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== 学外での資格の取得など == 大学生ともなると、文科系の大学・学部では、就職をみすえて、公認会計士やら何やら、「学士」以外の資格を取得しようとする学生も多いでしょう。 です
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当然のことですが、大学側は課外活動を進級基準には組み込んでくれません。学業といかに両立させるかは完全に自己責任です。
当然のことですが、大学側は課外活動を進級基準には組み込んでくれません。学業といかに両立させるかは完全に自己責任です。



== 学外での資格の取得など ==
大学生ともなると、文科系の大学・学部では、就職をみすえて、公認会計士やら何やら、「学士」以外の資格を取得しようとする学生も多いでしょう。

ですが理科系では、現状のところ、学外での(「学士」以外の)資格の取得は困難です。

資格試験の対策をしようにも、その勉強時間をとるのは、困難です。

工学部の学生ですら、ボイラー技師やら電気工事士などの資格は、在学中には、取得していないのが一般的です。


理科系では、現実的に可能な資格・検定は、せいぜい、英検やTOEICなどの高校生も受けるような検定試験で、自身の学力を証明する成績を取れるくらいでしょう。





2017年9月23日 (土) 23:02時点における版

教養部廃止の混乱

かつて80年代後半ごろまで、日本の大学には「教養部」という課程があり、1〜2年生の時には数学や理科や語学を中心に勉強し、3年から専門科目を教える、という時代がありました。

90年代に入り、教養部が廃止され、入学1年目から専門科目を教えるようになりました。かつて教養部で教えていた数学や物理などは、「教養課程」の「自然科学分野」という科目グループに分類され、1年生から教えています。


この教養部廃止による科目改組の際、本来なら、1年から専門科目の負担が増えたぶん、数学や理科や語学の学習負担を減らす必要があったのですが、しかし理系の大学の多くでは、そのような改革がされずに、負担の過大になったカリキュラムが放置されている場合が多くあります。

例えば、数学のカリキュラムは、教養部の時代のまま(線形代数 + 偏微分・重積分)の負担どころか、さらに学習内容(+ 離散数学)が増えています。物理や化学なども同様です。

なのに、上記の数学や理科に加えて、早ければ1年生から(遅くても2年から)、機械工学科では材料力学、電気工学科では電磁気学(教養レベルではなく国家試験上級レベルの電気工学科の専門科目レベルの電磁気学)、土木工学科では構造力学など、各学科の専門科目を教える、というアリサマです。


文科系の大学では、教養部廃止にともない、語学・数学や理科・社会などの負担軽減があったのかもしれませんが、しかし理系の大学では、そのような改革が行われませんでした。

このため、現在、大学1年生が普通に5教科をバランスよく勉強しようとしても、学習時間が不足がちになり、不合格になる事もあります。

しかたなく、学生は防衛上、なるべく、合格のラクな科目を優先的に、選択履修する必要があります。

困ったことに、文部省などが、このような理系大学の問題を認識しておらず、2010年代の今だに、過大負担なままのカリキュラムを是正せずに放置しています。


このように、カリキュラムの過大負担が是正されてないので、学生はなるべく、暗記科目で単位を取得していくのが、オススメです。

基本的に、計算のある科目は、計算のない科目と比べて、計算練習の必要なぶん、合格が困難です。

なので、なるべく、暗記科目を単位取得していく必要があるのです。

それほどまでに、現在の日本の理系大学はヒドイ状況であるのに、是正されずに放置されている。


また、就活でも、アナタがせっかく計算の難しい科目に合格して単位取得していても、企業側からは、その科目の計算の難度は分からないのです。


履修科目の選択

大学では、必修科目のすべてを履修するとともに、選択科目を規定の単位数以上履修する必要があります。選択科目のどれを何単位履修すべきか、という規定を自分でよく理解し、その規定に沿うように選択する必要があります。

ある科目の合格時の取得単位数は原則的に、授業時数が同じならば異なる科目でも同じ単位数を取得することになるのが普通です。つまり、むずかしい科目に合格しようが、簡単な科目に合格しようが、授業時間の量が同じなら、合格でもらえる単位数も同じということです。


たとえば大学1年の数学の偏微分・重積分と、大学2年の数学の微分方程式・複素関数論が、同じ単位数な大学が一般です。学習負担を考えたら、高学年の科目のほうが負担が重いですが、しかし1科目あたりの単位数は同じです。


理系は文系と比べて必修科目が多い傾向にありますので、専門外の科目を履修するには限度があります。この現状は広く教養を身につけるという観点では不適切なのですが、修士までのわずか6年間で高度な専門教育をしなければいけない中ではしかたないのかもしれません。


科目の履修は、なるべく簡単な科目を履修しよう

大学の科目履修では、なるべく簡単な科目をさがして、単位数をかせぐ必要があります。必修科目でもないのに、難しい科目を履修してしまうと、テスト対策に多くの時間を取られます。その時間を取られた分、他の科目のテスト時間が減り、多くの科目で単位を落とす可能性が増えます。


このような非現実的な単位基準の問題点は昔から指摘されていますが、いっこうに改善のきざしがありません。当面は、このような単位基準の時代が続くでしょう。


大学のテスト対策は、「学問」と思うよりも「受験勉強」のようなものと思ったほうが良いです。

タイトルのとおりです。ごく一部の学科では例外もあるかもしれません。(たとえば数学科などは例外的)  ですが、ほとんどの学科では、まるで私大受験の受験勉強のような定期テストのテスト対策が、1年生から4年生まで、ずっと必要です。

「私大」受験と言ったのは、専門科目ばかりが大学で教育されるからです。専門外の教育は、文科省が教養課程として定めた、最低限の授業時間しか、大学側は学生に勉強させないような進級基準を組んでいます。後の節で説明しますが、専門分野以外の学問なんて、ほとんど教えられません。

ここで重要なこととして、大学入学後も、定期試験では、公式などを暗記して短時間で計算する能力が要求される場合が、多くあります(工学部の機械工学科、電気電子工学科、建築学科、土木工学科などで多い)。


数学科や物理学科などでは、そのような短時間の暗記的な計算能力を要求する教育を疑問視している場合もありますが、しかし現状では、工学系学科の教育は、このように暗記的な計算能力を要求する事が多くあります。


このため、テスト前の期間には、その科目の計算練習をする必要があります。「証明を理解したり見直したりする」のではなく、「計算練習をする」必要があるのです。

工学部の性質上、計算量が多いので、テスト対策のため、あらかじめ期間に余裕をもって、テスト対策をしてください。


第二外国語について

理系では、大学で第二外国語が必修の場合もあります。(大学によっては、必修でない場合もある。)

もし、それなりに身につけようとすると、学習にかなりの時間が掛かるので、必修科目でないのなら、なるべく履修しないほうが安全である。(いちおう、試験対策のための最低限の勉強だけしても単位は取れるだろうが、あまり精神衛生的に、よくない。)

何語を選択するかについて、理系の読むべき文献は英語以外ではドイツ語が多い、ただし数学ならフランス語が多い、いやこれからビジネスに役立つのは中国語だ、などいろいろと言われることがありますが、特に理系の学生の場合、第二外国語が使えるレベルでものになることはほぼ期待できませんので、好きなものを履修すればよいです。どうせ、たかが学校で週に2時間程度習ったくらいでは、流暢な語学なんて身につきません。

英語ですら、中学高校あわせて6年間も学んでも、なんとか英語文献を読めても、自分で英語で書いたり話したりするとなると、とても難しいのです。ましてやドイツ語やフランス語なんて、まず、書いたり話したりするようになれるのは絶望的です。また、せっかく第二外国語をより深く習得しても、実用性はかなり限定的です。


以下に、各言語の大まかな特徴を述べます。


  • ドイツ語

ドイツ語は、英語より文法が難しいものの、フランス語よりは文法がかなり簡単です。また、ドイツ語の単語は、歴史的経緯から比較的英語に近いです。すくなくともロシア語と英語との遠近と比べたら、はるかにドイツ語は英語に単語が近いです。また、単語の発音はローマ字通りに近いので、そういう意味でもなじみやすいでしょう。医療系などの学部や学科では、第二外国語にはドイツ語を必修にしている場合もあります。昔の医学用語で、ドイツ語に由来する用語が多いからです。明治以降の近代の大学教育で、ドイツ語が第二外国語として必修的に教育されてきたという歴史もあり、教える大学側にもノウハウが蓄積されています。


  • フランス語

まず、フランス語は文法が不規則で、とても覚えることが多いので、手間がかかります。そしてフランス語は、単語があまり英語とは似ていません。発音も、ローマ字とは程遠く、一般的な日本人にはハードルの高い言語でしょう。歴史的に、数学の世界では他の理系分野とは違ってフランスが先進国であり、数学専攻の場合はフランス語が役に立つ場面がある、かもしれません。


  • ロシア語

ロシア語は、文字がキリル文字で、とっつきづらいです。文法も、英語やドイツ語よりは難しいです。単語も、英語とはかなり違います。

冷戦時代の物理学者ランダウなどソ連側の科学者の文献がロシア語で書かれることもありましたが、現代では旧ソ連の主要な科学者の文献は日本語訳や英訳をされてるので、原書で読む必要はありません。


  • スペイン語やイタリア語やポルトガル語など

スペイン語やイタリア語やポルトガル語なども、文法が複雑です。イタリア語はラテン語の影響があったりして興味ぶかいかもしれませんが(ラテン語は中世では学問の共通語だった)、しかしイタリア語の習得には時間が掛かり、理系学生には負担が大きいでしょう。


  • 中国語

漢字を使用するのでとっつきやすいですが、発音は難しいといわれます。もっとも、定期テストに限るならば筆記試験にはスピーキング問題は出せないわけですが。なお、大学によっては、理系の学部では、中国語が履修不可能の場合もあります。日本の科学の世界では、あまり中国語を使う機会が無かったからです。これからの時代は多くの人口を抱える中国に進出することがビジネスチャンスになる、ということで学生への人気が高まっていますが、そこまで使えるレベルでものにするのはかなり難しいでしょう。


外国語の科学論文の現状

いまや国際的な科学論文のほとんどは、英語で書かれており、わざわざドイツ語やフランス語で読む必要が少ないのです。もし科学史家なら、古い時代のヨーロッパの文献を、ときどきドイツ語やフランス語で読む場合もあるかもしれませんし、冷戦時代のソビエト連邦の科学書をロシア語で読む必要もあるかもしれませんが、しかし現代の理系の大学生には不要な技能です。

それに、学生用の、たいていの科学書は、英語に翻訳されてます。


就職活動でも第二外国語があまり評価されない

また、就職活動でも、ドイツ語など第二外国語の学力は、まともに評価されません。

就職活動のとき、企業によっては、TOEICなどの英語の検定試験の成績は参考にされる可能性がありますが、しかしドイツ語など第二外国語を参考にしていません。

企業は、少なくとも理系学生の就職志望者に対しては、ドイツ語など第二外国語の語学を期待していません。 ドイツ語検定などの資格を持ってれば別ですが、理系学部では忙しいので、資格試験の受験勉強のための時間が足りません。 なので、もし資格試験の受験勉強をしてると、大学の単位を落とす可能性が増えます。

また、もし企業が、せっかくそういうドイツ語の学力を評価して採用してあげたところで、就職後にドイツ語を使う機会なんて、現代の技術者などには、まず、ありません。海外のたいていの科学書・技術書や製品マニュアルや国際論文などは、英語で書かれています。

なので、せっかく企業が理系学生のドイツ語の学力を評価しても、企業にとっては無駄なのです。ドイツ語ですら、こうなんですから、フランス語やロシア語などは、もっと非実用的なのです。

そして、もしどうしても実務などでドイツ語の文献の読解が必要なら、辞書を読んで調べて翻訳すればいいだけです。


教科書は買おう

学校の図書館で教科書を「借りよう」という方法はマズイ。「借りよう」という方法だと、定期テスト前などは「貸出中」になっていたりして、テスト対策が勉強できなくなったりする。

学習の仕方

総論

大学での学習は高校までのような「受験」を意識したものではありません。 各自がそれぞれ身につけたい内容を学ぶというのが、大学教育の建前とされています。

注意する点として、入学してから四年後(留年しなければ卒業年度)の成績は、進級基準に考慮されません。また、大学院の入試問題を解く能力は、学部の各学年(1〜3年)の進級基準および卒業基準には、まったく考慮されません。

つまり、どんなに入学4年後に学力が高くても、大学院入試問題が解けても、もし1年目のときに合格科目が足りなければ、入学1年後には留年になります。

また、定期テストの後の復習は、評価されません。大学受験ではありませんので、定期テスト本番(あれば追試)で合格点を取らないと、どんなに勉強熱心に復習をする人でも、不合格となります。

悪くいうと、極端なハナシ、現状の大学では、履修科目だけを勉強していれば、済んでしまい、前学年の履修科目の復習はする必要がありません。むしろ、履修してない前学年の科目の復習をすると、現在履修中の科目の勉強時間が不足してしまい、そのせいで不合格になってしまう可能性が高まります。

あまり理想的ではない状況ですが、しかし現状として、現在の理系の大学では、このような状況が放置されており、そのうえ問題点として認識すらされていなかったり、また、改善運動の機運なども、ありません。


では、どう学習すればいいかというと、基本的には、履修中の科目を優先的に、それぞれの科目のシラバスや授業内での指示に従って学習することになります。


出席を重視するか否かも授業によります。傾向としては、日本の多くの理系大学では、多くの科目で、出席を重視します。

どういうことかというと、例えば、定期試験における不合格者への救済措置として、合格点より数点少ない学生などに、授業中の小テストなどの点数を加味して加点して合格にする場合がありますので、なるべく出席をするのが有利です。


また、理系の大学では、学部によっては、定期試験に「自筆ノートを持ち込み可能」とする科目も、多くあります。

この場合、ノートを持ち込まないと解けないような高難度の問題が出題される可能性があるので、授業に出席して授業内容をノートに取って、そのノートをテストに持ち込んでください。


理想としては、そもそも筆記試験とは学力を確認するために行うのですから、試験だけで合格/不合格を決められるのが理想ですが、しかし残念ながら、日本の大学教員のなかには、適切な試験問題をつくる能力の乏しい教員もいます。そのため、このような救済措置が必要になるのです。(当該科目の教授は、学生を不勉強だとして批判するだろうが、しかし、単に教員の問題作成能力が低いだけであったりする。)


ただし、数学の授業は出席を取らないことが多いです。講義を聴いているかいないか等どうでもよく、数学の内容を身につけたかつけていないかを重視したい、ということのようです。対照的に、実験実習の科目は(授業の性質上当然ですが)出席していないのに単位が取れるということはまずありえません。


また、試験は、慣習として、授業で紹介した話題から、試験問題は出題されます。

大学入試とは違って、授業で紹介されてない話題を出題する事は、大学学部の定期試験では、ほぼありません。


理想的には、たとえ大学で習っていない事でも、自発的に学術書などで、どんどんと勉強することは奨励されるべきでしょうが、しかし残念ながら日本の大学の現状では、進級基準や定期試験などは、そうなっていません。

現在の理系の大学では、大学で習っていない事を自発的にどんどんと勉強すると、試験対策の時間が足りなくなる場合があり、留年などの危険性が高まります。


履修の順序

専門科目の履修では、なるべく低学年の科目から履修していくのがオススメです。

なぜならば、高学年の専門科目の中には、使用頻度の低い知識をあつかう科目もあったりします。いっぽう、低学年の専門科目は、なるべく使用頻度が高い知識が多く紹介されています。

このため、低学年の科目から順に学習していくことで、効率的に専門知識を学習できます。

ただし、高校の数学3C未履修者のための補修科目などは、高校の科目が分かっている人は、わざわざ履修する必要がありません。

あくまで、大学レベルの範囲内で、なるべく低学年の科目から、履修をするのが、オススメです。


このように低学年むけの簡単な科目から履修していくと、だいたい卒業学年の頃には、2年生後半から3年生までの科目を中心に履修する事になるでしょう。

学校によっては、3年〜4年の科目が、特定の研究分野を中心にした高難度の科目になっている場合も多々ありますので、そのような科目は、他分野を研究する学生は、無理して履修する必要はないのです。


なお、残念ながら日本では、大学によっては、それぞれの科目どうしの教育バランスの調整がとれてない学校もあり、他科目の学習時間をうばいかねない高難度の科目が、ろくに是正されずに、大学がその科目を放置している場合もあります。

なので学生は、防衛上、なるべく単位取得のラクな科目から履修していかざるを得ないのです。


また、基本的に高学年の科目になるほど、合格に必要な学習量(自習や予習復習など)が増えます。なのに、合格によって得られる単位数は、基本的に高学年の科目も低学年の科目も、ほぼ同じ単位数です。

特に、高学年になるほど、そのような、やたらと難しくて、他科目の学習時間をうばうような科目の存在確率も、高くなっていきます。なので防衛上、卒業要件を満たして可能なかぎり、低学年の科目により、単位取得をしていくのがオススメです。


現状の大学教育では、理系は、かなり学習負担が大きく、そのため、なるべく合格しやすい低学年の科目から、履修して単位数を稼ぐ必要があります。

単位数が不足すると、留年する可能性が高くなり、危険です。

また、せっかく高学年の難度の高い科目を履修しても、就活のさいの企業側には、その科目の難度は分かりません。


難関科目に挑戦したあげく、不合格になり、他科目の勉強時間も失ってしまって他科目も不合格になり、留年してしまっては、就活で不利になります。

企業側からは、まったく、その科目の難度は分かりません。

また、もし志望企業に企業に大学OBが居ても、OBの学生時代とは科目担当の教授が別人物に変わっていることもあり、科目の難度も違っています。

大学のカリキュラムは、数年で頻繁に変わるので、企業側が内情を把握するのは無理なのです。

ともかく、なるべく低学年むけの、簡単な科目から、履修していってください。


物理学の履修に注意

理系の多くの学科では、物理学が基礎的な科目です。そのため「物理」が1年生の選択科目になっていても、工学部などでは、機械工学科や電気工学科などの、ほとんどの学科で、1年生は「物理」科目を履修するように、推奨するでしょう。


ですが、残念ながら、現状の大学教育制度では、1年生の「物理」科目の履修には、やや問題点があります。

教養部廃止にともなう過大負担化の混乱です。

多くの大学で、「物理」の教科書や定期試験の難易度が、教養部のあった時代のまま(つまり、1〜2年で専門科目のなかった時代のまま)だったりする事もあり、そのため、「物理」科目が不合格者を出しやすい難関科目になっている場合があります。

なので、なるべく、卒業要件のための理科の単位は、化学や生物などの、いわゆる「暗記科目」で単位取得するのがオススメです。


実験科目について

大学では、実験科目は、レポート作成などに、授業の時間とは別に、調べごとなどで、かなり長い時間が掛かります。

そのため、他科目の学習時間をうばう可能性があります。

なので、必修科目以外の実験科目は、なるべく最小限に済ませるのがオススメです。


たいてい、1学年に「物理実験」や「化学実験」などの科目があります。しかし、これらの科目ができても、たったの8単位です。

特に物理実験は、レポートに数学的な考察が必要だったりして、調べごとも多く、しかも、レポートが手書き指定されている場合がほとんどのため、かなりレポート作成に時間が掛かります。

数学的な考察が分からないと「物理実験」科目が不合格になる場合もあり、かなり時間をかけてレポートを書いたあげく、不合格になりかねません。1年の物理実験をせっかく合格して単位取得しても、たったの4単位です。

なので、他科目で単位取得したり、どうしても学校の進級基準で実験科目の単位が必要なら、なるべく化学実験で、単位を取得していくのが、オススメです。


教科書

大学には学習指導要領はありませんので、どこの大学でも使われる共通の教科書というものはありません。よく使われる定番教科書のようなものはありますが、かといってそれを使わず教員が自分で執筆した教科書を指定することもあります。これも、基本的には授業での指示に従うことが無難でしょうが、どうしても合わないようならば、その科目の定番教科書を知り、併読するのも手です。


なお、もし、教員の授業内容が、市販の教科書の多くと傾向が異なる場合、定期試験に出題されるのは、教員の授業内容のほうです。


なお、大学用の教科書は、市販の教科書でも、かなり難しく情報量も多いです。高校卒業までのいわゆる「検定教科書」とは違います。高校は文系・理系の両方の学生が学ぶので、高校の教科書は、情報量を減らしてあります。ですが、大学の教科書では、専門とする学生が学ぶので、情報量は、かなり多いです。


なお、実験科目は、その大学の教員が共同で作った各大学のオリジナル教科書を使うことが多いようです。


定期試験

理系特有の事情として、理系科目の定期試験では、低学年でも高学年でも、計算問題を含む筆記試験があります。

試験問題は基本的に、100点満点中、60点以上で合格です。


試験では、たとえ自己採点で60点未満でも、なるべく、多くの問題に解答してください。

なぜなら、教授のなかには、試験作成の能力が低い教員もおり、例えば、計算時間が足りないのに大量の計算問題を出すなどの不適切な出題をして、そのため多くの学生が試験時間内に解き終わらず、大量の不合格者を出すなどして教授会でその科目の教授が問題視されたりして、教授会の決定により追試験の行われるような場合も、しばしば、あります。

追試を行う場合、「本試験で40点以上」などの受験条件のつく場合がありますので、たとえ自己採点で60点未満でも、なるべく、60点近くをめざして解答するのがオススメです。


さて、定期試験の問題は、基本的に、過去数年間の過去問のパターンどおりに出されます。ひとりの教員の思いつく問題のパターンは限られています。サークルの先輩後輩の間などで、そのような教員の情報や、過去問そのものが受け継がれることも多いようですので、入手しておいてください。

このため、なるべく可能なかぎり、なんらかのサークルや部活動に入ることをオススメします。


現状の解説

大学入学後の定期テストでは、大学指定の教科書を定期テストの試験範囲とする場合が多いので、せっかく独学の参考書用として指定外の学術書を買って読んでも、その参考書の内容が試験範囲外なので、参考書は定期テスト対策としては非効率である。

ただし、教員が、授業中に紹介するなどした場合は別である。また、教科書以外の本を教員がシラバスや授業や紹介し「参考文献」「推奨文献」などとしている場合は別である。

とはいえ、たとえ教員が「参考文献」「推奨文献」などとしてシラバスなどで紹介した文献の場合であっても、授業中にその推奨文献の内容を時間を掛けて講義してない場合とか、宿題として要求してない場合、単にシラバスなどで紹介しただけであったりして、テストに出ない場合もある。

教員が紹介した場合ではなく、自分で選んで参考書用に買った本の場合、たとえ有名な本であっても、もし参考書が学校指定で無ければ、その参考書の内容は定期テストには出なかったりする。

具体的に言うと、物理学の学術書として世界的に有名な『ファインマン物理学』を勉強しても、通う大学の教科書に指定されてないかぎり、たとえファインマン物理で熱心に説明されてる物理知識でも、あまり定期テストに出ないだろう。

世界的な名著であっても、ファインマンの前提としてアメリカのカリキュラムが、日本の教育には合っておらず、あまり日本の理系大学ではファインマン物理は教科書に指定されない。

同様に、日本で大学生用の数学書として有名な『解析概論』(著:高木貞治)などを勉強しても、通う大学の教科書に指定されてないかぎり、まず定期テストに出ないだろう。

解析概論は明治時代ごろの数学書であり、現代の科学に関する知見は少なく、「現代の多くの学生への入門教育には適していないだろう」というような判断から、大学では教科書になりづらいのだろう。

それどころか、たとえ学校指定の教科書ですら、授業で習ってない範囲はテスト範囲外なので、まず出ないし、教員からしても出したくても出せない。逆に、教科書に書いてなくても、授業で紹介した問題をテストに出す。

たとえば1年の物理学科や工学部とかでの微分積分の前期(春~夏)のテストなら、もし授業で講義した範囲が偏微分までであり重積分をまだ習ってなければ、前期の期末テストに偏微分は出るだろうが、同じ教科書の後半に書いてある重積分はテストに出ないだろう。

つまり参考書よりも教科書がテストに出て、教科書よりも授業がテストに出るのである。

大学教授が「授業に頻繁に出てる学生ほど成績が良い」などと主張するのは、単に、その教員が授業で紹介した内容が、重点的に定期テストに出題されるからであろう。


また大学では学校指定の教科書も厚いので、教科書の復習にも多くの時間を取られ、よって参考書用の本まで読み込んでいるヒマが足りない。大学の教育も、参考書などの活用までは対応してない。このように大学の各科目は試験範囲が狭いぶん、そのぶん定期テスト問題の難度が高い場合が多いので、ますます定期テスト対策として学校指定の教科書のみを利用する傾向が高まる。


過去問の必要性

テスト対策では、過去問を入手する必要があります。また、過去問入手のために、友達づきあいや、部活への加入、サークル加入などをする必要があるでしょう。

もし高校時代のテスト対策のように、過去問を用いず、まともに授業の予習復習などで定期テストに挑むと、テストの成績が不合格点になってしまう可能性が高く、留年や退学をするハメになる可能性が上がります。


残念ながら大学教員のなかには、定期試験において、適切な難度の問題を出題をできない人が、しばしば居ます。


また、日本の高校では30点以下が赤点(不合格点)だが、日本の大学では60点以下が赤点であるのですが、教員のなかには、その事を意識しないで、試験問題を作成してしまうような人も、しばしば居ます。

本来なら大学は赤点の基準が上がった分、高校の定期試験よりも大学の定期試験は授業と比べて問題を易しめに調整してないとオカシイかもしれない。しかし、すくなくとも理系大学の場合、そのような難度調整はされていません。

外国の高校などでは赤点の基準が60点である国も多い。日本の30点という赤点基準よりも高いが、その分、外国の高校の定期テストは授業とくらべて問題がやさしくなっている。しかし、日本の大学の赤点基準が60点であっても、授業と比べて難度が高くなっています。

したがって、大学の定期テスト対策では過去問などを入手する必要があります。

多くの学生は、留年をいやがりますから、当然、過去問を手に入れようとします。そして普通の大学では、学生間で過去問が出回ります。


このような過去問を前提にした難度のテストを出している、という大学教育の問題点は昔から教育評論などでも指摘されていますが、いっこうに日本国の大学教育では改善のきざしがありません。日本の大学教員たちは、自分たちが悪いとは思っていないようです。

また、文科省などの定める、日本の大学での各科目単位基準は、授業時間の2倍の予習復習で合格する程度が基準とされていますが、実際に1日の時間を計算すると、授業時間の1倍の予習復習ですら、きついスケジュールです。過去問を入手してテスト対策をしないと、現実的には無理です。

「授業時間の2倍の予習復習」の本来の意味は、学生に予習復習をすすめる意味のほかにも、教員側に、「学生達に、予習復習のための充分な時間と機会を与えるべき」という意味もあるハズですが、困ったことに、こういう事を意識できていない教員も、しばしば居ます。


なお、大学の単位基準は授業の2倍の予習復習というが、仮に9時から午後3時まで授業があるとして、1日あたりの時間配分を計算すると、休憩時間と昼休みを除いて、授業に要する時間は4時間。睡眠時間は8時間。1日の残り時間は12時間しか無いです。そのうち、通学で往復2時間(12ー2=10 より、残り10時間)としましょう。下宿などで一人暮らしするなら、家の炊事・選択・掃除などで2時間(10ー2=8 より、残り8時間)。1日の残り時間が授業時間の2倍ピッタリの8時間ほどしかなく、なんと、1日の時間には余裕がありません。


だから、仮に大学の単位設定の基準である「授業時間の2倍の自習を、単位数の基準にする。」を仮に実施すると、学生の1日あたりの学習時間が12時間(4+8=12)ちかくになります。これは、サラリーマンの法定労働基準である1日8時間の労働基準を超えていおり、もはや重労働に相当する勉強時間でしょう。大学教授ですら民間企業のビジネス競争では通用しそうに無いというのに、学生が「授業時間の2倍の自習」という建前を真に受けてマトモに授業時間の2倍も自習で勉強していては、過労になってしまいます。

いくつかの大学では、このような現実離れした単位基準に気付いており、学生に授業時間の2倍の自習時間を余裕を持って確保させるため、履修科目数に制限を掛けている場合もある。だが、最終的な卒業単位数(4年で通常は120単位ていど)が減らないかぎり、計算上では、事実上の自習時間が足りなくなります。

したがって、学生は、当面は対策として、過去問を入手して定期テスト対策をする必要があります。


学習ノウハウ

大学教育の理想は1990年代前半に破綻しました

かつて、大学の学習で重要な事は、「知識獲得の速さではなく、理解の深さ」と言われました。

しかし残念ながら、現在の日本の理系の大学教育は、もう、そうなっていません。もしかしたら、昔から、そんな事は出来てなかったのかもしれません。

そのような理解を重視するような教育は、1990年代の教養部解体のときに、消滅しました。


現在、理系の大学では、なるべく暗記科目のように、理系科目を勉強する必要があります。

定期試験で計算問題を出題する科目でも、短時間で大量の問題を解かせる試験問題が続出するなど、暗記しないと解けないような問題が続出します。


また、大学の理系科目の教育内容を評して「大学では、生物は化学になり、化学は物理になり、物理は数学になり、数学は哲学になる」などと言われます。

かつては、物理を学ぶときも、単に物理の公式として暗記するのではなく、なるべく数学的に理解するように努めようとか、そういう理想があったのです。


ですが、もうそれも、過去の理想です。消滅した理想です。

専門の物理は、最低限の公式と証明だけさえ暗記できればいいし、むしろ定期試験は、公式などは暗記しないと解けないような問題ばかりです。物理学科の証明・導出とやらを問う試験問題も、その証明・導出を暗記する科目に、変貌しました。


数学は、数学科以外では、計算公式を暗記して、試験のときに、それを吐き出す科目になりました。もちろん、短時間で大量の計算問題が出題されたりするので、公式暗記してないと、試験時間のうちに、解き終わりません。

数学科でも、数学の証明を暗記する学問になりました。

化学も同様で、もう、物理の理解なんてしてるヒマはないし、せっかく物理を勉強しても、それが評価されるようなシステムには、なっていません。化学の公式を暗記するために、最低限の物理の公式を暗記するだけの科目になりました。


もとから暗記科目だった生物科目が、相対的にいちばんマトモ、というような惨状です。


大学教員は、口先では否定するかもしれませんが、口先だけです。


課外活動について

大学生は学業と並んでサークル活動などに力を入れる人も少なくありません。それ自体は悪くはないですが、学業との優先順位をひっくり返してはいけません。特に理系の場合、現状では、かなり厳しめの評価基準で単位認定をする科目(つまり、不合格者の多い科目)もあります。

当然のことですが、大学側は課外活動を進級基準には組み込んでくれません。学業といかに両立させるかは完全に自己責任です。


学外での資格の取得など

大学生ともなると、文科系の大学・学部では、就職をみすえて、公認会計士やら何やら、「学士」以外の資格を取得しようとする学生も多いでしょう。

ですが理科系では、現状のところ、学外での(「学士」以外の)資格の取得は困難です。

資格試験の対策をしようにも、その勉強時間をとるのは、困難です。

工学部の学生ですら、ボイラー技師やら電気工事士などの資格は、在学中には、取得していないのが一般的です。


理科系では、現実的に可能な資格・検定は、せいぜい、英検やTOEICなどの高校生も受けるような検定試験で、自身の学力を証明する成績を取れるくらいでしょう。


研究室選び

工学系では、3年の後半ごろから、おそくても4年生になると、研究室に配属されます。いずれ企業の技術職として働くことを意識するのであれば、基本的には、志望業種に近いテーマを選ぶべきでしょう。

「他分野、あるいは学際的な研究が思わぬところで役に立つかも」なんて事を考えても、企業に志望の意志をアピールしづらくなってしまいます。学際的なテーマは、研究室選びではなく、自分の趣味の範囲で勉強しましょう。

大学に残って研究者としてやっていくというのなら遠回りも役に立ちますが、なにしろ一握りの優秀な人にしか関係のない話です。

研究分野を大くくりに見ると、実験系か理論系かという分類ができます。実験系は、手を動かせばある程度成果が出る、という部分でわかりやすい分野です。

ただし、機材がなければ実験はできませんので、その大学が保有してない設備を用いる実験は、出来ません。

いっぽう、理論系の研究は、外部の人にとっては分かりづらい研究になりがちです。そのため、就活の際、アピールしづらいというデメリットがあります。

また、レベルの低い学生では、理論系では、まともなことは何もできないまま終わりますので、もし学力に不安がある学生なら、なるべく実験系をするのがオススメです。


大学院への進学について

大学院に進学をする事により、2年間近く、確実に研究を進められるというメリットがあります。 このため、もし実験系の研究室なら、ほぼ確実に実験データを積み重ねるなどの成果を獲得できます。

なお、就職後に会社に籍を残したまま大学院へ進学する、という人が少数ながら存在するため、「大手企業なら、もし学力が高ければ、大学や大学院に進学させてもらえる。しかも奨学金として学費を出してくれる」などという噂が流れることもあるようですが、現実にはかなり困難です。社内で指折りの幹部候補生に対してそのような待遇をすることはありうるでしょうが、果たしてあなたは、大手企業の社内で指折りの幹部候補生になれるのでしょうか。


また、デマ的な噂で、「大学院に進学すると、就活が不利になる」などと噂もあります。

しばしば、保護者が、文科系の場合や博士課程と混同して、理系の大学院(修士課程)の進学に反対する場合があります。そのような場合、保護者の誤解を解いてください。

文科系の場合、あまり大学院進学が評価されないという風潮もありますが、しかし理系の場合、現状では、そういう事はありません。

また、文科系の博士課程の場合だと、卒業時の年齢の高さ(30歳近く)等の理由により、一部業種では敬遠される可能性があります。しかし、理系の修士課程では、そういう事はありません。


企業では、たとえ製造業などの技術系の企業でも、大卒として入社した社員であっても、なぜか高卒と同じ仕事を何年間もさせられる事が多くあります。

なので研究職につきたい人は、なるべく大学院で研究の経歴と実績を積んで、研究者のタマゴとしての経歴を積んだほうが、研究者としての就職には有利です。


出席を重視する学科も多い

理学部の数学科では、伝統的に、なるべく「出席点」を取らない方針が多いと言われています。「出席点」というのは、授業に出席していると、そのぶん、定期テストの成績に加味されて得点が上がるというものです。 数学科では「勉強というのは、図書館などで自分で調べて頭を使って自分で考えるものだから」という発想らしく、また「意欲の低い学生に出席されて、授業中に私語をされると、数学的思考のさいの邪魔であるので、出席点を取らない。」という発想らしいです。なるべく自分で調べて勉強する態度を身につけて欲しいようです。そのように自分で勉強しないと、数学のプロとしての能力は身につかないと考えているようです。

ですが、この数学科のような方針は、例外です。他の多くの学科では、出席を重視しています。むしろ出席してない時点で、「何も勉強していない」と決めつける学科のほうが多いのです。数学科の常識は、他の学部・学科での非常識なのです。


出席を重視する学科で、実際に授業の前後などに出席を取ることは無いのが通常ですが、ときどき授業中に小テストなどを行い、そのテストの結果を定期テストの結果に加味する場合も多くあります。小テストが抜き打ちの場合も多くあります。つまり、小テストが、事実上の出席点なワケです。


べつに工学部や農学部などの実務系の学部だけで、事実上の出席点があるのでは、ありません。 理学部などでも、物理学科や化学科など、数学科以外では、出席点を取ることは多くあります。

このように、出席点は、べつに実験などの科目だけではありません。理論系の科目でも、出席点を取る場合があります。


日本国の世間の多くの人は、数学科のように、自分で勉強するという学風なんて、知りません。世間の多くの人は、「勉強とは、学校で教員から習わないと身につかない」と考えています。卒業後の就職先であろう民間企業でも、従業員は世間の多くの人たちです。学校教員なども、世間の多くの人たちです。

教育行政は文部大臣など、国会の政権与党の国会議員などによって管理されます。(選挙で国会議員を選ぶ)有権者も、世間の多くの人たちに過ぎません。

出席点を取る講義を擁護すると、教科書では教えきれないこともあります。たとえば教科書では著作権などの理由により、掲載できない映像などもあります。また、講義の授業であっても、教員が、ちょっとした実験(もちろん、一般教室でも安全に行えるような実験)を見せる場合もあります。これは、高校までも、同様にあったことでしょう。教員の個人的な研究ノウハウなども、教科書だけでは教えきれません。


部活に打ち込めるだけの時間がない

理系の大学では、部活やサークル・同好会の活動にも、あまり本格的には打ち込めません。たとえば工学部などにあるロボット技術同好会とか自動車技術同好会などのような専門分野に関係しそうな部活ですら、部活動の時間の余裕が少なく、たとえば、その分野の全国コンテストなどの競技会に各大学が参加しても、学期末などのテスト期間前になるとコンテストに出席する大学生が減るとかいう現象が起きているのです。

なぜなら学生は定期テスト対策に多くの時間をかけないと、留年してしまうような進級基準が組まれているからです。大学側は、べつに部活動を進級基準には組み込んでくれません。なので、学科の専門分野に近いサークルですら、サークル活動の時間が、なかなか取れないのです。

かといって部活動を進級基準に含めたら、それはそれで、不勉強の抜け穴として部活動が悪用されかねないので、やや仕方のない面もあります。

例では、工学部を例にあげましたが、べつに工学部だけではありません。理系のすべての学部で、似たように、部活動の時間がありません。

専門分野に近い活動内容の部活・サークルですら、なかなか時間が取れないのですから、ましてやスポーツや芸術関係の部活・サークルなんて、ほとんど時間が取れません。

定期テストの過去問を入手するために部活・サークルなどに入部するのは有効です。しかし、けっして部活動などに熱心に打ち込まないのが日本国の理系大学での教育の現状です。


就活

大手メーカーでは、理工学部の学部卒の何割かは、現場の工員に配属

例として製造業に就職する場合、理系の私立大学の卒業生は普通、実は大手企業〜中堅企業では、「現場工員」 & 「設計 見習い」として採用されます。

募集時は「設備設計」「生産技術者」とかの肩書ですが、実態が工員だったりします。「設備設計」と聞くと、てっきり「設計」の文字があるので、てっきり大学レベルの工学知識を活用する仕事のように思えますが、本当にその場合もありますが、多くの場合、設備設計の実態は工員です。高卒の現場社員でも、ベテランの工員なら図面を書けますし、英語を読める人も多くいます。単に、図面も書けて、英語も読める、便利屋の工員です。

このように、募集条件で提示した内容が、実態とは違う場合もあります。

なので、募集条件で明示された職種を、あまり鵜呑みにしないほうが良いでしょう。

募集条件にある職種はおおまかに、せいぜい「文系職か? 理系職か?」を確認するぐらいの確認の認識でいるのが、企業にダマサレなくて良いでしょう。


たとえ募集要項に「化学職」「物理職」などと書いてあっても、とりあえず、就職後は長らく製造工員をするのが、一般的です。

昨今の不況や、半導体産業の停滞などハイテク産業の停滞により、現在、ほとんどの企業では、理科的な意味での白衣を着るような「研究」職は減っています。

企業の「研究」のほとんどは、青い作業着を着て、スパナなどの工具などを用いて、新製品の開発のためのプロセスの製造を作業したりする、製品開発のような研究です。


もし自分が「化学職」として募集されたなら、企業側からの扱いはせいぜい、「化学にも詳しい、機械設計みならいエンジニア & 現場作業員」です。


就職時に、エントリーシートなど応募用紙に志望職種を書く欄があって、大卒の場合は「設計・研究」を志望職種にするのが一般的ですが、そうエントリーシートに志望職種を「設計研究」と書いても採用されますが、しかし就職後の配属先は、しばらくは現場の工員の場合が、多くあります。


もしかしたら高度成長や平成バブルの頃の昔なら、大卒新人の仕事と高卒新人の仕事とが違ってた場合もあるのでしょうが、しかし平成不況の現在、そのような優遇はありません。


学校側の認識が、古い高度成長〜バブルのころの時代のままの場合もしばしばあるので、学生は自身の就活事情をアップデートしておいてください。


学部卒の就職活動では、研究テーマの詳細を評価されないのが一般

理系の大学院生卒の就活の場合は、少しは研究テーマを面接で聞いてくる場合もありますが、しかし学部卒では、まず学生の研究テーマの研究レベルを企業は調べません。学部卒にも研究テーマについて面接中に聞いてくる場合もあったり、企業の用意するエントリーシート(インターネットでの応募用紙みたいなもの)の記入欄に、研究テーマとその概要について記入する欄があったりしますが、単に聞くだけです。だいたい、就活開始の時期である学部3年後半〜4年前半には、まだ卒業研究がほとんど始まっていませんので、企業側も深く調べようがありません。インターネットでは、「大手企業の技術職志望なら、研究レベルを調べるはず」とかデマが出回る場合がありますが、もちろんデマだと思ったほうが良いです。

(なので、学部生の3年生が卒業研究の研究室を決める時は、志望業種に近い研究室を選ぶのが安全です。せいぜい、その程度しか、企業には卒業研究を評価されないのです。)