高等学校化学I/金属元素の単体と化合物/典型金属/アルミニウム
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| 金属元素 | アルカリ金属元素 | 2族元素 | 典型金属 | 遷移金属 |
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| Al | Zn | Sn | Pb | Cd/Hg |
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[編集] アルミニウム
アルミニウム(Al)は銀白色の軽い金属である。展性や延性が大きく、薄く伸ばしたものはアルミホイルとして一般家庭でも用いられている。その他アルミニウムを含むものは身の回りに多く存在する。たとえば宝石のルビーやサファイアはアルミニウム酸化物が主成分である。アルミニウムやマグネシウムを主成分とする合金であるジュラルミンは軽量かつ強度が高く、航空機に用いられている。アルミニウム自体も、アルミ缶や1円硬貨に用いられている。
このようにアルミニウムは広く用いられているが、工業的にはボーキサイトを濃い水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、水を加えて酸化アルミニウム(Al2O3)とし、氷晶石(Na3AlF6)を加えた上で融解塩電解して製造される。
- Al3+ + 3e- → Al↓
アルミニウムは3族の元素であり、価電子を3つ持つため、アルミニウムイオンを還元して単体とするために多くの電子が必要となる。したがって、アルミニウムの製造には大量の電力が必要となる。
製造の過程で得られる酸化アルミニウム(Al2O3)は水に溶けにくい白色の固体である。アルミナとも呼ばれ、融点が非常に高いことから耐熱材として用いられる。氷晶石は、この融点を降下させるために用いられる。酸化アルミニウムの結晶のうち、ごく微量のクロムやチタンなどの金属が混入したものは、赤いルビーや青いサファイアといった宝石として知られる。
アルミニウムはテルミット法により他の金属を得る際にも用いられる。アルミニウム単体の粉末と他の金属酸化物の粉末を混合し加熱すると、アルミニウムが酸化され、金属酸化物が還元され、金属単体が得られる。たとえば酸化鉄(Ⅲ)とアルミニウムを混合して加熱すると、鉄が得られる。
- 2Al + Fe2O3 → Al2O3 + 2Fe↓
アルミニウムは両性元素であり、酸とも塩基とも反応して水素を生じる。たとえば、塩酸と反応して水素を発生しながら塩化アルミニウムを生じる。
- 2Al + 6HCl → 2AlCl3 + 3H2↑
また、水酸化ナトリウム水溶液と反応して、水素を発生しながらテトラヒドロキソアルミン酸イオンを生じる。
- 2Al + 2NaOH + 6H2O → 2Na+ + 2[Al(OH)4]- + 3H2↑
しかし、アルミニウムは濃硝酸に溶けない。これは、反応開始直後に金属表面に緻密な酸化被膜を形成し、反応が金属内部まで進行しなくなるためである。このように、反応が進行しない状態を不動態という。
アルミニウムイオン(Al3+)の水溶液は無色透明である。これに水酸化ナトリウム水溶液を少量加えると、水酸化アルミニウムの白色ゼリー状沈殿を生じる。
- Al3+ + 3NaOH → 3Na+ + Al(OH)3↓
しかし、水酸化ナトリウム水溶液を過剰に加えると、沈殿は溶解して無色の水溶液となり、テトラヒドロキソアルミン酸イオンを生じる。
- Al(OH)3 + NaOH → Na+ + [Al(OH)4]-
テトラヒドロキソアルミン酸イオン水溶液に塩酸を加えると、逆に水酸化ナトリウムの白色沈殿を生じ、過剰に加えれば塩化アルミニウムを生じる。塩化アルミニウムは潮解性のある白色の固体であるが、水に溶けやすく、電離してアルミニウムイオンを生じる。
- [Al(OH)4]- + HCl → Al(OH)3 + H2O + Cl-
- Al(OH)3 + 3HCl → AlCl3 + 3H2O
このように、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)は酸とも塩基とも反応して溶けることのできる、両性水酸化物である。
アルミニウムを含む化合物の一つに硫酸カリウムアルミニウム十二水和物(AlK(SO4)2・12H2O)がある。広く一般にはミョウバンと呼ばれ、結晶は無色透明で正八面体形をしている。これを焼くと、無水物である焼きミョウバンが得られる。ミョウバンは温度による溶解度の変化が激しく、低温の水には少量しか溶けないが、温度を上げるとよく溶けるようになる。
ミョウバンを得るには、硫酸カリウム水溶液と硫酸アルミニウム水溶液とを混合して冷却すればよい。このようにミョウバンは複数の塩から作られる複塩である。