高等学校化学I/芳香族化合物/ベンゼン

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芳香族化合物 ベンゼン 芳香族炭化水素 フェノール類 芳香族カルボン酸 アニリンとアゾ化合物
ベンゼンの分子模型

ベンゼン(C6H6)は最も単純な構造を持つ芳香族化合物である。6つの炭素原子が正六角形に結合し、その外側に水素原子がひとつずつ結合した構造をもつ。これら12個の原子はすべて同一平面上にある。

ベンゼンの構造式は下のように2通りに書くことができる。

ベンゼンの構造式

この構造式を見ると炭素原子間の結合は二重結合と単結合が繰り返されているように思えるが、実際には、炭素原子間の6つの結合はすべて等価であり、単結合と二重結合の中間の性質を持っている。この特徴的な炭素原子の六角形の構造をベンゼン環と呼び、ベンゼン環 または ベンゼン環 と略記する。この教科書では、どちらを用いることもある。

[編集] 性質

ベンゼンは次のような性質を示す。

  • 芳香がある、揮発性の液体。
  • 人体には有毒。
  • 水より軽く、水に溶けにくい。
  • 多量のすすを出して燃える。
  • 有機溶媒として多く用いられる。
ヘキサクロロシクロヘキサン

ベンゼン( ベンゼン )は一般の環状不飽和炭化水素とは異なる性質を示す。例えば、シクロヘキセン( シクロヘキセン )は二重結合を持つため、臭素などを加えると付加反応が起こる。一方ベンゼンは、付加反応を起こさないため、臭素水を加えても色が消えることはない。しかし、紫外線を照射すると塩素と付加反応を起こし、ヘキサクロロシクロヘキサンを生じる。

[編集] 反応

ベンゼンは置換反応をよく起こす。

スルホン化(スルホ基での置換反応)
濃硫酸にベンゼンを加え加熱すると、水素原子がスルホ基に置換され、ベンゼンスルホン酸を生じる。
ベンゼンスルホン酸の生成
ニトロ化(ニトロ基での置換反応)
濃硫酸と濃硝酸の混合物(混酸)にベンゼンを加え加熱すると、ニトロベンゼンを生じる。
ベンゼン + HNO3ニトロベンゼン + H2O
ハロゲン化(ハロゲン原子での置換反応)
p-ジクロロベンゼン
ベンゼンに触媒を用いてハロゲンを反応させると、置換反応が生じる。例えば塩素を反応させると水素原子を1つ置換してクロロベンゼンが生じる。
クロロベンゼンの生成
クロロベンゼンはさらに塩素を付加して、パラジクロロベンゼン(p-ジクロロベンゼン)を生じる。これは昇華性がある固体であり、防虫剤として用いられる。

付加反応はほとんど起こらないが、高温高圧下で触媒を用いると、水素を付加してシクロヘキサンを生じる。

ベンゼンの付加反応
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