「高等学校情報/情報の科学/論理回路と半導体」の版間の差分

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OR回路
論理回路AND
70 行 70 行
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! 電圧 A !! 電圧 B !! 電圧 C
! 入力電圧 A !! 入力電圧 B !! 出力電圧 C
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| H || H || H
| H || H || H
98 行 98 行
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という計算である。AとB が両方とも「真」の場合だけ(つまり英文でいうなら Both A and B の場合)、出力が「真」になるので、AND計算 というのである。
という計算である。




「真」をHに対応させ、「偽」をLに対応させれば、
「真」をHに対応させ、「偽」をLに対応させれば、
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また、この回路図のように、論理計算のAND計算をできる回路のことを'''AND回路'''という。
また、この回路図のように、論理計算のAND計算をできる回路のことを'''AND回路'''という。

さて、コンピュータのデジタル信号では、0と1で処理をするのであった。(右図を参照せよ。)

[[File:デジタル信号の復元の原理.svg|thumb|400px|デジタル信号の復元の原理]]

信号処理のため、ダイオードによるORゲートについて、Hを1に置き換え、Lを0に置き換える。

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! 入力 A !! 入力 B !! A and B
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| 1 || 1 || 1
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| 1 || 0 || 0
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| 0 || 1 || 0
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| 0 || 0 || 0
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これが、0と1からなる数値によってデジタル信号を扱う場合の、AND計算の結果である。

{{-}}

ダイオード回路図を毎回、作図するのは手間なので、下記のような記号を使うべきとされる。

[[File:Logic circuit AND jp.svg|thumb|論理回路で表した場合のAND回路]]

このような記号を'''論理回路'''という。

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File:Logic circuit AND 00 jp.svg|論理回路 AND 。 入力00の場合。
File:Logic circuit AND 01 jp.svg|論理回路 AND 。 入力01の場合。
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[[File:Logic circuit AND 10 jp.svg|論理回路 AND 。 入力10の場合。]]
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=== OR回路 ===
=== OR回路 ===
114 行 157 行
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! 条件 A !! 条件 B !! A or B
! 入力電圧 A !! 入力電圧 B !! 出力電圧 C
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| H || H || H
| H || H || H
132 行 175 行
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! 条件 A !! 条件 B !! A or B
! 条件 A !! 条件 B !! 結果 C
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| 真 || 真 || 真
| 真 || 真 || 真
143 行 186 行
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となる。A か B の少なくともどちらかが「真」であれば(つまり英文でいうなら A or B の場合)、出力が「真」になるので、OR算 というのである。なお、AとBが両方とも「真」であっても、少なくとも片方が「真」である事にかわりはないので、AとBが両方とも「真」の場合にも A or B は「真」になる。
となる。



表から分かるように、図の電気回路は、A or B の計算結果と同じである。
表から分かるように、図の電気回路を真偽に置き換えた結果Cは、A or B の計算結果と同じである。


よって、ダイオードを用いた回路で、A or B を計算できる。
よって、ダイオードを用いた回路で、A or B を計算できる。


また、この回路図のように、論理計算のOR計算をできる回路のことを'''OR回路'''という。
また、この回路図のように、論理計算のOR計算をできる回路のことを'''OR回路'''という。


さて、コンピュータのデジタル信号では、0と1で処理をするのであった。(右図を参照せよ。)

[[File:デジタル信号の復元の原理.svg|thumb|400px|デジタル信号の復元の原理]]

信号処理のため、ダイオードによるORゲートについて、Hを1に置き換え、Lを0に置き換える。

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! 入力 A !! 入力 B !! A or B
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| 1 || 1 || 1
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| 1 || 0 || 1
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| 0 || 1 || 1
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| 0 || 0 || 0
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これが、0と1からなる数値によってデジタル信号を扱う場合の、OR計算の結果である。

{{-}}
== 論理回路 ==
=== AND回路の論理回路 ===
ダイオード回路図を毎回、作図するのは手間なので、下記のような記号を使うべきとされる。

AND回路図は、下図のようになる。

[[File:Logic circuit AND jp.svg|thumb|left|論理回路で表した場合のAND回路]]

このような記号を'''論理回路'''という。

{{-}}
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File:Logic circuit AND 00 jp.svg|論理回路 AND 。 入力00の場合。
File:Logic circuit AND 01 jp.svg|論理回路 AND 。 入力01の場合。
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<gallery widths=200px heights=100px>
File:Logic circuit AND 10 jp.svg|論理回路 AND 。 入力10の場合。
File:Logic circuit AND 11 jp.svg|論理回路 AND 。 入力11の場合。
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{{-}}
=== OR回路の論理回路 ===

2017年5月24日 (水) 16:30時点における版

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※ ANDやORの概念については、『高等学校情報 社会と情報/検索』 を参照せよ。

はじめに

(※ 普通科の範囲外)

ダイオードという半導体素子を用いた回路により、物理的にANDやORの処理を実行できる。

結論を先に示すと、

AND,OR,NOT
AND回路
OR回路


である。

では、まずダイオードについて、学んでいこう。

ダイオード

(※ 普通科の物理IIでも習う)
ダイオードの順方向。電流は流れる。
ダイオードの逆方向。電流は流れない。

p型半導体とn型半導体を接合し(pn接合)た物体が、一方向のみに電流を流す。

このような部品をダイオード(diode)という。

p側に正電圧を掛け、n側に負電圧を掛けた時、電流が流れる。

いっぽう、p側に負電圧を描け、n側に正電圧を掛けても、電流が流れない。

回路において、ダイオードが電流を流す向きを順方向(じゅんほうこう)という。順方向とは反対向きを逆方向という。ダイオードの逆方向には、電流は流れない。

このように一方向に流れる仕組みは、ダイオードでは、つぎのような仕組みで、電流が流れるからである。

  • p側に正電圧を掛け、n側に負電圧を掛けた時

ダイオードのp側に正電圧をかけ、いっぽうn側に負電圧をかけると、p側では正電極の正電圧からホールが反発して接合面へと向かい、いっぽうn側では電子が負電極から反発して接合面へと向かう。そして、接合面で、ホールと電子がであい、消滅する。この結果、見掛け上、正電荷が、正電極から負電極に移動したのと、同等の結果になる。

そして、正電極から、つぎつぎとホールが供給されるので、電流が流れ続ける。

  • p側に負電圧を描け、n側に正電圧を掛けた時

いっぽう、p側に負電圧を描け、n側に正電圧を掛けた時、p側ではホールは電極(電極には負電圧が掛かってる)に引き寄せられ、接合面からは遠ざかる。同様にn側では電子が電極(正電圧が掛かってる)に引き寄せられ、接合面からは遠ざかる。

この結果、接合面には、余分なホールも余分な電子もない状態となり、よって接合面の付近にはキャリアがなく、この接合面付近のキャリアの無い部分は空乏層(くうぼうそう、depletion layer)と呼ばれる。

そして、それ以降は、ホールも電子も、もうどこにも移動の余地がないので、よって電流が流れない。


このようにして、ダイオードは、P側の電圧が、N側の電圧よりも高い場合にのみ、電流を流す。

ダイオードによる論理計算

AND回路

(※ 普通科の範囲外)
(※ 工業高校教科書でも科目『ハードウェア技術』にしか書いてない!)
AND,OR,NOT
AND回路

なぜ、この回路図がAND処理なのか、見ていこう。

まず、図のCは論理計算「A and B」に対応する結果である。

説明の簡単化のため、Aの電圧は0Vか5Vのどちらかを取るとしよう。同様に、Bの電圧は0Vか5Vのどちらかを取るとしよう。

さて、AとBの電圧の両方とも5V以上の場合にのみ、Cが5Vになる。

なぜなら、

・ もし、AとBの電圧の両方とも5V以上なら、ダイオードに電流が流れないから、5Vがほぼそのまま出力Cに伝わる。(抵抗Rでの電圧降下はあるが、充分に無視できるように、回路を設計してあるとする。)
・ 一方、もし、Aが0Vなら、ダイオードD1が導通する。このとき、オームの法則により、抵抗Rで電圧が5Vぶん低下するので、Cの電圧も0Vになる。よって、Bの電圧が0Vだろうが5Vだろうが、もはやCの電圧は0Vである。

この結果を表にすると、5Vを「H」として、0Vを「L」とすれば、

入力電圧 A 入力電圧 B 出力電圧 C
H H H
H L L
L H L
L L L

となる。

一方、論理計算 A and B とは、

条件 A 条件 B A and B

という計算である。AとB が両方とも「真」の場合だけ(つまり英文でいうなら Both A and B の場合)、出力が「真」になるので、AND計算 というのである。


「真」をHに対応させ、「偽」をLに対応させれば、

表から分かるように、図の電気回路は、A and B の計算結果と同じである。

よって、ダイオードを用いた回路で、A and B を計算できる。

また、この回路図のように、論理計算のAND計算をできる回路のことをAND回路という。

さて、コンピュータのデジタル信号では、0と1で処理をするのであった。(右図を参照せよ。)

デジタル信号の復元の原理

信号処理のため、ダイオードによるORゲートについて、Hを1に置き換え、Lを0に置き換える。

入力 A 入力 B A and B
1 1 1
1 0 0
0 1 0
0 0 0

これが、0と1からなる数値によってデジタル信号を扱う場合の、AND計算の結果である。


ダイオード回路図を毎回、作図するのは手間なので、下記のような記号を使うべきとされる。

論理回路で表した場合のAND回路

このような記号を論理回路という。



OR回路

ダイオードによるORゲート

電圧は、

入力電圧 A 入力電圧 B 出力電圧 C
H H H
H L H
L H H
L L L

となる。(Hは電圧が高い状態。Lは電圧が低い状態。)


これに、Hを論理計算の「真」に対応され、Lを「偽」に対応させれば、

条件 A 条件 B 結果 C

となる。A か B の少なくともどちらかが「真」であれば(つまり英文でいうなら A or B の場合)、出力が「真」になるので、OR算 というのである。なお、AとBが両方とも「真」であっても、少なくとも片方が「真」である事にかわりはないので、AとBが両方とも「真」の場合にも A or B は「真」になる。


表から分かるように、図の電気回路を真偽に置き換えた結果Cは、A or B の計算結果と同じである。

よって、ダイオードを用いた回路で、A or B を計算できる。

また、この回路図のように、論理計算のOR計算をできる回路のことをOR回路という。


さて、コンピュータのデジタル信号では、0と1で処理をするのであった。(右図を参照せよ。)

デジタル信号の復元の原理

信号処理のため、ダイオードによるORゲートについて、Hを1に置き換え、Lを0に置き換える。

入力 A 入力 B A or B
1 1 1
1 0 1
0 1 1
0 0 0

これが、0と1からなる数値によってデジタル信号を扱う場合の、OR計算の結果である。


論理回路

AND回路の論理回路

ダイオード回路図を毎回、作図するのは手間なので、下記のような記号を使うべきとされる。

AND回路図は、下図のようになる。

論理回路で表した場合のAND回路

このような記号を論理回路という。




OR回路の論理回路