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酒税法第54条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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【酒類等の密造に対する罰則】

第54条 
  1. 第7条第1項又は第8条の規定による製造免許を受けないで、酒類酒母又はもろみを製造した者は、10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
  2. 前項の犯罪に着手してこれを遂げない者についても、同項と同様とする。
  3. 前二項の犯罪に係る酒類、酒母又はもろみに対する酒税相当額(酒母又はもろみについては、その他の醸造酒とみなして計算した金額)の3倍が100万円を超えるときは、情状により、前二項の罰金は、100万円を超え当該相当額の3倍以下とすることができる。
  4. 第1項又は第2項の犯罪に係る酒類、酒母、もろみ、原料、副産物、機械、器具又は容器は、何人の所有であるかを問わず没収する。
  5. 第1項又は第2項の行為に係る酒類については、当該酒類を製造した、又は製造に着手してこれを遂げない者から、直ちにその酒税を徴収する。ただし、前項の規定により没収された酒類には、酒税を課さない。
  6. 第1項又は第2項の行為に係る酒母又はもろみはその他の醸造酒とみなし、当該酒母又はもろみを製造した者から、直ちにその酒税を徴収する。ただし、第4項の規定により没収された酒母又はもろみには、酒税を課さない。

解説

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本条は、酒類の製造免許を受けずに製造等を行なう犯罪行為に関する罰則を定めている。

無免許酒類製造罪

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第1項では第7条第1項及び第8条の規定による「製造免許」を受けずに酒類の製造を行った又は行おうとした場合(未遂)の場合に、10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処すると定めている[1]

無免許酒類製造未遂罪

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第2項では第1項の罪についてそれを遂げない者についても同様の罰則を定めている。

罰金額

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第3項では、罰金の金額について第1項・第2項の犯罪により製造された酒類・酒母・もろみ(酒母・もろみはその他の醸造酒として計算)の酒税相当額の3倍が100万円を超えるときは、100万円~相当額の3倍の範囲で定めることができる旨を規定している。

没収刑

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第4項では、何人の所有かを問わず酒類・酒母・もろみ・原料・副産物・機械・器具・容器を没収すると定めている。

密造酒に対する酒税の徴収

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第5項では、第1項・第2項の犯罪により製造された酒類について直ちに酒税を徴収すると規定しているが、第4項により没収された酒類に対しては酒税を徴収しないと定めている。

また、第6項において酒母・もろみはその他の醸造酒とみなすと規定されている。

判例

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  1. 酒税法違反どぶろく裁判 最高裁判決平成元年12月14日)
    • 清酒等を自家製造したことにより酒税法第7条に違反し、酒税法第54条第1項の規定により罰金30万円に処された事件。
    酒税法7条1項、54条1項の規定と憲法31条、13条
    酒税法7条1項、54条1項の規定は、自己消費目的の酒類製造を処罰する場合においても、憲法31条、13条に違反しない。
    • 酒税法の右各規定は、自己消費を目的とする酒類製造であっても、これを放任するときは酒税収入の減少など酒税の徴収確保に支障を生じる事態が予想されるところから、国の重要な財政収入である酒税の徴収を確保するため、製造目的のいかんを問わず、酒類製造を一律に免許の対象とした上、免許を受けないで酒類を製造した者を処罰することとしたものであり、これにより自己消費目的の酒類製造の自由が制約されるとしても、そのような規制が立法府の裁量権を逸脱し、著しく不合理であることが明白であるとはいえず、憲法31条、13条に違反するものでない。

脚注

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参考文献

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  • 富川泰敬 『図解 酒税』 大蔵財務協会、2023年8月29日、令和5年版。ISBN 9784754731311

前条:
酒税法第53条
(納税地)
酒税法
第9章 罰則
次条:
酒税法第55条
【脱税行為に対する罰則】
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