飛ばしたとしても差し支えない。
ベクトル
n次元ベクトル(vector)とは(n ∈ N)、n個の複素数の組
の事である。n次元ベクトルを総じてベクトルという。
は、ベクトルaの要素または成分(element)と呼ばれていて、成分がすべて実数のベクトルを特に実ベクトルと言う。対して、成分がすべて複素数のベクトルを特に複素ベクトルと言う。また、成分が全て0のベクトルを零ベクトルといい、oと書く。
二次元、三次元実ベクトルは、二次元空間、三次元空間内の、大きさと方向を持った量を表すものと見ることもできる。これは空間の図の中に矢印を書いて表すこともあり、このベクトルを特に空間ベクトルと言う。原点を起点とする空間ベクトルの行き先の点は、このベクトルによって一意に表すことができる。これをこの点の位置ベクトルという。
ノルム
ベクトルには大きさも定義される。ふつうそれは||a||で表され、
と定義される。これをaのノルムと言う。
例
演習
- 次のベクトルのノルムを求めよ
ベクトルの演算
一般に2つのベクトルの間には、和、差、内積が定義される。
それぞれは、成分の個数が同じ時だけ次のように定義される。
以下では、
とする。
相等関係
a=b
⇔a_i=b_i(∀i∈{1,2,...,n})
和・差
をaとbの和という。
をaとbの差という。平面、空間ベクトルの場合は図のようになる。
和差に関して、次の性質が成り立つ。
証明は、簡単なので読者に任せたい。
定数倍
を、ベクトルaのk倍と言う。
次の諸性質の証明は、読者の演習問題としよう。
演習
空間ベクトルに関して、次のことを示せ。
1.二点PQの位置ベクトルを、a,bとすると、PQの中点の位置ベクトルは
2.三角形の頂点の位置ベクトルをそれぞれa,b,cとすると、その三角形の重心の位置ベクトルは、
内積
ここでは実ベクトルの場合に関して述べる。
をaとbの内積という。
特に2,3次元空間ベクトルaとbとの内積は、aとbのなす角をθとすると、
と表される。逆に、一般のn次元実ベクトルのなす角という概念を、この関係式によって定義することができる。
内積については、次の性質が成り立つ。いずれも証明は易しい。
- aとbが直交する⇔(a,b)=0
- c(a,b)=(ca,b)=(a,cb)
- (a,b+c)=(a,b)+(a,c)
- (a+b,c)=(a,c)+(b,c)
- (a,b)=(b,a)
- ||a||+||b||≧||a+b||(三角不等式)
- |(a,b)|≦||a||||b||(シュワルツの不等式)
演習
空間ベクトル
とのなす角がであり、かつ
とのなす角がであるようなノルムが1のベクトルを求めよ。
注)そのようなベクトルはただひとつではない。
助変数表示
平面上の直線
以後、特に空間ベクトルについて議論する。
一般の直線を、平面ベクトルの式で表すとこうなる。
とすると、
これをよく見てみると、うえで定義したベクトルの演算から、
という構造が見えてくる。これは、単に直線の媒介変数表示である。式①を助変数表示または、ベクトル表示と言う。勿論助変数表示の仕方は、一つではない。しかし、一般にaはノルム1のものを選ぶと便利な事が多い。三次元においても同様である。
例題
を助変数表示にせよ。
- x=tとすると、
- よって、
演習
ベクトル表示は座標表示に、座標表示はベクトル表示にせよ
1.6x-3y=9.5
2.x=a
3.
4.
空間内の直線
グラフを描いてみれば分かるとおり、空間内の曲線は一本の式では表すことができない。
一本の式で表せるのは、曲面だけであるである。曲線は、二曲面の交線として、表される。
直線は特に、二平面の交線である。平面の式は、平面内の直線と同じく、一次方程式で表される。
つまり、空間内の一般の直線は、次のように表される。
方法論的にはxにtを代入し、y,zの値を求める。
(但し,A1,A2,x1,x2は定数)
と書けることは自明である。この式は、下の形にできる
と書ける。これこそが、空間内の直線の助変数表字である。驚くべきことに式が増えたのにも関わらず平面内と同じく、
助変数表字では、式は一本である。
例題
を助変数表字にせよ。
- x=tとすると、
- 2y+3z=-t+4
- 6y+7z=-5t+8
これを解いて、
よって、
演習
1.
を助変数表示にせよ
空間内の平面
前述のとおり、空間内の平面はax+by+cz=dであらわせる。
方法論的には今度は変数がtだけでは足りないので、もう一つsを代入する。x=t,y=sである。すると、
とやって、下の形へ持っていくことになる。
そして、一般に
を
平面の助変数表示と言う。
例題
- a=t,b=sとすると、
- 3c=5-2t-s⇔
- よって、
演習
1.2x-y+3z=1を助変数表字にせよ
2.
を、直交座標表示で表せ。
まとめ
右の図は、読者の理解を助けるであろう。
1.平面上の直線のベクトル表示
2.空間内の直線のベクトル表示
3.空間内の平面のベクトル表示
演習
1.
- 二点P,Qの位置ベクトルをp,qとすると、線分PQ上の点の位置ベクトルは
- t1p+t2q, t1+t2=1, t1,t2≧0
- の形で表される。これを証明せよ
2.
- 三点の位置ベクトルをx1,x2,x3とすると、
- この三点が構成する三角形内の任意の点は、
- t1x1+t2x2+t3x3, t1+t2+t3=1, t1,t2,t3≧0
と表される。これを証明せよ
法線ベクトル
さて、平面上の平行二直線ax+by=c,ax+by=0は、
とすれば、
(5.1)
(5.1)'
なので、aと直線(5.1)'は直交し、ゆえに直線(5.1)と直交する。このときaを直線(5.1)の法線ベクトルと言う。
Oでない点A,Xがある。いま、半直線OAに向かって線分OXから垂線を引く。交点をX'とする。A,X,X'の位置ベクトルをそれぞれ、a,x,x'とするとき、x'をxのaへの正射影と言う。
例5.1
点Pから直線lへ垂線を下ろし、足をP'とする。
l:x=at+x1 (5.3)
x0:Pの位置ベクトル,x'0:P'の位置ベクトル
と定義して、||x0-x'0||を求めよう。
(5.3)について、x=x'0を代入し、変形すると、
(5.4)
ここは躓きやすいところなので解説を加える。aとx0-x'0の交角をθとする。
(5.5)
(5.5)右辺の分母は、aの長さ、分子は、x0-x1のaへの正射影(x'0-x1)の長さである。すると、(5.4)右辺第一項はx'0-x1となる。x0はx'0-x1と,x1との和であることは自明の理である。
ゆえに求める最短距離||x0-x'0||は、
と計算される。空間内の直線についても、同じ事である。
演習
1.例5.1で||x0-x'0||を実際に計算せよ。
2.例5.1でl:(b,x)=cとして||x0-x'0||を求めよ。
3.
- 空間内の平面の場合についても同様に考えられる。
- F:ax+by+cz=d
- を平行移動し、原点を通る平面
- F0:ax+by+cz=0
- とすれば、
- F:(a,x)=d
- F0:(a,x)=0
- であるから、aはF0故にFと垂直である。この時aをF0の法線ベクトルと言う。
- さて、F上に無い点Pから、Fに垂線を下ろす。垂線の足をP'とする。
- x0:Pの位置ベクトル,x'0:P'の位置ベクトル
- とするとき、||x0-x'0||を求めよ。
4.
- 平面Fの法線ベクトルaと平面F'の法線ベクトルa'の交角を平面Fと平面F'の交角と言う
- F:x+2y+2z=3
- F':3x+3y=1
- の交角を求めよ。
線型変換
単位ベクトル
平面上で定義される、次の二ベクトルを、R2系に対する単位ベクトルと言う。
,
空間内の単位ベクトルも同様に定義される。やはり、次の三ベクトルをR3系に対する単位ベクトルと言う
,
,
R2の線型変換
行列とは、4個の実数を正方形に並べた表、
(6.1)
のことである。同時に行列
との掛け算を
対してベクトル
との掛け算は、
と、定義する。さて、ベクトルとの積は、位置ベクトルxの点Pが、行列Aをかけることによって
位置ベクトルx'の点P'に変換されたと、見ることができる。
例えば、
は、点Pを、x軸に関して線対称な点P'への変換である。これをx軸に関する折り返しと言う。
次に、行列Aによって点Pを変換したあと、さらに行列Bで変換することよって点Pを点P''(位置ベクトルx'')に移そう。
よって、x=B(Ax)=(BA)x
行列A,B,C,ベクトルx,y,数cに関して次の性質が成り立つ。
A(BC)=(AB)C
(6.2)
特に、(6.2)は重要で、これを行列Aによって引き起こされるR2の変換TA:x→Ax(「TAはxのAxへの変換」と言う意味)の線型性と言う。一般にR2変換Tが、次の性質を満たすとき、TをR2の線型変換という
ここで、式(6.2)から、次の定理を導く事が出来る。
定理(6.1)
Tが線型変換⇔あるAに対してTx=Ax
(証明)
とする。
任意の
Tは線型変換なので、
とすれば、
Tx=Ax ♯
Aによって引き起こされる変換をTAと書くこともある。
全てのベクトルをoに移す変換に対応する行列を特にOと書く。
例
全ての点を反時計回りにα回転させる変換は線型変換であり、対応する行列は
である。
演習
1.原点に対する対象変換は線型変換である。この変換に対応する行列を求めよ
2.TBTA=TBAを示せ。
3.
Txをxのaへの正射影とする。この時Tを射影子と言う。射影子は線型変換である。この時
とすると、Tに対応する行列を求めよ
4.
(a,b)=0,a,b≠o
S:aへの射影子, T:bへの射影子
とする。この時次の三つを証明せよ。
(1)T^2=S (2)TS=ST=O (3)任意のxに対して、Tx+Sx=x
R3の線型変換