X Window Programming/開発環境の準備
開発環境の準備
[編集]X Window Systemプログラミングを始めるには、まず適切な開発環境を整える必要があります。この章では、UNIXシステムでのXサーバーのインストール方法と、基本的なUNIXコマンドについて解説します。
UNIXシステムへのXサーバーのインストール
[編集]Xサーバーは、X Window Systemプログラミングにおいて不可欠なコンポーネントです。多くのUNIXシステムには標準でXサーバーが含まれていますが、必要に応じてインストールする手順を以下に示します。
1. インストールの確認
[編集]まず、システムにXサーバーがインストールされているかを確認します。以下のコマンドを実行して、X
コマンドが利用可能かどうかをチェックします。
$ which X
もし出力に/usr/bin/X
などのパスが表示されれば、Xサーバーがインストールされています。
2. Xサーバーのインストール
[編集]Xサーバーがインストールされていない場合は、パッケージ管理ツールを使用してインストールします。以下は、FreeBSDを例にしたインストール手順です。
- FreeBSDの場合
# pkg install xorg
- NetBSDの場合
- NetBSDでは、通常デフォルトでXサーバーが含まれています。必要であれば、
xbase
セットを追加インストールしてください。 - OpenBSDの場合
- OpenBSDもデフォルトでXサーバーがインストールされていますが、再確認するには以下のコマンドを使用します:
# pkg_info | grep xorg
3. 動作確認
[編集]Xサーバーが正常に動作するかを確認するには、以下のコマンドを実行してテストします:
$ startx
エラーが発生した場合は、ログファイル(通常は~/.xsession-errors
または/var/log/Xorg.0.log
)を確認してください。
基本的なUNIXコマンドの復習
[編集]XサーバーやXクライアントの設定やトラブルシューティングには、いくつかの基本的なUNIXコマンドを使用します。以下は、その中でも重要なコマンドの概要です。
xdpyinfo
[編集]xdpyinfo
は、現在接続されているXサーバーの情報を表示するコマンドです。以下のように使用します:
$ xdpyinfo
このコマンドは、以下の情報を提供します:
- ディスプレイ名
- スクリーンの解像度
- サポートされている拡張機能
xrandr
[編集]xrandr
は、画面解像度やディスプレイの設定を管理するコマンドです。特にマルチモニタ環境では重要です。使用例を以下に示します:
- 現在の設定の確認:
$ xrandr
- 解像度の変更:
$ xrandr --output HDMI-1 --mode 1920x1080
- モニターの回転:
$ xrandr --output HDMI-1 --rotate left
その他の便利なコマンド
[編集]xev
: 入力イベント(キーボードやマウス)の詳細を確認します。$ xev
xset
: スクリーンセーバーやディスプレイの電源管理を設定します。$ xset dpms force off
xrdb
: Xリソースデータベースを管理します。$ xrdb -query
まとめ
[編集]これらの準備が整うことで、X Window Systemプログラミングをスムーズに開始できます。特に、Xサーバーの設定と基本的なコマンドの使い方をマスターしておくことが、効率的な開発環境の構築に役立ちます。