遺伝学Ⅱ
この教科は遺伝学Ⅰを履修した方向けのものとなっている。従って、まだ遺伝学Ⅰを履修していない方は先にそちらを履修することを推奨する。
目次
[編集]- 第1章:DNAとRNA
- 第2章:RNAワールド
- 第3章:コドン
- 第4章:染色体異常
- 第5章:性染色体と常染色体
- 修了試験
第1章:DNAとRNA
[編集]DNA
[編集]ヌクレオチドとは化合物のヌクレオシドにリン酸基が結合した物質である。また、高分子の材料となる物質を重合体と呼ぶ。この重合体を合成することを目的とした化学反応を重合体反応という。この反応を行う際に使う気質をモノマーという。そして、ヌクレオチドモノマーが13個以上、鎖状に結合してできた高分子をポリヌクレオチド分子と呼ぶ。
このポリヌクレオチド分子が鎖状に巻きつき、二重らせんを形成している重合体がDNA(デオキシリボ核酸)である。DNAの塩基にはA(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)、G(グアニン)の4つがあり、AとT,CとGの決まった組を作り水素結合したものを塩基対という。
←DNAの構造
塩基対は米国の分子学者ジェームズ・デューイ・ワトソンと英国の生物学者フランシス・ハリー・コンプトン・クリックの共同研究で提唱された。または彼らはDNAの二重らせん構造も提唱した。
RNA
[編集]1868年スイスの医師ヨハネス・フリードリッヒ・ミーシェルが核酸を発見する。核酸はDNAとRNAの総称である。RNA(リボ核酸)とはリボースを糖成分とする核酸で一本鎖である。塩基はTではなくU(ウラシル)でそれ以外は変わらない。一般的にDNAの鋳型として生成される。
↑ヨハネス・フリードリッヒ・ミーシェル
RNAの合成
[編集]RNAは転写と呼ばれる作用で合成される。転写はDNAを鋳型として行われ、複数の酵素が関わる。DNAを基に転写する場合、DNAヘリカーゼと呼ばれるDNAの鎖をほぐす酵素が、一時的に2本鎖から1本鎖に分割する。そこにDNA依存性RNAポリメラーゼという酵素が結合することでDNAに相補的なRNAが合成される。鋳型となるDNAの塩基配列には、RNAの合成をどこから始めてどこで終えるのかという目印がある。この目印をプロモーター・ターミネーターと呼ぶ。
伝令RNAはメッセンジャーRNAまたはmRNAともいう。これは細胞中のリボソームにDNAの遺伝情報を伝える役割を持つRNAである。
翻訳
[編集]遺伝情報を基にタンパク質が合成されるとき、RNAポリメラーゼの働きによってDNAに相補的な配列のmRNAが転写され、次にリボソームによりmRNAの配列に基づいたタンパク質が合成される。この合成を翻訳と呼ぶ。また、一連の遺伝情報の流れをセントラルドグマという。
運搬RNA
[編集]運搬RNAはトランスファーRNAまたはtRNAともいわれる。翻訳の際に、特定のアミノ酸をリボソーム内に誘導するRNAである。
リボソームRNA
[編集]リボソームRNAはrRNAともいう。これはリボソームを構成するRNAである。
ノンコーディングRNA
[編集]ノンコーディングRNAはncRNAとも呼び、タンパク質に翻訳されないあるの総称である。例にtRNAやrRNAがある。
第2章:RNAワールド
[編集]RNAワールド
[編集]RNAワールドとは原始地球上に存在したといわれている、RNAからなる自己複製系のことである。自己複製とは何らかの物質がそれ自身の複製を作る過程のことである。RNAワールドがかつてに存在し、現生生物の進化へと繋がった仮説をRNAワールド仮説と呼ぶ。現生生物は酵素を触媒として核酸を合成し、核酸の配列を基に酵素を合成している。
DNAワールド
[編集]RNAワールドから現在のDNAメインのDNAワールドへの発展していく。RNAからタンパク質に化学反応の触媒が移行し、RNAはタンパク質の配列を示す遺伝暗号としての機能を持つようになった。そして、RNAは不安定な分子なため、RNAから DNAヘ機能が移ったとされる。
第3章:コドン
[編集]コドンとRNAコドン表
[編集] コドンとは核酸の塩基配列がタンパク質を構成するアミノ酸へも翻訳されるとき、各アミノ酸に対応する3つの塩基配列のことである。特にmRNAの塩基配列を指す。3個のヌクレオチドの塩基を組み合わせをトリプレットという。このトリプレットが1個のアミノ酸を指定する関係がある。これを遺伝暗号、遺伝コードと呼ぶ。遺伝暗号となるRNAコドン表は次の通りである。
↑RNAコドン表
終止コドンであるUAG,UGA,UAAの3つはそれぞれアンバー、オパール、オーカーと呼ばれている。開始コドンのAUGはメチオニンを指定し、アミノ酸配列で一番多いコドンはAUGである。
第4章:染色体異常
[編集]染色体異常
[編集]染色体の構造の変化や染色体数の増減などの変異を染色体異常という。染色体の構造の変化には欠失、逆位、転座、重複の4種がある。