「線型代数学/行列と行列式/第三類/直線・平面」の版間の差分

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
363 行 363 行
<math>3z=3+4-x-2y + 3(2x+y-2)</math><br />
<math>3z=3+4-x-2y + 3(2x+y-2)</math><br />
<math>\therefore 5x+y-3z = -1</math>
<math>\therefore 5x+y-3z = -1</math>

次に <math>\pi</math> に垂直なベクトル(法線ベクトルという)を用いて,関係式を求めている.

<math>\pi</math> に垂直なベクトル <math>\vec{h}</math> は <math>\vec{u}, \vec{v}</math> のそれぞれに垂直だから,
<math>\vec{h}</math> は <math\vec{u} \times \vec{v}</math> に平行である.だから,

<math>\vec{h} = \vec{u} \times \vec{v} =
\left(
\begin{array}{c}
1\\
-2\\
1
\end{array}
\right)
\times
\left(
\begin{array}{c}
2\\
-1\\
3
\end{array}
\right)
=
\left(
\begin{array}{c}
-5\\
-1\\
3
\end{array}
\right)
</math>
とおくことができる.







2019年3月27日 (水) 12:00時点における版

まず,ベクトルによって平面上の直線を表す方法を確認する.


定義3 直線の方程式(パラメータ表示)

平面上の点 を通り, に平行な直線を とする. この 上の点を とし, とする. すると を満たす実数 があって,

と表される.

これを直線 ベクトル方程式という.


は媒介変数,または パラメータ と呼ばれる.

これは平面上の直線を表しているが,空間内の直線を表す場合でも同じ要領であらわすことができる. 上で「平面上の」を「空間内の」に読み替えれば済むからである.


演習2.

座標平面上の点 を通り, に平行な直線 を、 の形で表せ.


解答例1

上の点 について,ある実数 があって,

の座標を とすれば, . これから t を消去する. を考えると が消えることが容易に予想されるので,このまま を計算すると,

すなわち

(解答終わり)


解答例2

パラメータ を用いない方法を示す. 問題の直線 に平行であったが,これに垂直なベクトル (成分を逆さにして片方にマイナスをつけた.すると [1].) を用いれば次のように表現できる.

を通り に垂直だから,この 上に をとり, とすると, 上にある.

…①

の座標を とすれば, なので,①より

となり,同じ直線の式が得られた.

①のように、平面上の直線をベクトルで表す方法にはパラメータを用いない方法もある.


定義4 直線の方程式(

平面上の点 を通り, に垂直な直線を とする. この 上に点 をとり, とすると,

を満たす. の座標を として成分を計算すると.

の形をしている.

次に,問題を解きながら空間内の平面の表し方を解説してゆく.


演習3.

座標空間の点 を通り, に平行な平面を とする. 上の点 について, をパラメータ を用いて表せ. また, の座標を をするとき, が満たす等式を求めよ.


解答


とおく. に含まれるベクトルだから,ある実数 を用いて と表すことができる[2]

すなわち として

これらからパラメータ を消去する.





これを に代入して


次に に垂直なベクトル(法線ベクトルという)を用いて,関係式を求めている.

に垂直なベクトル のそれぞれに垂直だから, は <math\vec{u} \times \vec{v}</math> に平行である.だから,

とおくことができる.



  1. ^ ベクトル に対してベクトル を, とすると . あるいは としても で同様となる.
  2. ^ ただし が線形独立である必要がある.ここでは の向きは平行ではなく,これを満たす