中学校数学 3年生-図形/図形の性質

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この章では、より進んだ平面図形の性質を扱います。特に、ある図形が相似の関係を持つときに、図形の間に成り立つ性質について述べます。

目次

[編集] 相似

Japan sea map.png
Japan satellite.jpg

たとえば、地図を見てみましょう。地図は、実際の地形と全く同じ形になるように書かれています。しかし、地図は持ち歩いたり、調査などに使うため、本物よりも小さく書かれています。例えば縮尺が25000分の1となっているなら、本物の25000分の1の大きさで、全く同じ形に書いてあるということになります。 また、本などを縮小コピーしたり、拡大コピーしてみましょう。やはり、原稿と同じように印刷されますが、大きさは変わっているはずです。

では、もっと簡単な図形である三角形はどうでしょうか。全く同じ形でも大きさが違う三角形では、どういう共通な性質を持っているでしょうか。

SimilarTriangles.jpg

この2つの三角形は、全く同じ形をしていますが、大きさが違います。この2つの三角形を比べると、次のことが言えます。

  • ∠A = ∠D、 ∠B = ∠E、 ∠C = ∠F
  • AB:DE = BC:EF = CA:FD

ある2つの図形について、それらの図形の大きさだけが異なっていて、形は全く同じであるとき、この2つの図形は相似(そうじ)である、といいます。一般に数学で扱う場合は、

  • 対応する辺の比が全て等しい
  • 対応する角がそれぞれ等しい

という性質を持つ多角形を、相似であるといいます。 また、円は半径に関わらず常に同じ形をしているので、すべて相似な図形であるといえます。 また、2年生で学習した合同な図形は、必ず相似の関係も満たしています。ただし、相似な図形は常に合同であるということは成り立ちません。

問題

次の図形が互いに相似であるかどうか述べよ。

  1. 半径1の円と半径2の円
  2. 辺の長さが2,3,4の三角形と4,6,8の三角形
  3. 辺の長さが1,2,2の三角形と2,5,5の三角形
  4. 辺の長さが3,4,5の三角形と別の3,4,5の三角形
解答
  1. 円は半径に関わらず常に同じ形をしているので相似。
  2. それぞれの辺の比が1:2の関係を満たしているので、それぞれの図形は相似。
  3. それぞれの辺の比が等しくないので、これらの図形は相似ではない。
  4. 2つの三角形は3辺が同じ長さを持っていることから互いに合同となっている。

合同な図形は相似な図形でもあるので、この2つの図形は相似となる。

[編集] 三角形の相似条件

2年生では三角形が合同になる条件を考えました。ここでは三角形が相似になる条件を考えてみましょう。

それらの条件は、

3辺の長さの比が等しい。
2辺の長さの比が等しく、そのあいだの角の大きさが等しい。
2角の大きさが等しい。

となる。

  • 導出

先に、

2角の大きさが等しい。

の方を扱う。このとき、三角形の内角の和が180{}^\circであることを用いると、 2角の大きさが等しい三角形は全ての角の大きさが等しいことが分かる。 このとき、これらの三角形は互いに等しい形を持つので、確かに2つの三角形は 相似である。 次に、

2辺の長さの比が等しく、そのあいだの角の大きさが等しい。


[編集] 平行線と線分の比

次に、上で得た相似の考えを用いて、一定の比を持つ平行線と交わる線分の間の 比について述べる。このとき、次の結果を得る。

ある一定の比を持つ間隔で並んでいる平行線を考えるとき、それらに任意の角度で交わる直線が作る線分は上で得た平行線間の間隔の比と等しい長さの比を持つ。
  • 導出

平行線をそれぞれl,m,nと呼ぶ。 このとき、ある角度でl,m,nに交わる直線を取り、それらがl,m,nと交わる点を A,B,Cと呼ぶ。

ここで、Cからlに向かって下ろした垂線とlの交点をC'と呼び、 ここで、Bからlに向かって下ろした垂線とlの交点をB'と呼ぶ。 このとき、三角形ABB'とACC'は、互いに相似であることを示す。 実際、2つの三角形は直角三角形なので、どちらも90{}^\circの角を持っている。 更に、


\angle  BAB'= \angle CAC'

は同じ角であるので同じ大きさである。よって、2つの角の大きさが等しいので、 上の2つの三角形は相似である。このことから、


BB' :CC' = AB : AC

が成り立つがこれは求めたかったことに等しい。

[編集] 三角形と比

\triangle ABCの辺AB上に点Dをとり、DE\ //\ BCとなるように辺AC上に点Eをとる。

\triangle ABC\triangle ADEにおいて、

共通な角だから、\angle BAC = \angle DAE

DE\ //\ BCから、\angle ABC = \angle ADE

2組の角がそれぞれ等しいから、\triangle ABC\triangle ADEは相似である。

対応する辺の比が等しいから、AD:AB = AE:AC = DE:BC


上記に加えてさらに、DF\ //\ ACとなるように辺BC上に点Fをとる。

\triangle ADE\triangle DBFにおいて、

DE\ //\ BCから、\angle ADE = \angle DBF

DF\ //\ ACから、\angle DAE = \angle BDF

2組の角がそれぞれ等しいから、\triangle ADE\triangle DBFは相似である。

対応する辺の比が等しいから、AD:DB = AE:DF

また、四角形DFCEは2組の対辺がそれぞれ平行であるから平行四辺形である。

よって、DF=EC

AD:DB = AE:DFDF = ECから、AD:DB = AE:EC


今までのことをまとめると次のようになる。

三角形と比(1)

\triangle ABCの辺AB、AC上にそれぞれ点D、Eをとるとき、次のようなことが成り立つ。

  1.  DE\ //\ BC ならば AD:AB = AE:AC = DE:BC
  2.  DE\ //\ BC ならば AD:DB = AE:EC


この定理「三角形と比(1)」は逆も成り立つ。

1.の逆は「\triangle ABCの辺AB、AC上にそれぞれ点D、Eをとるとき、AD:AB = AE:AC ならば DE\ //\ BC」である。これを証明しよう。

\triangle ADE\triangle ABCにおいて、

仮定から、AD:AB = AE:AC

共通な角だから、\angle BAC = \angle DAE

2組の辺の比とその間の角が等しいから、\triangle ADE\triangle ABCは相似である。

対応する角は等しいから、\angle ADE = \angle ABC

同位角が等しいから、DE\ //\ BC


一方、2.の逆は「\triangle ABCの辺AB、AC上にそれぞれ点D、Eをとるとき、AD:DB = AE:EC ならば DE\ //\ BC」である。これの証明は以下のようにできる。

\triangle ADE\triangle ABCにおいて、AD:DB = AE:EC = a:bとする。

AD:AB = AD:(AD+DB) = a:(a+b)

AE:AC = AE:(AE+EC) = a:(a+b)

よってAD:AB = AE:AC

共通な角だから、\angle BAC = \angle DAE

2組の辺の比とその間の角が等しいから、\triangle ADE\triangle ABCは相似である。

対応する角は等しいから、\angle ADE = \angle ABC

同位角が等しいから、DE\ //\ BC


今までのことをまとめると次のようになる。

三角形と比(2)

\triangle ABCの辺AB、AC上にそれぞれ点D、Eをとるとき、次のようなことが成り立つ。

  1.  AD:AB = AE:AC ならば DE\ //\ BC
  2.  AD:DB = AE:EC ならば DE\ //\ BC

[編集] 中点連結定理

定理「三角形と比(2)」によると、「\triangle ABCの辺AB、AC上にそれぞれ点D、Eをとるとき、AD:DB = AE:EC ならば DE\ //\ BC」であった。

ここで、点D、Eをそれぞれ辺AB、ACの中点とすると、


AD:DB = 1:1

だから、DE\ //\ BCがいえる。

また、\triangle ADE\triangle ABCは相似であり、相似比は1:2となる。

DE:BC = 1:2であるから、2DE=BC

よって


DE = \frac{1}{2} BC


今までのことをまとめると次のようになる。

中点連結定理

\triangle ABCの辺AB、AC上にそれぞれ中点D、Eをとるとき、次のようなことが成り立つ。

DE\ //\ BC , DE = \frac{1}{2} BC

[編集] 相似の応用例

[編集] 相似な図形の面積の比と体積の比

[編集] 相似な平面図形の面積の比

\triangle A'B'C'\triangle ABCが相似であり、相似比がk:1のとき、\triangle A'B'C'の面積S'と\triangle ABCの面積Sの比を考える。

BC=a、BCに対する高さをhとすれば、B'C'=ka、B'C'に対する高さはkhとなるから


S = \frac{1}{2} ah

S' = \frac{1}{2} \times ka \times kh = k^2 \times \frac{1}{2} ah = k^2 S

したがって


S' : S = k^2 S : S = k^2 : 1

相似な三角形の面積の比は、相似比の2乗に等しい。


円Oと円O'が相似であり、相似比がm:nのとき、円Oの面積Sと円O'の面積S'の比を考える。

円Oの半径をmk、円O'の半径をnkとすると


S = \pi \times (mk)^2 = m^2 \times k^2 \pi

S' = \pi \times (nk)^2 = n^2 \times k^2 \pi

したがって


S : S' = (m^2 \times k^2 \pi) : (n^2 \times k^2 \pi) = m^2 : n^2

今までのことをまとめると、次のようになる。

相似な平面図形の面積の比

相似な平面図形の面積の比は、相似比の2乗に等しい。

相似比がm:nならば、面積の比はm^2 : n^2である。

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