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X Window Programming/開発環境の準備

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

開発環境の準備

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X Window Systemプログラミングを始めるには、まず適切な開発環境を整える必要があります。この章では、UNIXシステムでのXサーバーのインストール方法と、基本的なUNIXコマンドについて解説します。

UNIXシステムへのXサーバーのインストール

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Xサーバーは、X Window Systemプログラミングにおいて不可欠なコンポーネントです。多くのUNIXシステムには標準でXサーバーが含まれていますが、必要に応じてインストールする手順を以下に示します。

1. インストールの確認

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まず、システムにXサーバーがインストールされているかを確認します。以下のコマンドを実行して、Xコマンドが利用可能かどうかをチェックします。

$ which X

もし出力に/usr/bin/Xなどのパスが表示されれば、Xサーバーがインストールされています。

2. Xサーバーのインストール

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Xサーバーがインストールされていない場合は、パッケージ管理ツールを使用してインストールします。以下は、FreeBSDを例にしたインストール手順です。

FreeBSDの場合
# pkg install xorg
NetBSDの場合
NetBSDでは、通常デフォルトでXサーバーが含まれています。必要であれば、xbaseセットを追加インストールしてください。
OpenBSDの場合
OpenBSDもデフォルトでXサーバーがインストールされていますが、再確認するには以下のコマンドを使用します:
# pkg_info | grep xorg

3. 動作確認

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Xサーバーが正常に動作するかを確認するには、以下のコマンドを実行してテストします:

$ startx

エラーが発生した場合は、ログファイル(通常は~/.xsession-errorsまたは/var/log/Xorg.0.log)を確認してください。

基本的なUNIXコマンドの復習

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XサーバーやXクライアントの設定やトラブルシューティングには、いくつかの基本的なUNIXコマンドを使用します。以下は、その中でも重要なコマンドの概要です。

xdpyinfo

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xdpyinfoは、現在接続されているXサーバーの情報を表示するコマンドです。以下のように使用します:

$ xdpyinfo

このコマンドは、以下の情報を提供します:

  • ディスプレイ名
  • スクリーンの解像度
  • サポートされている拡張機能

xrandr

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xrandrは、画面解像度やディスプレイの設定を管理するコマンドです。特にマルチモニタ環境では重要です。使用例を以下に示します:

  • 現在の設定の確認:
    $ xrandr
    
  • 解像度の変更:
    $ xrandr --output HDMI-1 --mode 1920x1080
    
  • モニターの回転:
    $ xrandr --output HDMI-1 --rotate left
    

その他の便利なコマンド

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  • xev: 入力イベント(キーボードやマウス)の詳細を確認します。
    $ xev
    
  • xset: スクリーンセーバーやディスプレイの電源管理を設定します。
    $ xset dpms force off
    
  • xrdb: Xリソースデータベースを管理します。
    $ xrdb -query
    

まとめ

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これらの準備が整うことで、X Window Systemプログラミングをスムーズに開始できます。特に、Xサーバーの設定と基本的なコマンドの使い方をマスターしておくことが、効率的な開発環境の構築に役立ちます。