理科総合B 地学分野

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

このページは高等学校理科総合Bのうち地学分野の内容をまとめたものである。


単元

  1. 地表の様子
  2. 大陸と海洋の姿
  3. プレートの動き
  4. 地球の形成
  5. 惑星の特徴
  6. 大気と熱収支
  7. 気象変化とその要因
  8. 日本の天気

地表の様子[編集]

地球の表面は、大気圏水圏岩石圏の3つに分けることができる。 このうち、大気圏と水圏を除いたものを、固体地球と言う。

さまざまな地形[編集]

  • 海底の地形
  • 陸上の地形
    • V字谷 - 河川の浸食により形成
    • U字谷 - 氷河の浸食により形成
    • 火山 - マントルが融解し、地上に噴出
    • 扇状地 - 山地と平地の間にれきや砂が堆積
    • 三角州 - 河口に砂や泥が堆積
    • 断層崖 - 地殻変動によって形成

このように、地形の変動には、地球内部のエネルギーや、太陽エネルギーが深く関わっていることがわかる。

大陸と海洋の姿[編集]

地球の高さ500m毎の面積を測ってみると、標高0mから500mの面積と-4500mから-5000mくらいの面積が目立って大きい。これらの高い地域が大陸地域、低いところが、海洋地域である。境界は、海岸線ではなく、水深1000mのところである。

大陸地域の姿[編集]

新しい山脈:アルプス山脈。険しい山々が続いている。
  • 安定大陸 - 先カンブリア時代から地殻変動が起こっていない。盾状地ともよばれる。
  • 台地 - 盾状地周辺の浅い海が上昇
  • 古い山脈(古期造山帯) - 古生代に形成された山脈
  • 新しい山脈(新期造山帯) - 中生代新生代に形成

海洋地域の姿[編集]

  • 海嶺 - 広がる境界
  • 深海底 - 水深4000~5000mの平らな地域
  • 海山 - 海底に形成された山
  • ギヨー - 山頂部が浸食され、平らになった海山。
  • 海溝 - 大陸地域と海洋地域の境にある深いくぼみ。

プレートの動き[編集]

地球の内部構造

地球の内部は、地殻、マントル、核の三つに分けられる。

  • 地殻 - 岩石でできている。
  • マントル - 地殻より重い岩石でできている。
  • 核 - ニッケルなどの金属で構成される。

プレートとアセノスフェア[編集]

地下70kmより先に、地震波の速さが遅くなる場所がある。ここを、低速度層という。 低速度層は、地下250kmまで続いている。低速度層と、深さ600kmくらいまでのマントル上部の柔らかい層を合わせてアセノスフェアという。低速度層の上のかたい層をリソスフェアといい、プレートにあたるとされている。地球表面はいくつかのプレートにわかれている。プレートは常に動いており、それらの境界ではプレート同士が押し合ったり、離れて拡大したり、すれ違ったりしている。

プレートが押し合っている境界では、プレートが沈み込んで海溝ができたり、大陸が衝突して山脈ができたりする。この考え方をプレートテクトニクスという。

地形と地質構造[編集]

  • 段丘 - 海岸や川岸の隆起によって形成される階段状の地形
  • リアス式海岸 - V字谷の沈降で形成される複雑な海岸線
  • 多島海 - 沈降で形成
  • 不整合 - 隆起し、地表で侵食などを受けた地層に、再び堆積が起こることで生じる地層の不連続
  • 褶曲 - 地層が圧縮によって歪んだもの
  • 断層 - 地層が圧縮によってずれた場所

島弧-海溝系の地形[編集]

プレートの分布

海洋プレートが沈み込むところでは、海溝ができ、火山活動も盛んで、島弧が発達する。この付近では、地震や、地殻の変動も盛んである。このようなところを島弧-海溝系といい、日本列島もこの1つである。 島弧-海溝系の火山は、海溝から100~300km以上離れている。火山分布の海溝側の限界線を火山前線といい、海溝とほぼ平行している。プレートの沈み込みによる強い圧力のため、隆起し、地底でマグマができて、大山脈ができる。南アメリカのアンデス山脈は、このように形成された。インド大陸も、プレートの動きによって、ユーラシア大陸と衝突、ヒマラヤ山脈ができた。ヒマラヤ山脈では、数千メートルの高地からアンモナイトなどの化石が発見される。インドは、現在もユーラシア大陸を押し続け、ヒマラヤ山脈は隆起を続けている。

ヒマラヤ山脈の最高峰エベレスト山(標高8848m)
  • 海嶺
    • 海嶺は、プレートが互いに、離れるところで形成される。マグマが上昇し、溶岩や熱水が噴出している。
  • 海山列
    • ハワイ諸島では、島がいくつも列になっていて、その先には、海山が列状に並んでいる。(天皇海山列)このような列を海山列という。ハワイ島の地下のアセノスフェアには、ホットスポットという高温な場所があり、そこから、リソスフェアをつきやぶって、マグマが噴出し、火山島が形成される。火山島はプレートに乗って移動するが、ホットスポットは移動しないので、やがて火山島はホットスポットから外れ、新たな火山島が形成される。このようにして火山島の列になる。火山島は浸食され、やがて、海山になる。

地球の形成[編集]

地球の形成[編集]

約46億年前、宇宙空間の中にある、星間ガスの濃いかたまりが、収縮し、原始太陽が形成された。原始太陽の周りには、星間物質が、原始太陽とともに回転している。これが、原始太陽系星雲である。この中の個体微粒子が微惑星とよばれる1~10kmを形成した。微惑星が、衝突や、合体を繰り返し、大きくなって、原始惑星が誕生した。原始地球もこのように誕生した。微惑星が衝突した地球では、温度が上昇し、水蒸気、二酸化炭素、窒素を主成分とした、原始大気が誕生した。大気が発生した地球の表面は、ますます高温になり、1500~4700℃にも達したため、岩石が溶け、マグマオーシャンが形成された。マグマオーシャン内では、重い物質と軽い物質が分かれ、ニッケルや鉄でできたマントルと岩石質のマントルができた。地球に衝突する微惑星の数が減って、表面が冷却して、地殻ができた。また、水蒸気が冷えて、雨になり、原始海洋が形成され、地表の温度も100~200℃程度に冷やされた。二酸化炭素は、原始海洋中に溶け込んだ。

生命の誕生[編集]

生命の誕生についてはわかっていない部分が多いが、ミラーの実験から、タンパク質などから生命が誕生したと考えられる。

惑星の特徴[編集]

惑星は、固体表面を持つ地球型惑星と、ガス状の表面を持つ木星型惑星に分けられる。これらは、惑星が誕生したときの原始太陽からの距離が関係していると考えられる。

地球型惑星の特徴[編集]

水星
  • 水星

半径2400kmの小さな惑星で、昼間は300~400℃、夜は、氷点下170℃である。水や大気はなく、浸食作用がないので、クレーターなど、誕生当時の姿がそのまま残っている。

金星
  • 金星

半径6000kmで、地球とほぼ同じ大きさである。大気の96%を二酸化炭素が占めていて、気圧は90気圧である。二酸化炭素の温室効果により、表面温度は水星より高い460℃にもなっている。このような環境では、液体の水は存在できず、気体の水も紫外線によって水素と酸素に分解され、宇宙空間に逃げていってしまう。火山活動による地形は見られるが、地球のようなプレート活動は存在しないと考えられている。

火星
火星表面の地形
  • 火星

半径3400kmで、地球の約半分である。重力が小さいため、気圧は0.006気圧程度である。大気のほとんどが二酸化炭素であるが、僅かなため、温室効果が小さく、また、太陽から遠いため、平均気温は-58℃である。自転軸の傾きも自転周期も地球とほぼ同じなので、季節変化もみられる。火星には、二酸化炭素が凍った極冠といわれる場所がある。極冠は季節によって大きさが異なる。 また、火星の地形には、浸食の跡がみられ、過去には液体の水が存在したと考えられる。

木星型惑星の特徴[編集]

木星
  • 木星

太陽系最大の惑星である。半径が地球の11倍以上で、大気の90%が水素、10%がヘリウムである。これは、太陽の化学組成に近い。木星のような木星型惑星は岩石や氷の周りにヘリウムを主成分としたガスが取り囲んでいるのが特徴である。木星には縞模様が見られ、明るいところが上昇気流、暗いところが下降気流である。木星には大赤斑という大きな渦があり、160年近く存在し続けている。

土星
  • 土星

太陽系で最も密度の小さい惑星。半径が地球の9倍ほどある大きな惑星だが、水素が96%を占めるため、もし土星を水に浮かべたら浮いてしまうほどである。土星にも木星のような縞模様が見られる。また、氷や岩石でできたリングがある。このようなリングは、木星型惑星ではどの惑星でも観測されているが、土星のそれは特に顕著である。土星の衛星のひとつにタイタンという衛星があり、濃い大気を持っている。その表面にはメタンの海が広がっていると推測されている。

天王星
海王星
  • 天王星と海王星、冥王星

半径が地球の4倍程度で、大気は水素がやや少なく、メタンやヘリウムが多い。そのためやや青っぽく見える。太陽系の最も外側の冥王星は、地球型惑星にも木星型惑星にも属していない惑星であったが、今では準惑星として扱われる。太陽系で唯一惑星探査機が近づいていないので、詳しいデータはわからないが、メタンの凍った表面を持っていることがわかっている。また、軌道が変則的であり、海王星の内側にくることもあるなど、他の惑星とは、異なった特徴を持っている。冥王星の外側には惑星を構成できなかった微惑星が沢山存在していると考えられている。

生命の生まれる環境[編集]

現在まで、地球が生命の存在を確認できている唯一の惑星である。太陽系の中では、金星と火星が似たような特徴を持っているが、金星は温室効果で水が蒸発し、失われてしまった。逆に火星は温室効果も少なく太陽から遠いため水も氷になってしまった。一方、太陽から適度な距離にある地球は水が液体として存在し、二酸化炭素が液中に溶け込み、適度に温暖な環境を維持できたのだ。

地球

大気と熱収支[編集]

地球の周りの大気の層を大気圏といい、上に行くに連れて薄くなり、宇宙空間までつながっている。単位面積に係る大気の重さを気圧という。1気圧は1013hPaで、水銀柱760mmの圧力に当たる。大気は、700kmほど上空まで広がっており、これより上はだんだん希薄になり、宇宙空間となる。大気の密度は地表付近で最も高く、高い山などでは低くなる。また、大気圏は温度変化の様子によって、いくつかに分けられる。

  • 対流圏 - 高度約11kmくらいまで。気象変化が起こる。高度が上がるにつれて気温は下がる。成層圏との境を圏界面という。
  • 成層圏 - 高度11kmから高度50kmくらいまで。ジェット機などはここを飛んでいる。ここにはオゾン層があり、紫外線を吸収している。この成層圏から温度は徐々にあがる。
  • 中間圏 - 成層圏の上80kmくらいまでの場所である。この層で、宇宙からの塵が燃えて流れ星として観測される。
    • 夜光雲 - 熱圏との境目付近には、夜光雲という雲が観測されることある。雲が通常発生するのは、対流圏だが、この雲は、熱圏との境目付近の水蒸気に太陽光が反射した物である。発見されたのは19世紀で、人間の活動によってメタンや二酸化炭素が増え、熱圏との境目付近の温度が非常に下がって発生する。
  • 熱圏 - 紫外線を吸収し、温度は高い。この外は外気圏とよばれる。
    • オーロラ - 熱圏に発生。太陽からの帯電微粒子が空気中の分子や原子に当たって発光する現象。

大気の成分[編集]

窒素が78%を占め、酸素が21%である。残りはアルゴンが0.9%、0.03%が二酸化炭素、0.002%がネオン、0.0005%をヘリウムが占める。また、水蒸気は場所によって変化し、空気中の3パーセントを占めることもある。

太陽からの放射[編集]

太陽とは、半径696000kmの恒星である。中心は非常に高圧で、水素原子核がヘリウム原子核に変化する核融合反応を起こしている。表面温度は6000K程度である。太陽から出てくる放射エネルギーは、可視光線(波長0.4〜0.7マイクロメートルの電磁波)が中心で、紫外線、赤外線もそれなりにあり、わずかだがX線、マイクロ波なども混ざっている。地球が受ける太陽放射のエネルギーを日射という。大気圏上面で太陽に直角な1平方メートルの面が単位時間に受ける日射量(直達日射量という)を太陽定数という。その値は、1.4kW/1平方メートルである。その半分は、大気中で吸収されたり反射したりする。地球全体が受ける日射量をEとすると、Eは、太陽定数×地球の断面積(4πr^2)である(地球の半径をr、円周率をπとした)。具体的には、E=1.77×10^14kWである。

地球放射と温室効果[編集]

  • 地表付近の温度 - 288k(15℃)→地球放射(赤外線)は大気中の温室効果ガス(水蒸気、二酸化炭素など)により、95%が吸収される。残りの5%は大気外に逃げる。

熱が大気圏外に逃げない状態を温室効果という。近年は温室効果により平均気温が上がりつつある。

地球の熱収支[編集]

太陽放射のうち、地表に到達するのは約50%である。地表で吸収されたエネルギーの内、赤外放射によって直接大気圏に戻されるのはごく一部に過ぎない。大部分は温室効果で大気中に戻されるが、結局大気圏外に放射される。したがって、地球全体としたら得たエネルギーと放出されるエネルギーは釣り合っている。しかし、局地的に見たら赤道付近は日射量は多く、極付近は、少ないはずだが、赤道付近は非常に暑く、極付近では、寒くならなければならない。(地表の1平方メートルが受ける日射量をIとし、直達日射量をIoとするとその関係は、I=Io×sinθとなる。)しかし、そのようにはなっていない。これは、熱の輸送が起こっているためだからだ。

大気の大循環[編集]

高緯度と低緯度では、日射量と地球放射量が逆転するので、熱の輸送が起こる。赤道付近と極での対流が起こると考えられるが、実際は転向力(コリオリの力ともいう)が働いているため、大きく分けて3つの循環ができる。

  • 貿易風循環 - 赤道付近で大気が上昇し、転向力のため、西よりの風になり、緯度30度付近で下降する。その下降する場所を亜熱帯高圧帯とよぶ。下降した大気は、2つに分かれて極方向と赤道方向に分かれ、極方向の力は転向力によって、東よりの風になる。これを貿易風という。
  • 極循環 - 極地方では、大気が冷えて下降し、極高圧帯ができ、ここから吹いた風は、コリオリの力によって東よりになる。これを極偏東風という。
  • 中緯度循環 - 亜熱帯高圧帯から地表付近を極方向に向かう風は、転向力によって西風にかえられる。これを偏西風という。偏西風帯の上空は強い西風、いわゆるジェット気流が吹いていて、特に日本付近に11月頃ふくものは世界でも最も速い物となる。

コリオリの力[編集]

コリオリの力

コリオリの力とは、中学で習った転向力と原理は同じで、地球が自転しているために、地球の自転と一緒に地表にいる観測者にとっては、北半球の場合、運動している物体が進行方向に対して右向きに曲がる様に見える、(「物理」科目でいうところの)見かけの力 の現象の一種である。

なお、右図では円盤によってコリオリの力の原理を説明したが、実際の地球は円盤ではなくて球形に近い立体物なので、北極・南極に近い高緯度地方ほどコリオリの力が強く、赤道ではコリオリの力は0(ゼロ)になる。

なお、コリオリの力の向きは、北半球の場合に、進行方向に対して右向きである。南半球では、コリオリの力は、進行方向に対して左向きになる。

またなお、コリオリの力の大きさは、速度にも比例する。また、このため、上空では一般的に風速が大きくなるので、上空の風についてはコリオリの力を無視できない。


  • 地衡風

上空の風を引き起こす力は、気圧の差による力(「気圧傾度力」という)と、コリオリの力との、2つの力である。上空では、地面の摩擦の影響が無いため、上空の風には摩擦力は掛からない。

重要な事として、この2つの力(気圧傾度力とコリオリ力)の向きと、風速の向きとは、ほぼ違っている。基本的に、気圧傾度力とコリオリ力の力の大きさは釣り合っており、風速はそれら2つの力の向きに垂直である。

このような風を地衡風(ちこうふう)という。



地上風の向き

いっぽう、地上付近では、摩擦力の影響により、地上風とそれに掛かる力とは右図のような関係になっている。


季節風[編集]

地上の風は、季節によって変化することが多い。冬は大陸、夏は海洋に高気圧が発達する。北半球は陸地が多く、季節変化がはっきりしている。陸と海のバランスによって季節風の大きさが違う。

    • 陸地 - 比熱が小さい - 高温 - 低気圧
    • 海洋 - 比熱が大きい - 低温 - 高気圧

したがって、海洋から陸地に季節風が吹く。

  • 冬は逆になる。

局地風[編集]

1日周期で吹く風である。昼は、陸地が高温で、海が低温のため、海風が吹く。夜は、陸地が低温で海が高温になるため、陸風がふく。海風と陸風が変わるとき、一時的に風が止まることがある。これを朝凪、夕凪という。

気象変化とその要因[編集]

私たちの日常生活に深く関わっている気象について考えてみよう。

空気の動きと雲[編集]

空気は暖められると上昇して、冷えると下降する。空気の塊(空気塊)が上昇すると、上空は気圧が低いので空気塊は膨張して冷える。この温度が下がる割合は、 -1℃/100mで、これを乾燥断熱減率という。上昇して、温度が下がると、やがて露点に達し、水滴ができはじめ、雲ができる。このとき熱が放出されるので、割合は、-0.5℃/100mとなる。これを湿潤断熱減率という。このように雲は上昇気流のあるところに発生し、そこは低気圧となる。逆に空気塊が下降すると雲は消えてしまう。この場所は晴天であることが多く、ここは高気圧となる。

フェーン現象

空気が上昇する場合は、

  • 日射によって地表が暖まれた場合
  • 低気圧の中心付近
  • 風が山に当たった場合 - 山の反対側に吹いた風が乾燥して高温になる現象をフェーン現象という。
  • 前線

前線とその種類[編集]

  • 温暖前線 - 暖かい気団からの気流が寒冷な気団にぶつかる場所。300から500キロメートルにしとしとした穏やかな雨を降らせる。層雲などの雲ができる。
  • 寒冷前線 - 寒冷な気団からの気流が暖かい気団にぶつかるところ。70キロメートルほどの範囲に強いにわか雨を降らせる。積雲などの雲ができる。前線通過後は北(南半球では南)よりの風に変わり、気温が下がる。
  • 閉塞前線 - 寒冷前線が温暖前線に追いついたところ。
  • 停滞前線 - 寒冷な気団と暖かい気団がぶつかった時、その勢力がつりあった場合にできる前線。長期にわたる雨を降らせる。

雲と雨[編集]

  • 雲粒 - 雲の粒子(水滴・氷晶)
    • 中心核 - 土壌微粒子・塩の微粒子

雲粒が成長し、1mm前後の雨粒、雪の結晶となる。氷晶を含む雲を冷たい雨、含まない雲を暖かい雨という。

日本の天気[編集]

日本には一年を通じて、変化に富んでいる。

気団の種類[編集]

  • シベリア気団 - ユーラシア大陸東部で発生。冷たく、乾燥している。主に冬。
  • オホーツク海気団 - 千島列島付近で発生。冷たく、湿っている。梅雨や秋
  • 小笠原気団 - 太平洋で発生。湿っていて、暖かい。主に夏。
  • 揚子江気団 - 揚子江で発生。暖かくて乾燥している。主に春。

冬の天気[編集]

冬、シベリア高気圧から千島方面に発達している温帯低気圧に寒気が吹き込む。これが、北西季節風であり、このときの状態を西高東低という。乾燥した空気は、日本海で湿気を含み、日本海側に雪を降らせる。そして、太平洋側で乾燥する。

春の天気[編集]

2月ごろになると海洋と大陸の温度差が小さくなり、季節風が弱まる。そして、3月下旬頃低気圧と高気圧(移動性高気圧)が交互に通過する。低気圧が日本海側を通過し、南風が吹くようになる。特に春先に吹く強い南風を春一番という。

梅雨の天気[編集]

梅雨は、東アジアに特徴的な現象である。梅雨前線という停滞前線の一種が通過する。オホーツク海気団が優勢となる。

夏の天気[編集]

北太平洋高気圧が日本全体を覆い、天気は快晴が多い。このとき弱い南風が吹き、南高北低型の気圧配置となる。

台風[編集]

夏から秋にかけて発生する熱帯低気圧で、風速が17.2m毎秒以上の物である。 台風の渦巻きは北半球では左巻き、南半球では右巻きである。そのため進行方向の右側では風速に加えて進行速度が加わるので風速は大きくなる。

参考文献[編集]

この記事の作成にあたっては、下記の書籍を参考にした。

  • 大田次郎・山崎和夫編 文部科学省検定済教科書『高等学校理科総合B - 生命と地球』 - 啓林館 2004年度版