Libdeflate

libdeflate は、データ圧縮および展開のためのライブラリで、特に 高性能 と 低リソース消費 を目指して設計されています。このライブラリは、gzip、zlib、raw DEFLATE 形式をサポートしており、以下の特長があります。

主な特徴

高速な圧縮・展開
- 他の DEFLATE 実装（例えば、zlib）と比較して、特に 圧縮速度と展開速度 の両面で大幅に向上している場合があります。
- 一般的な用途では、libdeflate は zlib よりもはるかに高速に動作します。
シンプルな API
- DEFLATE 関連の操作を効率的に実行できる軽量な API を提供。
- 標準的な zlib API 互換性は持たないため、zlib を直接置き換える用途には注意が必要。
スレッドセーフ
- libdeflate はスレッドセーフに設計されており、並列処理が可能。
圧縮レベルの柔軟性
- 圧縮レベルを 1（低圧縮）から 12（高圧縮）まで指定可能。
- 高い圧縮率を求める場合も、比較的高速な動作を実現。
軽量なコードベース
- 実装がシンプルであるため、コードサイズが小さく、特にリソースが限られた環境（例: 組み込みシステム）でも適している。
gzip/zlib のサポート
- gzip/zlib 圧縮されたデータの生成および展開もサポート。

主な利用用途

ファイル圧縮
gzip、zlib、raw DEFLATE フォーマットのデータ圧縮/展開。
ストレージ最適化
高速かつ効率的なデータ圧縮を必要とするアプリケーション（例: データベース、バックアップツール）。
ネットワーク通信
圧縮データを転送するプロトコルで、帯域幅の削減を目指す用途。
バイオインフォマティクス
バイオデータ解析（例: FASTQ, BAM形式）など、高速圧縮が求められる分野でも使用されることがある。

比較: libdeflate vs zlib

libdeflate vs zlib
特徴	libdeflate	zlib
圧縮速度	高速	中速
展開速度	非常に高速	高速
圧縮率	高い	標準的
API 互換性	独自 API	標準 API
メモリ使用量	標準的

インストール方法

FreeBSD:
```
pkg install libdeflate
```

Linux:

sudo apt install libdeflate-dev   # Debian系
sudo dnf install libdeflate-devel # Red Hat系

ソースコードからビルド:
GitHub からクローンしてビルド可能。

git clone https://github.com/ebiggers/libdeflate.git
cd libdeflate
make

使用例 (C言語)

以下は、libdeflate を使った簡単な圧縮の例です。

#include <stdio.h>
#include <libdeflate.h>

int main() {
    const char *input = "Hello, libdeflate!";
    size_t input_size = strlen(input);
    size_t max_compressed_size = libdeflate_deflate_compress_bound(NULL, input_size);

    void *compressed_data = malloc(max_compressed_size);
    struct libdeflate_compressor *compressor = libdeflate_alloc_compressor(6); // 圧縮レベル6

    size_t compressed_size = libdeflate_deflate_compress(compressor, input, input_size, compressed_data, max_compressed_size);
    printf("Compressed size: %zu bytes\n", compressed_size);

    libdeflate_free_compressor(compressor);
    free(compressed_data);

    return 0;
}

結論

libdeflate は、高速な圧縮・展開を必要とするシステムやアプリケーションに非常に有用なライブラリです。特に、性能が重視される用途（データストレージ、ネットワーク通信など）や、zlib の代替として使用されることが多いです。