「高等学校数学I/2次関数」の版間の差分
M すじにくシチュー がページ「高等学校数学I/二次関数」を「高等学校数学I/2次関数」に移動しました: 検定教科書では「二次」ではなく「2次」 |
編集の要約なし |
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1 行 | 1 行 | ||
⚫ | |||
二次関数で学習することは以下のようなことである。 |
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一般に、<math>y</math>が<math>x </math>の関数である場合に、 <math>f</math> や <math> g </math> などの文字を用いて、 |
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; 二次関数とそのグラフ : 二次関数で表されるグラフを書くことができるようにする。 |
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:<math> y=f(x) </math> |
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; 二次関数の値の変化 : 二次関数のグラフなどを用いて、二次関数の最大・最小を求めることや、二次不等式を解くことができるようにする。 |
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と書き表す。 |
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また、x の関数 y=f(x) のことを単に f(x) と省略して言う場合もよくある。 |
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関数 y=f(x) において、変数xの値をaにした場合の関数の値を f(a) で表す。 |
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つまり、関数f(x) の x=a の場合でのyの値が f(a) である。 |
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== 2次関数 == |
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=== 定義 === |
=== 定義 === |
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{| style="border:2px solid aqua;width:80%" cellspacing=0 |
{| style="border:2px solid aqua;width:80%" cellspacing=0 |
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|style="background:aqua"|''' |
|style="background:aqua"|'''2次関数の定義''' |
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|- |
|- |
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|style="padding:5px"| |
|style="padding:5px"| |
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14 行 | 22 行 | ||
: <math>y=ax^2+bx+c</math> |
: <math>y=ax^2+bx+c</math> |
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と表す事ができる関数の事を変数<math>x</math> に関する''' |
と表す事ができる関数の事を変数<math>x</math> に関する'''2次関数'''という。 |
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|} |
|} |
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20 行 | 28 行 | ||
==== 具体例 ==== |
==== 具体例 ==== |
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以下の関数はいずれも |
以下の関数はいずれも2次関数である。 |
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* <math>y=3x^2+4x+1</math> (<math>a=3</math>、<math>b=4</math>、<math>c=1</math>の場合に相当)<!--オーソドックスな例--> |
* <math>y=3x^2+4x+1</math> (<math>a=3</math>、<math>b=4</math>、<math>c=1</math>の場合に相当)<!--オーソドックスな例--> |
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26 行 | 34 行 | ||
* <math>y=-x^2</math> (<math>a=-1</math>、<math>b=0</math>、<math>c=0</math>の場合に相当)<!--1次と0次が両方0の例--> |
* <math>y=-x^2</math> (<math>a=-1</math>、<math>b=0</math>、<math>c=0</math>の場合に相当)<!--1次と0次が両方0の例--> |
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一方以下の関数は |
一方以下の関数は2次関数では'''ない''' |
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* <math>y=4x+1</math> |
* <math>y=4x+1</math> |
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35 行 | 43 行 | ||
と表記することもできる。しかし、これを二次関数とは呼ばないほうが自然であろう。 |
と表記することもできる。しかし、これを二次関数とは呼ばないほうが自然であろう。 |
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そのために、 |
そのために、2次関数の定義において'''<math>a\neq 0</math>でなければならない'''というルールを設けたのである。 |
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== 一般形と標準形 == |
== 一般形と標準形 == |
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45 行 | 53 行 | ||
: <math>y=ax^2+bx+c</math> |
: <math>y=ax^2+bx+c</math> |
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という形の式 (<math>a\neq 0</math>) を''' |
という形の式 (<math>a\neq 0</math>) を'''2次関数の一般形'''といい、 |
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: <math>y=a(x-p)^2+q</math> |
: <math>y=a(x-p)^2+q</math> |
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57 行 | 65 行 | ||
|style="padding:5px"| |
|style="padding:5px"| |
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;定理 |
;定理 |
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:一般形の |
:一般形の2次関数は必ず標準形でも表記する事ができ、逆に標準形の2次関数は必ず一般形でもを表記可能である。 |
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|} |
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一般形で表記されている |
一般形で表記されている2次関数を標準形で表記する事を'''平方完成'''という。 |
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後述するように、標準形は |
後述するように、標準形は2次関数をグラフで表す際に用いる。 |
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=====証明===== |
===== 証明 ===== |
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標準形 |
標準形 |
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83 行 | 90 行 | ||
: <math>y=ax^2+bx+c</math> |
: <math>y=ax^2+bx+c</math> |
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で表記されている |
で表記されている2次関数は以下の手順で標準形に変換できる(この変形手法を'''平方完成'''という)。 |
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:<math>y=ax^2+bx+c</math> |
:<math>y=ax^2+bx+c</math> |
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101 行 | 108 行 | ||
となり標準形で表されたことになる。 |
となり標準形で表されたことになる。 |
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====例題==== |
==== 例題 ==== |
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;例題 |
;例題 |
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:次の |
:次の2次関数が一般形ならば標準形に、標準形ならば一般形にせよ。 |
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:#<math>y=2(x+4)^2+4</math> |
:#<math>y=2(x+4)^2+4</math> |
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:#<math>y=4x^2+12x+9</math> |
:#<math>y=4x^2+12x+9</math> |
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113 行 | 120 行 | ||
:#<math>y=\left(x+\frac{5}{2}\right)^2-\frac{25}{4}</math> |
:#<math>y=\left(x+\frac{5}{2}\right)^2-\frac{25}{4}</math> |
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== |
== 2次関数のグラフ == |
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本節では |
本節では2次関数 <math>y=ax^2+bx+c</math> のグラフの求め方を述べる。 |
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=== <math>y=ax^2</math>のグラフ === |
=== <math>y=ax^2</math>のグラフ === |
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126 行 | 133 行 | ||
<math>a>0</math> のとき二次関数 <math>y</math> は'''下に凸'''といい、<math>a<0</math> のとき'''上に凸'''という。また、二次関数のグラフを'''放物線'''という。 |
<math>a>0</math> のとき二次関数 <math>y</math> は'''下に凸'''といい、<math>a<0</math> のとき'''上に凸'''という。また、二次関数のグラフを'''放物線'''という。 |
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=== 一般の |
=== 一般の2次関数のグラフ === |
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一般の |
一般の2次関数をグラフで表現してみよう。 前述のように2次関数は平方完成の手順を踏む事により必ず標準形で表記可能なので、2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>を標準形 |
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:<math> |
:<math> |
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y=a(x-p)^2+q |
y=a(x-p)^2+q |
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147 行 | 154 行 | ||
|} |
|} |
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====例題==== |
==== 例題 ==== |
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;例題 |
;例題 |
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: |
:2次関数 <math>y=\frac{1}{2}x^2+3x+\frac{1}{2}</math> のグラフをかけ。 |
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;解 |
;解 |
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160 行 | 167 行 | ||
;例題 |
;例題 |
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: |
:2次関数 <math>y=4x^2+20x+4</math> のグラフは <math>y=4x^2</math> のグラフをどのように平行移動させたものか。 |
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;解 |
;解 |
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170 行 | 177 行 | ||
=== |
=== 2次関数のグラフと二次方程式 === |
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2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸に共有点があるとき、その共有点の<math>y</math>座標は0であるから、共有点の<math>x</math>座標は、二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>の実数解である。 |
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<br> |
<br> |
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*問題例 |
* 問題例 |
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**問題 |
** 問題 |
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次の |
次の2次関数のグラフと<math>x</math>軸の共有点の座標を求めよ。<br> |
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(i) |
(i) |
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:<math>y=x^2-2x-1</math> |
:<math>y=x^2-2x-1</math> |
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182 行 | 189 行 | ||
:<math>y=-4x^2-4x-1</math> |
:<math>y=-4x^2-4x-1</math> |
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**解答 |
** 解答 |
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(i) |
(i) 2次方程式<math>x^2-2x-1=0</math>を解くと |
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:<math>x = \frac {-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 4 \times 1 \times (-1)}}{2 \times 1} = \frac {2 \pm \sqrt{8}}{2} = \frac {2 \pm 2 \sqrt{2}}{2} = 1 \pm \sqrt{2}</math> |
:<math>x = \frac {-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 4 \times 1 \times (-1)}}{2 \times 1} = \frac {2 \pm \sqrt{8}}{2} = \frac {2 \pm 2 \sqrt{2}}{2} = 1 \pm \sqrt{2}</math> |
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よって、共有点の座標は |
よって、共有点の座標は |
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189 行 | 196 行 | ||
\left(1+ \sqrt{2}\ ,\ 0 \right)\ ,\ \left(1- \sqrt{2}\ ,\ 0 \right) |
\left(1+ \sqrt{2}\ ,\ 0 \right)\ ,\ \left(1- \sqrt{2}\ ,\ 0 \right) |
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</math> |
</math> |
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(ii) |
(ii) 2次方程式<math>-4x^2-4x-1=0</math>を解くと |
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:<math>4x^2+4x+1=0</math> |
:<math>4x^2+4x+1=0</math> |
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:<math>(2x+1)^2=0</math> |
:<math>(2x+1)^2=0</math> |
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199 行 | 206 行 | ||
(ii)のグラフはただ1点<math>\left(- \frac {1}{2}\ ,\ 0 \right)</math>で共有し、共有点の<math>x</math>座標は二次方程式<math>-4x^2-4x-1=0</math>の重解である。このようなとき、 |
(ii)のグラフはただ1点<math>\left(- \frac {1}{2}\ ,\ 0 \right)</math>で共有し、共有点の<math>x</math>座標は二次方程式<math>-4x^2-4x-1=0</math>の重解である。このようなとき、2次関数のグラフは<math>x</math>軸に'''接する'''といい、その共有点を'''接点'''という。 |
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2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸との共有点の<math>x</math>座標は、二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>の実数解で、実数解の個数は<math>D=b^2-4ac</math>の符号によって決まる。 |
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{| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |
{| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |
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|style="background:pink"|''' |
|style="background:pink"|'''2次関数のグラフと<math>x</math>軸の位置関係''' |
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|- |
|- |
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|style="padding:5px"| |
|style="padding:5px"| |
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2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸の位置関係について、<math>D=b^2-4ac</math>とするとき |
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*<math>D>0 \Leftrightarrow </math> 異なる2点で交わる |
* <math>D>0 \Leftrightarrow </math> 異なる2点で交わる |
||
*<math>D=0 \Leftrightarrow </math> 1点で接する |
* <math>D=0 \Leftrightarrow </math> 1点で接する |
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*<math>D<0 \Leftrightarrow </math> 共有点をもたない |
* <math>D<0 \Leftrightarrow </math> 共有点をもたない |
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|} |
|} |
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====例題==== |
==== 例題 ==== |
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**問題 |
** 問題 |
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次の |
次の2次関数のグラフと<math>x</math>軸との共有点の個数を求めよ。 |
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(I) |
(I) |
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235 行 | 242 行 | ||
**解答 |
** 解答 |
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(I) |
(I) |
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254 行 | 261 行 | ||
== |
== 2次関数の値の変化 == |
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=== |
=== 2次関数の最大・最小 === |
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[[Image:Qfunction.png|thumb|right|250px|図1 (y=x<sup>2</sup>のグラフ)]] |
[[Image:Qfunction.png|thumb|right|250px|図1 (y=x<sup>2</sup>のグラフ)]] |
||
定義域が実数全体である |
定義域が実数全体である2次関数<math>y</math> の最大値・最小値を考えてみよう。またそのときの<math>x</math> の値を考えてみよう。 |
||
もう一度、図1を右に挙げてみた。これは<math>y=x^2</math>のグラフであったが、すべての<math>x</math> で<math>y\geq 0</math> となっていることがわかる。また、<math>y=0</math> となるのは<math>x=0</math> のときのみである。したがって次の定理が成り立つ。 |
もう一度、図1を右に挙げてみた。これは<math>y=x^2</math>のグラフであったが、すべての<math>x</math> で<math>y\geq 0</math> となっていることがわかる。また、<math>y=0</math> となるのは<math>x=0</math> のときのみである。したがって次の定理が成り立つ。 |
||
266 行 | 273 行 | ||
ゆえに、関数<math>y=x^2</math>は<math>x=0</math>のとき最小値0をとり、最大値は存在しない。 |
ゆえに、関数<math>y=x^2</math>は<math>x=0</math>のとき最小値0をとり、最大値は存在しない。 |
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これがさらに一般の |
これがさらに一般の2次関数の場合にはどうなるか、また、定義域を数直線の一部の区間に限定した場合にはどうなるか、次の例題を解きながら考えてみよう。 |
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====例題==== |
==== 例題 ==== |
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;例題 |
;例題 |
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: |
:2次関数<math>y=x^2+5x+5</math>の<math>-3\leq x \leq 0</math> の範囲での最大値・最小値を求めよ。 |
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;解 |
;解 |
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[[画像:高等学校数学I 二次関数y=x^2(plus)5x(plus)5.png|right|frame|図2]] |
[[画像:高等学校数学I 二次関数y=x^2(plus)5x(plus)5.png|right|frame|図2]] |
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281 行 | 288 行 | ||
;例題 |
;例題 |
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: |
:2次関数<math>y=-\frac{1}{2}x^2+x+\frac{3}{2}</math> の<math>0\leq x < 3</math> の範囲での最大値・最小値を求めよ。 |
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;解 |
;解 |
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[[画像:高等学校数学I 二次関数の最大最小例題2.png|frame|right|図3]] |
[[画像:高等学校数学I 二次関数の最大最小例題2.png|frame|right|図3]] |
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298 行 | 305 行 | ||
:二次不等式 <math>x^2+4x>0</math> を解け。 |
:二次不等式 <math>x^2+4x>0</math> を解け。 |
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2次関数 <math>y=x^2+4x=x(x+4)</math> のグラフは右図のようになる。 |
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<math>x^2+4x>0</math> となる<math>x</math> の値の範囲は右のグラフの<math>x</math> 軸より上側にある部分に対する<math>x</math> の値の範囲であるから、 |
<math>x^2+4x>0</math> となる<math>x</math> の値の範囲は右のグラフの<math>x</math> 軸より上側にある部分に対する<math>x</math> の値の範囲であるから、 |
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306 行 | 313 行 | ||
この問題をより一般化してみよう。 |
この問題をより一般化してみよう。 |
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2次不等式<math>ax^2+bx+c>0</math> を解くには<math>y=ax^2+bx+c</math> のグラフをかけば一目瞭然である。しかし、グラフをかいた場合にも我々が注目するのは<math>x</math> 軸より上か下かということと、<math>x</math> 軸との共有点である。<math>x</math> 軸との共有点は二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math> の解であるが、二次方程式の解の公式を思い出してほしい。それは次のようなものであった。 |
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:二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>が解を持つとき、その解<math>x</math> は、 |
:二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>が解を持つとき、その解<math>x</math> は、 |
||
::<math>x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}</math> |
::<math>x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}</math> |
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322 行 | 329 行 | ||
となる。 |
となる。 |
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==== |
==== 2次関数のグラフが<math>x</math>軸と異なる2点で交わる場合 ==== |
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*'''例題''' |
*'''例題''' |
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**問題 |
** 問題 |
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次の二次不等式を解け。<br> |
次の二次不等式を解け。<br> |
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(i) |
(i) |
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332 行 | 339 行 | ||
:<math>2x^2+6x+1 \ge 0</math> |
:<math>2x^2+6x+1 \ge 0</math> |
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**解答 |
** 解答 |
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(i) 二次方程式<math>12x^2+17x-7=0</math>を解くと |
(i) 二次方程式<math>12x^2+17x-7=0</math>を解くと |
||
:<math>(4x+7)(3x-1)=0</math> |
:<math>(4x+7)(3x-1)=0</math> |
||
345 行 | 352 行 | ||
:<math>\frac {-3- \sqrt{7}}{2} \le x\ ,\ x \le \frac {-3+ \sqrt{7}}{2}</math> |
:<math>\frac {-3- \sqrt{7}}{2} \le x\ ,\ x \le \frac {-3+ \sqrt{7}}{2}</math> |
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==== |
==== 2次関数のグラフが<math>x</math>軸と接する場合 ==== |
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<math>y=x^2-6x+9</math>の値の符号について考えよう。<br> |
<math>y=x^2-6x+9</math>の値の符号について考えよう。<br> |
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平方完成をすると |
平方完成をすると |
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362 行 | 369 行 | ||
:<math>x^2-6x+9 \le 0</math>の解は <math>x=3</math> |
:<math>x^2-6x+9 \le 0</math>の解は <math>x=3</math> |
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====例題==== |
==== 例題 ==== |
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**問題 |
** 問題 |
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次の二次不等式を解け。<br> |
次の二次不等式を解け。<br> |
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(i) |
(i) |
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375 行 | 382 行 | ||
:<math>x^2-10x+25 \ge 0</math> |
:<math>x^2-10x+25 \ge 0</math> |
||
**解答 |
** 解答 |
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(i) |
(i) |
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:<math>x^2+2x+1>0</math> |
:<math>x^2+2x+1>0</math> |
||
393 行 | 400 行 | ||
よって、すべての実数 |
よって、すべての実数 |
||
==== |
==== 2次関数のグラフが<math>x</math>軸と共有点をもたない場合 ==== |
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2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸の位置関係について、<math>D=b^2-4ac<0</math>のとき、<math>x</math>軸と共有点をもたなかった。<br> |
|||
さらに<math>a>0</math>という条件を加えると、<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフは<math>x</math>軸より上側にある。 |
さらに<math>a>0</math>という条件を加えると、<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフは<math>x</math>軸より上側にある。 |
||
402 行 | 409 行 | ||
====例題==== |
==== 例題 ==== |
||
**問題 |
** 問題 |
||
次の二次不等式を解け。<br> |
次の二次不等式を解け。<br> |
||
(i) |
(i) |
||
413 行 | 420 行 | ||
:<math>-x^2+x-1 \ge 0</math> |
:<math>-x^2+x-1 \ge 0</math> |
||
**解答 |
** 解答 |
||
(i) |
(i) |
||
:<math>x^2+2x+3<0</math> |
:<math>x^2+2x+3<0</math> |
||
432 行 | 439 行 | ||
*問題例 |
* 問題例 |
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**問題 |
** 問題 |
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放物線 <math>y=x^2-4x+5</math> と次の直線の共有点の座標を求めよ。<br> |
放物線 <math>y=x^2-4x+5</math> と次の直線の共有点の座標を求めよ。<br> |
||
(i) |
(i) |
||
441 行 | 448 行 | ||
:<math>y=2x-4</math> |
:<math>y=2x-4</math> |
||
**解答 |
** 解答 |
||
(i) 求める共有点の座標は、連立方程式 |
(i) 求める共有点の座標は、連立方程式 |
||
:<math>\begin{cases} |
:<math>\begin{cases} |
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486 行 | 493 行 | ||
== 演習問題 == |
== 演習問題 == |
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*[[高等学校数学I 二次関数 演習A|演習問題A]] |
* [[高等学校数学I 二次関数 演習A|演習問題A]] |
||
*[[高等学校数学I 二次関数 演習B|演習問題B]] |
* [[高等学校数学I 二次関数 演習B|演習問題B]] |
2019年6月25日 (火) 17:35時点における版
関数
一般に、がの関数である場合に、 や などの文字を用いて、
と書き表す。
また、x の関数 y=f(x) のことを単に f(x) と省略して言う場合もよくある。
関数 y=f(x) において、変数xの値をaにした場合の関数の値を f(a) で表す。
つまり、関数f(x) の x=a の場合でのyの値が f(a) である。
2次関数
定義
2次関数の定義 |
定数 と、定数 , を用いて と表す事ができる関数の事を変数 に関する2次関数という。 |
具体例
以下の関数はいずれも2次関数である。
- (、、の場合に相当)
- (、、の場合に相当)
- (、、の場合に相当)
一方以下の関数は2次関数ではない
読者はこれを当然と思うかもしれないが、上の式は
と表記することもできる。しかし、これを二次関数とは呼ばないほうが自然であろう。 そのために、2次関数の定義においてでなければならないというルールを設けたのである。
一般形と標準形
本節では二次関数の一般形と標準形について学ぶ。この知識は後で二次関数をグラフで表す際に役立つ。
先ほど現れた
という形の式 () を2次関数の一般形といい、
という式を二次関数の標準形という。 (上で、、、、、は定数で、は変数であるものとする。)
一般形と標準形の関係 | ||||||||||||
一般形で表記されている2次関数を標準形で表記する事を平方完成という。 後述するように、標準形は2次関数をグラフで表す際に用いる。 証明標準形 で表記されている二次関数の右辺を展開すると、 となるので、 とすれば一般形になる。 逆に一般形 で表記されている2次関数は以下の手順で標準形に変換できる(この変形手法を平方完成という)。 ここで、 とおくと、 となり標準形で表されたことになる。 例題
2次関数のグラフ本節では2次関数 のグラフの求め方を述べる。 のグラフまずもっとも簡単なのグラフは のとき図1のようになる。(図ではの場合を表記)。また、 のときは図1 のグラフを上下さかさまにしたものになる。 後述するように一般の のグラフはのグラフを上下左右にずらしたものになる。 のとき二次関数 は下に凸といい、 のとき上に凸という。また、二次関数のグラフを放物線という。 一般の2次関数のグラフ一般の2次関数をグラフで表現してみよう。 前述のように2次関数は平方完成の手順を踏む事により必ず標準形で表記可能なので、2次関数を標準形 に変換する。ここで、 この標準形のグラフは のグラフを 軸方向に , 軸方向に 平行移動させたものと考えることができる。よって以下の事実が結論付けられる。
例題
2次関数のグラフと二次方程式2次関数のグラフと軸に共有点があるとき、その共有点の座標は0であるから、共有点の座標は、二次方程式の実数解である。
次の2次関数のグラフと軸の共有点の座標を求めよ。 (ii)
(i) 2次方程式を解くと よって、共有点の座標は (ii) 2次方程式を解くと よって、共有点の座標は
例題
次の2次関数のグラフと軸との共有点の個数を求めよ。 (I) (II) (III)
(I) だから、軸との共有点はなし。 だから、軸との共有点は2個。 だから、軸との共有点は1個。
2次関数の値の変化2次関数の最大・最小定義域が実数全体である2次関数 の最大値・最小値を考えてみよう。またそのときの の値を考えてみよう。 もう一度、図1を右に挙げてみた。これはのグラフであったが、すべての で となっていることがわかる。また、 となるのは のときのみである。したがって次の定理が成り立つ。
ゆえに、関数はのとき最小値0をとり、最大値は存在しない。 これがさらに一般の2次関数の場合にはどうなるか、また、定義域を数直線の一部の区間に限定した場合にはどうなるか、次の例題を解きながら考えてみよう。 例題
と標準形にし、グラフを書くと右図のようになる。 したがってグラフより答えは最大値は のとき, 最小値は のとき。
上の例題と同様の問題のように思えるが、定義域が ではなく、 となっている。とりあえずグラフをかいてみることにする。
グラフから、最大値は のとき, 最小値は存在しない。 二次不等式二次不等式とは、 の二次式と不等号で表される式のことをいい、
のような形をしている。グラフを利用して二次不等式の解を考えてみよう。
2次関数 のグラフは右図のようになる。 となる の値の範囲は右のグラフの 軸より上側にある部分に対する の値の範囲であるから、
この問題をより一般化してみよう。 2次不等式 を解くには のグラフをかけば一目瞭然である。しかし、グラフをかいた場合にも我々が注目するのは 軸より上か下かということと、 軸との共有点である。 軸との共有点は二次方程式 の解であるが、二次方程式の解の公式を思い出してほしい。それは次のようなものであった。
これを用いると、二次方程式が解を持つとき、 と因数分解形で表すことができる。(右辺を展開して左辺と一致することを確かめてみよ。) ここで、 とおくと、 となる。 のとき のグラフは下に凸であるからこの不等式の解は、 となる。 のときは両辺を で割ってから考えると、 となる。 2次関数のグラフが軸と異なる2点で交わる場合
次の二次不等式を解け。 (ii)
(i) 二次方程式を解くと よって、この二次不等式の解は
よって、この二次不等式の解は 2次関数のグラフが軸と接する場合の値の符号について考えよう。 この関数のグラフは、軸と点で接する。 よって
例題
次の二次不等式を解け。 (ii) (iii) (iv)
(i) よって、-1以外のすべての実数 よって、 よって、解はない よって、すべての実数 2次関数のグラフが軸と共有点をもたない場合2次関数のグラフと軸の位置関係について、のとき、軸と共有点をもたなかった。 のとき
例題
次の二次不等式を解け。 (ii) (iii)
(i) よって、解はない よって、すべての実数 よって、解はない (発展)放物線と直線放物線と直線の共有点について考えよう。
放物線 と次の直線の共有点の座標を求めよ。 (ii)
(i) 求める共有点の座標は、連立方程式 の実数の解である。 を に代入すると すなわち これを解いて のとき である。 の実数の解である。 を に代入すると すなわち これを解いて このとき である。
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