「高校化学 水銀とカドミウム」の版間の差分

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高等学校化学I/金属元素の単体と化合物 2009年5月9日 (土) 15:35(UTC) より分割。執筆者: Ninomy のみ
 
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=== カドミウム・水銀 ===
== カドミウム ==
[[File:Hg Mercury.jpg|right|200px|水銀]]
'''カドミウム'''(Cd)は工業的に重要な金属元素である。ニッケルとともにニッケル-カドミウム電池として用いられたり、黄色の化合物を作ることから黄色絵の具の顔料としても用いられる。
'''カドミウム'''(Cd)は工業的に重要な金属元素である。ニッケルとともにニッケル-カドミウム電池として用いられたり、黄色の化合物を作ることから黄色絵の具の顔料としても用いられる。


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: Cd{{sup|2+}} + S{{sup|2-}} → CdS↓
: Cd{{sup|2+}} + S{{sup|2-}} → CdS↓


== 水銀 ==
'''水銀'''(Hg)は常温常圧下で唯一液体として存在する金属である。水銀イオン硫化物イオンして黒色沈殿生じる
水銀は12族の元素である。なお、亜鉛も12族の元素でもある。

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'''水銀'''(Hg)は常温常圧下で唯一液体として存在する金属である。水銀は他の金属と合金をつくりやすく、水銀合金'''アマルガム'''という


水銀イオンは硫化物イオンと結合して黒色の沈殿を生じる。
: Hg{{sup|2+}} + S{{sup|2-}} → HgS↓
: Hg{{sup|2+}} + S{{sup|2-}} → HgS↓


水銀の原料は、天然には辰砂(しんしゃ、主成分:HgS)などとして産出する。
カドミウムや水銀などの重金属類は、工業でよく用いられるが、しばしば公害を引き起こした。たとえば水銀の化合物は[[w:水俣病|水俣病]]の原因物質であり、カドミウムは[[w:イタイイタイ病|イタイイタイ病]]の原因物質である。

水銀は、蛍光灯にも用いられる(いわゆる「水銀灯」)。

また、水銀は密度が、他の液体と比べて高く、そのため水銀は圧力計にも用いられた。

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カドミウムや水銀などの重金属類は、工業でよく用いられるが、しばしば公害を引き起こした。たとえば水銀の化合物は水俣病の原因物質であり、カドミウムはイタイイタイ病の原因物質である。

2016年1月13日 (水) 03:59時点における版

金属元素 アルカリ金属元素 2族元素 典型金属 遷移金属

カドミウム

カドミウム(Cd)は工業的に重要な金属元素である。ニッケルとともにニッケル-カドミウム電池として用いられたり、黄色の化合物を作ることから黄色絵の具の顔料としても用いられる。

カドミウムイオンは硫化物イオンと結合して黄色の沈殿を生じる。

Cd2+ + S2- → CdS↓

水銀

水銀は12族の元素である。なお、亜鉛も12族の元素でもある。

水銀

水銀(Hg)は常温常圧下で唯一液体として存在する金属である。水銀は他の金属と合金をつくりやすく、水銀の合金をアマルガムという。


水銀イオンは硫化物イオンと結合して黒色の沈殿を生じる。

Hg2+ + S2- → HgS↓

水銀の原料は、天然には辰砂(しんしゃ、主成分:HgS)などとして産出する。

水銀は、蛍光灯にも用いられる(いわゆる「水銀灯」)。

また、水銀は密度が、他の液体と比べて高く、そのため水銀は圧力計にも用いられた。


カドミウムや水銀などの重金属類は、工業でよく用いられるが、しばしば公害を引き起こした。たとえば水銀の化合物は水俣病の原因物質であり、カドミウムはイタイイタイ病の原因物質である。