「政治学概論」の版間の差分

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ジェンダーについて加筆
(社会階級の加筆)
(ジェンダーについて加筆)
[[ファイル:Gramsci.png|thumb|right|150px|アントニオ・グラムシ(1891年-1937年)はイタリアの政治思想家、革命運動家。トリノ大学に入学するが退学して労働運動に加わり、イタリア共産党の創設に携わった。議員に選出されるが、ファシスト政権と対立して投獄され、獄中生活で多くの著述を行った。新マルクス主義を理論的な発展させただけでなく、覇権の概念を提唱したことで知られる。著作に『現代の君主』、『知識人と権力』などがある。]]
近代において産業社会が成立してから、階級という集団は一般に社会的な区分の中でも特に政治的に重要視されてきた。社会階級は社会における経済格差や社会区分を反映し、不平等な地位や財産の分配に基づくものとして、類似した政治的、経済的な立場を共有していると考えられていたためである。同時に特定の社会階級は他の社会階級との対立関係や協調関係を結ぶことによって政治的活動を展開することができると指摘されてきた。階級政治の理論を提示した先駆的な研究としてはマルクス主義の理論がある。マルクスは一つの社会の中で財産を独占して搾取しているブルジョワジー階級と反対に従属的な地位に置かれて搾取されているプロレタリアート階級という二つの階級モデルを示し、二つの階級の経済的な利害を巡る闘争を理論的に導出した。しかし、この二元論的な階級闘争の理論は19世紀に産業社会の構造が複雑化するに従って見直しが必要となった。現代のマルクス主義の理論では富をある階級が独占していることを強調しながらも、ブルジョワジーとプロレタリアートの双方の内部に経営者や技術者から成る中間層が存在することを想定している。例えばマルクーゼは都市プロレタリアートの穏健化に失望しながら、代わりに学生や女性、民族的少数派、第三世界が潜在的な革命勢力となることを期待していた。またグラムシはマルクスが想定したような社会階級間の矛盾が階級闘争を引き起こすという理論を見直した。彼の理論によれば、社会の支配層は道徳的価値、文化または社会制度を通じて強制するだけでなく従属する階級の同意させる。グラムシはこのような支配構造を覇権と呼んでおり、支配者に好都合なイデオロギーや政治秩序を受け入れることに同意されることで機能していると考える。社会階級の実証的な研究によれば、1990年におけるイギリスでは全人口のうち約10パーセントの富裕層が約50パーセント以上の富を保有し、反対に約20パーセントの人々が全国的な平均の50パーセント以下の取得で生活していることが分かっている。ガルブレイスの研究ではこのような経済的な格差が政治学的に検討されており、近代社会において経済的に示される階級と政治的な選考に因果関係があることを指摘し、このような社会的不平等の議論は最下層と呼ばれる階級の存在が想定されるようになった。最下層は広い意味において経済的に貧しいだけでなく、政治的にも活動的であると考えられている。マーレーの研究では最下層の出現を社会福祉への依存と人格的な不適合から説明しており、このような観点から見れば社会福祉は貧困をむしろ悪化させる傾向があることが主張される。同時にこの研究では依存の文化と呼ばれる慣習が人々の自主的な活動を弱体化させ、自尊心を奪う結果をもたらしていることが論じられている。
 
====宗教団体====
[[ファイル:Christus Ravenna Mosaic.jpg|thumb|right|150px|イエス(紀元前4年-紀元後30年?)はキリスト教の創始者。ベツレヘムで生まれ、父親の大工の家業を継ぐが、30歳ごろからガラリヤにて宣教活動を行う。当時のユダヤ教への宗教批判を行ったこと反逆罪に問われて処刑された。道徳の原理として利己心を離れた絶対愛であるアガペーを主張し、神や隣人を愛することを説いた。著作はなく、彼の弟子たちの伝承が聖典『新約聖書』としてまとめられている。]]
 
====ジェンダー====
[[ファイル:Marywollstonecraft.jpg|thumb|right|150px|メアリ・ウルストンクラフト(1759年-1797年)はイギリスの著述家であり社会思想家。経済的困窮と家庭内暴力から家出した後に著述家として活動するようになり、フランス革命勃発の際には擁護にまわり、実際にパリを視察している。ルソーの思想に影響を受けており、男女同権と教育の機会の均等を主張してフェミニズムの立場を展開した。著作に『少女の教育についての論考』、『女性の権利の擁護』がある。]]
性別に基づいた区別は伝統的な社会制度の中に色濃く認めることが可能であり、現代のジェンダー研究者はこれを社会階級における抑圧のようにある種の政治的な現象として見做す。ジェンダーという概念は男性と女性の間に生じる社会的または文化的な相違を指す概念であり、その社会において女性と男性の集団の間にあるさまざまな政治的な権力関係を反映するものと考えられている。このような研究の背景には1960年代におけるフェミニズム運動の勃興があり、同時期からジェンダーについての政治学的な重要性が認められるようになった。実際に1996年の統計調査によれば、世界各国の議会で議席を持つ女性議員は1割に満たない。フェミニズムの古典的研究はフランス革命を契機としてウルストンクラフトによって示されている。彼女の研究では男性と比べて女性の教育機会が制限されていることを指摘し、そのことによって女性は自らの理性を洗練させる機会が奪われていると論じた。そして、男性は女性に対して家事や育児に専念することを強制し、ますます女性を教育の機会から遠ざける結果となるという解釈を示した。ジェンダーに基づいた抑圧についてミルにとっては男性側に重要な原因があることを認めており、女性が教育を受けることができるような制度上の規制を取り除くことを主張した。エンゲルスはマルクス主義の立場からジェンダーの問題を分析し、一夫一婦の家族制度の歴史的起源は政治的な不平等と女性の経済的搾取を正当化するための制度であり、合法化された売春であるという議論を提起した。
 
== 政治経済学 ==
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