高等学校 地学基礎/地球環境と人類
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キーワード[重要用語]
[編集]地球の歴史と人類の位置づけ
[編集]人類の歴史は地球全体の長い歴史から見ると、ほんのわずかな時間にすぎません。地球の誕生から何十億年も経ってから人類が誕生しています。その間、地球の表面は様々な理由で何度も変わりました。地熱・日光・生物の活動などがお互いに関係しながら、今の地球表面も生まれました。したがって、私達の時間とか広さよりも広範囲の視点でこのような変化を考えなくてはなりません。
自然の恩恵
[編集]私達の暮らしと文化は身の周りの自然環境に大きく関わっています。毎日使うような水とか電気などのエネルギー以外にも各地域の天気と気温に合わせて、生活の仕方や考え方も身の周りの自然環境を受け入れながら作られてきました。
水資源
[編集]数多くの水が地球にあります。しかし、水の大半は海水です。海水は塩分もあるので、そのまま飲んだり使ったり出来ません。そのため、私達は湖の水と川の水(淡水)を日常生活・農作業・工場などで使っています。淡水の量は水全体の中でも、僅か0.01%ほどしかありません。水は大気中を移動します。太陽の暖かさから水が蒸発して雲になり、雨・雪を地面に降らせます。そんなふうに、水は自然の中を巡っています。しかし、どこでも同じように水はありません。水が大量に潤う地域もあれば、あまり潤わない地域もあります。したがって、水をどのように手に入れるかについて対策を練っています。
金属資源
[編集]数多くの金属が私達の生活に欠かせない建物・機械・自動車などに使われています。その中でも、鉄・銅・アルミニウムのような金属は大切な材料(ベースメタル)として社会の土台を支えています。ベースメタルは地球の地殻(鉱床)に集まり、そこから掘り出されます。鉱床は昔の火山活動などで固まって出来ました。例えば、何十億年前の古い地層から鉄鉱石が非常によく掘り出されます。最近、珍しい金属(レアメタル)も大切になっています。その中でもリチウムは電気自動車の電池を作るために使われています。火山・鉱床は日本も多いですが、金属をあまり採れません。したがって、日本は大半の金属を輸入に頼っています。
様々なエネルギー資源
[編集]私たちは電気や熱を作るために、石油・石炭などの化石燃料をよく使っています。化石燃料はいつか使い切ってしまいます。一度なくなると、もう二度と手に入りません。化石燃料は世界中に平等にあるわけではありません。また、化石燃料は一部の地域しかないので、国家同士で揉めるようになります。さらに、化石燃料を燃やすと、空気が汚れたり地球が暖かくなりすぎたりします。そこで、科学者達は別の方法を探しています。原子力発電は核燃料も限られており、安全問題とか放射性廃棄物の未解決から消極的になっています。最近は、水力発電・風力発電・太陽光発電・地熱発電などから電気・熱を作り出しています。ただし、水力発電・風力発電・太陽光発電・地熱発電などは、その日の天気に左右されたり、高額な初期費用に費やされたりします。それぞれの利点と欠点が火力発電・原子力発電・水力発電・風力発電・太陽光発電・地熱発電にあります。私達の未来のために、どのような発電が望ましいか考えましょう。
自然環境と私達の生活
[編集]自然の美しさを大切にしながら、私達も楽しめるように、数多くの景勝地を国立公園に指定しています。なお、その地域の文化とか仕事の繋がりとかについて学べるような地域はジオパークに登録されています。日本のジオパークは2025年1月時点で48地域あります。その中でも、10地域はユネスコ世界ジオパークとして認められています。ジオパークは観光地としても多くの人に楽しまれています。
資料出所
[編集]- 新興出版社啓林館『高等学校 地学基礎』磯崎行雄ほか編著 2022年