コンテンツにスキップ

解析学基礎/解析概論/第一類/数の概念

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

数の概念及び四則演算法は既知と仮定する[1]. 始めの中は実数のみを取り扱うから一々断らない. 次の用語は周知である.

自然数. 等.物の順位又は物の集合の個数を示す為に用いられる.

整数. 等.自然数は正の整数である.

有理数. 及び ,但し は自然数. なるとき,それは整数である.

無理数. 有理数以外の実数.例えば

(但し,それらが有理数でないことは証明を要する)

十進法.実数を十進法で表すことも周知である. 有理数を十進法で表せば,数字は有限か,又は無限ならば循環小数になる. 但し,有限位数の十進数を循環小数の形に表すことも出来る. 例えば . 無理数を十進法で表すならば,無限の位数を要し,数字は決して循環しない.

吾々が十進法によって数を表すに至ったのは,手指の数にその原因があるのであろうが,理論上は 以外の任意の自然数を基本として, 十進法と同様の方法によって,数を表すことが出来る.

特に二進法では,数は とだけで足る.有理数を二進数で表せば,分母が の巾[2]になるものの外は,循環二進数になる.

  1. ^ 付録1を参照
  2. ^ 巾は冪の仮字(和算の用例による).